第4話 深まる苦境 Leveraged
監督/Kevin Bray 脚本/Nora Zuckerman
Lilla Zuckerman
【これまでのあらすじ】
マイクはギリス産業のCEOのウォルターに勝てる保証はないが
でも絶対に裏切らないと語る。ローガンはマイクに一時的停止
命令で反撃。ローガンは明日の朝までにマイクが諦めた証拠
を見せなければ探偵を雇って彼を破滅させるとハーヴィーに
告げる。レイチェルはマイクへの個人攻撃を辞めてと
ローガンに告げる。良い人になって私の頼みを聞いてくれ
なんて言っていない。「あの時の借りを返して」と。
エリック・ウッドオールがマイクの元へ。ニューヨーク州の
南部地連邦検事補だろうと語る。ジェシカは証券取引委員会
はいつから法律事務所を脅すようになったのかと告げる。
マローンは来週からウッドオールがウチに来ることになった
という。クライアント7社が召還されていると。明日一気に
来るというマローン。
■ストーリー
・ドナはアポ無しでシドウェル投資グループに行く。
エイミーはドナがマイクのオフィスに入るのを止めるが・・
ドナはマイクに対してハーヴィーにテープを渡して許されても
私は許さないという。ギリス産業にバラした彼も悪いが、
でも私が個人的に話した事を悪用するなんてハーヴィーでも
しないという。最低だと。あなたは事務所を辞めて私から
離れてもずっと友達だと思っていた。これじゃもう終りねと。
マイクは謝罪する中お詫びの品は受け取ったか?と。見ても
居ないとするが、エイミーからはバレンシアガのバッグ・
フラッシュタウン・ダークグレー・外ポケット付きだと言う。
あなたのチョイスねと語る。ゴメンと告げるマイクに対して
ハーヴィーと闘うのは良いが私を裏切らないでと語る。
・ハーヴィーはウッドオールの元へ
朝7時からなんだというウッドオールに対して、朝起きたら
玄関にこんなものが来たという。君のところの大口クライア
ント7社が召還されたとは面白そうだと。私はその件は知らな
いというウッドオール。オレが怖くて裏から手を出したろと。
またクビになるのが怖いのか?とハーヴィーは語る。私が職権
乱用で君を潰しに掛かったと言わせたいのか・・ブライアン・
ハリスにウチの事務所を調査させたのはあんただと。あの部署
を動かす権限は私にはないという。ショーン・ケイヒル
(Neal McDonough)が責任者だとすると独断で彼がたまたま
ウチを狙ったというのか?とハーヴィ。彼は腐った弁護士を
かぎ分ける能力に長けているという。司法省に一緒に居たから
あそこは仲間を守る組織だと。司法省が守るならあんたは
クビになっていないという。
ジョナサンはマイクをオフィスに呼ぶ。
取引記録では10万株をギリス産業株に買い足ししたことの
説明を求められる。購入した資金は?と問われ信用取引
(シドウェル投資グループを担保に金を借りるというもの)
のだという。その権利が僕にはあるからというと、ジョナサン
は私に無断でやったなと語る。君がウチに来てこう言う度胸
を見せるのを待っていた。ハイリスク・ハイリターン。
やっと投資銀行家らしくなったなと言われる。必ず仕留めろ
と言うが一週間以内にウチを担保から外さないとクビだと
言われる。
ハーヴィーはジェシカからマローンのオフィスに呼び出され
る。マローンは何故ウッドオールの家に行ったのかと
問われ馬鹿なこと(刺激すること)だけはするなという。
ハーヴィーはウットオールなんて怖くないというがジェシカ
は私は怖いという。ハーヴィーに対してこれはマローンの案件
だとし、この為に彼を雇ったのだからあなたは手を出さない
でという。僕らを負っているのがウットオールではないこと
が分かったという。相手はショーン・ケイヒル。マローンは
そんなのは知っているというと、ハーヴィーは全部オレの
クライアントか狙われているのだという。安心させなければ
ならないんだというと、ハーヴィーに対してクライアントの
対応と証券取引委員会との件は別よとジェシカ。しかし狙いは
僕だという。マローンを雇いたがったのはハーヴィーでしょ
とし、あなたは見ていてとし担当はあくまでマローンだと
釘をさされる。
エイミーはマイクに狙い通りに行っているかと尋ねる。
一週間以内に新しい投資家を見つけなきゃクビだと。
ジアノプロス(Rob Stewart)と面会を取り付けてというと
早く資金源を見つけないといけないと。マイクがクビなら
私も辞めるというエイミー・・・しかし冗談だとし私は
エプスタインが秘書にしたがっているのだという。
レイチェルのオフィスにローガンが来る。
買収の進捗状況ならハーヴィーに聴いてという彼女。
その話ではないとしここに資料が5社分あること。次の買収
候補として誰かに”法律的観点”から評価して欲しいのだとい
う。「反則技なんか使って自分の将来に傷をつけるな」と
ハーヴィーに言われてから新たなプランを考えようと思って
いるという。ハーヴィーは忙しそうだから・・僕は君の為に
マイクの件で手を引いたのだという。するとレイチェルは
何時までも貸し借りをするのか?と問う。ローガンは金曜日の
取締役会までに準備したいのだという。僕の弁護士になって
くれないか?とローガン。
ハーヴィーはルイスのオフィスへ。
力を貸してくれとハーヴィーは彼に頼む。するとルイスは
何故かちょっと待ってくれと語ると一瞬の静寂の後に答える
ルイス。今の間は何か?神に感謝していたのだという。
ジェシカを倒すのか?それともマローンをクビにするのか?
というルイス。マイクがギリス産業の株をまた2%買ったの
だという。資金調達に苦労しているハズだなというと、
【一時的停止命令の解除】だろう?とルイス。判事に嫌われて
いるから私に頼みに来たのだろうと。ハーヴィーは何で分か
ったのか?とすると君の敵はリストにしてあるからだと。
マイクなんて赤ん坊だというルイス。気を反らすのが狙いだ
がアイツが準備してないとも限らないというハーヴィー。
「どうせ弟子は師匠には勝てないさ」とルイス。ラルフ・
マッチオもミヤギには勝てないだろうとルイス。
映画「ベスト・キッド」を知っているのかとハーヴィーは
驚くと、ルイスはあの映画で見せた攻撃のポーズを見せる。
■感想
ここで働くものたちは頭が良くて知識が詰め込まれている
ものたちだが、どんなに理論武装していても、どんなに経験
が有り度胸が座っていても、感情によって揺さぶられること
が多い。これが人間らしさって所でしょうか。
こういう所で闘っている人たちにとっては相手に弱点を
掘り下げられてしまうことが命取りになり、だからこそ
ハーヴィーのような鉄仮面がある意味正しい選択のようにも
感じる。
クライアントのことが本題で有るのは、そこにはここで
働くものたちの因果な関係、恋愛的感情など個人間の問題が
抽出され渦巻くモノが有り、その結果クライアントが
不利益を被るとなればまた問題だ。
興味深く描かれているのは、一見するとどのエピソードも
それぞれの仕事をこなして独立しているが、実際には一本の
線で繋がっている。
諸悪の根源はピアソン・スペクターが成長する際に汚い
ことをしてきたことへのツケなのか。それともハーヴィー
そのものが勝つために汚い事をしてきたことが原因なのか。
勝利し続けているものに対するやっかみなのかは分からない。
それぞれの人が発している言葉は全て自分に降りかかってくる
ものがある。
マイクはルイスの扱いには慣れている。ルイスもマイクには
負けないと思っている奢りが有る。マイクはルイスが感情的
になる弱点を知っているのでそこをついて攻撃してきた。
マイクだってレイチェルのことになれば感情的にはなるのだ
が今回はその流れは加味されず、寧ろレイチェルとローガン
側の綱引きだけで物語が進んだ。
■それぞれの流れ・それぞれの弱点
戦略と称して今回はそれぞれに汚い手を使っていた。
ただ全てが戦略とは言えずプロとして徹しているのに相手が
誤解しているケースがあるので厄介だね。
ドナは仲介役に徹しているけど、こんなにドナが関わって
くるケースというのも珍しいな。
・マイクとルイスとハーヴィー
ギリス産業を巡る争い。
まずはマイクはドナから友達として話を聞いたことを使って
ハーヴィーへの対抗策に利用した。
その件ではドナが相当怒っている。オフレコで話した内容を
自分の為に利用したから。でもドナも現金なことにバッグに
魅せられた(笑)流石ですドナ様。
マイクが株の買い足しをしていた為に、ハーヴィーはルイス
に頼んで対策を講じてもらう。そこにはばかるのは先日の
件で”一時的停止命令”の問題が有る。ハーヴィー自らが
判事に訴えれば良いのだがどうやら嫌われている為に
ルイスにそれを頼んだ。
素直に闘えばルイスが勝利していた流れみたいだったが、
マイクはルイスが感情的になりやすいことを知って証拠を
偽装しシーラが婚約しただの散々彼の平常心を失う工作を
行った。その結果大失敗して、ルイスはハーヴィーへの信頼
感を失うこととなった。
エイミーは停止命令の解除請求をしてきたのはロイス・リッ
トという女だと語っていたけど、性別を間違えるような名前?
ルイスは反撃とばかりにマイクが資金難に陥っているのを
知り、その資金をジアノプロスに頼もうとしていることを
知る。マイクはジアノプロスの右腕だったジョナサンの元で
働いているが、マイクが入れ知恵したことでジョナサンが
辞めたことを知って門前払いにした。
マイクとルイスが語り合うシーンがある。
マイクは戦略だとしていたけど、ルイスが語ったことは戦略
とはいえ嘘ではない。逆にマイクは平気で嘘をついてルイス
のことを傷つけている。
マイクはルイスから「行動には結果が伴う」としてマイクに
言われた君の行動が招いた結果である事を告げた。
マイクはフォースマン(Eric Roberts)という人物に投資話
をぶつける。ハーヴィーの敵だという事を知っていた為に
彼の名を出せば対抗意識から投資してくれると思ったのだろ
う。【ディストレスト債権】に手を出す気は無いとされた
が、ボスが誰かを聴かれ、その途端に金を出すことになった。
ただ懸念すべきことは「契約書ににはシドウェルをこの取引
かせ外すこと」。
この契約は相当後にカウンターパンチを喰らいそうなものが
有る。最後にハーヴィーがフォースマンから金を借りたことを
マイクに辞めるよう告げるが、彼は全く話を聞こうとしなか
った。
・ジェシカとマローン
事務所のクライアントが7社召還されてしまった。
ハーヴィーは全ては自分のクライアントなので責任を持とう
とするが、マローンの事はこの時の為・・証券取引委員対策
に使う為に雇ったのだ。
ジェシカはマローンの間にはこの時点ではプロ意識で対峙
していた。
当初はこの件にはウッドオールが関係しているのかと思わせた
が、実際にはショーン・ケイヒル (Neal McDonough)だった。
しかしウッドオールが狙っていたピアソン・スペクターを
そのままケイヒルが狙うのは偶然とは言えできすぎている。
証券取引委員が一日7社を訴えるのはこれまで一度もないこと。
それを口にするが、ワイルデン事務所は9社、イキャデンは
8社、クラバスは6社訴えている事を告げる。
ケイヒルはマローンが証券取引委員会をクビ直前だったこと
に言及。後に話を聞いたら証券取引委員会のブライアン・
ハリスからピアソン・スペクターを狙う様に示唆されていた
為に、それを拒否したことが解雇されそうな原因だった。
ホプキンス判事の元に法廷ではない所でマローン訴えを
起こした。法廷で話せば証拠がないので下手すれば偽証罪に
なってしまう。そこで内部情報の開示を求めるが連邦法
で保護され開示できないと言われる。その為に訴追された7社
がピアソン・スペクターを辞めた後に証券取引委員が取り下げ
たならば法廷を利用したことになるとして重罪であることを
相手に意識させた。
ピアソン・スペクターとしては悪意訴追で訴えを起こす。
本来はこれ以上追求する必要は無かったが、実際にはマローン
は取引のためにケイヒルと会ってしまう。そのことでケイヒル
自身を助けるハメになってしまった。
・ハーヴィーとルイス
ルイスはシーラの件で一度は失敗。しかしジアノプロスの件で
は出資させないようにストップさせた。ハーヴィーは自分で
まいた種なのだからルイスに礼を言う必要が無いとするが、
ドナの説得も有り、お礼を言いに行く。
しかしルイスはその前にマイクから、ルイスのアイデアの
お陰でハーヴィーの敵を捜せば出資金を出す人物が出てくる
ことが分かったとしてお礼を言われる。
感情的に対応したことでルイスは無駄なことを言ってしまった
訳だけど、結局の所別にルイスの責任ではないような気がする
んだよね。
先日はルイスはマローンに対して激怒して居たけれど、
今回はハーヴィーがルイスに対して激怒している。
「君にはもう頼まない」
「不公平だ。私は感情的で君は冷たいが君は愛され私は嫌わ
れている」
「オレがそんなに冷たいならそもそもここに来ていない」
■レイチェルとローガン
ここの所レイチェルは仕事だらけで無理なスケジュールを
こなしてイライラ。ローガンの事に関しては過去のことから
も、自分と二人きりの時間を作る為にこんなことをしている
のではないかと考えて居たが、ローガンはプロとしての
行動をレイチェルに求める。その事でレイチェルはローガン
が仕事に関してはプロだと考えるが、その後キスしようとした
ことでまだ恋愛的感情があることは見て取れた。
「ピードモント社再建の前途に幸アレ。」
■その他
・難攻不落のジェシカが落ちる?
「仕事では嘘をついても恋人としては嘘は付かない」。
そんなマローンの言葉を信じたのか、最後にジェシカは
映画DVDを持って彼の元に会いに云った。
因みに彼女が手にしていた映画は「イヴの総て」と
「レイジング・ブル」みたいですよ。
・チャールズ・フォースマンはどんな人?
6年前のフォーブスに「この魅せにキューバンコーヒーを
飲まなきゃ3時間以上持たない」と書かれたことがある。
「証券マンを何人も埋め立て地に捨てた」とも書かれている
という。
ハーヴィーとは63年式のアストンマーチンを巡って奪われて
恨みがあるとしていた。
しかしハーヴィーによると車の件でオレを恨んでいると
思ったら間違い。若い頃にヤツとヤバイ取引をして痛い目に
有った。必ず痛い目に合う。彼が見返りもなく金を出す男
ではないこと。
ちなみにこのエピがフォースマンの初登場のエピ。
S5の中盤までその影響を与えていくことになる。
■使用された曲
・Greenback Boogie by Ima Robot
・End Credits Theme
Written by Christopher Tyng
・Awake by Electric Guest
・All I Want by Dawn Golden
■出演者
マイク・ロス (Patrick J. Adams) 記憶力が天才的、SIGへ転職
ハーヴィー・スペクター (Gabriel Macht) 弁護士、シニアパートナー
ジェシカ・ピアソン (Gina Torres) 弁護士事務所”ピアソン”経営
ルイス・リット (Rick Hoffman) 弁護士、ハーヴィーのライバル
レイチェル・ゼイン (Meghan Markle) パラリーガル
ドナ・ポールセン (Sarah Rafferty) ハーヴィーのアシスタント
ジェフ・マローン (D.B. Woodside) 証券取引委員から転職
ローガン・サンダース (Brendan Hines) ハーヴィのクライアント
エイミー (Melanie Papalia) マイクの秘書
トニー・ジアノプロス (Rob Stewart) 投資家
ショーン・ケイヒル (Neal McDonough) 証券取引委員
チャールズ・フォースマン (Eric Roberts) 投資家、悪人
ジョナサン・シドウェル (Brandon Firla) SIG(シドウェル投資グループ)
エリック・ウッドオール …… 連邦検事/南部地区
フィリップ・ホプキンス (Allan Royal) 判事
(Greg Lanzillotta) 廷吏