第5話 アンドリュー・バーチ Episode #1.5
監督/Susanne Bier 脚本/David Farr
【ストーリー】
ローパーはジョナサンに対して仕組みを教えておくという。
【Du bist ein strohmann(かかし作戦)】だとし、かかし役
に偽名アンドリュー・バーチ(ジョナサン・パイン)だという。
君は冒険的商人として商売の実績が有り汚点は無く、評判も
良いし、オレと取引があるかないかは相手の想像次第。
そしてアホの元にいく。ブローカーはベンチャー企業か
賢くない銀行相手にオレが次のように言う。
「非常に賢いバーチ君には素晴らしい計画がある。ただし
金がいる。扱うのは農業機具で短期間で大儲け。私からの
贈り物だ。聡明でハンサム、そして然るべき人脈も有る。
逃す手は無い。会社の名前は「トレードパス」、4ヶ月後に
元手は倍になる。ローパーにお任せを」。会社の登録は
キプロスで銀行はスイスのジュネーブ。質問や経費提出も
無し。君はこの筋書きの主役。何を扱おうとダレも知らないし
気にもしない。興味は金だけ。取引内容は知りたがらず
知ったら眠れなくなる。金の出所は秘密だ・・オレと君の。
そんな中ジェドが会話中に部屋に入ってくる。仕事の話を
しているんだとローパーは退室させようとするが・・
トマス(仮名)ではなくアンドリュー(仮名)が仲間になったと
してジョナサンを紹介する。仕事に関係無い私は何て呼べば
良いのか?とジェド。ダニーが出発するので空港に来ないのか
とジェドに言われるがローパーは仕事が有って行けずに
済まないとダニーに語る。そんなダニーからローパーに絵の
プレゼントがある。絵の才能が有るなとして語るローパーに
ジョナサンも同調する。ダニーはトマス(ジョナサン)に
“またね、トマス”と語ると、ジェドは嫌みっぽくもうトマス
じゃないみたいよと語る。
■スペイン・マドリード / MADRID
アーポウは給仕のニコラス(Salvador Oliva)に静かなテーブル
を用意してくれと頼む。メルセデス(Marta Torne)はどうした
か尋ねると既に帰ったという。代わりにあの女性が待っている
とすると、そこに座っていたのはIEAのアンジェラ・バーだ
った。”何の用だ”というアーポウに対して座ってくれと語る。
恋人とイスタンブールに行くのか?と問うバーに対して、
アーポウは約束は守っただろうという。しかし彼女は眠れて
いるか?と問う。彼女はジョナサンが撮影したローパーの
取引記録を見せると、どうやってこれを手に入れたのかと
問う。内部の人間なのか?と問う中で、私はあなたの味方だ
というバー。その中にはコードネームと金額が書かれてある
とし参照ページもあるのかと問う。私たちが足りないのは
私の代わりに点と点を線に結ぶ人だという。これで最後
なのか?と問うと、バーは約束すると告げる。
夜中にジョナサンは寝ていると物音に気がつく。
すぐに隠れて包丁を手にする中、室内に来たジェドにナイフ
を向ける。一体何のマネだと、それはコッチが聞きたいとして
互いに不審がる。ローパーは?と問うと夕べ会議の為にスイス
のジュネーブに出かけたという。死ぬかと思ったわという
ジェドに良い考えだと思えないという。軽率な行動だったと
して謝罪するジェドだが彼の書斎で何をしていたのか教えて
と語る。ジョナサンは君と同じだよとし自分の雇い主の素性
を知りたかったという。私は雇われては居ないという彼女は
対等な関係だと語る。それは「仕事か?」「快楽でか?」と
問うと、「恋よ」というジェド。これは君の息子(ビリー)
なのかとして携帯で撮影した写真を見せる。どこに居るのか
と問うと姉が面倒をみてくれているという。何で自分で育て
ないのかと問うと、私は子供を産んだ時は17歳だったので
母にはなれないという。姉には子供がいて夫も良い人だった
こと。薬物とは無縁で息子には良い環境だったこと。ローパー
は知っているとすると、知られないように隠していたという。
ローパーが求めているものは全く違うからと。私は若くて
美しいというと、何でオレの元に来たのかと問うジョナサン。
自分でも分からないというジェド。あなたの狙いは何か?
オレに救いを求めても無駄だとしもう帰れという。ビーチを
通って隠れというジョナサン。すると帰り際に二人はキス
をする。誰かに聞かれたら
「眠れなくて散歩をしていたと言うこと。そして目撃者を
作れ。ローパーに優しくしろ、幸せを与えて信じさせる
のだという。」
どうするかは私が決めるわとジェド。
■ロンドン
IEAのレックス・メイヒューは自転車で通勤中に二台のバン
に横付けされ圧力を掛けられる。
バーはIEAのロブ・シンガルにジョナサンが手にしてきた
資料を見せる。トレードパス社へ投資した人たちのリスト。
左が名前で右が金額。ローパーは国防総省公認の武器を
3億ドルで買って投資には内容を知らせずにでも年率20%の
儲けを約束していること。ローパーが1年後に返すのは
3億6千万ドル。でもバーはここを見てくれというと、見積
もり販売価格はオークション形式だとし儲けは2億4000万ドル
になっていること。それもそうだという。
ここに書かれている「HALO/ヘイロー」と「Felix/フィリッ
クス」はダレだろうと。そんな中ロブの元にメイヒューから
電話が鳴る。彼はかなり怒っているとし、バンが幅寄せして
きたという。汚い連中だとしここはロンドンだぞと。
これは【ホワイトホール白兵戦】だとして命をかけるという
メイヒュー。予算を三倍にするが出所は聞くなと語る。何が
必要なのかとバーに尋ねると、情報の収集と分析に信頼
出来る人間を6人だという。ステッドマンを戻して私も加わる
というメイヒュー。心機一転だとすると、バーはこの資料を
見てくれと語る。「ヘイロー」と「フィリックス」ってダレ
なのか?とするが、分からないという。考えて見ると。
■スペイン、パルマ・デ・マヨルカ / PALMA DE MALLORCA
■MI6 (The River House)
■ロンドン大学・キングスカレッジ図書館
/ King’s College Library
■トルコ、イスタンブール / ISTANBUL
■トルコ、イスタンブール / ISTANBUL
■感想
シーズン1はこのエピソードを入れて残り4話。
ジョナサンがダニーの携帯を盗んでローパーの隠し部屋に
侵入して撮影した帳簿のような取引資料が国際執行機関員
(IEA)の元に渡り、作戦は順調かに思われるが、ローパーが
これまで嫌疑をかけられても証拠不十分で捕まって居ないと
いう事実が何処に有るのかという所が描かれたところだろう
か。
メイヒューもまたMI6のものたちによって圧力をかけられたり
したので怒ってアンジェラたちの作戦行動への捜査支援を
本格化させようとしている。
アンジェラがスペインの弁護士・アーポウの娘の死を利用して
これまで色々と解明しようとしていたみたいだけど、危険が
迫っていることを知ってアーポウを逃がそうとしたり、また
見つかった時にはアーポウに全ての責任を押しつけて、
ジョナサンの行動の継続を望んでいる。
■汚職まみれのイギリス政府機関
前回IAEが行う【リンペット作戦】のことを、ゴールトが
話していた所が有ったし、メイヒューに対してドロムグール
が作戦を引き継いでくれれば金を渡すようなことを言って
流れを阻止しようとしていた。
MI6が信用出来ないと思っていたけど、あの美人の上司の
事務次官(名前はパメラ)もまた繋がっていて、どうも
相当な汚職との戦いが待っていそうだ。
問題は潜入捜査官となっているジョナサンの正体がばれない
ことか。
■不確定要素は沢山ある
何よりも今回は作戦からハズされて留守番役になってしまっ
たコーキーがジョナサンに対して敵意を燃やしている。
ローパー不在の夜にジェドがジョナサンのゲストハウスを
尋ねてきたのを当然コーキーには見られている。
前回ジョナサンが上手いことローパーを誘導してコーキーを
追い出す事に成功したけど、今回はコーキー側に部が有る
のかと思った。
そのことをネタに脅されるのかなと思ったし、ロブスターを
巡る食事の時には暴露されるのかと思ったけど、一応バレる
ことはなかった。
また不確定要素としてはジェドがローパーを不審に思い、
その流れに対して急接近しているジョナサンに近づいて
いる事実も怖い所。
ジェドとジョナサンの視線はローパーが居る時にも分かる
くらいに見つめ合っているので、これまで慎重派である
ローパーに疑問を持たせるだけの要素はありそうだ。
そして何よりも二人は関係を持ってしまっている。
同じ日にローパーがジェドと寝れば分かる気がするんだけど
ね。先々週の「クイーン・メアリー」でカトリーヌと関係を
持った後のナルシスがローラからの誘いを断った時を
想像させるな。
■ホテル・マネジャー的対応スキル
今回は何と言ってもジョナサンの立場は良くなったり悪くな
ったりの所で右往左往した。
上述した様にロブスターサラダを食べたいとしたジェドに
対してウェイターは品切れを告げる。周りは海なんだから
取ってこいと威圧するコーキーとその場の険悪な雰囲気を
ジョナサンが上手く和ませた。
また今回の舞台はイスタンブールでの取引が行われる中、
銀行家やエルトゥン弁護士は署名がないので不審に思って
いるところをジョナサンが上手くフォローした。
■IAEの流れが味方に筒抜け
アーポウによるとMI6が汚職し、書類の中でも「最終使用者
証明書」の偽造を行っていることを語っていた。
・ヘイローとフィリックス
ヘイローとはドロムグールのこと。
フィリックスはロンドンのCIA、バーバラ・ヴァンドンの事
だった。バーバラは先週一度出ただけなので、次に顔を見ても
分からないかも知れないが・・
■現状掴んでいる情報
ローパーがアメリカとイギリスの兵器会社から密かに武器を
購入し、政府の誰かが協力していること。
500万ドルの金が動いていることを知り、それが上述した
ヘイローとフィリックスに該当しているようだ。
普通に売ると足が付くので武器の最終購入者をイタリアと
ブルガリアに変えている。
アンジェラたちはジョナサンが送って来た武器取引のデータ
を元に7件の武器取引が行われようとしていることが分かる。
その武器を乗せた船は3つのウチのどれか。
「ネメシス号」「マーキー号」「レイラ・ジェーン号」。
ローパーが作った架空企業のトレードパス社。
これを率いているのはジョナサンが扮するアンドリュー・
バーチ。
今回はイスタンブールで「ファラーゴ・ホールディングス」
が輸送を担当していて取引しようとしている。
・不確定要素
今回取引口座としてスイス銀行が利用され、銀行員が
虹彩認証していた。ジョナサンはその口座内容を見せて
欲しいと最後に頼んで見せてもらうと口座には300万ドル
くらい入っていた。ドルだったかユーロだったか見忘れた
けど。
ローパーはこの件で本気でジョナサンを使っているのかどうか。
ジョナサンに罪をなすりつけて逃走してしまうのではないか。
またイスタンブールに出発した後、深夜にジェドがジョナサン
に電話している。「すぐに切れ」と言っていたけど盗聴されて
いたりするのかな。
そして何よりもアーポウは殺されてしまったのだろうか?
更にメイヒュー側は自分達がジョナサンから受け取った資料
が流出したのか正確に掴んでいないところもまた怖い。
■使用された曲
・A Proper Villa by VICTOR REYES
・I Brought You Some Flowers by VICTOR REYES
・Suspicious Mind (Including End Credits) by VICTOR REYES
■出演者
リチャード・オンズロー・ローパー (Hugh Laurie) 武器業者の億万長者
ジョナサン・パイン (Tom Hiddleston) ホテルのナイトマネジャー
アンジェラ・バー (Olivia Colman) 国際執行機関員(IEA)
ロブ・シンガル (Adeel Akhtar) バーの部下・メガネ
レックス・メイヒュー (Douglas Hodge) バーの上司の外務省官僚
ジェド・マーシャル (Elizabeth Debicki) ローパーの愛人
フリスキー (Michael Nardone) ローパーの手下
タビー (Hovik Keuchkerian) 銃を持ったローパーの手下・ヒゲ
ランス・コーコラン (Tom Hollander) “コーキー”、ローパーの右腕
サンディ・ラングボーン (Alistair Petrie) ローパーの仲間
キャロライン・ラングボーン (Natasha Little) ラングボーン卿の妻
フアン・アポーストル (Antonio de la Torre) ローパーのスペ
イン人弁護士”アーポウ”
エレナ・アポーストル (Tabata Cerezo) 娘
ダニー・ローパー (Noah Jupe) リチャードの息子
メルセデス (Marta Torne) キャロラインと踊る
バーバラ・ヴァンドン (Sara Stewart) アメリカ大使館
パメラ (Emily Stride) 事務次官
(Katherine Kelly) IEAの秘書
ガードナー (Kevin O’Loughlin) IEA
グレース (Simona Brown) IEA、メガネ・黒人
パール (Buffy Davis) IEA、イスタンブールへ調査
ジョエル・ステッドマン (David Harewood) アメリカ国務省国務貿易管理係
ジョフリー・ドロムグール (Tobias Menzies) イギリス側
レイモンド・ゴールト (Jonathan Aris) イギリス側
ハリー・ポールフリー (Neil Morrissey) イギリス側
ニコラス (Salvador Oliva) マドリードのウェイター
(Bartholomew Cariss) テーラー / ジョナサンのスーツ仕立て
(Jorge Suquet) ボーイ長、ロブスターはありません
エルトゥン (Rami Nasr) トルコ人弁護士
メグス (Fueur Keith) 客室乗務員
(Gido Schimanski) スイス人銀行家、虹彩で承認登録
(John le Carre) コーキーがロブスターを奪い取る
ヘイロー (ドロムグール)
フィリックス (バーバラ・ヴァンドン)
トム・クィンス 偽名2
ジャック・リンドゥン 偽名1
アンドリュー・ステファン・バーチ 偽名3