第11話 新国王の戴冠 Succession
脚本/April Blair
監督/Charles Biname
【これまでのあらすじ】
エリザベスは妊娠したことをダドリーに話す。参ったなとし
君は未婚の女王なのに・・どうすれば良いのか?と。
メアリーの元にカニンガム卿が来る。市民がパニックだとし
我が国はスペインの後ろ盾が必要だと。しかしメアリーは
スペインはもう当てにならないことを告げる。君が心配だ
としてダドリーはエリザベスの元にやってくる。毒を盛られて
やってきたこと。異変を感じて流産だと分かり一人になれる
場所を探したのだという。バッシュは三つの心臓に殺しも三件
だとするとデルフィーヌはまた事件だとし犠牲者が出るという。
■ストーリー
城ではネズミ退治(Josh Cruddas)の為に従者がネズミを排除
しようとするとそこには遺体が埋められていた。
【シャルルの戴冠式】まで一週間。周辺の村は記念して祭典を
開くとしていることに喜ぶカトリーヌ。カトリーヌは
十分なパンとワインを全ての村に送るよう告げる。
しかし会見担当しているフルーレ卿(Keith Dinicol)は、
スコットランドへ遠征した兵士への保障もあるのに、戴冠式
では金を使いすぎていると忠告。しかしカトリーヌは
国王は注目すべき事物と世の中に出さないといけないのだと
いう。フランシスの喪に服する時は過ぎたとし我がヴァロワ家
が隆盛を極める時が来たのだという。その為にも派手にアピ
ールしないといけないという。
するとクリストフがやってくる。護衛隊になれたのは摂政
になったカトリーヌのお陰だとし今すぐにでも抱きたいと
してボタンを拾い話しかける。必ず埋め合わせはするとして
カトリーヌは今は忙しい事を語る。
食肉係(Christopher Jacot)に対して戴冠式で出す料理はと
問うと子豚500頭を用意するという。フルーレ卿は無駄な
出費だとしキジ料理にしろと言っただろうと。しかしブタ
でないと潰す作業がつまらないという。ブタならば悲鳴が
聞けるという。マトモな人間じゃないなと。
ナルシスがやってくる。カトリーヌはスピーチには私の書いた
原稿通りに読んでと語る。恥をかかせる気なのか。
確かに顧問会議では摂政の座が移ったのは痛快だったが、
これはあなたの指示を取り付けていると思わせるのが狙い。
大勢の場で褒め称えてと語る。
そんな中バッシュは城の地下でおぞましいものが見つかった
と報告に来る。
メアリーはスコットランド国では【宗教改革】が進んでいる
けどそれを主導しているのが指導者のジョン・ノックスだと
知る。彼は母と対立してた人で悩みの種だと語る。ノックス
の主張は侮辱的でカニンガム卿によると・・
・カトリックを敵視しているプロテスタントであること。
・【女性君主に対する蔑視】も含まれていること。
・彼は男性君主を求めて支持を集めていること。
この状況では帰国しても歓迎されないとカニンガム卿も語る。
でも女性がノックスのような男に対抗する方法はあるとし
それが【政略結婚すること】だというメアリー。各国
の高官が戴冠式に来るが何か収穫はないか?と問う。
恐らく方針の変更は必要だが【スウェーデンのエリク国王】が
式に出て后を捜しているという。エリク国王はプロテスタント
だとメアリー。異教徒と結婚すれば反カトリックの流れが
衰えるかも。女王は寛容だと示すことになるというカニンガ
ム。しかしメアリーはまたは立場の弱くなったカトリックの
女王よと。ノックスに屈したと思われるという。バチカンに
裏切りと見なされて支援を受けられなくなるという。イザと
いう時、金銭的、軍事的支援を頼めないと。譲歩しないと
帰る国が無くなるというカニンガム。取りあえず不穏な動き
のノックスをもう一人の女君主がどうみて居るか確かめると
いうメアリー。
シャルルはメアリーを捜していた。
戴冠式の入場では後ろで付き添って欲しいという。メアリー
は嬉しい申し出だが前国王の妻が入場の列に加わるしきたり
は伝統的じゃないという。でも君にもフランスがついている
ことが示せるというシャルルは、ボクが味方であることや
フランシスの遺志を継ぐにもメアリーのソバで王冠を授かり
たいという。
メアリーはイギリス大使・ギデオンと”久しぶり”に接触する。
公務以外での付き合いは辞めよう二人は語っていた。
女嫌いの独身者のジョン・ノックスはイングランドにとっても
脅威になる筈だというメアリーにギデオンも同調。エリザベス
女王もまた同様に思っているという。彼はエリザベスのことも
蔑視している君主の一人だというと、メアリーは手を組んで
対抗すべきではないかと告げる。ギデオンは同感だとして
共通の敵が居れば雪解けになるかも知れないことを告げ、
手紙を書くという。メアリーはローラの家族についても確認
して欲しいとし、ローラがイギリスに付いたら捕虜が解放
される約束だというのに音沙汰がない事を告げる。
エリザベスが別荘で静養の間は全ての業務はストップして
いる事を告げもうじき女王も城に戻ると語る。
メアリーは用件は以上よと語るとギデオンは話せて良かった
と語る。久しぶりに二人になれたこと。今まで外交上の交渉
事が無かったから・・あなたの方で何か話合いたいことが無い
ならば・・と。一つ確約を取りたいとして戴冠式で一緒に
踊ること。私たちは仕事だけの筈よと語るメアリーに、
一息ついても良いのではないかと。戴冠式なんてそもそも
気が乗らないだろうとギデオン。確かに複雑な気分がするのは
確かだとし少し前まで王妃として実権を得ていたのに、今では
居候の身・・・お飾りの女王よ・・しかも祖国スコットランド
でも同様だと。
そこに家庭教師(Maria Syrgiannis)と共に少女・アガサ
(Macy Drouin)がやってくる。家庭教師の女性があまりに
咳き込んでいた為にメアリーは医務室で治療を受けてきてと
語る。ギデオンはメアリーにアガサを紹介する中、アガサ
とギデオンの関係が上手くいっていないことを知る。
「何がいけないんだ・・・不機嫌な女王の相手は得意なのに」
とギデオンは語る。メアリーは自惚れない方が良いとして
あの子とは生まれた時から離ればなれなんでしょとし関係を
深める為には時間をかけないといけないことを語る。あなた
は今までアガサと何をしたのか?と。長い歳月を取り戻す為に
も城から出て一緒に楽しんできたらどうかというメアリー。
すると彼は何処に行く?としてメアリーに少女時代を思い出し
てあの子の好みを探り架け橋になってほしい事を告げる。
家庭教師を追い出したのは君だし・・と。
■感想
徐々に宗教絡みの問題で三国が入り乱れて気難しい状況に
なってきましたね。カトリックだのプロテスタントだの
陣取り合戦と化してきた。これぞ欧州の歴史って感じなので
しょう。前に書いたかも知れないが私は幼稚園こそキリスト
教系だったけどその時は何も知らず・・。日曜礼拝などで
よく使徒信条を牧師さんと一緒に唱えたのを覚えている。
あまり型に拘っていなかったのでプロテスタント系だったの
かな。
一番意外なのはギデオンっていい奴だったんだなってことか
な。で、いい奴だと思っている人は大抵悪さをする。
そして何と言っても人殺しが多すぎること。
全ては白日の下にサラされるとは思うけどそのタイミングが
このドラマの見せ所になっていきそうだね。
フランシスはナルシスのよって完全に脅されていたけれど、
カトリーヌもまた脅されてしまう運命にあるようだ。
しかしこの人の場合しぶといから何の心配もしてない(笑)
そして何と言ってもどの国でも女帝たちは男性社会によって
押しつぶされそうな圧力が有る。
力を持つ者はその力を誇示する為に大変な労力を要する所が
あるんだよね。
大抵色仕掛けで馬鹿を見るのは男性なんだけど、このドラマ
の場合異性で失敗するのは女性の方が多い感じだ。
■イギリスの問題
エリザベスに掛かってくる問題は相当なものだけど、この人
も女王に固執しなければ幸せな暮らしは出来るのではないか。
ダドリーの妻殺しの噂が未だに収まるところがなく一人歩き
してしまって留まるところを知らず近づくことすら出来ない。
エリザベスって嫌なヤツだけどもう少し周りに居る人の意見
を聞く耳を持てれば幸せに暮らせたのだろうな。
エリザベスの飲む紅茶に毒を入れた犯人は彼女が妊娠して
いることを知って居る人物ってことで条件的には限られてく
る。
ローラとエリザベスの間はとても関係が良好とは言えない。
当然ながら両親を人質にされている訳だからね。
エリザベス・・・だけでなくこの時代のイギリス人は不都合
な人物を幽閉しておくっていう所があるのだろうか。
ダドリーも妻を幽閉して置こうとしていたし、妻の両親も
そんな虐待をしていたようだった。
ギデオンもエリザベスによって幽閉されていた人みたいだけ
ど、この人の娘・アガサの母親っていうのが誰なんだろうね。
メアリーからスコットランドに於けるジョン・ノックス支配
に関連し、共同戦線の話を持ちかけられるエリザベス。
エリザベスはメアリーがスコットランドに戻りたい理由を
知りたいみたいだけど、フランスには居場所がないからとは
考えはしないのかな。ローラから情報を引き出そうとするが
残念ながらローラはメアリーを容易に売ることはなかった。
怒ったエリザベスはプレゼントしたとするドレスに引火。
しかしその後ローラが軟禁に近い状態を受けてその使用人
との会話の際に彼女の持ち物から赤いカツラを見つける。
そのカツラはエリザベスの顧問官のウィリアムが娼婦につけ
させて関係を持っていること。欲望は有ってもそれで押さえ
つけている。
ダドリーは欲望を隠さず結ばれようとしたことに腹を立てて
いたけれど何よりも彼は彼女の今の座を守ろうとして
赤ちゃんを流産させるように薬を盛ったことがばれる。
ウィリアムは首になったけど、殺されるまではなかった。
■フランスの問題
いよいよシャルルの戴冠式って事だけど、ある年齢に達する
まではまだまだ摂政は必要なのか。
会計担当のフルーレ卿は出費で頭を悩ませている中、アピール
する為に豪勢に振る舞おうとするカトリーヌ。
摂政がナルシスからカトリーヌに移り、彼女は勝ち鬨とばかり
にナルシスからの支持を得たという証言をさせる為に自分が
書いたものを戴冠式で読ませる。
・殺人鬼は何処に?
いよいよ殺人鬼の問題に迫ることになる今回のエピ。
ネズミ駆除の男が城の地下道で遺体を発見。
遺体の男の数日前に消えた従者と更に身分の高い女性が
見つかる。その女性とは前回の最後に殺人鬼からナイフを
振り上げられたものだろうね。
如何にもブタを殺害している食肉係が怪しく見せかけて
いたけど、クリストフがパン職人の妻から倉庫の鍵を受け取
ったことで後に判明していく。彼が殺人鬼だということ。
大抵ちょっとイケメンが出てくるとヤバイ人だよな。
あのヒゲが最初から胡散臭かったけど(笑)
バッシュは知らずにクリストフの功績を称えるが、実際には
彼が殺害していたようだ。これだけ近くに居たのにデルフィ
ーノは一体何をしていたんだか・・町に行くよりも城に居た
方が危険だったじゃないか(笑)
それにしても塩漬けされていたフルーレ卿。
頭部の上だけが覗いて誰だか分かるってなんかギャグみたいな
流れだった。その後にゴロンっと生首でしたが。
・メアリーとギデオン
この二人の関係発展は絶対にないと思っていたけど、意外と
雰囲気は良い感じに写ってきている。それもこれもギデオン
とは悪い奴という認識が有ったからなんだけど。
今回のメアリーは彼にスコットランド情勢を相談する姿が
有ったし、何よりも一番の信頼関係を築けたのはギデオンの
娘のアガサをメアリーが上手く懐柔してギデオンとの仲介役
になれた所が大きかった。
メアリーにしてみればこういう娘が欲しかったのだろうね。
戴冠式に踊る約束をしていたけどそれどころじゃないって
感じになってしまっていたな。
ギデオンはアドバイスしていたよね。
・戴冠式
メアリーは随分と長い裾のドレスを着ていた。
黒いドレスにバラの刺繍もキレイでした。
それよりも装飾品がまたキレイだね。
シャルルに渡されたルビー入りの杖がオモチャっぽい。
シャルルにアドバイスと称してハンカチを渡していた。
なんとなくシャルルの態度をみて居るとメアリーと一緒に
なっていったりしないのかな。
■スコットランド情勢
カニンガム卿によるとスコットランドは現在ジョン・ノックス
が支持を得ているようで、プロテスタントなどの宗教の問題
もあるが、メアリーが女性の君主だということが気に入らない
みたいだ。スコットランドは徐々にプロテスタントの路に
進みフランスはカトリックが大勢派。バチカンもカトリック
だしイングランドは二分していて、こちらもフランス同様
難しい状況だ。とにかく古いしきたりを守りたい人、体制を
保ちたいものにとってはカトリック遵守は外せないところなの
だろうか。
聞いた所エディンバラ城の門を取り囲まれていること。
しかも大勢が押し寄せてメアリー女王を冒涜する行為を
行っているのにジェームズは大勢に押されて何も出来ずに居
る。メアリーはプロテスタント系のスウェーデンの国王
エリクとの結婚を考えていたが、ここまで来るともう戦いしか
ないとして武力衝突は避けられない。バチカンに協力して
もらうとするが、そこにはイギリスとの同盟も有ってブリテン
諸島で武力衝突をすれば両国の和平は遠のくという。そして
ギデオンとは戦場で戦うことになるかも知れない。
■その他
・顧問官は信用出来るのか?
疑ってばかりだと何も出来ないけど、エリザベスはウィリアム
のことを首にした。子供を殺したのだから当然といえば当然。
メアリーの顧問官はスコットランド人みたいだけど、今の
スコットランド人はメアリーにとって信用出来るのかが気に
なる。
・深夜に抜け出し鍵を開ける
クリストフが犯人ではないかということで彼が余分に持って
いた鍵が貯蔵庫のものかも知れないと思い寝静まった後に
使って見るとやっぱり貯蔵庫はクリストフが持っているもの
だった。2つしかない鍵の一つを持っていたことは彼が殺人鬼
であることを意味している。
カトリーヌを活かして出世欲を満たしていくのか。
そもそも殺人鬼はそんな所で自制心を発揮出来るものなのか。
クリストフによるとカトリーヌがクロードを利用して
ナルシスを失脚させて摂政の座を掴んでいた。
クリストフはもう一人そんな密談をみて居るものがいると
していたけれどそれは誰なのかだね。
■使用された曲
・Reign End Credits Theme
Written by Trevor Morris
・Spirited Cookies (Sparse Mix) by Alibi Studio
・Kings and Queens and Vagabonds by Ellem
・Saving Grace by Vitamin String Quartet
■出演者
Queenメアリー・スチュアート (Adelaide Kane) スコットランド女王
Queenキャサリーン・デ・メディチ (Megan Follows) カトリーヌ王妃、イタリア系
Queenエリザベス1世 (Rachel Skarsten) イングランド女王、庶子
Baronセバスチャン・デ・ポワティエ (Torrance Coombs) “バッシュ” フランソワの異母兄。庶子
グリア・カッスルロイ (Jenessa Grant) SC。娼婦の館主
Lady ローラ・ナルシス (Anna Popplewell) SC。ステファンの妻
Lord ステファン・ナルシス (Craig Parker) 貴族
Princess クロード・ヴァロワ (Rose Williams) 王妃、カトリーナの娘
レイス・バヤール (Jonathan Keltz) 衛兵
シャルル (Spencer Macpherson) フランソワの弟、国王へ
Lord ロバート・ダドリー (Charlie Carrick) イギリス貴族
Lord ギデオン・ブラックバーン (Ben Geurens) 幽閉、大使へ
Load ウィリアム (Tom Everett Scott) エリザベス女王の側近
クリストフ (Nathaniel Middleton) 暖炉係 -> 護衛隊
(Christopher Jacot) 肉屋、ブタを殺す。殺人犯にされる。
Lord フルーレ (Keith Dinicol) 会計担当
(Josh Cruddas) ネズミ捕りの男
(Maria Syrgiannis) アガサの女家庭教師
アリス (Sofie Holland) イギリス側の使用人
アガサ (Macy Drouin) ギデオンの娘
(Meghan Allen) シルク売り、アガサに売ろうと・・
(Sydney Van Delft) 胸の大きい使用人、パン職人の妻?
(Juliana Semenova) 高級売春婦 / ウィリアムが・・