第14話 死の真相 To the Death
脚本/Lily Sparks
監督/Michael McGowan
【これまでのあらすじ】
エリザベスは私の父・ヘンリー8世は母・アン・ブーリンの
首をはねて姉は私を謀反の疑いで投獄したと語る。カッスル
ロイ卿は国王殺害を企てた一味と見なすとして捕まる。
レイスはグリアに一生牢屋からは出られないと語る。
ナルシスはメアリーに我が国の軍に払う資金が無いと語る。
スコットランドで戦った兵士に報酬を払う必要があると。
シャルルは母カトリートと父アンリが13人の騎士を異端者に
して処刑したのは報酬を払えなかったからだと知り呆れる。
【赤い騎士】と名乗るならずものが私に反旗を翻していると
いうカトリーヌ。ジョン・ノックスに武力で対抗する為に
バチカンに援助を取り付ける。さもないと祖国を奪われる
というメアリー。
■ストーリー
エリザベスは母・アン・ブーリン(Krystin Pellerin)が処刑
される時の夢を見る。これは冤罪だと訴えるアン。エリザベス
は必死になって私の命令でアンは放免する。処刑を中止せよ、
女王の命令だというが・・・目の前で処刑される。
そんな夢から目覚めるエリザベス。
召使いのナンシー(Colleen Winton)は夢だとしてエリザベス
のことを宥める。そんな光景をローラは影から聞いていた。
カトリーヌはイングランドのエリザベスとのアイダでギデオン
とガガン将軍(Patrick Galligan)を捕虜交換する。
カトリーヌはガガン将軍に現在大きな脅威にさらされている
事を告げる。少人数だが過激な一派が国の脅威に驚かしている
こと。是非とも軍の協力を得て彼らを倒したいという。すると
将軍はスコットランドに於ける任務の報酬の全額を受け取れ
れば私の部下も他の将軍も喜んで集まるという。カトリーヌは
少し待って欲しいとし一部を分割して払うとするが一括で
頂かないと困ると将軍。私はフランシスの後見人でも有り
喜んで国に仕えるが・・・部下は報酬がなければ任務を放棄
するという。カトリーヌはもっともだろうと考える。代替的
な案として彼女は国に大きな貢献をしてくれている将軍や兵士
達をねぎらい城で宴をするというが・・ガガン将軍は実は
ギリシャ王子が2週間後にフランスを訪れ軍を立ち上げること。
たっぷり報酬を用意しているので兵士は離脱してギリシャの
傭兵になるという。カトリーヌは他の将軍に伝えてとし報酬の
全額を支払うこと。二週間後の宴の場で・・と。ガガン将軍
はそれはみんなが喜ぶと語る。
シャルルは母に対してて倒したい相手は赤い騎士とは言わない
のか?と問う。報酬が払えず兵士を殺したなんて言えないと
いう彼女。軍に風習を払って軍を倒す。金はどうするのか?
よく考えれば答えは常に見つかるものだという。
メアリーとカトリーヌはバチカンのリドルフィ大司教
(Juan Chioran)にバチカンへの協力要請をする。
しかし答えは「NO」だと言われると、カトリーヌは私への
仕返しなのかと問う。または怒りなんでしょというと、人質
交換でイングランド大使をイギリスに帰国させたことの怒り
ではなく単に援助する金がないという。あの男に邪魔されて
イギリスに男性君主を立てられなくなった。メアリー女王を
排除した後に・・というと、大司教は見当違いだと語る。
我々は君をスコットランドとイングランドの正当な君主と
みて居ること。励ましよりも援助をもらえるとありがたいと
いう。そうすればジョン・ノックス率いる反乱勢力から
国を取り戻せるという。我が軍隊は今、トルコで戦っている
という大司教。代わりに軍の立ち上げ費用を援助するとして
10万リーブルでどうかという。何とかなると思うとしてメア
リーは感謝する。カトリーヌはそれを聞いてフランス国王は?
ロウソク灯して神の祈れというのかと憤る。
メアリーはカトリーヌに困っているなら立ち上げ費用を
分かち合おうと語る。ギデオンの件では私にも責任が有る
という。ありがとうというカトリーヌだがギデオン大使をガ
ガン将軍を交換したのは「親切心」からではないと語る
カトリーヌ。精鋭部隊を雇いたかったがあなたが集める兵士
以上にだという。ギデオンからは連絡があるのか?親類の所
で娘さんを預けるという。その後エリザベスに報告すると
いう。彼女の命と王位を守り感謝されていること。あなたも
王位を守らないといけないという。スコットランドに帰国す
ればどうなるか?冷たい反応が待っているという。カトリーヌ
はメアリーにこれを着ていってくれとして豪華なローブを
貸してくれる。メディチ家一族に資金援助を頼んだのか?
と問うと、私が替え玉にいた親戚の人のことを覚えているか?
とし誰も悲しまないと思ったら叔父のアルフォンソに可愛が
られていたのだという。叔父は一族の金庫番。それでも援助
を切られる方がマシであり体を切られるよりはねとカトリー
ヌ。命を捧げたがる人は多い筈。バッシュとは話したか?
というと傭兵を募集していたという。
バッシュの元にメアリーは訪れる。
この額ならば足りるよとして傭兵集めに協力してもらう。
スペイン近郊から戻った小さな傭兵たちがいること。かなり
の猛者たちであることを聞くと、メアリーはすぐに会いに行
こうと語る。離れた所で指示するのは嫌だというメアリー。
これからは臣下に姿を見せていきたいという。傭兵は大抵政治
信条に関係なく金で動くとし遭うのも悪くは無いという。
報酬以上にもやる気を起こすものがないと・・というバッシュ
に娼婦ねと。グリアに協力して欲しいと頼んだが連絡が無い
こと。微妙な関係でありグリアはここに残りたいと言っている
のだという。
■感想
過去の真実が色々と浮き上がって来て面白いですね。
歴史の中に埋もれてしまったもの。また間違って伝わって
いるもの。間違っていると思われていたが実はその通りの
意味合いが含まれていたことなど、どれも興味深い流れ。
何よりもフランスとしての問題は財政問題だけど更に
かみ砕いていくとフランス政権/メディチ家に襲いかかる
闇と国力が劣り始めているフランスを狙う周辺国による
圧迫感の流れ、そしてメアリーを中心としたスコットランド
帰還とバチカンの絡みの問題などエピソードとしては分かり
易いが結構面倒なことになっている。
またイングランドではエリザベス女王が抱えている心の闇
と男性社会の中で息抜き女性のリーダーの問題がくすぶって
おり、過去の問題とも切り離せないような問題が起きている。
今回はそんなエリザベスの女王の過去のエピソードが披露
されることによって明らかにされる真実と、それによって
進むべき道の確立していく道筋を作っていくような流れが
ある。
その人にとって一体何が最も大切なもので、誰が大事な
相手なのか。
■フランスサイド 1・カトリーヌ
フランスは常に財政問題を抱えている。
すぐに解決する道というのは無いのだろうけど、ビジョン
を示して国民を一致団結し無用な争いが起きることを避ければ
発展することは可能だと思う。そこを難しくしているのは
欧州の歴史では欠かすことの出来ない宗教的勢力の問題。
とても皮肉なことだけど先日日本はワールドカップに於いて
負けて勝つ道を選んだことで世界中からバッシングを受けた。
日本=サムライ精神ということを世界中は常に求めている様な
感じであんなことをするなんて潔くないとか、切腹しろ
なんて言葉が飛び交っていた。
宗教とは心の問題なので何故そんなに信仰心に対して他人が
押しつけがましいやり方をするのか理解に苦しむのだけど、
結局上に立つものたちが都合良く信仰心を利用して国民を容易
に誘導させたがっているような感じも受ける。
バチカンへの援助を取り付けたいフランスだけど、この所
バチカンの汚いやり方が目立つ。規範となるべきカトリック
の教皇が居るような所で何故そんなことが起きるのか。
バチカンと言えばイタリアのローマにある。勿論別の国だけ
どメディチ家はイタリアの富豪だ。そしてフランスに
カトリーヌが嫁いだことでフランスとイタリアの友好が
保たれ、そして先代のフランシスはスコットランドの女王と
の結婚によってまた同盟国が増えた。
ここの所不穏な動きを見せる「赤い騎士」という13人の騎士。
メディチ家とは縁深いガガン将軍が居れば安全かと思えば
彼だけの意向では部下は付いてこない。兵士だって食べる
為に家族を養うために生活費が必要だ。
ギリシャ王がフランスに近づき軍を立ち上げようとしている
事を聞いて急いで助けを求めるがスコットランド遠征時
の支払いが滞っている。カトリーヌは頭に花が咲いている
のか兵士達を労うために城で宴会でもしましょうなんて
場違いなことを言っている。
・バチカンの動き
カトリーヌはバチカンに資金協力を求める。
しかし大司教はまるでカトリーヌを無視してメアリーの方の
要求を優先して通した。スコットランドに戻る為にも
バチカンの支援を求めていた。スコットランドではプロテス
タントのジョン・ノックス率いる反乱勢力が国を押さえ込ん
でいる。
バチカンの軍隊はトルコで戦っているので変わりに軍を
立ち上げる費用を援助する(10万リーブル)と言われる。
※本当はバチカンに男性君主ではなく女性君主のメアリーを
正当性のあるスコットランドとイングランドの正当の君主と
して認めるのか。
・メディチ家の援助も駄目
替え玉に使った女性。叔父のアルフォンゾに可愛がられていた
様で、替え玉を死なせてしまったことが知られて援助は
切られてしまっている。
・ナルシスに頼む
カトリーヌはどんな方法でもいいから金・金・金。
ナルシスは一度税金を掛けたが「10分の1税」という臨時の
税金を掛けたことで市民達は爆発。王家のシャルルやカトリ
ーヌが通りかかるとみんなが襲いかかろうとしていた。
・頼るべきは博打!
シャルルが遊び人時代の力が役に立つことになりました。
若い内はよく遊んでおけってところでしょうか。
ヴァンクール婦人に対してブルゴーニュにある葡萄園の権利
を担保にしてゲームに参加したいという。
最近SNSやニュースで話題になっているのはブルゴーニュで
働いている夫婦がワイン作りをしていたが退去命令が出て
いる。有機栽培の葡萄で添加物を入れない自然派ワインの
青酸をしていて、利益はまだ多くは無いが高級店で扱われる
程のできばえだった。しかし月収が26万円に満たないという
理由で退去処分に合いそうだということ。
結局シャルルが賭けに手を出して必要な額の半分を儲ける。
一気に全額を賭けたところ全てを失ってしまった。
そこでナルシスが男を見せる。
地下の闘技場でチャンピオンと対決し勝利したら大金を
得られるというもの。相手は連戦連勝。
何とかナルシスが男を見せて勝利した。ずる賢い優男に
見えたけど頼り甲斐があるな。
それを知ってカトリーヌは【大法官に任命】する
■フランスサイド 2・メアリー
・メアリーの帰国への道
取りあえずバチカンからの資金援助が有ったのでバッシュに
相談して傭兵を集めてもらう。ちょうどスペインから戻った
猛者がいるとのこと。メアリーはどれ程のものか直接みたい
とのこと。娼婦が必要なのでグリアに協力して欲しいが
グリアはメアリーに連絡を寄越さず(寄越せずにいた)。
メアリーは直接会いに行くとなんとグリアは妊娠していた。
グリアは「貯蓄」がある。しかし「家柄」が必要だということ。
カッスルロイ卿が居るが他人の子を育ててくれとは言えない。
カッスルロイ卿の金が回り回って王家に反感するものたち
にメアリーが襲われてしまった。
・メアリーの作戦
腕試しと称してボネ率いる傭兵にルシヨンのウブリエットに
ある牢獄にいるアロイシウスを連れ出してきてほしいという。
それが出来れば報酬は言い値で雇うと告げる。王室の牢獄
なので容易ではない。
メアリーはカッスルロイ卿に偽造した書類を作成して反逆罪
の過去を消してグリアに一緒にさせようとする。
見事に救出するがアロイシウスは一度はグリアとやり直す
ことを拒んでいた。
メアリーがそんな彼に
「グリアを思う気持ちは忘れていない。残り火がある筈だ」と
して自分の心に見つめ直す様告げる。
■イングランドサイド
イングランドではヘンリー8世が即位50周年の記念に辺り、
毎年記念式典ょしている。偉大な父だった国王に対する経緯
を示すこと。
その中で今回はキーマンの一人であるベアトリス・サマセット
(Sarah Mennell)が招待される。
エリザベスが幼少期に母・アン・ブーリン(Krystin Pellerin)
の処刑を決定づけた母の親友でもあった
・ベアトリスは何を言ったのか
アンが跡継ぎの男児を産めなかった為のもので、夫の王様は
父の処刑を正当化する為にベアトリスはデッチ挙げたとされ
る。「姦通」「反逆「魔術の使用」そして一番酷いとされる
「近親相姦」。
・真実が明らかになっていく
式典で記念品をもらう際にエリザベスはローラに頼んで
ベアトリスに女王のネックレスを盗んだ罪の濡れ衣を着せよう
とした。しかしそれは大失敗。二人して牢獄に入れられて
しまう中でローラとベアトリスの間で会話する機会が有った。
・ヘンリー8世がアンの死を望んでいたこと。
・召使いが目撃していた。アンが兄弟のジョージと一緒に居た
という事実。
・ヘンリー王は家族に圧力をかけて証言すればブーリン家の
領地をくれるとしていたこと。
ナンシーから話を聞くと、真相はもっと酷い。
だが責めることも出来ないとしていた。
アンは国王との関係では男児が生まれなかったのでノイローゼ
気味になり男児さえ産めば国王も変わると思ってジョージに
協力してもらって子供を産もうとしていたようだ。
ナンシー自身は行為に及んだことまでは否定したとしていた。
実際に直前まではいったようだが関係は持っていない。
都合の良いストーリーに変えられたとされていた。
■エリザベスとローラ
この二人最近仲が良くなった。
ローラの人間性が全てなんだろうけど、エリザベスによると
メアリーがソバに起きたいのが分かるという。
ローラはエリザベスに対して、ダドリーと結婚しないのは
本当の愛がないからではないかと語る。障害が無くなって
も結局相手を遠ざけている。心を開けるようになればもっと
大きな愛が手に入るとして彼でなくても良いことを語ってい
た。
そしてエリザベスのローラへのプレゼントはジョンに合わせる
こととなった。
■その他
・メアリーへのローブのプレゼント
カトリーヌがメアリーに白いローブをプレゼントしていた
けどなんか引っかかるよな。
男性が命を捧げたくなくなる服とのこと。
・メアリーとバッシュの復縁はありか?
最初からこの二人が結ばれれば良いなと思っていただけに
「愛情の残り火が・・」とした際にバッシュは無理して消す
ことは辞めたことを語る。
そこでバッシュは自分も一緒にスコットランドに行く事を
告げる。
・大ピンチ
結局金も揃い宴会も行うことになった。
そこで給金を渡すことになっていたが、何とグラスに毒が
塗ってあって兵士たちはみんな死んでしまった。
まさに近くに赤い騎士が居るとしか思えない。
カトリーヌにベッタリのクリストフが犯人なのか!?
■使用された曲
・Reign End Credits Theme
Written by Trevor Morris
・Benighted by Keep Shelly In Athens
・Come Home by Jon Foreman
・Dark (feat. Rachel Sermanni) by Peter Katz
■出演者
Queenメアリー・スチュアート (Adelaide Kane) スコットランド女王
Queenキャサリーン・デ・メディチ (Megan Follows) カトリーヌ王妃、イタリア系
Queenエリザベス1世 (Rachel Skarsten) イングランド女王、庶子
Baronセバスチャン・デ・ポワティエ (Torrance Coombs) “バッ
シュ” フランソワの異母兄。庶子
グリア・カッスルロイ (Jenessa Grant) SC。娼婦の館主
Lady ローラ・ナルシス (Anna Popplewell) SC。ステファンの妻
Lord ステファン・ナルシス (Craig Parker) コンデと国王に会う父
Princess クロード・ヴァロワ (Rose Williams) 王妃、カトリーナの娘
レイス・バヤール (Jonathan Keltz) 衛兵
シャルル (Spencer Macpherson) フランソワの弟
Lord ロバート・ダドリー (Charlie Carrick) イギリス貴族
Lord ギデオン・ブラックバーン (Ben Geurens) 幽閉、大使へ
クリストフ (Nathaniel Middleton) 暖炉係 -> 護衛隊
アロイシウス・カッスルロイ (Michael Therriault) グリアの夫
ヴァンクール伯爵夫人 (Siobhan Murphy) カジノの女主人
リドルフィ大司教 (Juan Chioran) バチカン
アン・ブーリン (Krystin Pellerin) エリザベスの母
ガガン将軍 (Patrick Galligan) イギリスと捕虜交換
(Colin Paradine) 真っ赤な顔した農民
スチュワート (Chris Baker)
ボネ (Stephen McGrath) 傭兵、メアリーが雇う
ビアトリス・サマーセット (Sarah Mennell) アンの事を証言
ナンシー (Colleen Winton) 夜勤の召使い
(Ted Ludzik) チャンピオン、ナルシスが戦う
(Adam Crew) イギリス顧問評議会員 /ヒゲ