第4話 身代わり The Price
脚本/April Blair
Robert D. Doty
監督/Nathaniel Goodman
【これまでのあらすじ】
ローラが風呂に入っていると死んだネズミが入っていた。
そしてそこにはメッセージがあり「ネズミを一匹駆除、残りは
二匹」と書かれていた。フランスに大使を駐在させましょう
として適任者はロバート・ダドリー卿だという。あなたを
フランスに送りたくないが候補はご主人になったとライオネル
卿はエイミーに告げる。
エリザベスはロバート・ダドリー卿と離れられないが、
そのロバートもまたエイミーを排除することは出来なかった。
そこでエリザベスはニコラスをフランス駐在大使に任命する
ことにする。
余命幾ばくもないフランシスは誰かシャルルを頼める人が
居るならば・・と言うが、メアリーはヴァロワ家に忠実なあの
人が居るとしてカトリーヌを指名する。ナルシスとローラ
が結婚する中、カトリーヌが二人の前に現れる。息子に戻って
欲しいと頼まれたのよと。カトリーヌは再び王妃の席に座る
ことになる。
■ストーリー
馬を走らせてくるスコットランドからの使者(Ryan Kelly)。
使者は城内の警備員に知らせてメアリーにメッセージを
託す。スコットランドのマリー・ド・ギース様からだという。
一方メアリーとフランシスは湖で船の操縦の練習をして楽し
む。メアリーは彼に薬草を飲む時間であることを告げ一時間
に一錠飲むのだという。フランシスは”毒薬”だとするが、
飲めばご褒美にキスすると云われて飲む。メアリーは最近
フランシスの顔色がよくなって気分が良さそうだと語る。
あなたの為ならどんな苦労も乗り越えられるという。
マリーは王座に戻り秘密主義に戻ったねとフランシス。
私の母違いの兄のジェームズ、支持者のプロテスタントたち
から摂政から追われて居るようだと。書いた手紙が彼らの手
に渡り私の排除を狙うエリザベスに協力しないのがバレた
せいで、その為にマリーは暗号を使う様になったとのこと。
手紙には・・
「愛するメアリー、力を貸して。突然攻めて来たイギリス軍
ら渓谷沿いの補給ルートを断たれ食料が尽きていること。
海に補給ルートを開かないと敗北は時間の問題。」
とされていた。ボクの病気のことを知ってイギリスが行動を
起こしたのだろうと。軍事評議会を開くというフランシス。
・イングランド
スペインの王太子のドン・カルロスが入城の許可を求めている
という。また求婚者なのかとエリザベス。しかし世界一の大国
の世継ぎですよと言われる。国の運命を夫婦で決めないと
行けないのか。陛下が結婚を否定する理由はダドリー卿でしょ
と言われる。しかしエリザベスは彼とは何週間も逢っていない
と語る。フランシスが死ねばメアリーには再婚相手が必要に
なるのだという。エリザベスはそれならスペイン王太子を
連れてきてと語る。
・フランス
ローラは従者に荷物をナルシスの馬車に積んでと語りハネム
ーンに行こうとしていた。カトリーヌはそんなローラの前に
現れると、知りたい事があるとしナルシスはあなたが追い回
したのか。それともあなたが追いかけたのか。彼を奪うつもり
はなかったとし脅迫するのは辞めてくれという。先日もバス
タブにネズミが入っていたというと、城にはネズミだらけだ
という。しかし”脅し文句”が書かれていたのだという。
そんな会話を遮る様にしてナルシスが割って入ってくる。
カトリーヌなら脅しを認める筈なのに何か変だという。
カトリーヌには別の戦いが待っているので時間はない筈。
この城から離れて二人で過ごそうというナルシス。
・イングランド
エリザベスの前にドン・カルロス王子がやってくる。
彼女の事をあまりにも美しいとというと、互いに親しい関係
になろうという。あなたはプロテスタントだがカトリックの
王子と結婚するのか?と問われる。カトリックはプロテスタ
ントも私には同じことでキリスト教の神の一つ。大事なのは
国益だというエリザベス。あなたと結婚するとどんな利点が
あるのかと問うと新大陸から豊富な金銀が入るという。あなた
は女王であり王冠が欲しいのだという。スコットランドの女王
も夫を欲しがっているというと、条件に合う人は居るが
欲望を満たせるのはあなただけだというカルロス。交渉します
か?と問われ、検討するので滞在していて欲しいという。
我が軍はスコットランドの為に多くを犠牲にしたという。
それなのに今度は軍艦を派遣するのか?という。
補給ルートの為だという。母は十分な物資が有ればイングラン
ド軍を駆逐出来るとしているとメアリー。しかしマリーは病気
でスコットランドは摂政が居なくなるという。エリザベスの
手先であるプロテスタントに王座を奪われかねないと。
シャルルが遅刻してやってくる。海路を使えばより犠牲者が
増えるというが、シャルルはフランスにはガレオン船の船艦
を二艘作った筈だという。敵を圧倒できるよと。フランシス
も同意しフランスが弱いと思われたくないという。君を守れる
のはシャルルだとフランシス。
■感想
イギリスでもフランスでも同じようなことが起きているという
所が皮肉と言えば皮肉だ。女王になることの難しさ。
どちらの国の城内でも陰謀と策略が張り巡らされているし、
愛する人との関係を巡り葛藤が有る中で、国益のためには
政略結婚をするしかない。また一つの席を
巡ってイングランド、スコットランド、フランス共に女性が
その席を守ろうとしているところがあり、同じ気持ちを共有
出来そうな女性同士が争っているのを見るとちょっぴり切なく
なる。
フランシス政権は短命で終わりかなと思ったけど結局禁断の
技を使ったのか。バッシュの時にも使ったけど、ここでも
「Once Upon a Time」のように魔法には代償があることを
知りつつも思わず使って見た。
現在の日本で放送中の「シグナル」ではないけど、
誰かの死を回避すれば別の誰かが死ぬといったような質量
保存の法則的な事実が、人の命の間でも起きている。
マリーの場合元々病気だったので放って置いても死んだのでは
ないかって感じもするけどね。
秘密をついていたことで夫婦関係に歪みが起きていたこれまで
の展開が有ったけど、死人が生き返ったゾンビ状態の旦那を
愛することは出来るのか?
■シャルルを成長させろ!
ミッションの一つとしては継承権の順位が最優先にあるシャ
ルルの成長を促すのが大切だよね。
剣術に関してシャルルは王族はどうせ戦わないとして適当に
扱っていたけど、これまでのアンリ王やフランシスのことを
見ていなかったのか。相当このシャルルっていうのは甘やか
されて育ちすぎた。
その点両親が居たフランシスとバッシュは認められる為に
努力していたことが有り、多少歪な関係として成長してしま
ったけど、王家の自覚を植え付けて育てられた。
シャルルは今回スコットランドを助ける為に一つの提案を
した。陸路の物資供給を絶たれたマリーから助けを求める
手紙が届いたことで、海路からの補給をすることを考える。
ガレオン船が2隻あるのでそれを使えば良いとしたけれど
イングランドはそれより性能の高いフリゲート艦を作って
おり、全て破壊された様子。
シャルルに失敗を経験させることで何かを得るものが有った
だろうか。命じたことで何百人も亡くなったが、彼の目の前
で亡くなった訳では無い。何処まで人の命の重さを感じた
だろう。
失敗は付きものだけど、失敗によって経験し次の策略には
活かせれれば良いと思うが、それにしては代償が大きかった
な。
寧ろメアリーが手紙が読解されることを見越して謀略を
企てるところなど、逞しくなっている。
・一応外交特権はあるの?
ニコラスはスパイだと分かったのだから外交特権などと言わず
逮捕が当然な感じがするんだけどこの時代にもそういう外交
特権のような取り決めがあったのかな。
またスペインのドン・カルロスは女王とは言えイングランド
の長を侮辱するような行動を取っていたのに何の音沙汰も
ないのか。
■ナルシスは改心した?
ナルシスを巡っては色々と複雑なものがあるな。
王家のものは彼を嫌っているけど、それでも前回の展開の
中でフランシスは許す心の広さを持った。
しかし問題なのはナルシスとは関係を持っていたカトリーヌ
がまたしても台頭してきたところだろうか。
カトリーヌはネズミの件では”カトリーヌの脅威/恐怖”を
利用してローラとの結婚を急がせたのではないかと思ってい
る。
そしてナルシスはローラと共にハネムーンに行った際に、
ぶどう園を見に行くと称して土地を奪っていった。
あっさりと土地を奪えるナルシスの詐欺的テクニックは何なの
でしょうか。
ナルシスによるとカトリーヌの恐怖から逃れる為に距離を
距離を距離を置く必要が有るとのことだけど・・・
■エリザベスはスペインの王子に屈辱を味わわされる
ずっと求婚されていたのに断ってきた理由は男性だから
なのではないかとされる。
スペインの侍女が頬に触れていたのは何なのかと思ったら
なんとエリザベスは男性なのではないかと疑いヒゲがないか
どうかを確かめたようだ。
更にスペイン王子は女性への侮蔑を辞めず、女だということ
の証明を求めてスカートをまくり上げて性器を見せろと
ばかりに要求してくる。
そんな失礼なことをして無事に帰れると思っていること自体
舐められているんだろうな。
■ペイガンの動きは?
バッシュの傷が痛む行為というのはデルフィーヌと共に連動
しているからのようだ。胸に十字架の傷が出来たことで、
彼女がそういう刑罰/魔女狩りに有っているのだろうと考えて
それらしい所を捜していく。
実は殺人事件はバッシュが正気を失った時に起こして
いる行動なのかと思っていたけど、彼は単純にデルフィーヌ
と意識や感情を共有出来るだけなのか。
久しぶりにデルフィーヌと再会。
聖アガタのシスターたちは鉄の十字架を使って悪魔払いを
しようとしていた様子。
そんな刑罰のようなことをさせられそうになるデルフィーヌ
を助けたバッシュはそんな彼女に一度は死んだフランソワを
助けてもらう。
しかし代わりにマリーが倒れた。
■その他
・グリアは娼館を辞める
娼館を辞めて今では酒場のオーナーになったのかな。
シャルルやリュー卿が飲んでいる場所がそれに該当するみた
い。でも娼館をしていた方が、娼婦から情報を集められる
気がするけどね。でも酒場での酒の席でも十分情報は集め
られるものか。
・グラヴェル卿の恨み
傍若無人だった頃のカトリーヌは、摂政になる為には彼の
指示票を取り付けなければならなかった。しかし彼女は
グラヴェル卿の家に行った際に娘の着ているドレスが欲しい
と言いだし、そして受け取る前に去ってしまう。その流れ
から娘は馬車の車輪で足を痛めて結婚出来ない状況になって
しまったようだ。最後の縁談を断られた娘は自殺してしまった
ようでグラヴェル卿は相当カトリーヌに怒りを覚えている。
・イングランドでの色恋沙汰は?
どうしてもエリザベスはロバートのことが好きな様だ。
そしてロバートの妻のエイミーもまた彼のことが大好き。
エリザベスはロバートとの関係の噂が流れ、エイミーには
ウィリアム卿と結託しているという噂が流れる。
「良い人間、良い夫になりたかった」
「執着を捨てないと破滅する」
いよいよロバートもエリザベスのことを諦めていくのか。
しかしこの後も登場することを考えれば色々と波乱はありそう
だね。
■使用された曲
・Reign End Credits Theme
Written by Trevor Morris
・French Kings by Pierre Herve Basle
・Maypole Dance by Richard Myhill
■出演者
Queenメアリー・スチュアート (Adelaide Kane) スコットランド女王
Queenキャサリーン・デ・メディチ (Megan Follows) カトリーヌ王妃、イタリア系
Queenエリザベス1世 (Rachel Skarsten) イングランド女王、庶子
Baronセバスチャン・デ・ポワティエ (Torrance Coombs) “バッシュ” フランソワの異母兄。庶子
フランシス王2世 (Toby Regbo) フランスの国王
グリア・カッスルロイ (Jenessa Grant) SC。バーの館主
Lady ローラ・ナルシス (Anna Popplewell) SC。ステファンの妻
Lord ステファン・ナルシス (Craig Parker) コンデと国王に会う父
Princess クロード・ヴァロワ (Rose Williams) 王妃、カトリーナの娘
レイス・バヤール (Jonathan Keltz) 衛兵
シャルル (Spencer Macpherson) フランソワの弟
マリー・ド・ギース (Amy Brenneman) スコットランド王妃
Load ロバート・ダドリー (Charlie Carrick) イギリス貴族
Lady エイミー・ダドリー (Clara Pasieka) ロバートの妻
ニコラス (Nick Lee) エリザベスがフランス大使に任命
デルフィーヌ (Alexandra Ordolis) ペイガン
ドン・カルロス (Mark Ghanime) スペイン王子
(Pascal Langdale) Church Official
Load ウィリアム (Tom Everett Scott) エリザベスの側近
(Ryan Kelly) スコットランド人メッセンジャー
Load リュー (Adrian Spencer) シャルルと共にグリアのバーで飲む
Load クラヴェル (Damir Andrei) 顧問官の一人、カトリーヌを憎む
ルーク・クラヴェル (Hugh Ritchie) 息子
ラモッテ (Daniel Kash) 土地を奪われる
(Katelyn McCulloch) 村の婦人
(Catherine McNally) 聖アガタ、女子大修道院長