第8話 英雄の帰還 (前編) Engaged Part1
「aka.尊い犠牲・前編」
監督/James Whitmore Jr.
脚本/Gina Lucita Monreal
【ストーリー】
C130輸送機にアメリカ兵士の遺体が棺に乗せて運ばれてくる。
棺には星条旗が巻かれており、それを管理するウォーカーと
ダンは到着するまで棺と共に同乗する。しかしパイロットから
突然右翼エンジンより出火しているとの連絡が入り、更に左翼
も破損。高度維持が不能だとするとエンジンは停止し、高度
が降下して落下してしまう。
「ギブスは目覚めると隣にシャノン(Darby Stanchfield)の
姿が有った。彼女は彼に今日の予定を尋ねるとホームセンター
で買い物(木材など)だという。新しいものをまた作るのね
というと何を作るのかと尋ねる。木に聞いて見るというギブス
に対してそれなら蓋の付いたデスクを作ってと語る。ギブス
は気が変わったとして一日中ベッドで君とゴロゴロするという
とシャノンは、私にしがみついていては何も始まらないと語
る。」
そんな夢から目覚めるギブス。するとヴァンス局長から電話
が鳴る。海兵隊が複数死んだのですぐに来てくれとのこと。
・NCISオフィス
マクギーはアフガニスタン・カンダハルからC130輸送機が
乗員5名と戦死した6名を乗せてドーバー空軍基地へ移送中、
到着の少し前に落ちたという。トニーは生存者の有無を
尋ねる。ジヴァはこんな墜落は初めてなので捜査のやり方が
分からないという。トニーは調べるのは空軍だが犯罪性が
あれば僕らが捜査するのだと語る。トニーは棺を運んでいた
のに狙いますかね?と疑問を投げかける。ギブスはメッセージ
を送っているのだろうと。
・墜落現場
ダッキーは生存者は彼だけだという。残骸は相当広く飛び散
っているというジヴァ。まずは何処から捜査に手をつけるのか
とトニー。ギブスはここからだと語る。
ジヴァはトニーに対して
「何を考えているのか?”ものもらい”に耽っている?」
「それを言うなら”物思いだ”」
とトニー。地上での目撃者は一様に同じ証言をしていると
マクギー。いつもと事件が違うとし命がボクに語り賭けている
というトニー。「人生は短いのよね」と。
ダッキーはこっちはDAFB128だと語るとドーバー空軍基地?
とジミー。DNA鑑定を受けることになっていたという。びしょ
濡れになっているのは墜落して袋が破けたから。遺体に氷
が詰めてあったからだった。そうする決まりになっている
とし国に尽くして尊い犠牲になったからこそ海兵隊の亡骸
を大切に扱うのだというダッキー。
それにしてもより分ける大変だとし全てのDNAを取らなければ
ならないと。
*** 24時間後 ***
・検視官室
「This Little Light of Mine~(I’m Gonna Let It Shine!)」
を口ずさむジミーにダッキーは注意する。ジョン・ポール・
ジョーンズを思い出すというダッキーに対してレッド・ツェ
ッペリンのベース?と尋ねる。しかしダッキーはアメリカの
独立戦争の英雄だとし、人々に忘れ去られたまま1782年に
パリで葬られたこと。100年以上経ってセオドア・ルーズベ
ルト大統領が手を尽くして墓を探り当てアメリカに連れ帰った
という。ジミーは少し休憩を・・というが、ダッキーは
偉大な英雄は安らかな眠りを・・我々が休む分遺族の休みが
遠のくのだという。
・NCISオフィス
「世にも恐ろしい死の話(死にまつわる怖い話)」のサイトを
見るトニーはこの世に居られるのは奇跡だという。輸送機に
乗っていたら死んで居たかもしれない。いつか運運が尽きた
ら終わりだとするトニーにマクギーは元々旧約聖書ダニエル書
の予言のことを言っていると指摘する。聖書の話は遠慮する
としここは日曜学校か?とトニー。
そこにメラニー・バーク (Jaime Ray Newman)がやってくると
日曜学校なら歓迎だという。悩み事でもあるのか?というバーク
に、トニーは彼女の軍服に十字架の刺繍があるのを見て
「従軍牧師」なのか?と問う。更に俺の元に遣わせたのか?
というと彼女はギブスに逢いに来たという。ギブスの告解を
聞きたいと言うトニー。
ギブスがやってくる。バークはギブスにここの教会/ネイビー
ヤードのチャペルに配属されたとし、遺族を支えるように
言われたとのこと。こんな状況で逢うのが残念だとギブス。
マクギーは”海軍安全センター”から鳥がエンジンに飛び込んだ
のだろうとの見解を見せたという。鳥の群れがエンジン4基を
駄目にした。
それを聞いたトニーは「ハドソン川の奇跡」と同じだと語る。
管轄権があるウチに調べろという。アビーによると戦死者と
乗員の殆どを特定したとのこと。会議室に戦死者の父。ジョ
セフ・フローレス(Alex Fernandez)が来ているとのことだった。
■事件
アフガニスタンに従軍していたアメリカ兵は現地で亡くなる。
特にクインシー大尉の部隊でアフガニスタンのヘルマンド州
の駐屯地付近で死亡したガブリエラ、ロバート、トーマスら
を含めた6名の遺体をアメリカに運ぶ中、輸送機自体がエン
ジンをやられて着陸前に落下する。
ただガブリエラの遺体は確証がなく、認識票が近くに落ちて
いただけ。認識票が落ちていた場所と遺体が発見された場所
はかなり離れていたことも有ってどうも腑に落ちない。
彼女は元々メリーランド大学を卒業、専攻はジャーナリズム。
23歳で士官学校を修了し海兵隊の機関誌にも記事を書いていた
とのこと。海兵隊の総司令官・エリソン大将に尋ねると彼女
は司令部で広報官をしていて海外では対ゲリラ活動をして
いたという。昨年女性前線部隊に志願・・いわゆるフェット
としての活動。フェットとは男の兵士はアフガニスタンの女性
との接触を禁じられていた為に歩兵部に随行補佐して居たこと
を知る。彼女の遺留品の中にICレコーダーがあり、そこには
現地で録音した時のデータが残っていた。
■感想
なんだか本編以外にも色々なエピソードが混在していた。
人生の分岐点・・・とまでは言わないけど、ギブスにしても
トニーにしても兵士の死を目の前にしてフラッシュバックが
起きたり、また自分の人生を考えさせられる機会が与えられ
た。もしかしたら自分があの人たちの変わりに起きていた
可能性がある・・とか、ギブスに至っては妻子を亡くすこと
の辛さを理解しており、今回のガブリエラの父には同情と
まではいかないけど解決したい思いは強かったことであろう。
トニーはやはり1話の中で記憶が欠落してから少し様子が
変なんだよね。
またギブスは過去の回想シーンの中で”海兵隊基地
キャンプ Lejeune”の一場面が描かれ、優秀な女兵士との交流
が有る。まるでジェニーみたいな人だけど、顔にホクロが
有ったし随分特徴的な人では有った。
また現在の世界に於いてはギブスの前に”都合良く”、
メラニー・バークという名の従軍牧師の姿が有る。ギブスが
前に進む為に必要な人材としての登場なのか。それとも随分
と今回は捜査に深くまで関わろうとしてきていたので、何か
に荷担していて監視している可能性も否定出来ない。
特に1話の中でジャーヴィス海軍長官が民間と怪しいことを
企てていたので、この頃から既に何か手を組んで悪質な
ことをしていたのではないかという想像も出来なくはない。
大抵この手の同様のパターンだと棺に入っているのは遺体
ではなく何らかの宝であって、それを密輸するってパターン
だったり、またアフガニスタンに投じられる国の金を不正に
使用するというパターンが有ったりして、それを知ったもの
が敵を攻撃するという名目で殺害するってことが考えられる
のかな。
■人は生きた証し/功績を残したい
人生観にも繋がるかも知れないけど、軍人として危険な
場所に行く行動は何よりも誰もがやらないことを率先して
やろうとしたことで、それがアメリカを守る為の犠牲ならば
ダッキーが語る様に尊い犠牲である。
これらの人は別に生きた証しを残そうとして行ったものでは
なく、後からその功績が認められてくるべきもの。
ダッキーがモルグで語っていた。
アメリカの独立戦争の英雄”John Paul Jones”のこと。
彼の存在は1792年にパリで葬り去られ、100年以上後になって
セオドア・ルーズベルトが力を尽くして探し出した。
今回のガブリエラを探す流れはこの流れを汲んでいる感じ。
ガブリエラは現地に学校を作ろうとして尽力した人物。
そして実際に完成しそうだという時になって、いきなり
ロケットランチャーの攻撃を受けて亡くなったとされる。
しかし遺体は明確に見つかって居ない。
この件の流れに関しては衛星を使ったり色々と上層部の協力
が必要なものが有った。
■ダッキーの捜査
今回は名言を語り、そしてジミーと共に地味にDNA検査を
して遺体・遺骨の棲み分け作業をしたような流れだった。
ギブスが煮詰まりモルグにやってきた時のダッキーとギブス
のやりとりは秀逸だった。
ダッキーは死者からの声を聞くことが出来るが、ギブスが
聞くべき相手は死者からではないということ。
■アビーの捜査
今回はアビーも寝ずの検査が続いたのかな。
「全身カフパウまみれだよ」
「ゾンビ・アビー・・・ゾビーになるまで5分くらいだ」
・棺桶
6つの棺桶のウチ、学校襲撃の犠牲者が入っていたのは3つ。
上述したのでその3人は以下略だけど、もしも本当に死んで
いたならあの現場には女性や女の子・ミーナも含めて
6人ってことになるのではないか。
・ICレコーダー
「サラーム、ガブリエラ」。
最近アラブやイスラム系のドラマをみて居るからか、
挨拶の言葉だということが分かる。
「HOMELAND」なんかでは、キャリーが挨拶で
“アッサラーム・アライクム”と使っていたし
「The Night Manager」でも同様だった。多分自分のブログ
をサラームで検索してもらえれば色んな所で引用している
かと。
言葉はパシュトー語。
ジヴァさんは9カ国語を理解する事が出来る。
(ヘブライ語、英語、スペイン語、アラビア語、トルコ語、
フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語)
パシュトー語はアラビア語に近いのかな。中東地域はなかなか
日本人にはミステリアスな地域過ぎる。
その中で通訳したジヴァさん。
アフガニスタンでは女性の教育を力尽くで止めようとする
組織があり、
■ミスリード
ジャスティン・ファニカーからガブリエラの父に20万ドル
の小切手が切られているがジョセフは亡くなっていると思って
いないので使用していない。2011年10月30日の日付だった。
攻撃から一週間前にアフガニスタンから父親に届いたもの。
ジャスティン・ファニカーは27歳でアフガニスタンに滞在中
の建設業者「ファニカー建設」。彼の父親はこの10年間に
ワシントンD.Cにビルを建てまくっているとしていることから
今で言うところのアメリカ大統領みたいな感じだな。
ファニカーとガブリエラはメール交換しており、
「君と故郷の空を眺める夢をみた」
「君を愛しているから心配だ」
など書かれている。
彼の携帯が使われて居るが場所はジョージワシントン国有林。
ヴァージニア州ロアノーク付近。
・同行するバーク
このシーンでバークが怪しいなとは思った。
「彼を説得するのは白髪の強面のおじさんが睨むより私から
話をする方が良いのでは?」
というバークの言葉によって同行は駄目だとするギブスの言葉
を説かしてしまった。そんな会話を聞いてニヤニヤしていた
のはジヴァ様(笑)
白髪ネタがまたしても続いて使われた。
ジャスティンによるとガブリエルを死んだ所はみて居ないが
彼女の生徒が泣きじゃくっていたので助かった訳が無いと
感じた様子。
■エミリーの証言
当時アフガニスタンにいた女性部隊の一人だがガブリエラとは
一度も逢っていないという。
エミリーによると女子を集めて授業をしようとしたが学習帳
を持ち歩いて居た生徒の顔に酸がかけられ辞めていったもの
が多いとのこと。
上では言及しなかったがジヴァが9つのウチの7つの目の習得
言語・パシュトー語のスキルを利用してICレコーダーに
聞こえる声を解析。
「次は学校を作る前に考えるだろう。この計画に弱みはない」
学校を破壊しようとしていた人物とそれを協力しようとして
居た人物がいる。
■名もなき兵士ここに眠る
名前はあるよね。でも遺体がないからそう語っているのか。
ジョセフはギブスに心を打ち解けて彼が所持していた
娘からの写真を見せてもらう。するとアフガニスタンで活動
していた女の子ともう一人黒いヒジャブのようなものを深く
被った女性がいて、その女性には指輪近くにタトゥーがして
ある。
・タトゥー
タトゥーを調べるとジェイシュ・エル・モミニーンのメンバー
であることを知る。因みに意味は(信仰者たちの軍)とのこと。
殉教者の国の門を象徴しているタトゥー。
爆弾は疑われることの少ない女性が奇襲の為に持ち込んで
爆発させるのだという。目標はアメリカ軍とNATOの駆逐。
チャガイ山地付近の衛星画像を見ると逃げる三人の姿が
赤外線っぽい映像で見える。
■あやしいぞー
まだこの一件を早く片付けようとしている人、処理しようと
している人物は怪しい。ジャーヴィスもその一人だった。
ただ分析官によると爆弾はロシア製で10年以上前に作られた
もの。
ギブスと訓練所で出逢ったジョーンは、少しアジア系っぽい
顔をしていたけれど、どういう役割で出て来たのか。
もしかするとそのヒジャブの女性は彼女だったのではないの
か?
そしてバークも急に出て来たからね。
随分と監視しているようにも思えたけど・・
■その他
・トニーのBucket List / 死ぬまでにしたいリスト
結構色々と書かれていたけどくだらないので書き出すのは
辞めた(笑)
マクギーが双眼鏡を使ってトニーのそんなリストを覗いて
いたけど、その時ジヴァさんはデスクの上で寝ていた(笑)
トニーにバレて”マクスパイめ”と指摘されていたけどね。
ジヴァたちが語っていたトニーのリスト。
・父さんを許すは10番目。
・鮫を捕まえるは4番目のリスト。
・素っ裸で観覧車に乗るは既に行ったようだ。
・ジヴァさん、トニーを叩く
完全にギブス神の力を引き継いだジヴァ。
トニーは今叩いたかとして信じられない顔をしていた。
■使用された曲
・NCIS Theme by Numeriklab
■出演者
リロイ・ジェスロ・ギブス (Mark Harmon) 主任
アンソニー・ディノッゾ (Michael Weatherly) “トニー”
ジヴァ・ダヴィード (Cote de Pablo) 元モサド、NCIS
アビゲイル・シュート (Pauley Perrette) “アビー”分析・解析
ドナルド・マラード (David McCallum) “ダッキー” 検視
ティモシー・マクギー (Sean Murray) コンピュータ
ジミー・パーマー (Brian Dietzen) ダッキーの助手、検視
レオン・ヴァンス (Rocky Carroll) NCIS局長
チャック・T.エリソン (John Finn) 海兵隊総司令官・大将
メラニー・バーク (Jaime Ray Newman) 海軍少佐
ジョセフ・フローレス (Alex Fernandez) ガブリエラの父
クレイグ・クインシー (LaMonica Garrett) 大尉、ガブリエラの上官
シャノン・ギブス (Darby Stanchfield) ギブスの最初の妻
若い頃のリロイ・ジェスロ・ギブス (Sean Harmon) ジョーンと知り合う
ジョーン・マットソン (Jeananne Goossen) ギブスと士官学校で
エミリー・グッドウィン (Samantha Sloyan) 元アフガンの女性部、現在教師
ジャスティン・ファニカー (Dylan Bruce) 29歳、建設業者
ガブリエラ・フローレス (Sofia Pernas) 中尉
クレイトン・ジャーヴィン (Matt Craven) 海軍長官
ウォーカー C130機に搭乗
ダン C130機に搭乗
ロバート・モリス ガブリエラの仲間
トーマス・ケンダル ガブリエラの仲間
ミーナ パシュトー語でガブリエラに語る(ICレコーダー)
ロバートソン
Majid Salih ジェイシュ・エル・モミニーン
Edlbe Zahiruddin ジェイシュ・エル・モミニーン