October 13, 1985
EP5(5) もう一度別れの歌を Sing a Song of Murder
監督/John Llewellyn Moxey 脚本/Peter S. Fischer
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ロンドンの劇場では、歌・エマ・マギールと漫談・オリバー・
ラングルのエンターテイメントショーが行われていた。
オリバーが漫談を行う中、娘のキティもやってくる。
学校が休みなのでやってきたという。劇場の共同経営者の
アーチーはキティに対して、今日はオヤジさんもイマイチだと
語る。もう潮時だが、エマはこの劇場を売ろうとはしない事。
偉大なる座長は10年後も舞台に立って歌うとし、オリバーは
彼女の言いなりだという。
ブリジットはキティに声を掛けると、生徒たちはどうかと声を
かける。
いよいよショーはエマの歌謡ショーへ。
アーチーは司会進行役として、エマが出てくる際、永遠の恋人
でバラード歌手のエマ・マバールだと紹介される。
アーチーは今日の売り上げを計算する。
バイオレットは売り上げがそれだけなのかと問うと、権利の半分
はアーチーのものなのだから話合った方が良いのではないか
という。このままだと破産だという。
アーチーはエマに話をしようとするが、彼女は今夜は反応が
良かったとし、元気が良ければもっと入って居たと語る。
ブリジットは皮肉交じりにテレビも禁止すれば良いのにねと語る
と、生演奏の舞台にはテレビも叶わないと力説する。ブリジット
は永遠に続くものじゃないとして引退すべきだと語る。
アーチーもやってくると、エマの父の時台は良かったが、父が
亡くなったし、客層も変わったとして今ではこの手のエンターテイ
メントは流行らない事を語る。しかしエマはもう少しで変わる
と告げる。アーチーは今ならば良い条件でこの劇場が売れると
いうが、私はこのMayhew Music Hall(メイヒュー座)を売らない
と語る。
エマはオリバーと一緒に帰宅する。
マティがマンチェスターから来たのかというオリバーに対して、
エマは学校が一週間休みなので来たという。オリバーはブリッグス
から申し込みが来ている事を告げ、エマは40年も歌ってきたが
そろそろ私たちの関係のことを考えないかと告げる。しかしエマ
は寧ろあなたの為に結婚しないのだとし、舞台は私の人生だと語る。
オリバーはサイフを忘れたとして楽屋に戻ると、エマは先に
バーに行っていることを語る。するとエマのことを車でひき殺そう
として突っ込んでくる事を知る。幸いぶつからずに済んだが・・
アメリカにいるジェシカの元にアーネスト・フィールディング
と名乗るものから電話が鳴る。自分はエマの弁護士だと告げる
とジェシカは従姉妹のエマのことなのかと告げる。エマは2日前
に自動車事故で亡くなったとのことで故人の遺言の事も有るので
是非葬儀に出席して欲しいという。
ジェシカはヒースロー空港に降り立つ。
すると空港にはジェシカの前にダニー・ブリッグスと名乗る人物
が現れる。弁護士が来る前に話合いたい事を告げ、メイヒュー座
のことだという。エマが亡くなったのでオタクが半分を相続
することになるのだとし、その半分の権利を持っているアーチー
は売却を承知している事を語る。しかしジェシカは事情が飲み込め
ずにいた為にアーネスト弁護士に相談してから決めるという。
そんな中、フィールディングスが空港に迎えに来た為にダニー
は退散する。
フィールディングスはジェシカを後部座席に座らせると、なんと
そこに座っていたのはエマだった。なんと彼女は生きていたので
ある。エマによるとここ最近殺されかけている事を告げる。
二日前には車にひき殺されかけたこと。最初の事故は二週間前で
教会から帰宅したらガスヒーターが爆発したこと。階段の敷物が
ズラされていたことも有り、先日は車でひき殺されそうになっ
たのだという。週末ごとに三度そんな事件が有ったという。だから
ポーツマス近くの橋の上から車を落としてもらって死んだフリ
をして隠れているのだという。警察に話したらどうかとするが、
私が殺されかけた証拠がないのだという。隠れている間にジェシカ
が犯人を捜して欲しいという。犯人の目的は脅しだろうとし、
劇場の売却するよう圧力がかかっているという。ブリッグスが
一番怪しいと語るが・・・
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ジェシカは従姉妹が自動車事故が橋から転落したということ
を受けてアメリカからイギリスへと渡ることになる。
ジェシカと亡くなったエマは容姿はソックリ。
彼女は生前に亡くなる2週間前から何者かによって命を狙われる
危機あったという。しかしいざジェシカがイギリスに渡ると
なんとエマは生きていて死んだということにして犯人を
探している事を語る。ジェシカはスコットヤードの刑事に
知り合いがいるとしてカイル刑事に頼もうとするが対応に
出たロジャー・クリニングス警視は、ジェシカの作戦に協力
してくれるという。
ジェシカ役を演じているAngela Lansburyが一人二役を演じた
ことと、舞台がアメリカからロンドンに渡ったということで
これまでとはちょっとイメージの違った演出のエピソード。
なんと言っても今回ドラマでは、かつて日本人歌手・布施明さんと
結婚していたオリビア・ハッセーが教師役として出演している
こと。
ドラマとしてはアリバイのトリック、会話を通した話の
矛盾点が容疑者を追い詰めるというもの。命を狙われるエマが
死亡を偽装し、エマが生きているのを知っていた人物の中で誰が
殺害したのかを調べていく。
どう見ても弁護士が犯人だろうと思っていたけど、どうやら
着眼点はまるで違い、誰もがこのドラマでエマを殺害しよう
としていることは金絡みであり劇場の売却問題が絡んでいる
のではないかとするミストリードを引きずる流れとして存在
していることかな。
愛しているエマと父親が付き合う事で、彼女の三流劇場を
守る為に才能を潰されたと感じている娘・キティの姿がある。
ただ今更殺害しても父親の才能が戻るとも思えないし、
ちょっぴり安易な考えで犯行に及んだ感じもする。
愛しているとはいえ、結婚しないことは本当に利用しているだけ
なのか。それともエマは生粋の舞台人であり、舞台を愛している
が故のことなのか。
ジェシカとエマが似ているということを利用したシナリオだった
ら面白かったのにね。エマの毛皮のコートを着た人物が狙われた
訳だから、ジェシカをその流れにも組み込むような流れが有って
も良かったのかも知れない。
ジェシカ・フレッチャー (Angela Lansbury) 小説家
エマ・マギール (Angela Lansbury) 歌姫、劇場の経営者
バイオレット・ウィームズ (Sarah Douglas) アーチーの妻
アーチー・ウィームズ (Kenneth Danziger) 劇場の共同経営者
キティ・トランブル (Olivia Hussey) オリバーの娘、学校の教師
オリバー・トランブル (Patrick Macnee) 漫談、元俳優
ロジャー・クライムス (Barrie Ingham) ロンドン警視庁”スコットランドヤード”
ブリジット・オハラ (Glynis Johns) 劇場の裏方
ダニー・ブリッグス (Gregory Paul Martin) 劇場を買い取りたい人
アーネスト・フィールディング (Kristoffer Tabori) 弁護士
— (Gillian Eaton) Landlady
— (Terrence Scammell) Director
— (Richard Davies) First Tough
— (Neil Hunt) Second Tough
— (John Straightley) Sergeant
— (David Grant Hayward) Policeman
— (Ron Southart) Plainclothesman