DOC あすへのカルテ 第13話 エゴイズム Egoismi

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DOC(ドック) あすへのカルテ
(DOC – NELLE TUE MANI)
制作:2020年 イタリア
原作:Pierangelo Sapegno、Pierdante Piccioni

https://www.nhk.jp/p/doc-karte/ts/WL5QPY99G7/

第13話 エゴイズム Egoismi

脚本/Francesco Arlanch、Viola Rispoli
監督/Ciro Visco

【STORY】

■カフェ

イヴァン (Matteo Taranto)は真っ赤なスーツに身を包んだ
セレーナ・ルッフォ(Ilaria Spada)を見つけると、早く診察に
行こうと語る。セレーナは撮影の為に飛行機でミラノにやって
きて、現在もこれから撮影だとするが、3時間も撮影が中断してい
て、今行けば記者会見前に診察を受けられるという。
無理するべきではない。フライトの後に1分も休んでいないの
だから・・と。しかし飛行機で寝てたので大丈夫であり、
また診察もキャンセルして置いたという彼女。

スタッフがセレーナを呼びに来る。
少しふらつくが少し疲れているだけだという。
イヴァンはこの体ならば仕方がないとしてお腹に触れる。
すぐに終わるから待っていてというと席を立つ。
そしてドアを開ける際に彼女の容態は悪化して倒れてしまう。

■アンブロシアーノ総合病院

◆医局 / ジュリアはアンドレアの元へ。

ジュリアは彼にキャラメルを持ってくる。アンドレアはそれを
受け取ると息子(マッティア)が好きだった奴だと気が付く。
ジュリアはその事実を知っていた。いつも彼のポケットに
入っていた。
更に私たちの間で秘密の暗号(our Secret Code)にも使っ
ていたことを語る。

一粒くれたら「コーヒーを飲もう」の意味だった。

5分休まないかというジュリアにアンドレアも了承する。

●ロレンツォがやってくる。

ジュリアに対して21番に患者が運ばれて来たことを語る。

ジュリアが退室した後、アンドレアはロレンツォにサトナル
(Satonal)について話をする。
亡くなっている患者のカルテにその薬の名前が載っているのを
見たこと。治療は間違ってはいないが、気になる事がある。

サトナルについて・・・

・ドックがガンの治験を認めてから何度も使っている。
・サトナルの研究はこの科が主導した。
・他の科から来るデータの分析もまとめてうちがやり論文も
出している。

アンドレアの名が有ってもその論文を書いたのが誰であれ・・
というロレンツォ。

◆検査室

エリーザの元にガブリエルがやってくる。
“来ている”ことを知らせに来た彼に対して”忙しい”として
出迎えならば幾らでもいるとのこと。
しかしエリーザが忙しいフリをしていることに彼は反論し
“貧血(anemia)”らしく倒れたそうでジュリアが診察している
ことを語る。

◆診察室 (21番)

ジュリアはセレーナに検査した結果、「”溶血性”貧血/hemolysis」
であることを語る。
これは赤血球が出来てもすぐに破壊されてしまう症状。
原因を調べないといけない。

「”不規則抗体スクリーニング/Screening of Regular Antibodies”
は受けているか? 妊娠したら普通は受けるもの。血液型は
Rhマイナスと書かれているだけだ」

イヴァンは何度も受けるように勧めているが診察をキャン
セルしているのだという。セレーナは何を言っているのか
分からないとしてとぼける。

ジュリアはアルバに対してクームス試験(Coombs Test)を依頼
し、点滴(drip/IV push)で水分の補給をすることを求める。

・セリーナの病室にエリーザが来る

セリーナはエリーザが来ると、ようやくやってきたと語る。
お腹の赤ちゃんに対して”叔母さん”だとして、エリーザ
にもお腹を触ってくれと語る。そして夫であるイヴァンの
ことを紹介する。会うのはあなたの卒業式以来なのだから
喜んでという。
あなたは遭いにも来ないし電話一本くれないというセリーナ
だが、エリーザは悪態をつくようにして、

「何で電話するの?」「会いにいってどうしろというのか?」

その態度を見てガブリエルはエリーザを強引に彼女を外に
連れ出す。

ガブリエルは彼女に何なのかと語る。
姉の妊娠を知らず・聞かされずにビックリしてあの態度を
取ったのか。。

エリーザはそれに対して、

「何をしても驚かない。子供を作ったのも気まぐれ」
「子供が出来たら素敵な写真を撮って、また新しい
売り込み方が出来る」

ガブリエルはそれを聞いて女優はそういうものかも知れないが
それ以上に”二人の間に何かあるのではないか”と語る。
ガブリエルはその事情を話して欲しいというが、彼女は
姉の茶番に付き合いたくないだけだという。
しかしガブリエルは君に会って嬉しそうだったのは本心だと
語る。
エリーザは姉は16歳で家を出てそのまま20年アメリカに居る
こと。姉は他人からチヤホヤされたいだけだとし、せめて
あなたくらいは無関心で居て欲しいとガブリエルに語る。

・リッカルドが二人の前にやってくる。

“ポスターの女優”がウチの科に来ているというリッカルド。
大した病気ではなく検査の為だよねと。ガブリエルの担当だ
と知って羨ましいことを告げると、彼はリッカルドが担当
しろとしてエリーザと共に出て行く。

◆ナースステーション

フランチェスカ(Vittoria Gallione)はテレーザの元にやって
くる。「ママ、あんまりよ!!」

テレーザは娘に対して「学校はどうしたのか」を問うと、
パパの入院に付き添うから休んだのだという。
しかしテレーザは入院は別の緊急患者が出たので延期である
事を語る。それを聞いた娘はママの仕業だとし、意図してパパ
の検査を後回しにさせたのだという。テレーザは救急搬送
された患者は二人居るとし、妊娠した人も一人いるのだと
いう。
パパ(コッラード・マリアード(Stefano Alessandroni))
の腹痛よりも間違いなく緊急でパパは一人で病院に来られる
のであなたが学校を休む理由にはならないことを語る。
しかしパパはずっと辛そうだとし、それも電話して来ない
のだから分からないでしょと告げる。
「養育費を払えば電話するわ」というテレーザ。

・ロレンツォが通りかかる

「お父さんは病気なのか?」とテレーザに尋ねるロレンツォ。

「グルテンアレルギー/Gluten Intolerance」・・
「乳糖不耐症/Lactose Intolerance」とも診断されている。

困った人で問題無い所に問題を起こす名人。食べては
いけないものでも食べたという。
それを聞いていた娘のフランチェスコはパパを酷く言わない
でと語る。
二人が険悪そうになったのでロレンツォはパパの事は
ガブリエルが診察して入院が必要だとなったら考えるので
お父さんを連れて来てと語る。
テレーザはスターじゃないが注目されたいただの人で
そんな人に注目しなくて良いという。時間があれば診察して
やってという。別れた夫婦は厄介だというロレンツォ。

・キアラが病院に来る

ロレンツォは彼女の姿を見て驚く。
屋上に移動して話し合う。

あれから薬に手を出していない。簡単ではないが頑張ってる。
これもあなたのお蔭だ。
キアラはそう彼に告げる。
しかし次に語るのは家の修理をするという話だった。
B&B(Bed & Breakfast)として今より高いレベルしたいこと。
ビストロもやりたい。
ロレンツォはキアラが”本当に”止めたなら嬉しいという。
しかし嬉しいがあの時に寝たのは間違いだった。
あれで関係が元に戻ったとかそういう事ではないという彼。
彼女もそんなつもりはないという。
しかし次に出た言葉は「1万ユーロが要る」との事だった。
隣人から通報されて家に検査が入ったこと。設備や非常口を
整えないと営業停止になる。猶予は30日。

それを聞いたロレンツォは家のリフォームなんて嘘だろうとし
薬も辞めていないだろう事を彼女の仕草で見破る。
逆に彼女はロレンツォに薬をやっているのは上司は知っている
のか?と問うと黙ってて欲しければ1万ユーロよというキアラ。
ロレンツォは薬は辞めたので勝手に言えばいいとしてその
場から立ち去る。

【感想】

年を重ねるごとに経験を通して人は成長していく。
幼少期、少年・少女期、青年男女、そして大人へ。
年相応の平均的な思考はあると思うし、それぞれの段階
での物や人に対する価値観の違いが見えて来るのは当然
のこと。歳月が経過していく中でも個々人が本来
持つ性格自体や固定観念を替えることはなかなか難しい事だ。
その状況を踏まえた上でそれぞれ問題を抱えて来た人物は
今になって問題に直面し、後悔した上で、変化を遂げて
乗り越えられたのかということが描かれていく。

人生には成功もあれば失敗もある。
失敗した時には先日のセカンドチャンスのようなことも
有るが、改めて成功を掴むためには、失敗した時の教訓を
生かして軌道修正を図る必要がある。
欠点を見直し、成功の為に努力する。時に反省し、相手
の言葉に耳を傾け、迷惑をかけた相手が居れば誠意を
もって謝罪する。
それが普通の人間なのだが、普通のことをするのは難しい
ことだ。
失敗を失敗だと何処まで自分の中で消化しきれる
ものなのか。
認められる人ほど解決するのも早いような気がするし
次の一歩も踏み出しやすい。

またその中に他人が関わってくる場合、価値観の相違に
対する柔軟性を持たせる必要がある。
その価値観に固執するあまり一人孤独な道を歩む人
も居ればパートナーの存在の必要性・重要性を感じて、
互いに譲歩していくこともある。

親子関係に言及するものが有り、ものすごく回りくどさ
がある。容易には言えないこともあるのだろう。
しかし相手への思いが強ければ自分から会いに行くもの
ではないか。それが誠意というものだ。

セリーナはエリーゼが会いに来てくれないと不満を言う。
実際には大学卒業までは連絡は取っていたみたいだが
何故その時を機に会いに来なかったのかを深く追求しな
かった。

問題から逃げれば逃げる程に歳月ばかりを重ねて解決は
難しいものになる。時に逃げることの必要性を唱える
風潮は有るけれど、人生に於いて逃げてばかりでは居られ
ない。

今回のテーマは「エゴイズム」であるが、「依存」
もあると思う。それが分類的に同義なものとして一部
扱われるかどうかは分からない。
依存というと薬が真っ先に思い浮かぶし、それを利用
するのは本当に体調改善の為に欲している人とは別に、
一時的に楽になる為の毒として利用するものも有る。
また薬だけでなく人への依存というのも少なからず存在
する。
どちらも厄介なもので、年を重ねるほどにより厄介な
ものとなる。

●親子関係の難しさ

親子関係では二つのケースが描かれた。

一つはセリーナとエリーザの関係。
一つはテレーザとフランチェスカとコッラードの関係だ。

・セリーナとエリーザの特殊なケース

姉妹だとされていたセリーナと研修医・エリーザの関係。
エリーザの家族関係者が出て来たのは初めてで、
これまでエリーザと言えば、頭は切れるが気が強くて
他人に厳しくライバル意識も高い。その反面弱いもの
には優しい一面を有している。
ツンデレに近いものが有り、萌える~って人は居るかも
知れない。

姉は女優業をしていてどれだけ売れているのか分からない
が、病院にはポスターが貼られ、アンドレアが過去の作品
を見ていると言っているくらいなので、それなりの
地位は築いているのかも知れない。

その姉に対して妹が必要以上に厳しい態度で接している
のはなぜなのか。
大学卒業まではそれなりに連絡を取り合っていた。
13歳の時には撮影のシチリアにまで会いに来てくれた
という。
原因は意外と早い段階で想定できるものが有るが、姉は
16歳で妊娠しており、その時の子供がエリーザである。

今回赤ちゃんが出来たことにより、検査をする必要を
唱えていた夫に対して、過去に妊娠したことがバレる
のを恐れたのかキャンセルを繰り返していた。

問題となるのは、セレーナ自身の性格や職業にもよる
所が大きいが、

・子供(エリーザ)の存在を隠したい。
・子供を利用して自分をアピールしたい。

この二つの事実がどれだけエリーザを苦しめたのかと
いうことである。実際には違うとしてもそれを訂正せず
相手に誤解を与えたままでいたという事実は残る。

セリーナとエリーザを見ていると二人の行動や仕草の中に、
似たようなところが見て取れる。それが親子の血のつながり
だと思うとクスりとさせられる。

面倒なこと、核心を突かれた時には、分かりやすいくらいに
話を逸らしてすっとぼける癖があり、ズケズケとものを
いう割にそういう所では言葉にできない。

・テレーゼとコッラード

もう一つのパターンは看護師として働くテレーザ家の
事情だ。二人の間でネックとなっているのは、
テレーザの元夫であるコッラードを巡る扱いによるもの。
娘のフランチェスカは苦しそうにしている父親を無視
できずにいる。

この家族を見ているとかつて息子マッティアを失い
家族が離散してしまった時のアンドレア、アニェーゼ
の娘のカロリーナを思い出す。

夫婦は他人で有っても子供は両親と血を分けた関係で
ある。仲良くして欲しいと思うのは当然のことだ。

しかしテレーザの夫は自分にだらしがない。
今の時代、テレーザが働くのであれば夫が主夫として
家庭を守っても別に責められるものではない。
テレーザがそんな夫を甘やかして来た結果病気になり
その病気の原因の中にもそんな二人の過去の関係や
性格的なものが見え隠れする。

腹痛やだるさを訴えて来た夫。

「ガンを患っているのではないか」

その可能性に言及しつつもテレーザが慌てず騒がな
かったのは夫の性格を誰よりも知っているからだ。

●この二つのケースに共通するもの

共通するのは幾つかあるけれど、「真実」が誰の口から
当該する人物の耳に入るのかによって心証が変わって
くるのも事実である。

エリーザは姉妹ではなく母だと思っていた祖母から
その事実を聞かされていたこと。

コッラードの病気に関してはロレッツォがテレーザに
話すつもりだったのに対して、そのタイミングを逸して
しまう。そして娘がそれを知った際、凄い勢いで母親
を睨むシーンが有った。

●過去は必ず現在を追いかけて来る

今回のドラマでは患者は病院の関係者にとって大事な人
たちであるにも関わらず、緊急性がある訳ではなかった
ので、解法までの流れには緊迫感はなかった。

私生活での一面が描かれ、人間関係を通してその性格も
見え隠れする。

改めて相手への気持ちを考えた場合、好きだと思っていても
相手が今でも好きだという状況ではない可能性がある。
また一方が別の所で恋愛関係が生まれて入り込む余地がない
場合もある。

時間の流れは同じように見えて人それぞれに違うもの
である。

アルバはリッカルドとマリアの関係が進むのを見て
ショックを受ける。気持ちを打ち明けようとしていた
のにすれ違いが起きている。

アニェーゼもアンドレアに対する気持ちに再び
火が付いたのか。彼がジュリアと付き合っていたという
当時の状況と共に今でもヨリを戻すようにして
近づいていることにショックを受けているように見える。

悲しいことにジュリアもまたアンドレアとの関係に
悩んでいるタイプだ。彼がアニェーゼと居るだけで
嫉妬心に火が灯る。しかし彼女の凄い所は、

「一度目のキスまで10年待ったのだから・・」

まさに我慢の子である。

ロレンツォとキアラの関係は微妙だ。
寂しい時に元彼女に頼った彼。
間違いに気が付いた時には既に印を押されたかの如く
ドラッグに身を投じてしまいそれがバレてしまう。
マルコが知ったことで果たして彼はどう判断されていく
のかは分からない。
しかし怖いのはキアラだ。
1万ユーロが必要だとしてロレンツォを脅迫してくる。
電話攻勢に直接彼の職場まで会いに来る。

アンドレアのアドバイスが至る所で効果を発揮していた
のでやはり困ったときには頼れるような大人の意見を
持つ人が必要なのだろう。

●酷な選択

今回若年故に判断を誤ったケースが二つ有った。

・17歳のマリア
・14歳のセリーナ

マリアはリッカルドとの関係に於いて、自分とダイビング
をしていた際に怪我したことに対して逃げるという選択
を取った。またリッカルドからの求愛に対する答えを出せ
る時期でも無かったのだろう。

セリーナは14歳で妊娠してしまった。
相手が誰かは分からない。
出産するかどうか。
この決断を14歳に求めるのは非常に難しい。

当時の両親がどのように考えていたのか分からないが、
そうすることがベストであると考えたのだろう。

しかしその後の対応が共に悪かったという事だった。

【患者】

●セレーナ・ルッフォ

ドラマの冒頭では病院に彼女のポスターが貼ってある。

女優。眩暈で倒れて病院にやってくる。
彼女は妊娠していてお腹も大きくなっている。

担当医はジュリアとアルバとガブリエルだった。
珍しい組み合わせだと思えばリッカルドがミーハーな言葉を
発したことによりガブリエルがリッカルドに譲る形となり
“いつも”の組み合わせ。

検査結果「溶血性貧血」
これは赤血球が破壊される症状で、何の抗体がそれを行って
いるのか原因を探る必要がある。

彼女は妊娠しているにも関わらず「不規則抗体スクリー
ニング」を受けていない。勿論後になって何故その検査を
受けようとしないのかが分かる。

クームス試験をして、準備が出来るまで点滴で水分補給
をする。

初期検査の結果
ヘモグロビン8.4の割には元気だった。体が慣れてしまっ
ているのか。
アルバは妹であるエリーゼに原因を聞けば良いとするが、
リッカルドは性格が真逆なので姉妹の筈はないという。

・溶血の原因を探れ!!

クームス検査の結果、血液が抗体で一杯になっている。
「寒冷凝集素」「RH抗体」も同様だった。

前に妊娠したことがあるのか。
Rh抗体は胎児には危険なもの。妊娠した記録は無い。

「遺伝性疾患」や「最近変わった手術」は行っていないか。
全ては免疫異常から来ているのか。
「リンパ腫」も考えられる。

セリーナが再び気絶しストレッチャーで運ばれる。

通常はここでコルチゾンを投与する。
しかし溶血の原因が分かっていないのでそれは出来ない。

検査結果、「リンパ腫」と「自己免疫性溶血性貧血」
は否定される。抗体の種類が多く特定が難しい。

更にヘログビンが下がり7.9。輸血の必要があるが
抗体のことを考えるとリスクが高い。

・アルバは改めて患者が近年病気をしていないか尋ねる。

イヴァンは出発前に咳が出ていた。
薬は飲みたくないとして医者からハーブシロップを
出してもらっていた。

・エリーゼに尋ねる。

セリーナは熱帯病のある地域への旅行とか再発性疾患、
薬物常用などは無いのか。
エリーゼも意固地になって話そうとしない。

「医者の君が考えれば思い当たることがあるだろう。」

医者は家族の事であっても特別視してはならない。
ましてや病気の原因を知っているのに話さないで
いるというのは医師として、人としての問題に関わって
くる。この辺は【その他】の項でも取り上げる。

極秘出産が有ったのではないか。
かつてRhプラスの子供を出産していたならばRh抗体の
説明がつくこと。子供の命がかかっていると言われ、
エリーゼとしては相当複雑な心境だとは思う。

・原因は?

溶血の原因はRh抗体ではなく「マイコプラズマ肺炎」
による「寒冷凝集素」ではないかということ。
免疫グロブリンは胎盤を通らないので胎児には安全。

・退院許可書が出る

暖かくすること。コルチゾンで溶血は改善する。
しかしRh抗体がある理由を調べる必要はあるので早め
に検査はして欲しいという。

しかし待ったをかけたのはエリーゼだった。
セリーナき過去に妊娠・出産していて、その娘がRhプラス
だったので抗体が出来たこと。

再び入院し胎児エコーをする。

●コッラード・マリアード

フランチェスカという娘がいる。
早い段階で患者のコッラードは看護師長のテレーザの元夫で
あることが分かる。養育費を払っておらず、テレーザとは疎遠
だった。

ロレンツォはガブリエルに対して入院が必要だと判断したら
検査するように言われている。
聴診器を当てて調べる。

・「疲れが取れない」「腸も最近調子が良くない」

患者によるとそのように語る。
更に乳糖を取らないようにしている。
「グルテン」と「乳糖」はもう一切取っていない。

辞めてすぐには良かったがまた悪くなった。

触診する為に服をめくりあげると腹部に発疹が有る。

朝に検査した方が良いという結論。泊まったらどうかとして
処置室を泊められる様にする。

胃腸のウイルスではない。鉄分が不足している。
腹部エコーをする。
年齢から考えると鉄分の不足はかなり心配要素。
腫瘍の可能性が出て来る。

ロレンツォは自分からテレーザに話をしておくことを語る。
しかし彼にはキアラという強敵との対峙に忙しい。

・検査する

恐らく「過敏性腸症候群」だろうとして、薬で抑えて
から検査しようということになる。

エコーでは何も見えないが腫瘍の可能性はあるので
内視鏡検査をオーダーする。

・テレーザが病室へ

娘に睨まれたことやアンドレアに言われたことに共感
したのかは分からないが元夫の元にいく。

まだ内視鏡をする前のこと。

彼の病室を見るとオーツミルクを飲んでいる。
鉄分不足、体調不良、皮膚炎はそのせいだった。

彼は豆乳のカプチーノが気に入らずにオーツミルクを
飲むようになった。オーツミルクの中にはグルテンが
混入している場合がある

【その他】

・キャラメルは秘密の暗号

マッティアの件を取り上げていた当初はキャラメルの件も
よく出て来たんだけどね。
息子にだけ使っていたのではなく、息子の死後はジュリアとの
間で暗号に使っていた。
1粒はコーヒーを飲もう。
2粒は・・有ったのか?

問題は秘密の暗号という所に有り、アニェーゼたちに隠して
いたこと。

・サトナルに対する様々な疑問

ロレンツォにサトナルについて色々と尋ねてみる。
すると分かったことは4つ。

「この研究はこの科が主導していた」
「他の科から来るデータの分析もまとめてウチでやった」
「論文を出している」
「その論文は誰が書いたか分かっていない」

資料は資料室に有るとするが十分ではない。

昼食時にエンリコからその手の論文は何処に有るのか尋ねる。
サトナルについては効果的な薬のようで掲載している雑誌
“DAYScience”など一流紙に取れ挙げられている。

文書保管庫にあるのではないか。
昔文書保管庫が有った場所はジムになり、地下に移動されて
いる。そこに入るには院長のアニェーゼの許可が居る。

・キアラ

ロレンツォが関係を持った相手で、彼女は麻薬の売買に
関わっている。表向きAirbnbの様な民泊を提供している
が、実際には性接待なんかも含まれていたのかな。
彼が医者だという肩書きがあり、麻薬をしようしたロレン
ツォに一万ユーロを要求してくる。
社会的肩書きが高い方がこの場合不利に働くことが多い。

・マルコとテレーザ

マルコは先日ロレンツォがゴミ箱に捨てた麻薬のケースを
拾ったので、その薬が何なのかをテレーザに頼み分析を
オーダーしてもらう。その結果を受けてロレンツォを問い
詰める。
マルコは彼を検査してもしも麻薬を接種したことが分か
ればクビだ。

●患者の人物像

・セレーナは映画俳優。

アンドレアが20歳の頃に彼女の出演する映画がヒットした。
映画の舞台となるイスキア島を見て絶対に休暇は遊びに行く
と考えていた。

小児病院の為にも募金活動をしている。
エリーゼは良い人ぶっているだけだとするが・・

セリーナとエリーザは15歳年が離れた姉妹。
一緒に遊んだ記憶もないとしているが大学卒業までは
それなりに会っていたようなセリフも会話の中に出て
くる。
13歳の時にエリーゼは撮影したシチリアまで会いに来て
くれたという。

その頃恐らく認知症の祖母から事実を聞かされたのだろう。

エリーザがあれだけ素っ気ない態度を取っていることに
アンドレアやガブリエルは不自然に思っていた。
“無意識に怒らせたのか”

・患者のセレーナはエリーザの姉だとされていたが・・

実際には母親だった。16歳の時に家を出て以来音信不通。
20年間アメリカに渡っていた。
しかし物語が進めば彼女がエリーザの姉ではなくて母親で
有ったことが判明する。ドラマに鋭い視線を投げかけ
ていれば意外と早い段階で気が付いた人も多いはずだ。

正確にはエリーザが語る。

「私が生まれる前の年に家族でカゼルタからミラノに引っ
越ししている。父の都合かと思ったが、実際にはセリーナ
が妊娠。私は年の離れた妹ってことにされた。」

・マリア

リッカルドの元にやってくる。
彼女はセレーナの取材で来たが、しかしリッカルドにもまた
会えないかと思い来たという。折角の再会なのでまた会える
ようになりたい。しかし問題となるのは、彼女は彼を
求めていなかったこと。ケガして以降彼女は彼を探しに
来た形跡がない。

●アドバイス

アンドレアは色んな人にアドバイスをしていた。
何よりも大事なのは人間関係が複雑でこじれている
とはいえ、家庭の事情と医者として患者の病気の事は
別に考えるべきであること。

ランチ時に食欲を無さそうにしているアルバを見た
アンドレアは同席した時にアドバイスする。

「悩みで食欲も分からないなら悩みを吐き出せばいい。」
「心がスッキリすれば胃もスッキリする」

「その人が好きなら伝えろ。間違いなくリッカルドに
とっても大事なのはそこだ。」

何でもお見通しのアンドレア。

またエリーザとセリーナの件でもアドバイスをしている。

そのおかげでエリーザはセリーナを母親と認めた。
ただしお灸をすえるようにして、彼女を軽く抓るような
セリフを語っている。

「あなたの嘘のせいで赤ちゃんが生まれなかったかも
知れない」

・言葉は時に相手の心を切り裂く刃となる。

「二人のウチ、性悪なのはエリーザだ」

そう語ったリッカルドは彼女たちの難しい事情を知らず
にそう告げてしまったことに後悔する。

・venerdi 24 gennaio 12:55

アンドレアの携帯画面を見ていたらこの文字が出て来た。
イタリア語で 「金曜」「24日」「1月」「12時55分」
の意味。

因みにイタリア語では・・

1月 gennaio
2月 febbraio
3月 marzo
4月 aprile
5月 maggio
6月 giugno
7月 luglio
8月 agosto
9月 settembre
10月 ottobre
11月 novembre
12月 dicembre

月曜日 lunedì
火曜日 martedì
水曜日 mercoledì
木曜日 giovedì
金曜日 venerdì
土曜日 sabato
日曜日 domenica

【SOUNDTRACK】

・I’ll Find You in the Dark by Nico Bruno
・Need you right now by Nico Bruno
・Changed at all by Nico Bruno

【CAST】

アンドレア・ファンティ (Luca Argentero) 元内科医長
ジュリア・ジョルダーノ (Matilde Gioli) 医師、アンドレアの恋人
アニェーゼ・ティベリ (Sara Lazzaro) 外科医、元アンドレアの妻
マルコ・サルドーニ (Raffaele Esposito) 内科医長、秘密を持つ

エンリコ・サンドリ (Giovanni Scifoni) 精神科医
ロレンツォ・ラッザリーニ (Gianmarco Saurino) 内科医
リッカルド・ボンヴェーニャ (Pierpaolo Spollon) 医師、アンドレア慕う
アルバ・パトリツィ (Silvia Mazzieri) 研修医
エリーザ・ルッソ (Simona Tabasco) 研修医
ガブリエル・キダーネ (Alberto Boubakar Malanchino) 研修医

テレーザ・マラルディ (Elisa Di Eusanio) 看護師
***カロリーナ・ファンティ (Beatrice Grannò) アンドレアの娘
***マティア・ファンティ (Luca Morello) アンドレアの息子
***若い頃のキャロリーナ (Giulia Patrignani)
**イレーネ・チェラルド (Maria Rosaria Russo) マルコの妻
レナート (Luca Avagliano) 看護師

ダヴィデ (Simone Gandolfo) アニェーゼの現在の夫
マリア・ダミーコ (Bianca Panconi) ジャーナリスト
キアラ・マラビーニ (Benedetta Cimatti) ロレッツォの元彼女
セレーナ・ルッフォ (Ilaria Spada) 女優、妊婦
イヴァン (Matteo Taranto) セレーナの彼氏?仕事のパートナー
キアラ・マラビーニ (Benedetta Cimatti) 宿を貸して生活している
コッラード・マリアード (Stefano Alessandroni) テレーザの元夫
フランチェスカ・マリアード (Vittoria Gallione) コンラッドの娘

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