ハリーの災難 (1956年)
The Trouble with Harry
監督/Alfred Hitchcock
原作/Jack Trevor Story
【感想】
※レジデント・エイリアンのサブタイトル(8話)がこの映画
と同じだったので取り上げましたが、視聴したのは
4半世紀前のことで当時のHTMLに変更を加えただけの
ものです。
8話 ハリーの災難へ
人里離れているような紅葉の映える田園での殺人事件。
「殺人は喜劇である」。
この映画のプロモーションの為ヒッチコックが来日した
時に唱えた言葉。
それを証明するかのように映画の中では”殺人”に対する
猟奇性を喜劇として扱い、非日常的な事をまるで日常的な
ものであると捉えて、人々の倫理観を刺激する演出を
180度違った方向に向ける。
視聴者自身、気が付くと映画の中で唯一、正常的な感覚
を持つ雑貨屋の息子/保安官助手の男の存在が邪魔である
と感じ、死体が見つかりそうな場面ではいつの間にか、
何事も無いままに過ぎ去ることを願ってしまう。
この辺の演出は視聴者の興味や意識を、緻密な視点で
計算するヒッチコックらしい構成だ(゚□゚)
殺人に対する考察だけではなく、シチュエーションが
最も尊主されるべき恋愛劇を死体の目の前で発展させて
いく展開、映画の舞台と音楽はまるでジュリー・アン
ドリュースが出てきそうなミュージカルっぽい色が基調
となっている点など、何処をどう見てもナンセンスその
ものなのだが、この不思議な感覚の前に戸惑うしかなく、
正直、映画としてはあまり面白くない(´ω`=)
【CAST】
サム・マーロウ (John Forsythe) 画家
ジェニファー・ロジャース (Shirley MacLaine) アーニー母
アルバート・ワイルズ (Edmund Gwenn) 元船長・ウサギ猟
アイビー・グレイヴリー (Mildred Natwick)
ウィッグス夫人 (Mildred Dunnock) 雑貨屋
アーニー・ロジャース (Jerry Mathers) 森を探検する少年
カルヴィン・ウィッグス (Royal Dano) 保安官補
グリーンボー医師 (Dwight Marfield) 医者、極度の近視
大金持ち (Parker Fennelly) 雑貨屋の客