January 31, 2013
第14話 決別 One Percent
脚本/Denise The Melissa Scrivner-Love
監督/Chris Fisher
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バスケットをする若者たちのことを見に来るリース。
ビッグフットとローガン・ピアースが対決していた。
リースはフィンチからマシンが割り出した対象者は大学を中退
したローガン・ピアースだということを聞いていた。
夢の実現の為カリフォルニア工科大を2年で辞めた人物だった。
しかしバスケットで遊んでいるだけのように見えるリースは
一体どういう人物なのかと問う。彼は自ら事業を立ち上げ
億万長者になったのだという。フレンザー.comという交流サイト
を大学時代の親友と立ち上げ完成させたことで、現在10億人
近い登録者がいるという。フレンザーでチーフエンジニアを勤め
表だって運営・管理しているのはジャスティン・オグルビー
で長年のパートナーだという。マーケティングのうまさだが、
プログラムを担当しているピアースが離れると相棒としては
都合の悪いだろうことを告げる。
フレンザーは72時間後に株式公開を控えている状況であること
を語る。
リースはフィンチに遭う。
ピアースの携帯はペアリングが出来なかったと告げると、彼は
企業スパイを経営して携帯を一日に2度変えて居るのでペアリング
は意味を成さないだろうと語る。今夜はチャリティオークション
に参加するのでそこで株式公開の会見をすることになっている
という。フィンチはリースに黒のタキシードを着て参加すること
を告げる。
一方カーターは行方不明者ディビッドソン刑事の資料を見ていた。
ファスコは匿名のタレコミの調査をしているのかと問う。
刑事が殺害したというタレコミ内容だったが、カーターによると
内務調査局の刑事に死んで欲しいと思っている人は大勢いること
を告げる。しかし昨年亡くなった刑事はディビッドソンだけでは
なくスティルス刑事も居なくなっているという。ファスコとは
51分署時代の同僚ではないかと問う。二人共遺体も出てない
状態であり、これは異常だと語る。
そんなカーターの元にフィンチから電話とメールが届く。
ローガンに関連し、フレンザー社のCEOの裁判について調べて
欲しいというもの。200件にも及ぶ訴訟が有り、フィンチは
一応優先順位をつけて置いたとして、調べて欲しい事を語る。
フィンチは犬のベアの様子がおかしいことに気が付く。
黒いタキシードを着たリースはチャリティパーティーに出席。
そこでピアースの周りに集まる人物を確認する。
ピアースとジャスティ以外にもう一人、男が居た。リースが
写真を送ると、その人物はカリフォルニア工科大時代の知り合い
で10年越しの友人であるジェレミー・キャンベルだろうとのこと。
ピアースの弁護士で、彼が担当しているクライアントはピアース
だけなので、首になれば失業するという。
リースに対して、今日の君はヘッジファンドマネージャーの
ジョン・ワイリーとして接触するよう告げる。今日はアセット
マネージャーのジョン・ルーニーじゃないのかと問うと、
ルーニーは100万長者だが、ワイリーは億万長者という設定だと
いう。
そんな中ピアースの元にはベン・ケイマンと妻のシンシアが
挨拶する。二人はコネクトロイド.comを運営していて、実質
フレンザーの出現によって価値が半減してしまった交流サイト
だという。親しげにしているのも建前だろうと。
チャリティではアインシュタインの直筆の手紙がオークション
にかけられる。ピアースはベンと競り合う中、ベンに対して
あまりに挑発的に振る舞う。500万ドルを提示したピアースに
誰も名乗り出られないと知ると、リースはコイツは何でも
自分の好きになると思い込んでいる人物だと告げ、思わずリース
は1千万ドルで落札してしまう。
ピアースにメールが届くと室内から出て行った為にリースも
追いかけていく。するとベンの妻・シンシアと親しげにして
いるのを目にする。彼はベンの事業だけでなく妻をも奪おうと
しているのか。
ジャスティンはシンクレア・メルボーンと共に株式公開の会見
を開こうとするが、ピアースがその会見をキャンセルしてしまう。
もう少し彼に取締役会での決定事項を聞くよう説得しろとして
シンクレアは激怒する。彼は取締役会の議長を務めている人物だ
と分かる中、ピアースは会場から居なくなってしまう。
リースは追いかけると空にはヘリコプターが飛んでいた。
マンハッタンでの離陸に関しては規制があるのに、この人物には
常識が通じないとしてリースは頭を抱える。
— 2001年 —
ネイサンはフィンチの元にいくと、何故電話に出ないのかと
問い詰める。現在ヒューリスティックの研究中だった事を告げる。
今朝のことを知らないのかと問うと、ネイサンはテレビをつけて
フィンチにその光景を見せる。アメリカ同時多発テロ事件が
起きた状況でテレビには世界貿易センタービルに二度に渡って
飛行機がぶつかる光景が有った。世界を変えたくてここを作った
というネイサンは俺たちは変わったが、世界を変えるのは今日から
だと語る。俺たちが変えないと誰かが動くとし、その誰かを
止める為に出来る事は有るのかと問う。
— 2013年 —
— 2009年 —
— 2013年 —
— 2009年 —
— 2013年 —
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不本意な形では有るが、ようやくドネリー捜査官から解放された
リースは、通常業務に戻りマシンがはじき出した番号の人物を
助ける為にその人物・ローガン・ピアースの素性を調べていく。
彼はフィンチと同じくしてソフトウェア技術開発者でカリフォルニア
工科大時代の友人と共に立ち上げた交流サイト(SNS)で財を築き
上げた人物だと知る。しかしピアースのことを尾行しているウチに
彼の性格はあまりにイカれており、多くのライバル企業から恨みを
買うような行動を取っていることが分かる。果たして彼に迫る
危機とは何なのか。
久しぶりにリースがシャバから出てきた後のエピソード。
水を得た魚の如くリースが縦横無尽に動き回り、彼の持つスキルが
遺憾なく発揮出来るものとして描かれていくのかなと期待したけど、
そんなリースさえも振り回していくという技術系プログラマーの姿
が有り、そんな人材すらイメージされるオタク的姿とは別の社交的で
アクティブな人物を警護していくというものだった。
テーマとして見れば時代と共に移り変わる価値感の中での「普遍性」
だったり「信念」だったりするのかな。
分かってみれば今回の対象者であるピアースは、「技術は廃れる
ものだが、人の繋がりは廃れることはない」という考えを持ち、
「みんなが求めるのは本物の繋がり」だとして、サイトを立ち上げ
ることへの理由・理念を持って開発していることを語っている。
多くの人脈を作ることは大切だけど、世知辛いことに現代の世の中
に於いては、その価値感も人それぞれ。立ち上げ当初は同じ
信念を持っていたとしても、状況が変わると人も変わってしまう
ということを示唆しているかのようにして、その時々の状況によって
自分と関わり合う人たちとの間にある信頼性が試される。
金の切れ目が縁の切れ目だと言われる世の中だし、フラッシュバック
の中で描かれる同時多発テロのような人生の分岐点とも言える事態が
目の前で起きた際に、残るものとは一体何なのか。
人には個性があるようにして、経営的手腕を発揮していた親友の
ジャスティンはマーケティングの才能を発揮して利益をもたらして
いるが、ピアースは技術畑の人材ということで、金には無頓着な
ところも有る。しかし物に固執するような態度を見せているところ
を見ると、その人となりの人生なり、個性が分かる様に、その人の
中に有る拘りだったり信念というものを垣間見ることが出来る。
ピアースがイカれたような態度を取ることの理由の中には、会社創設
時の理念が変わってしまったことで、今の関係とは手を切りたい
意図が有る様子。
一番身近にいるものに裏切られることの辛さというのは、今の所
チーム”フィンチ”らの間では起きては居ないけど、いつそれが
変わるとも限らないものが有って、ある意味示唆するところも大きい。
そして何よりもそれぞれのキャラクターが過去によって縛られている
事情が改めて抽出されるけど、人を動かす原動力は過去との繋がり
は決して離せないものが有るのだろうね。
フィンチは確かに天才だけど、優秀なプログラマーというのは
フィンチだけではない。今回はまるで縁もゆかりもない人物が
自分の事を守ってくれている現状に対して違和感を覚えたピアース
がフィンチやリースのことを調べようとする一面が有った。
その好奇心は如何にも情報が世界を制すると感じて居る技術畑の
人らしいところに繋がって居るけど、彼の中でもリースが
警察が追っている”スーツの男”だというところまでは想像した
だろうけど、それ以降の証拠には繋がっていかないとする一面が
有るのだろう。
縁もゆかりもない人物を守ることの中に、本物の人間的関係性を
築くことが出来そうな相手だけど、その力を一人の手に留めておく
ことの罪というのは有るからね。
好奇心の延長からリースの時計の中にGPSを仕込まれていた。
フィンチはすぐに気が付いたので大事には至らなかったが、そんな
人物から無条件に贈られたものに手をつけても大丈夫なのかと
思わせる流れが有り、同じ技術畑の人物だからこそフィンチも
気が付いたのだろうね。今のリースはある意味では少しずつ人の
善意を疑わなくなりつつ有るのでその辺のリスクは感じる。
しかしリースがもらったものだし、GPSは取り出せば良いだけのこと
なのに、壊さなくても良いでしょうが!(c)田中邦衛って感じで、
ちょっと惜しいと思ってしまうところは、小さいかな(笑)
ファスコとフィンチがきっちりと今回のエピソードに於ける
仲間とパートナー、友人ということを区別するようにして、
ビシっと語るところがまた良かった。
「過去の過ちが貴方を追いかけてきたとしても庇ってもらえると
思わないで。今はパートナーで友人かも知れないが、私は刑事だ。」
過去のフラッシュバックを通してもっとも興味深い流れとしては、
2009年にアナ・サンダースが番号として表れた際には
「”無用”、緊急時機能作動、サブ管理者」
と表示されたけど、
2013年に於けるピアースからの贈り物の時計の一件では
「管理者への脅威、受信者不明、監視対象、ローザン・ピタース」
と書かれていたことかな。
ジョン・リース(Jim Caviezel) 元兵士、恋人ジェシカを失う
ハロルド・フィンチ(Michael Emerson) 犯罪防止システム開発者
ジョス・カーター(Taraji P. Henson)刑事
ライオネル・ファスコ(Kevin Chapman) 腐れ刑事、情報屋
犬 (Graubaer’s Boker) Bear the Dog
ネイサン・イングラム (Brett Cullen) 元フィンチの相棒
ジャスティン・オグルビース (Charlie Semine) フレイザーの経営パートナー
ジェレミー・キャンベル (Chandler Williams) ピアースの弁護士
エミリー・モートン (Brooke Bloom) 相性診断サイト開発
ローガン・ピアース (Jimmi Simpson) フレイザー.comの開発、大学中退
シンクレア・メルボーン (Tibor Feldman) フレイザー、取締役会議長
ビッグフット (Quincy Chad) バスケ仲間
ベン・ケニマン (Paul Schoeffler) コクネトロイド.com開発
シンシア・ケニマン (Bridget McKevitt) ベンの妻
リチャード・グラント (Paul Juhn) フレイザーを訴える
— (Jordan Baker) Emily’s Lawyer
— (Robert Jimenez) Grant’s Lawyer
— (Barry Ratcliffe) Auctioneer
ジャネット (Liv Rooth) Attractive Reporter
— (Jermain Hollman) Basketball Player
— (Stefano Villabona) Russian Bar Goer