第18話 大勝負 All In
脚本/Lucas O’Connor
監督/Tricia Brock
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“今日は人生最高の日だ。”
レオン・タオはピンクの髪の毛をした娼婦のキャンディと心を
通わせ一緒になろうとベッドに向かう。しかしキャンディは
手錠プレイをするのかと思えば奧からは二人の男が現れる。
お前に盗まれた金を取り返しに来たという男。もしかして
ナイジェリア詐欺をした人なのか?と問うと、まさかホントに
ナイジェリア人とは思わなかったというタオ。キャンディは
500ドルを受け取るとさっさと立ち去ってしまう。通じ合った
と思っていたのに・・タオは悲しむ中、詐欺師から詐欺をして
も犯罪じゃないだろうと語る。もしかして俺を殺す気なのか?
と問うと、それならばマジで帰った方が良いと忠告。
ナイジェリア人はタオを殺そうとすると、リースが現れ二人を
あっさり倒す。こういう再会はもうヤメにしようというリース
は今度お前の番号が出ても俺は休暇を取ると語る。
お前はなんで殺されかけたのに平気な顔をしているのかと
リースに対して、女に振られて打ち拉がれているのだと主張。
フィンチはリースにすぐに戻ってくれとすると、また新たに
番号が出たという。今回は遠出してもらうことになるとし、
場所はアトランティックシティだという。
ヴィーナスカジノへいくリース。
マシンが割り出した番号は、ルー・ミッチェル。
引退した時計職人で一人暮らしで子供無し。妻のマリリンは
半年前にガンで亡くなっているという。情報は携帯に送ったが
彼のような時代の人はオンライン上にデータが少ないのだという。
リースは取りあえず本人を確認したと告げ、賭博”バカラ”を
しているとのこと。フィンチはバカラとかプレイヤーとバンカー
に分かれて9に近い数字を出した方が勝ちのカードゲームだと
すると、リースは国際的スパイの俺が知らない訳がないだろうと
告げる。ルーがディーラーと会話しているのを見てどうやら
常連の様だと語る。フィンチは資産状況を調べるとのことだった。
尾行して2日目も変わりない生活をしていた。
薬局にいるルーを監視するリースだが、誰が偏屈爺さんを狙う
というのか?とフィンチに問う。口座情報は何か分かったかと
問うが彼はオンライン取引記録がないので銀行システム自体を
ハッキングしたという。ルーには資産はなく、妻が亡くなった
際に全額を引き下ろして現在は年金暮らしだという。
金もないのにギャンブルをしているのか・・時計職人なのに
時計もしていなければ指輪もないと告げると、質屋にでも入れた
のかと疑う。しかしリースは指を見ると全ての骨が折れた形跡が
ある事を告げ、ルーは昔マフィアを怒らせたことがあるのではない
かと告げる。
ルーは喫茶店にいくと、ウェイトレスのケリーと会話する。
いつもルーは同じ席に座っていた。ケリーに対して幽霊になって
も店の最後を見届けるというルーに対して、本当にこの店が
無くなる可能性が有るという。マクリスが駐車場にしたいと
言っているのだという。
フィンチは昔のニューヨークジャーナルでルーの結婚式の案内記事
が掲載されているのを見つける。1972年の記事で、「ケネディ嬢
とルー・ミッチェルが結婚」と書かれていた。式の際にはマリリン
は友人として参列しているとのこと。
マフィアとルーに繋がりが有るかカーターに調べてもらおうという
フィンチ。
シマンスキーに調べてもらうカーターは、ルーはニュージャージー
の組織犯罪関係で70年代活躍していた記録があるという。しかし
ギャンブルの借金で幹部を怒らせたということ。現在その幹部は
活動していないが、今のヴィーナスカジノはドラッグ密売の温床と
なっているようだという。
一方ターニーはカーターを見かけると、スティルスの刑事の件で
懲戒に関する書類を見つけたと語る。
またカーターの元にはキャルがやってくる。
先日のオーウェン島で銃を向けられたが発砲されなかったこと
を見ると、イルクオーレに連れて行けという意味に取れたと
して誘いに来る。金曜日の夜だとすると、その前にカジノの件
で調べたい事が有るので手伝って欲しいと語る。
ルーがまたカジノに足を運ぶ。
フィンチはカジノは顧客カードでデータを管理しているので彼の
ギャンブル記録が見られるハズだと言う。ただしカジノは
セキュリティに金をかけているのでシステムに侵入するのは
少し難しいとのこと。そんな中リースにコンピュータのカード
ゲームをプレイしてもらう。そこにマルウェアを仕込むという
フィンチ。そんな中ルーの隣に男がいる事を知り画像を送信して
誰なのかと問う。フィンチはカーターからもらった情報に
記載されている事を告げ彼はダリエル・マクリス、地元の名士
でカジノのオーナーだという。麻薬課はコカインの密売でマーク
しているとのこと。ルーが顧客カードを使った為にこれまでの
賭けの情報が分かるようになる。半年間毎日2千ドルずつ負けて
いるという。32万ドル相当だという。しかし何故そんな大金を
持っているのかとリースは頭を抱える。借金のために借金を
しているのか。しかしあんなツキのない人も珍しいと告げると、
もしかすると彼は元締めなのではないか?と。フィンチは自分が
実際に監視すると告げるとリースは危険だとするが、あの老人が
人を傷を加えるとは思えないと語る。
一方カーターの前にシマンスキーが逮捕されてやってくる。
シマンスキーはカーターに対して誰かかにハメられた事を語る。
外国の口座、マイアミに別荘、内務調査局IABが大金がウチに
仕込まれているのを見つけたという。確かな情報を元に調べた
のだという。麻薬課の刑事が情報屋から聞いたと話していた
のだとすると、シマンスキーは今日は証言の予定だったが、
それを邪魔したいものの仕業だという。今日はロシア人ギャング
のピーター・ヨゴロフの裁判だったが、シマンスキーの
証言がないために裁判は続けられないと判事はいう。検事は
明らかな妨害工作だという。
法廷にはシモンズが現れると、ヨゴロフを連れて行く。ヨゴロフ
はシモンズに対して誰なのかと問うと検察側の証人が消えた
のだろうと語る。
ヨゴロフに対して助けたいとして、シモンズはクインの元に
連れて行く。お前らHRだろうとすると、もう終わったと聞いた
という。君の裁判はシマンスキー次第だとすると、君たち兄弟
が二度と刑務所に入らないようにすることも可能だという。
金が必要だとすると取引は金だというと、ヨゴロフは取引成立
だと語る。
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リースとフィンチはマシンがはじき出した数字がタオだと
知りウンザリしつつも助けに行く中、アトランティックシティ
で引退した時計職人のルー・ミッチェルの番号が出たことが
分かる。古い時代の人故にオンラインでの取引や携帯を使う
様なデジタル情報が不足していることも有り現地で色々と
直に触れて情報を探り出そうとする。毎日のようにカジノに
通い、喫茶店に通う年金暮らしの男性。しかし気が付くと何故か
昨日もドラッグストアでクスリを受け取っていた形跡が有り、
幾ら老人でも不自然ではないかと考えていく。更には年金暮らし
の割に毎日カジノで多額の金を使用していることから、その
カラクリが何かを調べていく。カジノや銀行のセキュリティの
厳しさに手こずる一面も有るが・・・
つい最近「スーツ / SUITS」でカジノネタを見たな。
NJ州・アトランティック・シティというとどうしてもカジノ絡み
のネタってことになる。
「スーツ / SUITS」のシーズン2-6「オール・イン All In 」と
タイトルも全くそのまんま。勿論内容はまるで違うのだけど。
カジノ街で、妻との思い出の店舗を守る為に活躍するというエピソ
ードを見ると、寧ろネバダ州ラスベガスを舞台にした「CSI:科学捜査
班」で見た一エピソードというところかも知れない。
最近の傾向としてフィンチが大金を使って店を守るとか依頼人を
助けるシーンが多い気がする。
先日もホテルを買い取り苦労人の移民の女性を支配人に仕立てる
みたいな流れが有ったけど、これをやりだすとイチ個人では
きりがない。今回も作戦のためとはいえ、タオを使って賭博を
させる為に100万ドルを捻出したり、番号に出た男性に逃亡資金を
捻出するシーンも有る。
ドラマとしては色んな要素が満載だったので、少々内容としては
散漫化してしまったような感じだった。このドラマの懸念される
べき問題の一つがHR暗躍の流れだけど、久しぶりにそれがローテー
ションの形で訪れた格好だった。
HRはS1-7に登場したピーター・ヨゴロフを使ってHRの資金源に
しようと考え、その為にシマンスキーを殺すという暴挙に出た。
クインはシーズン2に入ってから登場したキャラクターで、
Season 2, Episode 5
Season 2, Episode 9
Season 2, Episode 10
に続いて4度目の登場だ。常に資金源を探してHRの立て直しを
模索していた役割で、ロシア系ギャングを抱き込もうとして
画策していた部分が過去に描かれていたので、ようやく今回それ
を実行しようとしたというところなのか。
クインは大物だと思っていたけど、市長の首席補佐とは思わなかった。
益々組織の形態は「NIKITA / ニキータ」シーズン2っぽくなって
きたけど、HRは一度は壊滅の為に動いたので、どれだけの人数が
残っているのか、そのネットワークの全体像は全く見えないね。
当初シマンスキーは不当逮捕に留まったものの、カーターがシマン
スキーの金の流れを調べた結果、イライアスの資金を回収した際の
金が証拠保管庫からなくなり横流しにされていたということが発覚。
カーターが署内で大きな声で一連の流れにHRの存在が関与している
ことを口にしてしまったけれど、署内ではどれだけHRがまだ存在して
いると認識している人がいるのだろうか。
なるべく目立たないようにしているファスコからすれば、次に狙われる
のはカーターだと指摘されていたし、ようやくファスコも自分が
チームフィンチの面々に対してHRに脅されていることを示唆する流れ
に繋がっていくのかなと思って見ていたけど、今の所カーターに
だけが情報が渡ったのかな。
ターニー刑事はシーズン1の初期の頃から出ていたみたいだけど
正直これまでどんな役割をしていた刑事なのかイマイチ記憶が薄い
ので、ここに来てようやくHRの流れに荷担していたのかと思うと
カーターに接触する流れは不気味だった。
カーターが署に戻った際に、みんながカーターに一声ずつ声をかけて
いくシーンが印象的だった。ターニーはスティルス刑事の件を
調べているフリをしているけど、実際にはカーターが捜査しないよう
に煙に巻く為の存在なのか。そしてなんと言っても麻薬課のキャル
がどの程度HRの流れに荷担しているのか。
これまでマシンが稼働している流れに二種類あるんじゃないだろう
かと思う所が有る。
時々マシンがはじき出す現状を分析するメッセージが出るけど、
フィンチの関与しないところではじき出されているところなのか。
フィンチがマシンからの情報にアクセス出来るのって基本的に
番号だけで、それ以外のことに関してフィンチはメインサーバーに
アクセスしてマシンの挙動を調べることは出来るのだろうかという
疑問も有る。
今回のマシンはラストでルーがイカサマで勝負する際に
“変則パターン検出”、”異常なゲーム”として分析結果をはじき出して
いたけど、流石にいかさまごときでは国家の危機とかテロリスト
として認識されることは無かったのかな。
さて前置きが長くなってしまったけど、今回の単独エピソードは
引退した時計職人のルーら老人を使ったコカイン密売人の資金洗浄の
トリックを暴いていくというもの。
ルーというと、古き良き時代のマフィア絡みの人物として如何にも
出てきそうな名前な気がする。そんな彼が妻との思い出の場所
“我が家”を守る為に命を張るというものだった。
家族の存在というものを通して、フィンチが愛するものを失った
辛さを通してルーと接触したり、またリースも同様のものがある。
フィンチの場合はまだ相手は生きている訳で、危険から遠ざける
為に別れたけれど、それでも見守っている姿があるようだ。
もう忘れたとしていたけど、実際には写真を見ながら感慨に耽る
というシーンで締めくくられた。
ルー自身のエピソードとしては少々流れはよく分からなかった。
元々詐欺師として暗躍していた彼はマフィアから借金して
指を折られてしまったのか。指を折られたのに時計職人?って感じ
もしたし、妻の幹細胞治療の為に全財産を失ったとはいえ、
全ての責任をダリエルに怒りをぶつけるというのは違和感も有る。
最後に200万ドル相当の壊れた時計をフィンチは手渡していたけど、
これってリースがもらったもので、フィンチが踏みつけて壊した
ヤツじゃないか(笑)
若かりし頃のマリリンがとても綺麗だった。
マリリンとかルー・ミッチェルは過去1972年の新聞記事の中で
ケネディ嬢の結婚がどうとかネタとして取り上げられていたけど
マリリンってモンローのことでケネディ嬢というのはやはり
大統領のことを示唆しているのかな。
そういえば冒頭でナイジェリア詐欺のことを口にしているタオの
姿が有った。オークション好きの私にはヤフオクで一時流行した
ナイジェリア詐欺を思い出すけど、元々は口座を借りるという
フリして金を奪うというものだった。
昨日放送していた日本のドラマ「銭の戦争」の4話の中で使われた
ような手口に似ている感じだね。
ジョン・リース(Jim Caviezel) 元兵士、恋人ジェシカを失う
ハロルド・フィンチ(Michael Emerson) 犯罪防止システム開発者
ジョス・カーター(Taraji P. Henson)刑事
ライオネル・ファスコ(Kevin Chapman) 腐れ刑事、情報屋
犬 (Graubaer’s Boker) Bear the Dog
カル・ビーチャー (Sterling K. Brown) 捜査官
パトリック・シモンズ (Robert John Burke) 捜査官、HR
ビル・シマンスキー (Michael McGlone) 捜査官
レオン・タオ (Ken Leung) ケチな詐欺師
アロンゾ・クイン (Clarke Peters) 市長の主席補佐官、HR
レイモンド・ターニー (Al Sapienza) 捜査官、HR
ルー・ミッチェル (Ron McLarty) 元時計職人
ダリエル・マクリス (Michael Rispoli) 地元の名士、カジノオーナー
ピーター・ヨゴロフ (Morgan Spector) ロシアンギャング
メリンダ・ライト (Jennifer Van Dyck) 検事補、ヨゴロフ事件を起訴
ジェン (Amy Hohn) ディーラー
ケリー (Lisa Brescia) ウェイトレス、ルーの知人
ギンズバーグ (Luis Moreno) IAB Detective
キャンディ (Madison McKinley) 娼婦、タオが・・
— (Bowman Wright) ナイジェリア人
— (Natalie Toro) Cashier
— (Jamie Choi) High Roller Dealer
— (Rick Bolander) Busboy
— (Ronald Scott Maestri) Junkie
— (Toshiko Onizawa) High Rollers Waitress
— (Josephine Pizzino) Lou’s Excited Casino Friend
— (Renes Rivera) Goon
— (Gary Schnakenberg) Casino Player
— (Nancy Ellen Shore) Diner Patron
— (Steven Weisz) Atlantic City PD
エリック () カジノ警備
ベアトリス・フラトリー () 資金洗浄させられる老人A
タビサ・エウエル () 資金洗浄させられる老人B
ダイアン・リベッティ () 資金洗浄させられる老人C
ウリア・オマン () 資金洗浄させられる老人D
エリック・ボイル () カジノ警備部長
マリリン