第12話 許されざる者 Means & Ends
脚本/Jason Tracey
監督/Ron Underwood
【前回までのあらすじ】
フィーがアラロド連邦刑務所に収監されていた頃、アインという
女性に暫く一人でいられる場所を見つけて欲しいとし、暫くして
私を突き出せば所長はあなたに恩を持つはずで早く外に出られる
と語る。トム・カードはマイケルに対してネイトたちを殺したのは
タイラー・グレイだとしてパナマ行きを命じる中、いざグレイを
捕まえると自分はカードに雇われたのだという。
グレイと共にマイアミに戻るマイケルは彼がカードにマイケルを
始末したことを告げると流石だと言われ、グレイの言葉が嘘ではな
かった事を知る。
【ストーリー】
フィーとマイケルは海辺でのんびりとしていた。
もっとこういう時間が過ごしたくないかと問うと、フィーは”あなた
は誰?私の知っているマイケルは何処に行ったのか”と問う。
たまには休まないとクタクタだというと、フィーは本音を聞けて
嬉しいという。ここのところ確かにあまり寝ていなかった。このまま
じゃダメだとやって気がついたか?と問うと、カードの件が片付いた
ら二人で・・と言いかけたところ、何者かが来た音が聞こえ、銃を
持って身構える。やってきたのはグレイとそれを監視していたジェシー
だった。オレを信用していないんだなというグレイに念のためだという。
カードからの連絡があったとし、死体が見つからないのは灰になった
からだと思っているという。次の狙いはあんたの家だとし、この件に
関するものを見つけたら全てを燃やせと言われたこと。フィーは激怒
するが、偽情報を掴ませてカードを揺さぶるチャンスだとフィーを
説得する。フィーはマイケルに二人でやろうと語る。
『敵に掴ませる偽情報はさじ加減が難しい。いかにも本物らしい
ネタだが裏は取りづらいものを用意する。』
マイケルたちの倉庫兼自宅にいくと、このファイルを見せてくれ
という。オレがアンソンとカードの関係を調べていたと思わせるものだ
という。疑問は多いほど怖いだろうと。不安にさせて情報を聞き出して
こいという。フィーは集めていたスノードームも全部燃やすと聞いて
仕方ないこととはいえやるせない思いがしていた。
そんな中何者かがやってくる。開けてみるとフィーの恩人のアイン
だった。アラロド連邦刑務所で親しくしてた人だとフィーは説明
する。アインは私も出所したが困ったことになっているとして助けて
欲しいという。マイケルに対してウワサには聞いていたがイケメンだ
と語る。何故自分たちがいたことが分かったのかと尋ねると、近所の
子供たちにここを見張らせていたのだという。アインは彼女のお陰で
釈放されたがまだ自由ではないという。ガーザという刑事がしつこく
追い回されているという。ヤバイことはしていないが昔の因縁が
ありずっと根に持っているのだという。刑務所から出てきたことを
後悔させると脅されたのだという。マイケルは今はタイミングが
悪いとするが、フィーは携帯番号を渡しておくので朝イチで電話して
くれと語る。フィーはマイケルたちにアインが居なければ今頃死んで
いたのだとし命の恩人だという。今は警察には近づけないのでやめて
おけというマイケルに対して私一人でもやるというフィー。
グレイはトムに電話する。マイケルは何かを探っていたようだとする
と気になるならばネタを持ち出してから火を付けろとし、明日改めて
話を聞くという。フィーとマイケルは”耐えられるか?”と互いに
声を上げると、初めて二人で暮らした家を燃やすことになることを
無念に思いながらも、マイケルは新居を探そうと語ると火を付ける
のだった。
マイケルはマデリンの元に行く。遅くなったことを謝罪する。
オレはパナマで死んだ事になっているとし、もうちょっと我慢して
欲しいという。マデリンはバーベキューの臭いがすると、ワケアリ
で家を燃やしてきたという。弟を殺した男と手を組んだのもワケアリ
なのかと問われ、ばれないと思ったのかと言われる。ネイトが死んだ
のはカードのせいでグレイはただのスナイパーだと語る。マデリン
はそんな彼に逢わせてくれとし、息子を失った母親として聞きたいの
だという。マイケルは止めるが、マデリンは”逢わせなさい!!”と言って
聞かなかった。
■今回のミッション、流れ
・カードにネイト殺しを初めとした一連の行動の罪を認めさせる。
・マイアミに戻ったグレイは果たしてマイケルらに味方するのか。
・連邦刑務所時代にフィーを助けてくれたアインを助ける。
・ネイトを殺した実行犯・グレイとマデリンの面会。
・マデリンとマイケルの決断。
■怪物化するマイケルの行動
マイケル自身は気がついていないけど、マデリンはマイケルが
数々の復讐への執念を燃やす中で変わってしまった彼の姿を目にして
いるのだろう。マデリンの方が視聴者には変わってしまったのではな
いかのように見えるんだけどね。
マデリンがマイケルの制止も聞かずにネイトを殺したグレイと逢う
中で彼女は色々と質問をしているけど、グレイの姿はマイケルと
何ら変わりないところがあると感じているのだろう。
— 質問(マデリン) —
「知りたい。あなたみたいなスパイの心の奥を。」
「何でCIAに入ったのか?」
「人付き合いは苦手なのか?」
「カードがあなたを選んだのはどんな理由だと思うか?」
「あの子が誰か知っていたか?」
— 返答(グレイ) —
「国に尽くす為にCIAに入った」
「狙撃の腕が良いから。」
「弾は貫通すると分かっていたが撃つしかなかった。オレの任務でした」
端から見ていればマイケルだってきっと怪物のように見えるだろうし、
被害者にとっては尚更。ただそういう状況の中で最も信頼して見守って
欲しい家族が離れるというのは寂しい限りだ。
■悪い人は居るがそれを見極めるのは難しい
今回の一件を通して見ると本当に悪い人を見分けるのが難しいね。
その人にとっては一件悪だと思わせるけど、別の人から見るとまた
別の正義が存在する。
国の為の大義とすれば一番聞こえは良いのだけど、だんだんとそういう
言葉が免罪符になり、罪悪感や人の命の重さなんかも、かき消されて
いってしまうところがあるのだろう。
アインを追う刑事の件も規模は違うけど、助けられることを見捨てて
まで何かを成し遂げようとしていた男によって、本音の所では悪い
人物ではないところが有ったのだろうな。
カードにしても後任の立つ人物はまた同じようなことを繰り返すの
だろうし、グレイの後任のものもまた同時に何百人といるウチの一人
でこれからも量産されていく。
■アインを助ける流れ
だましあいという構図、恐喝して従わせようとする構図、どれも
これまでマイケルに降り注いできた流れにも似ている。
人を殺された恨みによってガーザがちょっぴり殺した相手に不条理
なことを強いる流れなど、気持ちは分からないでもないけど、
やはり身内を殺された人物にとっては収まらない気持ちを殺した
相手にぶつけるところがあったのだろう。
ガーザはもっと悪徳かと思ったけど、アイン以外の人物には意外と
マジメな感じだったのが意外に思える。
またサムとかジェシーは意外にも人殺しの助けはしないとして当初
はこの流れの協力には気乗りしないという感じだった。
アインの息子役の子、「HEROES」のマイカ役の子に似ていたな。
サムが一緒に母親を助けるための装置を作ったりしていた。
そしてジェシーがギャングの政権交代の座を狙うという役割を
もってストリートギャングっぽい格好をしていたけれど、ジェシー
を知らない頃ならばともかく、彼ってもうすっかり仲間としての
顔があるので、全くギャングに見えないのよね。
フルボッコにされた挙げ句、更に最後にガーザに正拳一発喰らって
いたときには相当痛そうだった。
■こうして追われる身になるか
まだドラマとしては相当なエピソード数が残っているので、カード
を殺しただけでは終わらないけど、やはりマイケルが追われるパタ
ーンがまた復活するのかな。
自宅を燃やして過去の痕跡を消してしまったのは不本意だけど、
今後の流れを考えると悪い流れではなかったのかも。
ただCIAとしてはマイケルは死んだことになっている訳で、カード
の死をCIAとしてはどう捉えるかだね。
■使用された曲
・
■出演者
マイケル・ウェスティン (Jeffrey Donovan) スパイ
フィオナ・グレナン (Gabrielle Anwar) 元・彼女”フィー”、武器商人
サム・アックス (Bruce Campbell) 元相棒
マデリン・ウェスティン (Sharon Gless) マイケル母
ジェシー・ポーター (Coby Bell) 民間の警備員
トム・カード (John C. McGinley) CIAのマイケルの指導員
タイラー・グレイ (Kenny Johnson) ネイトを殺したスナイパー
アイン・リーズ (Zabryna Guevara) 元アラロド連邦刑務所
ガーザ (Antonio Jaramillo) 刑事、弟のマーカスをアインに殺される
アマーリ・リーズ (Mikhail Avraham) アインの息子
シェロッド・ワシントン (Michael Christopher Rodney) ガーデン・テラス・マフィア
— (Hakim Callender) Sherrod’s Associate
— (John Cassarino) 制服警官
— (Shane Walters) ドアマン
— (Makeba Pace) Parole Officer
マリク (Tony Dolison) ボディガード
— (Scott Getz) Fisherman