第22話 フックとベルファイア And Straight on ‘til Morning
監督/Dean White 脚本/Edward Kitsis、Adam Horowitz
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— 昔 —
ネバーランドの領域の海を航行中のフック船長は女性・ミラの
似顔絵を見ていた。スミーはそんなフックの元にいくとミラは
とても綺麗な女性だった事を語る。船長ならば復讐を果たせる
とし、ルンペルを倒す方法を見つけると語る。
フックは今日引き上げた少年はどうしたのかと問うと船室で
寝ている事を語る。アイツは一体何処から来たのか。近くに
船が航行していることもなく、着ている服はこの国のものでは
なかった。もし「彼」の持ち物ならば?。あいつは「彼」は
他の世界からさらってきて子供かも知れないというと、だと
したら運が良いなという。しかしスミーはそれならば子供を
探しに来るハズ。フックはスミーに対してお前は「手に入り
にくいもん」専門家だろうとし、あの子を「彼」に返せば
ネバーランドで生き残るのに役に立つぞと語る。
フックは少年の元にいくと、お前はツイていたなと語る。
しかし魔法のある国で海賊に捕まっているのにツイテいるのか?
という少年。普通の子はネバーランドの魔法を見れば大喜びの
ハズ。何で家を出たのかと問うと、愛する家族が無事で居られる
ようにだという。「海賊は母親わ奪って家族をバラバラにした」
と語る。そして父親はボクのことを捨てた腰抜けだという。
フックは少年に名前は何か?と問う。するとベルファイアだという
返事を受けて、フックは閃き、今日からお前は海賊だ!として仲間
に受け入れる素振りを見せる。
— 現在 —
ヘンリーはグラニーと共に公園のブランコに来ていた。
グラニーは猟銃を手にして不審者から身を守ろうとしていた。
少し離れた所でゴールドはヘンリーの様子を見ていて、ブランコ
のヒモを魔法で断ち切ろうとしていた。上手くいけばヘンリーは
その先に有る尖った岩に突き刺さって亡くなる可能性が有った。
しかしデビッド、メアリー、エマがやってくると、何をしている
のかと問われる。息子・ニールに近づくなと言われたので、孫の
様子を見に来たのだという。そんなゴールドに対してニールの事で
話が有るという。ゴールドは聞く気はないとするが、タマラに
よって撃たれたことを語る。死んだのか?という問いかけに、
タマラは苦し紛れに豆で扉を開けてニールは別の世界に落としたの
だという。しかしその時にはニールは撃たれて怪我しているので
助からないかもしれない事を語る。息子が死ぬ筈では無かったのに
・・・グレッグとタマラがレジーナから「呪いの引き金」を盗んだ
事を語る。それは呪いの全てを無かったことにする装置のこと。
起動すればこの街は消えるし、向こうから来た人間は死ぬという。
デビッドはゴールドに助けて欲しい事を告げるが、「断る!」と
いうゴールド。ヤツラはあんたの息子を殺したのに何もしないのか
というデビッドに対して、殺したのはヤツらではなく私だと告げる
と、息子を見つける為にここへ魔法を持ち込み息子は死んだのだ
という。これが「魔法に支払う対価」だったとし、もう逃れられない
という。でもみんな誰でも死ぬのだというメアリー。受け入れる
しかないというゴールド。
グレッグとタマラとフックは坑道に来ていた。
誰の命令を受けているのか?と問うが、二人共誰なのか知らない様子。
未だに自分のボスを知らないのか?というフックに対して、タマラは
私たちには信念があるのだとし、尊い使命があるのだという。それは
ドワーフのツルハシを盗むことなのか?と。レジーナはあなたに連れて
来られたときにポケットにこれを持って来たのだという「引き金」
というもの。このツルハシが本部によると起爆剤になるのだという。
起動させればストーリーブルックを粉々にして住民を皆殺しに出来る
というもの。そうなればフックの宿敵も倒せるという。一度起動
させれば遮断する方法はないのだと語る。この街は元の森の姿に
形を変えるだろうと。僕らは使命の為に死ねるが、君は死ぬ事が
出来るのかとグレッグに問われ当たり前だというフック。
そんな中ツルハシで宝石を叩くと、宝石は起動し、光り出すのだった。
街は木々の蔓が伸び始めて街を襲っていく。
レジーナは目覚めると、ヘンリーたちが帰宅する。
その場が大きく揺れていることを知り装置が動いたのだろうと語る。
ヘンリーは僕らは全員死ぬのか?と問うと、レジーナはヘンリーは
この世界で生まれたので大丈夫だという。しかし僕一人が生き残る
のかというヘンリー。装置が動けば止める方法はないのだという。
みんなが居なくなるのは嫌だとして、ここはみんなで協力して
対処しようとヘンリー。
そんな中フックがやってくる。
時に子供は真理をつくのだとし、子供の言うとおりだという。
デビッドはフックを見ると殴りかかり、何が目的なのかと問う。
こんな危機の時に争うのは辞めようという。デビッドはフックが
グレッグとタマラを助けたからこうなったのだと語ると、オレまで
死ぬとは思わなかったのだという。オレが唯一復讐よりも大事なのは
自分の命だという。だから装置を止めて仲良くケンカしようと。
しかし止める方法はないというレジーナ。進行を遅らせることは
出来るというと、時間稼ぎをして豆を取り戻して、街が消える前に
みんなを魔法の森へ連れて帰ろうと語る。グレッグの場所はフック
が貼っているというと、エマとレジーナで装置を遅らせてくれと
告げ、メアリーとヘンリーはみんなを集めて、豆を奪ったらすぐに
魔法の森に行けるようにして置いて欲しいという。レジーナは
ヘンリーに対して謝罪すると、望んだ母親になれなかったという。
でもあなたを一人にはしないと告げ、愛していると語る。
— 昔 —
スミーはフックにあのガキを渡さないと殺されるというが、
フックは渡さないという。あの子は「闇の王」の息子だという。
逢ったのは運命の巡り合わせであり復讐に使えるのだという。
そんな中、「彼」の下で働いているものたちがフックの船に
やってくる。男の子を捜しているとし、その子には「彼」が特別
興味を持っているという。船を探させてもらうと告げ、彼にウソを
つくとどうなるか分かっているかと問う。あんたの体から
「影を引きはがされる」のだという。
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グレッグとタマラはこの街を消滅させる為にフックを味方に
して、レジーナから「引き金」を盗み出す。
それはレジーナがかけた呪いを無効化して、ストーリーブルック
の街を消滅させ、おとぎの世界から来たものたちを消滅させる
ものだった。ゴールドは興味を示さなかったが、ニールがタマラ
とグレッグによって殺された経緯を話すと、息子が死んだのは
私の責任だとして、ゴールドは責任を感じる。なんとかして一連
の行動を止めたいと考えるが、ゴールドは関わりたくないとして
これらは自分が使った魔法の対価だとして受け入れるしかない
と語る。
「人生最後の時をどのように暮らしますか?」
そんな状況が訪れ、それを回避する為に奔走する話。
街を救う頼みの綱は何になるのかなと思っていたけど、最終的には
「愛の力」とか「自己犠牲」による人々の協力する姿だった。
エマとレジーナがダイヤに向かって力を注ぐ姿を見ると、
「静電気発生装置」に手を触れる人たちを想像させるものが有るけ
ど、”装置”云々だと語っていたのでどんな装置なのかと思ったら、
ツルハシでゴツンとするだけでダイヤの力が放出された様だ。
ツルハシであのダイヤに命中させる為には相当な精度が必要な
気がするけど、よく一撃で振り下ろしたツルハシの先端部が当たった
な。こんなダイヤの効力のことを知っている人物というのは限られて
いる気がするので、その黒幕は誰なのかということになる。
シーズン2の共通するテーマとして、「人は変わるのか」という
ことが散々描かれて来た。ドラマでは紆余曲折有って、過去が
描かれる度に、人は変われる・人は変われないとする流れが交互に
現れ、「ついにこの人は変わったのではないか」と思わせるも、
やっぱり人が変わるという事は容易ではないということを目にして、
失望感に変わるという展開を何度も目にしている。
この辺は前回言及したことでも有るけど、いよいよ最終話になって
その粘り強い訴えが効力を発揮したというところだろうか。
誰にでも愛するものに対して、変わって欲しいとする期待とか
希望は有るよね。
あのエマさんにだってヘンリーからはウソを付かないで欲しいと
して隠蔽体質でウソを付く母への拒絶感を示されていたことも
有ったし、ゴールドにしてもフックにしても、一緒に暮らす同一の
コミュニティの人間なので仲良くして欲しいところが有る。
今回は、共通する敵が出来たことで、おとぎの世界から来た
ものにとっては、一つの同じ目的意識が発生したことで、協力して
いく感情の芽生えが生まれた。そんな状況の中でもやはり
中心にいるのは「子供の存在」で有ることは言うまでもない。
ゴールドの中には絶対的な力によって自分自身を飲み込まれて
しまった人物だ。フックは復讐の為に自分を見失っているものの
一人。他人を信用出来ない流れも全く理解出来ない要素じゃない
けど、これらの人物が互いにいがみ合い、憎み合っている中で、
不思議な因果の関係で結ばれている辺りが、今回のおとぎの世界に
於けるベルファイアとフック船長の流れを通して描かれた格好だった。
自分本位で行動を起こしている限り、他人となかなか交わること
はないのが現状だ。他人の為に自分を犠牲にしてこそ信頼関係が
生まれる。。
フックの中に有る罪悪感が不思議にもゴールドの息子との関係に
あるという辺りがまた興味深かった。ゴールドの中にも息子に
対する罪悪感はもちろんのこと、孫のヘンリーに対する責任感も
芽生えつつある。自分を滅ぼすハズの人物を助けることの難しさ
を乗り越えてこそ、変わったことを示す証明の一つだと思うし、
自分の命を犠牲にしても助ける姿の中にこそ初めて仲間として
家族として受け入れられるのではないかな。
絶対的存在だと思っていたゴールド自身もまた魔法の代償・対価と
いうものを支払う流れが有って、「闇の王」であれ「悪い女王」で
あれ、例外なく対価の怖さを知らしめるものが有った。しかし対価
は時として悪い方向に働くものでもなく、良い方向に向かう対価も
ある事を示唆する流れは良かったと思う。
展開としては登場人物に向けられる感情の流れが実に複雑に
なっていて、フックにとってゴールドは復讐すべき相手なのに、
ニールのことを考えれば、それも容易ではないこと。
この辺はヘンリーを通した人間関係の流れの中でも描かれているし、
駆け引きとしては難しい。
そもそもゴールドとレジーナの関係とか、ゴールドとデビッド、
メアリーとレジーナ、レジーナとエマなどそれぞれ対決している
関係が有りつつも、その辺の感情の抑制役を果たしているのが、
子供の存在で有り、そもそも生きているからこその問題としても
描かれている。全員が消滅すればそれらの問題はなくなるけれど、
それを望まないところに、未来を感じさせるつくりになっているね。
「自分が間違っていた。他の道が有った。辛いのでそっちを
選ばなかった。」
「正しいことをするのに遅すぎることはない。」
メアリーなどが発した言葉もまたそんな事を象徴しているかの
様だ。
これまでグレッグとタマラの組織の存在が明らかにされなかった
けど、どうやらおとぎの世界に存在する「彼」の存在がそれに
該当していきそうだ。
ゴールドは最後まで無関心を装っていた感じだったけど、ベルが
悪態をつく姿を見て、例え命に限りが有るとはいえ、元の人物に戻る
ことを望んだ人物だった。壊れたカップを再生することは、これま
で壊れたものを修復するという暗示する思いが込められていそう
だけど、カップを取って置いて良かったな。最後になってこれまで
記憶を取り戻す事が如何に難しいことなのかの問題を解決していく
ところなど、渋いところでブルーフェアリーさんが活躍している
姿が有ったね。
シーズン3は、ネバーランドを中心とした世界観の中で色々と
起きるのでしょうかね。
最近ムーランとかオーロラ姫ってどうしたのか?と思っていましたが、
オーロラ姫が最後、海岸に流れついたニールのことを見つけて
助けようとする流れが有りましたね。
スニージーが記憶が戻ると死ぬのであれば記憶などどうでも良いみたい
な言葉を発していたところが笑えた。
しかしこんな大事な時にルビーが出てこないなんて・・・
グラニーが猟銃を持って公園に座る姿は異様だったぞ。
■その他
・
メアリー・マーガレット・ブランチャード (Ginnifer Goodwin) 白雪姫
エマ・スワン (Jennifer Morrison) ウソをついている人を見抜ける、ヘン
リー母
レジーナ・ミルズ (Lana Parrilla) 悪い女王、コーラの娘
デビッド・ノーラン (Josh Dallas) チャーミング王子、メアリーの彼
ヘンリー・ミルズ (Jared Gilmore) エマの息子。レジーナの養子
アーチー・ホッパー (Raphael Sbarge) ジミニー・クリケット(コオロギ)
、カウンセラー
Mr.ゴールド (Robert Carlyle) ルンペルシュティルツキン、質屋
グラニー (Beverley Elliott) 赤ずきんの祖母、ホテルと食堂を経営
ルビー・ルーカス (Meghan Ory) 赤ずきん、食堂でウエイトレス
ベル・フレンチ (Emilie de Ravin) 記憶喪失 レイシー
修道院長 (Keegan Connor Tracy) ブルーフェアリー
— (Colin O’Donoghue) フック船長
タマラ (Sonequa Martin-Green) ニールの婚約者、魔法を探す
グレッグ・メンデル (Ethan Embry) ストーリーブルックにやってきた
ニール・キャシディ (Michael Raymond-James) ベルファイア
— (Sarah Bolger) オーロラ姫
ウィリアム・スミー (Chris Gauthier) フックの部下
— (Julian Morris) フィリップ王子
若い頃のベルファイア (Dylan Schmid) イギリスにて
— (Alex Barima) Twin
— (Jack di Blasio) Twin
フェリックス (Parker Croft) 「彼」の部下
*** 白雪姫を助けるドワーフ
— (Mike Coleman) ハッピー
ウォルター (Faustino Di Bauda) スリーピー
— (David-Paul Grove) ドク
— (Jeffrey Kaiser) ドーピー
トム・クラーク (Gabe Khouth) スニージー 、雑貨店
— (Mig Macario) バッシュフル
リロイ (Lee Arenberg) グランピー、何でも屋
— (Ken Kramer) ボシー
コメント
アメリカってさみしい国だね!
人種が寄り集まってる国はそれぞれが持つ人種差別感情を表にだせず、共通の敵、、わかりやすい敵を作らなければならない淋しさ。
昨日の敵は今日の仲間迄は、日本人も共感出来るけど、明日は敵で明後日は味方か敵かわからないまでは、私には共感出来ない。
以前は白人社会の中での差別人種は黒人だったけど、現代は逆に黒人差別する者が敵対視されるし、このドラマは、拳銃で撃った相手を手当てする様な国民性が良く出てるなと思う。アメリカ人の偽善や人種差別感覚をむしろ強く感じる。
そういえば、ドラマの主人公達にどんな酷い事が起きても、おとぎの国の架空の住人だものね。(^o^)
SKRさん、書き込みありがとうございます。
このドラマの場合あくまでおとぎの世界での事なので、何度でも更正するまで信じようみたいな人がいるけど、
現実の世界ではなかなか難しいことですよね。人種が集まると楽しそうな世界があるという幻想から一気に
冷める事件が最近多くて恐くなりますね。