September 30, 2012
第13話 巨人の復讐 Tiny
監督/Guy Ferland 脚本/Christine Boylan
Kalinda Vazquez
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エマはストーリーブルックの世界に戻る為に巨人族のアントン
の住む宮殿の宝物庫から魔法の羅針盤を手に入れる。アントン
はエマは自分のことを殺せるのに殺す事はしなかったとして
羅針盤を手渡していた。ゴールドはこのクスリを私にとって
一番大事な物に振り掛ければそれがお守りとなり、街の境界線
を渡っても記憶を失わないでいられる事を知る。しかしそれが
分かった矢先、ベルはフックによって肩口を銃で撃たれてその
境界線を越えてしまい記憶を失う。その直後にストーリーブル
ックの街に車が突っ込んでくる。
コーラはレジーナと再会すると謝罪して私を受け入れて欲しい
とする中、一緒にレジーナが求めている息子・ヘンリーを取り
戻すことを約束する。
ゴールドはエマに対してかつての借りを返してもらうとして
一緒に息子捜しの旅にエマを連れて行く事を語る。ゴールドは
朝になると準備が出来たのかとしてエマの自宅を訪ねてくる。
ゴールドはヘンリーが帯同してくる事を知り止めるが、エマ
はコーラがこの町に来ている状況の中ヘンリーを置いてはいけ
ないとしてゴールドに告げると、彼も仕方なく認めるとする
発言をする。デビッドはゴールドに対して家族に何か有ったら
許さないとばかりにゴールドにすごむが、ゴールドは君に何が
出来ると問うと、「街の境を越えてデビッド・ノーランが
アニマルシェルターのバンで追ってくるのか?」と皮肉る。
デビッドは脅しではなく頼みだとして、二人の安全を頼むと
約束させる。取りあえずゴールドはボストンのローガン空港に
いくとするがその後の行き先は言おうとはしなかった。
街の境界線へと車を走らせる中、エマは本当にそのショール
は効果が有るのかと問うと、利かなければ私は呪われた存在に
戻り、みんな困った時代に陥ることになると語る。
境界線を越える。
エマは記憶はどうかと問うと、「私はルンペルだ、これから息子
を探しに行く」と語る。
メアリーとデビッドが出かける前に銃のホルスターをつけている
姿を目にして、それを気に入っているのかと問う。この世界で剣
を持ち歩くわけにはいかないという。ドワーフたちと交代でコーラ
を探している事を告げると、メアリーはこんな小さな街で人捜し
するのがそんなに大変なものなのかと語る。
そんな二人の元にレジーナがやってくる。
レジーナはホッパー医師のことで説明しようとする。私がやった
と思っているだろうが違うとすると、メアリーはそれは分かって
いる事を告げアーチーは生きている事を語る。あなたはコーラに
よってハメられたのだとして、誤解していたことを謝罪する。
レジーナは母がいるのであれば息子が危険だとしてヘンリーの
ことを預からせて欲しいと告げると、メアリーは現在エマたちは
この町にはいない事を告げる。レジーナは相談もなくヘンリーを
連れ出してとして非難するが、その必要はないハズだとして
メアリーは語る。
フックを引き連れてメアリーやデビッド、リロイたちはコーラ
探しにいく。船は何処に有るのかと問うと、フックはコーラは
船にはいないと告げる。リロイはフックに対して「妙なマネはす
るな海賊野郎!」と告げると、ドワーフがおっかないなと語る。
メアリーはフックは協力するハズだとし、海賊とは「風の吹いて
いる方に流れる」とし、現在風は私たちに吹いていると語る。
リロイたちはこの船でこの町に来たのであれば、戻ることも可能
なのかと問う。するとフックはこの船は魔法の木で出来ている
のでこれまでにも幾つもの嵐や大陸を見てきたが、国と国の
間は扉を通らないとダメなのだという。
コーラはこっちの世界に来て何をしようとしているのかと問うと
それは分からないが何かを企んでいることだけは確かだという。
コーラはこれを持って来たとして船の甲板にあるシートを取り除く
とその中には”小さくなった”巨人のアントンが檻の中に眠らされ
て入って居た。
— 昔 —
巨人族の兄弟たちはアントンが来るのを食卓で待っていた。
アブラハムはアントンのことを小さいからタイニーと呼ぶ。
アルロは代表して発言する。
「今日は祝いの日であり、一世紀の労働を経てついに豆の収穫
の時が来た、花は根っこよりも大事か?、収穫は一日の労働よりも
大事か?いいやそれぞれが大事であり、我々一人一人同じく
価値があるのだ」という。そんな中、アントンは手にしていた
人間から奪い取った竪琴を落とす。アルロはアントンに対して
また宝の部屋に居たのかと問うと、お前は人間や彼らの文化が
好きな様だが考え直せという。決して良い結果にはならないと
いう。しかしアントンは何故そう言い切れるのかとして、誰も
人間の世界に行ったことがないだろうと語る。人がやったこと
を忘れたのかと問うと、人に豆を売らなくなった理由を思い出せ
と語る。彼らは世界を旅行した先々で略奪し征服しようとする
のだという。しかしアントンは何人かの人間が悪いことを
しても全員が悪いとは限らないという。人に我々の常識は通じ
ないとし、我らは命を育てるがヤツラは殺すのだという。
だからこそ巨人が存在し豆を育てていることを知られてはなら
ないのだという。アントンは人間に売らないのであれば何故
豆を育てるのかと問うと、アルロはそれが仕事だからと語る。
労働こそが巨人を巨人たらしめるものだという。収穫はあくまで
オマケだという。
そんなアントンはアブラハムたちの虐めの言葉に耐えかねて
人間界へと下りていくのだった。
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ゴールドはエマを連れてストーリーブルックの街から外の世界に
飛び出し、息子捜しの旅にいく。
一方ストーリーブルックのものたちは、コーラが街に来ている
ことを知り、この世界に来た意図を知る為に奔走していく。
フックを使ってコーラの痕跡を探ろうとするが、コーラはおとぎの
世界から巨人の一人・アントンを連れてきていることが分かる。
アントンを起こして事情を聞こうとすると、彼は目の前にいた
デビッドを見て突然殺意を持って暴れ出す。
今回のおとぎの国のジャックと豆の木/巨人族がベースのエピソー
ドということで、巨人のアントンはS2-6に続いて二度目の登場。
豆の木と巨人は出てきたけれど、肝心のジャックはどうした?
って感じのS2-6だったのに対して、今回はそのジャックが登場する。
驚くべきはジャックは男ではなくジャクリーンという名のセクシー
美女だったこと。
当初ジェームズと絡みのあるシーンで出てきた時にはルビーか?
と思ったけど、「ヤング・スーパーマン」に出てくるテス・マーサー
役のCassidy Freemanがその役を演じている。
巨人の世界で彼女を置き去りにして逃げるジェームズの様は、
現代社会に於ける呪いが解ける前のデビッドそのものじゃないか
と小一時間だけど、デビッド自身は双子であるジェームズが
生前にそのような行動を取っていたことに少なからず衝撃を受け、
そして自分が国王に育てられていたとしたら・・・と気にする姿が
有った。
ジェームズとデビッドは双子であり姿・形が似ているが、ハートが
違うとする状況は、呪いの使用前・使用後のおとぎの国の人たち自身
のことを示唆しているところも大きいのかも知れない。
このドラマを見ていると、過去の事実をより深く掘り下げるために
一度提示したエピソードの更に過去に遡って掘り起こすというエピ
ソードが繰り返されおり、巨人が何故孤独であり、人間たちに不信感を
抱いているのかが描かれた格好だった。
シーズン1の頃には、やたらとドラマではその人となりの「名前」に
対する拘りを持っている流れが有ったけど、そんな巨人の名前は
アントンであり、兄弟からはタイニーと呼ばれている姿が有る。
タイニーなんて言うと、NAMCO信者/レトロゲームオタの私として
は、「TINY XEVIOUS」が連想されるけど(そうか?)、タイニーと
呼ばれる背景に同じ巨人族の中に入るとアントンが小さい部類に入る
というところが笑えた。
勿論体格的なものだけでなく、精神的にも幼いという意味で
呼ばれているのかも知れないけど、そんな彼の純粋で青臭いまでの
人間に対する好奇心に対して、人間たちが都合良く彼を利用して
いく様がなんともエゲツなく感じられる。
デビッドを見た瞬間に自分たちを陥れたジェームズ王子だという
ことで、フックがルンペルに対して願う気持ちと同様に、
「自分と同じ気持ちをジェームズに味わせる」ということで、
復讐心に利用されるアントンの姿が有る。
純粋な人ほど騙されやすいものだろうけど、現在に現れたアントン
の姿は、「ガリバー旅行記」とシンクロしている内容だった。
しかしドラマとしてよく分からないのは、2重にかけられている
魔法である。そもそもアントンは巨人なのに、魔法(遠い国で
生えるキノコ・暴れていたジャバウォックを退治した際に金の
代わりにもらったもの)で一時的に「旅行サイズ」になっている事
を口にするのに対して、この世界に於いては、今度は一時的に
大きくする為のキノコというものをレジーナによって食べさせられ
ている。まるで「スーパーマリオ」状態だけど、それにしては
大きくなり過ぎました。
ドラマとしてはベースに「信頼関係」の綱引きが行われる部分が
有る。知らない相手に恐怖の対象として警戒心を抱くのは当然の
こと。巨人と人間との歴史を考えると、そうなる気持ちもよく
分かる。アントンがエマにだけ心を開いているという状況を見ると
エマの存在の大きさを感じさせるね。
またその恐怖や警戒心の対象が人物だけでなく、未知の世界へと
旅立とうとしているゴールドの中でも、飛行機に乗る際の心情
として描かれているところはなかなか上手い描き方だった。
都会の喧噪に紛れるゴールドの姿は意外にもダンディズムを気取る
良い感じの初老っぽさが有り、エマさんから父親扱いされるゴールド
の姿という構図は、ゴールドが求める形がそこには有って、今後を
示唆しているようで何とも言えないけど、今回のドラマの興味の一つ
としては、街の外に出る為に一人分しかない魔法を使った結果記憶を
失わずに済んだという事実に対して、エマやヘンリーの分の魔法は
かけなくても記憶が無くならないのかという基本的疑問が存在して
いたことが挙げられるようにも思う。
ドラマとしてはフォースに包まれているかの如く、魔法のショールを
持ったゴールドさんの近くに居れば記憶は失われないとする
都合の良い流れが有ったけどね。
「記憶」といえば、なんと言っても現在に於ける最大の懸念は、
コーラの存在でも、巨人アントンによる街の崩壊行動でもなく、
ベルやメンデルの記憶というものに繋がって居る。
この街の秘密が口外されてしまうことによる情報の流れこそ懸念
すべきものが有り、その流れは如何にも現実社会を反映している
けど、誰もがベルやメンデルのことに対して警戒心がなさ過ぎる。
巨人化したアントンを見られたら益々大変なことになるなと
思っていたけど、それはなかったみたいなので安心したかな。
また前回のエピソードの中でも懸念すべき状況として言及した
けど、コーラが容易に他人の姿に変化出来るという事情を勘案すると、
現在レジーナが町中を動き回る様がコーラなのかレジーナなのか分から
ないという面倒臭い状況に陥っている。
「ツルハシは嘘を付かない。」
ドワーフトークによってまたしてもホッコリさせられるけど、
チームドワーフに巨人が加わると、一気に掘削作業も進む。
ツルハシを鍬変わりに畑を耕す姿。果たして1世紀に渡って
豆を収穫したという魔法の豆の木を育てていくことになるのか。
今後は案外未来に飛んでいくみたいなエピソードが有ったりする
のか・・・
■その他
・アジラ航空53便 ニューヨーク直行便
・デルゴッドウィン グッドモーニングストーリーブルック
・デクスポゼ
・ジュール・ヴェルヌ 神秘の島
メアリー・マーガレット・ブランチャード (Ginnifer Goodwin) 白雪姫
エマ・スワン (Jennifer Morrison) ウソをついている人を見抜ける、ヘンリー母
レジーナ・ミルズ (Lana Parrilla) 悪い女王、元ストーリーブルックの町長
デビッド・ノーラン (Josh Dallas) チャーミング王子、メアリーの彼
ヘンリー・ミルズ (Jared Gilmore) エマの息子。レジーナの養子
アーチー・ホッパー (Raphael Sbarge) ジミニー・クリケット(コオロギ)、カウンセラー
Mr.ゴールド (Robert Carlyle) ルンペルシュティルツキン、不気味な町の名士。質屋
グラニー (Beverley Elliott) 赤ずきんの祖母、ホテルと食堂を経営。孫のルビー
ルビー・ルーカス (Meghan Ory) 赤ずきん、食堂でウエイトレス
ベル (Emilie de Ravin) 精神病棟に閉じ込められていた
— (Barbara Hershey) コーラ、レジーナの母
修道院長 (Keegan Connor Tracy) ブルーフェアリー
— (Sarah Bolger) オーロラ姫
— (Jamie Chung) ムーラン
— (Colin O’Donoghue) フック船長
— (Abraham Benrubi) アルロ / 巨人
アルバート・スペンサー (Alan Dale) ジョージ王
グレッグ・メンデル (Ethan Embry) ストーリーブルックにやってきた
— (Cassidy Freeman) ジャック
アントン (Jorge Garcia) 巨人
— (Byron Bertram) TSA Agent
— (C. Ernst Harth) アブラハム/巨人
— (Todd Thomson) Business Man
— (Ingrid Torrance) Severe Nurse
— (Andre Tricoteux) Argyle
— (Carolyn Adair) Nurse
七人の小人 (白雪姫を助けるドワーフ)
— (Mike Coleman) ハッピー
ウォルター (Faustino Di Bauda) スリーピー
— (David-Paul Grove) ドク
— (Jeffrey Kaiser) ドーピー
Mr.クラーク (Gabe Khouth) スニージー 、雑貨店
— (Mig Macario) バッシュフル
リロイ (Lee Arenberg) グランピー、何でも屋
— (Ken Kramer) ボシー