ダウントン・アビー ~貴族とメイドと相続人~ Downton Abbey シーズン3 第2話 晩餐(ばんさん)会 Episode #3.2

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第2話 晩餐(ばんさん)会 Episode #3.2

監督/Brian Percival 脚本/Julian Fellowes
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【前回までのあらすじ】
ダウントンの存続を脅かす新たな問題が発生する。マレー弁護
士はロバートに対して、投資していたグランド・トランク鉄道
が間もなく破綻するというのである。伯爵が投資した株によっ
て大打撃したのである。コーラの持参金も全て失ったこと。
身分の違いを乗り越え三女シビルと結婚した元運転手のブラン
ソンはロバートやバイオレットから家族の一員として受け入れ
られる。一方使用人たちは侍女のオブライエンが甥のアルフレ
ッドを下僕として仲間に加えると語る。トーマスに協力を求める
が苦労してきたトーマスにとってアルフレッドがあっさり出世
することを快く思わず、二人の間には溝が出来る。マシューは
元婚約者のラビニアの父の遺産相続の話が持ち上がり、継承第
3位にいたマシューにその権利がある事を知る。メアリーはその
金を受け取りダウントンを守るよう懇願するが、マシューは
とても出来ることではないとして否定する。彼女への償いの
為に家族を犠牲にするのかと問われ、屋敷の存続はマシューに
かかっていた。

【ストーリー】
マシューとメアリーは新婚旅行のためにフランスに渡り、帰り
道はマシューが運転する車で戻る。ロバートたちはその車は
どうしたのかと問うとフランスに旅行に行く前にロンドンで注文
して置いたものだという。ACだというと、一応国産車なのかと。
旅行はどうだったのかと問われ何もかも刺激的だったという。
アンナも戻っている事を語る。

トーマスはアルフレッドが正装を手直ししていることを知る。
一体誰の服なのかと問うとマシューのもので手入れをしていると
いう。モールズリーがやるべきではないのかとするが、今日は
来ないのだとし、カーソンから甥に任せると言われたとオブライ
エンは語る。こんな所でシャツを広げるなとしてトーマスは
不機嫌だった。

帰国したメアリーたちは、まだコーラの母・マーサがアメリカに
帰国していない事を知る。南フランスはどうだったと問うと、
ステキだったが少し暑かったという。マーサは太陽が好きなので
暑さなど気にならないという。夏のカンヌは暑くて耐えられない
というメアリー。バイオレットはいつまでマーサはここに居るのか
と呟くと、今後は帰国する日も決めておくべきねと語る。ロバート
は同感だと。イサベルは旅行の間に二人への郵便が溜まっている
が明日見なさいと語る。イサベルは新しい仕事を見つけたが
バイオレットに反対されていると語る。それを聞いたマーサは1920年
なのにまだしてはいけない話があるのか?と嫌みをいう。聞かれたく
ない相手だっているとすると、それは使用人のことなのかと
告げ、カーソンならば私たちよりも大人なので大丈夫だという。
ロバートはバイオレットにあの人を止めて下さいと語るが、
無理だ・・・暴走列車は止められないと語る。メアリーはイーディス
に対して年老いたストラランは元気でやっているのかと問うと、
イーディスは年老いたなんて言わないでと激怒。
そんな中ロバートとバイオレットはイーディスがストラランに近づく
問題に関してもなんとかしなければならない事を語る。彼に頼んで
関係を終わらせるのだと語る。

パットモアはマーサが臓物料理さえ完食したことに驚く。
アメリカ人は何でも食べるのねとすると、あの方は出せば何でも
食べるという。カーソンが頭から袋を被らせると言っていたと
悪口を言っているとアルフレッドが語ると、マーサと共にやって
きた侍女のリードが聞いていた。レビンソン夫人も貴方たちの
悪口を言っているので気にしないでと語ると、パットモアは
お相子ねと語る。デイジーはパットモアに煙突が壊れているみたい
だとし、オーブンが熱くならないと語るが・・
そんな中ヒューズはパットナムにちょっと話が有るとして呼びだす。

ロバートはメアリーと結婚したマシューのことを正式に息子に
迎えたいという。マシューはロバートに対して貴方とは正直に
話せる関係を築きたいと語る。メアリーからダウントンが苦境だ
ということを聞いたという。相続することになる君たち夫婦が
誰よりも影響を受けるとのこと。スワイヤー氏の遺言の件を知って
いるかと問う。

メアリーはバイオレットにロバートから株の投資の話は聞いた
事を告げ、一つの会社に大金をつぎ込むなんてどうかしていると
告げる。まさかダウントンを追われる日が来るなんて・・
ロイド・ジョージ首相も嘆くだろうとバイオレット。良い解決策
を見つけないといけないこと。石炭とか砂金、スズでも出てくれば
良いのだが・・と。財源ならばそこに一人いると告げると、マーサ
のことを示唆していた。
イサベルは生きる為にやむなく身を落とした女性を救う施設がコー
クにあると語る。彼女たちを保護して休ませること、そして
女性たちに仕事を見つける手伝いをするのだという。マーサは
寄付しろとでも言うのかと問うと、私は金づるに見られている
みたいだという。

ロバートはどうして遺産を受け継がないのかと問い、正当な
権利が有る事を語る。しかしボクがラビニアを傷つけたことを
彼は知らないのだとし、彼女を裏切ったのに金を受け取れば彼を
騙したのも同然だという。ロバートはマシューがそう思うならば
仕方がないと語る。

ヒューズはパットナムに対して胸にしこりがあることを語り
触ってもらう。明日医者に診てもらった方が良いとし、早くに
分かった方が良いだろうというパットナム。一人が不安ならば
私が付きそうという。金もかかるし・・と躊躇するヒューズ
に対して金は葬儀社に払うよりも医者に払う方が良いと語る。

マシューはメアリーの部屋・ベッドで朝を迎えていた。
一糸まとわぬ姿を見られたらアンナが驚くかも知れないという。
しかしメアリーの部屋に入ってきたアンナは私は肝が据わって
いるので大丈夫だという。メアリーは今日はベイツとの面会日
でしょというと、アンナは楽しみにしていた。
マシューは君のベッドで起こされるのは気まずいが、幸せだと
語る。今日はジャービスに遭って家探しを始めるという。
もっとここでの時間を満喫したらどうかと問うと、救いの手が
無い限りはこの屋敷とも別れだという。追い出されるのは
マシューのせいだというメアリー。

エセルは街に娼婦らと共に屯していた。ヒューズがなんとなく
彼女を見た気がするが探すも見つからず。

イーディスはストラランの元にいく。
メアリーも戻って来たしディナーは家族水入らずで取るべきだ
とし、私は君の家族ではないと語る。来週の晩餐会にはいく
つもりだという。イーディスはストラランが自分のことを突き放す
行動を取っていることを指摘する。私だってそうはしたくない
というストララン。イーディスは不自由な腕の話ならば聞き飽きた
とすると、私はもう年であり、未来ある若者を捜すべきだという。
私のことを避けないで今夜のディナーにも来て欲しいと語る。

アンナはベイツに面会する。
住所録の人に手紙を書いたこと。何人か返信は来たが2人が宛先
不明で戻って来たという。ハーリップとバートレット夫人だ
という。ベイツはハーリップは従兄弟だがヴェラとは遭ったことは
ないハズだという。バートレット夫人は近所の友人だから何か
知っているかも知れないと語る。ベイツはアンナにフランス旅行は
どうだったかと問うとカエルの足を食べてカンカンを踊ったかと
尋ねる。それはしないがガーターを買ったわと語る。

ダウントン病院。
ヒューズはパットナムの付き添いでクラークソンに症状を見て
もらう。気分が悪いとか疲れはあるかと問うと、疲れはいつもの
ことだという。予備検査をしてみようとし、膿疱から液体を採取
するという。濁っていなければ問題はないとし注射器で取り出す
という。

一方トーマスはアルフレットがマシューのテイルコートに染みが
付いているとしてなんとか取ろうとしていた。トーマスは良い方法
が有ると言うが・・・
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元々資産が貧窮していたグランサム伯爵邸は、アメリカの資産家
のレビンソン邸から嫁のコーラが嫁ぐ持参金で、ダウントンを
立て直しを図ってきていた。しかし戦争の勃発や伝統を守るため
に、グランサム邸では資産が目減りし、枯渇するのを恐れて勝負と
ばかりに投資した鉄道株が一気に紙くずと化してしまい、懸念して
いた資産は一瞬にして無と化してしまう。なんとか財源を得る為
に再びレビンソン家からダウントン城の価値を知ってもらい、
その城を引き継ぐ孫娘の為に金を投資してくれないかとして、
晩餐会でその価値を証明して行こうとする。果たしてその作戦は
成功を収めることは出来るのか。

新時代の価値感を遵守すべきか、それとも伝統を守るべきもの
なのか。
伝統を過度に気にする余り現代の市場原理主義に対応出来ずに
ただ滅びるのを待つだけで良いのかどうか。
しかしそれでも伝統として守るべき一線は有るとばかりに、
クローリー邸でも跡を継ぐ者達が固執している辺りがとても面白く
葛藤として描かれている。

なんと言っても新時代の価値感の伝道者としてアメリカ人をイギリス
のお堅い貴族文化に交わらせてたところが上手く出来ているという
ところだろうか。

マーサは一見すると自由奔放で、伝統を守ろうとするイギリス貴族
からすると煙たい感じがしてくるが、それでも彼らがもたらす金
は必要だというジレンマが有り、何が守るべきプライドなのかという
ことを問いかけている感じ。

コーラはアメリカ人の血が流れているのでその辺は順応している
感じだし、ロバートは貴族としてのプライドの塊。そんな中で
育ったアメリカとイギリスのハーフのメアリーはどういう意見を
持っているのかというところか。

メアリーに求婚していたリチャードは品位は感じ無かったけど、
金をもたらしてきた人物。そんな人物とマーサらアメリカ人の違い
は何かということになるよね。リチャードの場合、職業柄、人の
スキャンダルを暴くようなゲスな報道の仕事をしているので、より
その品格は落ちるところは有るのかも知れないけど、こんな時代
に置いても、貴族は投資以外でろくに働いていない状況の中、
晩餐会などを開いては、浪費している姿が有る。

決して無駄遣いしている訳でもないし、今回はドラマに於いては
貴族の品格を象徴するものとして、正装のテイルコートとか略式
の礼服でのディナーに出ることに拘りを見せていたけど、現状を
踏まえると、そんなことに拘ることがどれだけ大事なのかという
感じにも思えてしまうところが有るね。

金の問題は今後共色々と有りそうだけど、
興味深い流れとしては、

・トーマスとオブライエンの戦い
・ヒューズがガンの可能性
・落ちぶれているエセルと支援組織で働くイザベルの再会
・ベイツの冤罪事件
・イーディスとストラランの関係
・マシューの遺産相続の問題

これらのネタかな。

前回メアリーとマシューの価値感の違いで争いになったので
結婚がまた延期するのかと思われたけど、上手い事結婚に至った
様で良かった。今回は”ごちそうさま”というくらい二人がイチャ
ついているところが有り、二人がベッドに裸でいるところに
アンナがシラーっと入ってくるところは流石だと思った。
フランスでは何度も見た光景だったとか?
「無駄口たたくならキスをして」みたいにメアリーが語るところも
またなんとも良かったし、意外とみんなマシューの気持ちを尊重
して遺産の件では固執しないのね。

トーマスとオブライエンの争いの中に、リードという侍女が重要
な鍵を握っていたり、リードとアルフレッドが密会しているのを
常にデイジーが目にしていたりして、面白い流れがある。
デイジーは今回煙突が詰まっていることを冒頭から何度となく
唱えていたけど、肝心のパットモアはヒューズの病気の件でそれ
どころではないところも有って、台所は完全に疎かになってしまっ
た感じだった。

トーマスはロバートの従者となっているけど、オブライエンに
正装を隠される中、それを説明する際にロバートからトーマスに
「君は嫌われているのか」と問うシーンが何とも言えなかった。

ベイツの冤罪ネタはどうなるのかな。
アンナが頑張ってくれているけど、バートレット夫人は近所に住んで
いたにも関わらず、ヴェラが手紙を送っていたという事実は気になる
ね。それよりもベイツの同房であるクレイグは何をしていたん
だろうか?「二度とオレを脅すな。よく覚えておけ!」(bates)

ヒューズは病気で大変なのに、ダウントン城では晩餐会の為に忙しく
なる。病気の事実をなかなか話せずにいるところなど、昨日見た
「デビアスなメイドたち」の9話のオデッサとアレハンドロの
エピソードでも似たようなシーンを見たけど、どういう病気にかかって
しまったのかは気になる。シーズン2ではカーソンが心臓の病で
一時期働けなかったし、ベイツも足を悪くしているし、世代交代の
波なんかも出てくるのかな。

イーディスとストトランの問題は、シビルとブランソンが先例に
なってくれたお陰で、上手い事行きそうだ。ただ2周り以上年の差
が有るというのは相当な差だな。まぁそう長くは無いであろう
寿命を考慮すると金の件で苦労することは無さそうだけど。
戦争で若い人を失い、今後私は独りで生きていかねばならないのか
として訴える姿。涙している姿を誰でもなく、マーサが慰めている
という辺りを見て、ダウントン城を守る為の資金をマーサから引き
出させることが出来るのはイーディスなんじゃないかと思わせた
けど、残念ながらレビンソン家はこれ以上纏まった金を出さない
感じ。
クローリー家にニューポートとかニューヨークに来ないかみたいな
感じで話していたけど、ジョイソンやフレディ、クロコダイルダンデ
ィがアメリカに進出するかの如く「クローリー家ニューヨークに行く!」
「クローリー家 in NY」は撮影されるのだろうか(笑)

モールズリーは相変わらずコメディ要素で利用され、走り回る姿
が有った。

パットナムがヒューズに病院に付きそう姿を見ると、パットナム
はとても優しいね。「なんてこった」とパットナムが語る姿を
見ると、「オースティン&アリー」のネルソン少年みたい。

晩餐会を強引に進めようとした結果、無秩序な状態になった。
「堕落の街ゴモラと化している」とカーソンが呟くけど、
マーサのエンターテイメント性が上手い事、客のもてなしに対して
失望させないだけの楽しさを供給していたね。こうして伝統の中
にも例外的なものとして色々と取り入れられていくことになる
のかな。

文豪サミュエル・ジョンソン風にいうなら、優雅でなければ
人生ではない。とのこと。

■検索用キーワード

・Downton Abbey – The Suite
Performed by The Chamber Orchestra of London
・Jesu, Joy of Man’s Desiring By Johann Sebastian Bach
・Trumpet Voluntary in D, Op. 6, No. 5 Andante Largo
By John Stanley

ロバート・クローリー (Hugh Bonneville) グランサム伯爵
シビル・クローリー (Jessica Brown Findlay) 三女
イーディス・クローリー (Laura Carmichael) 次女
メアリー・クローリー (Michelle Dockery) 長女
コーラ・クローリー (Elizabeth McGovern) 伯爵夫人
バイオレット・クローリー (Maggie Smith) ロバートの母
マシュー・クローリー (Dan Stevens) ロバートの遠縁
イザベル・クローリー (Penelope Wilton) マシューの母

Mr.カーソン (Jim Carter) 執事
ジョン・ベイツ (Brendan Coyle) 従者
サラ・オブライエン (Siobhan Finneran) 侍女
アンナ・スミス (Joanne Froggatt) メイド長
デイジー・メイソン (Sophie McShera) メイド・新人
トーマス・バロウ (Rob James-Collier) 第一下僕
Mrs.ヒューズ (Phyllis Logan) 家政婦長
Mrs.パットモア (Lesley Nicol) 料理長
エセル・パークス (Amy Nuttall) 新人メイド
ジョセフ・モールズリー (Kevin Doyle) イザベルの従者

トム・ブランソン (Allen Leech) 元運転手、シビルの夫
アルフレッド・ニュージェント (Matt Milne) 下僕、オブライエンの甥
マーサ・レビンソン (Shirley MacLaine) コーラの母、アメリカ在住
Sir アンソニー・ストララン (Robert Bathurst) 右手を負傷、次女と・・
ダーラント (Neil Bell)
マンヴィル (Sarah Crowden) Lady、晩餐会ゲスト
クレイグ (Jason Furnival) ベイツと同房
リード (Lucille Sharp) マーサのメイド

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