第5話 我が子の秘密 When the Bough Breaks
脚本/Rene Echevarria
監督/John Terlesky
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朝からリックの家のドアのチャイムが激しく鳴り響く。
やってきたのはリックのエージェントのポーラだった。
一体朝7時に何しに来たのかとしてリックは煙たがるが、ポーラ
は嬉しそうな顔をするだけで何も言おうとはしない。正式に
決まったワケじゃないから有力候補になれたとだけ言っておく
という。「有名なシリーズの続編・3作分」で貴方に書いて
欲しいという打診が来ているのだという。しかしリックは
「長い酷暑」がもう時期発売だろうとし、君が手配した出版記念
のパーティーは月曜だという。自分のキャラクターを作った
ばかりなのに人のシリーズを描けと言うのかと問う。
するとポーラは「主人公がとあるイギリスのスパイ」だと言った
らどうか?とし、縁起が悪いので名まで言わない!と言われる。
ジェームズ・ボンド/007シリーズのことなのか。自分が作家に
なったきっかけだという。イケテル道具にイケテル女性が出て
くるというと、ポーラはギャラもイケてるわという。ケイト
から電話が鳴るが無視するリック。
その頃ケイトは現場へと赴く。
被害者は30代前半・白人女性でカバンもIDもないという。
遺体は配線の点検でマンホールを開けたら見つかったという。
鑑識のパールマターは、死因は鈍器による頭部損傷で、後頭部
を思いっきり殴られているという。歩道にも血が飛び散っている
とのこと。腐敗からすると死後2日くらい経過しているという。
ライアンは具体的時間は分かるのかと問うと、これからラボで
調べるというパールマター。
エスポジートはようやくリックがやってきたことを知る。
死体は検視局に行ったばかりだという。
遺体はリックに興味の有りそうなものだったとしてライアンと
エスポジートはからかう。死体の半分は喰われていてマンホール
に捨てられていたこと。変なスライムまみれになっていたのだ
というライアン。おぞましかったとし、得体の知れないヤツが
潜んでいるという。リックはケイトに尋ねると彼らのジョーク
だという。しかし遺体の傍に有害物質と書かれた容器の中に黄色い
粉末が有ったとして、ケイトもまたリックをからかう。
「誰かホントのこと教えてくれーー。」とリック。
ライアンはこれからゴミ箱から凶器を探してくるとし、凶器は
殺人ビームだとし、内臓が丸見えになるものだと語る。
検視局でパールマターは被害者の指紋はデータベースにはない
ことを語る。失踪届も出ていないこと。バッグも凶器も見つかって
おらず、遺体はジェーンドゥだと語る。居なくなった2日も経過
するのに届け無し、一人暮らしで毎日通う仕事がなかったのね
とケイト。移民だろうというパールマターは歯の治療痕から見て
東欧系であり、こちらでは使われていない金属が歯の治療に使用
されているという。ズボンのポケットにはこんなものが丸めて
入って居るとのこと。飴の包装紙だった。しかし何処かの文字
が書かれているが読めないという。リックは補助記号を使っている
文字だとし、ラテン文字にはない発音を表す時に使う文字なので
キリルかチェコだろうという。売っている店は限られているだろう
として探そうと語る。
リックは買って来たマトリョーシカを婦警に見せる。
時空連続体の歪みみたいにどんどん出てくるだろうとして
中から小さいものを出していく。それを見たモンゴメリーは
一体何をしているのかとケイトに尋ねる。例の飴の事を探して
いるが、10店舗回るもリックはその度に何かを買ってくるのだ
という。次のリックの本には飴を探す内容が書かれるだろうな
というと、ケイトはまたニッキー・ヒートの本が書かれるのか
と問う。市長に協力してくれという。
そんな中、ライアンたちは飴を発見したとし、9番街の小さな
店のものだという。オーナーは被害者のことを知っていて
定期的に顔を出していたという。故郷の食材を買っていく
らしいとのこと。名前はわからないが家はわかったという。
不法滞在者を受け入れるアパートで現場近くにあるとのこと。
管理人によると5Cに住むエリスカ・ソコールだという。彼女
はとても良い人だが無口だという。半年前からここに住んでいて
家賃もきちんと週毎に払ってくれるという。
リックとケイトは彼女の部屋を調べ、ライアンとエスポジート
はアパートの住民に聞き込みすることになる。
部屋にはあまり人が住んでいるという形跡がなく、一人で住んで
いたのだろうという。電話もなく、来客も少ないはずだという。
カレンダーには水曜日で止まっていること。故郷の葉書が壁に
貼られていたが、一枚だけ剥がれ落ちていた。しかもそれは
葉書ではなく写真であり、女性と子供が写っていたが、女性の
写真は強く顔を引っ掻いた跡が有った。
帰宅するリックは娘のアレクシスに飴を食べるか?と問う。
食べるというアレクシスに石けん味だぞという。アレクシスは
月曜日の出版記念のパーティーに友達のテイラーを連れて行って
も良いかというと、勿論良いというリック。テイラーはオレの
小説のファンなのかとして嬉しそうにすると、マーサはあの子
はオシャレをして男性に会いたいだけだという。娘の気持ちに
鈍いとし貴方はいつも自分中心で居たいからだと指摘される。
マーサはリックに私の舞台のチラシを手渡すとパーティー会場
でサインの序でに配ってと語るが、自分中心で居たいので断る
という。マーサはポーラから話をもらってみっともないくらいに
自惚れていると指摘。小説はガキの頃からのファンなんだと
し、また正式な決定ではないが、書くことになればニッキーの本
は書けなくなるという。ケイトは喜ぶだろうというと、リック
はこう見えても捜査の戦力になっているのだという。しかし貴方
が居る前から事件は解決しているのだと語る。
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リックの元にニッキー・ヒートの小説とは別にイギリスの有名
スパイものの続編3部作の脚本執筆の話が来ているとエージェント
から言われ、その仕事を受けることになれば、ニッキーのモデル
となっているケイトとの密着捜査は終了することになる。
しかしリックとしては自分が小説家になったきっかけの小説の
続編を書かせてもらうことに対して、その夢を捨てられずにいた。
そんな状況の中、殺人事件が発生する。
マンホールの中で息絶えていた女性は東欧系の30代前半の女性。
持ち物から調べていくウチに、エリスカ・ソコールだと判明する。
大家の話ではとても良い人だったとする中、彼女の部屋を調べる
と少し生活しているには異様な雰囲気が有った。壁に貼られている
写真の一枚の中に女性と子供の写真が有ったが、その女性の顔は
酷く傷つけられていることが分かり、その女性を調べると彼女は
以前エリスカが働いていたアパートの住民だと変わる。
タルボット家に話を聞いていくと、妻のメリッサは、エリスカとは
それ程のトラブルはないが、私の息子のゼインと妙に親しげに
話して飴を与えていたので、それを注意したくらいだということ
だった。
リックとケイトの中に有る互いにどんな感情を持って接している
のかということを示すのと共に、リックがNYPDの一員として
どれだけの存在感が有るのかということを示すような流れが
有った。
自分が必要とされていると感じて居る程に人はやる気なりモチベー
ションに繋がると思うけど、リックは自分がNYPDの中でも事件解決
に貢献していることを主張するも、母親からは手厳しくあなたが
居なくても事件は解決するという主張が有る。
またリックはアレクシスの友達が出版記念パーティーに出たいこと
を言っているのに対して、自分のファンなのかとして喜ぶも、
マーサからは単に綺麗な格好をして男性に会いたいだけだと言われ
リックが自分中心で世界を見ている様な流れが有る。
何でも手に入ると思っているリックでさえも、手に入れられない
と感じて居るのは、ケイトの存在なのかな。
ケイトとの関係は微妙なものがあり、彼女の事をニッキーのモデル
として見ている内に感情移入して好きになるというのは
分かるにしても、自分が関わることでニッキーとしてのキャラクター
像が変わってしまうのではないかという意識も働いているのだろうか。
夢を取るのか好きな相手を取るのかという難しい選択に迫られるも
結局は、ニッキーシリーズ第1弾となる「長い酷暑」の猛烈な売り上げ
に対して、ニッキーの続編の話が出て、その続編の契約金が相当額
だということで、[金とケイト]>>>>>[幼い頃の夢]という、リックの
優先度を示す流れが有り、なんとも言えない後味の良さと悪さを
同時に感じるものとなった。
さて事件はエリスカの殺害を巡りどんな事情が込められていたのか
ということが描かれる。
エリスカの生前の行動からして、良識の有る女性というイメージと
共に存在している息子の死に関連して、精神的に少々おかしくな
っているのではないかとする人物像が浮かび上がってくる。
公園で目撃された流れを見ると、それを裏付けている感じもしたし、
雇われていたマンションの住民の子供に接近していたところを見る
と、無き子供の影を追っているであろうことは想像に難くない。
ただ一連の事件の流れを通して、エリスカはどの時点で赤ちゃんの
取り違えを認識したのかということになる。
それに関連して、ドラマではキャメロンがエリスカとの関係に於い
て、愛人との不倫の関係に及んでいるが、一見すると冒頭から
キャメロンの方に都合良く主導権を握るものが有るのだが、実際には
エリスカはキャメロンに近づき、赤ちゃんの件を探っていたのでは
ないかとする流れが存在する。病院に勤務し始めたのも、赤ちゃんの
件を探る為のものだと言っていたし、キャメロンが勝手にすり替えた
ことを何処まで認識して、どの時点でキャメロンによる犯行だと
分かったのかだね。
最近リックをイジるライアンとかエスポジートの地味な流れが
面白いね。
いつも捜査に於ける主導権を握られている感も有ったけど、
仕返しとばかりにケイトたちの方がリックの考えよりも先に
捜査をしている流れなどが何気に面白く出来ていたかな。
エルベレジュのドレスを着ていたケイト。とても綺麗でした。
警部も絶賛していたね。
しかしリックはエージェントのポーラとも寝ていたとのこと。
「嵐の終わり」で登場させたとのことだけど、取材とかキャラク
ターの掘り下げとか名目にリックは接近することが出来るんだよね。
赤ちゃんを変えて居たけど、その後やはり赤ちゃんは返すことに
なったのかな。
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・Castle Theme
Written by ‘Robert Duncan (VII)’ (qv)
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リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
ケイト・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人課の刑事
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ロイ・モンゴメリー (Ruben Santiago-Hudson) 警部
Dr.キャメロン・タルボット (Reed Diamond) 夫、ブライアン総合病院・外科医
メリッサ・タルボット (Elaine Hendrix) 妻
ゼイン・タルボット (Griffin Cleveland) 息子
ロサリン・カーポウスキ (Diana Maria Riva) 捜査官
シドニー・パールマッター (Arye Gross) M.E / 検視官
テオドア・ハシェク (Ivo Nandi) 料理人、エリスカの元夫
— (Jeff Doucette) Super
— (Timi Prulhiere) Talbot’s Nurse
ポーラ・ハース (Debi Mazar) リックのマネージャー
— (Francisco Viana) Manager
— (John Brantley Cole) NYPD Uniform
— (Heather Pennington) Hero Witness
エリスカ・ソコール () 被害者
マーティン () エリスカとテオドアの子、ニーマンピック病で死