第6話 吸血鬼たちの週末 Vampire Weekend
脚本/Terri Miller
監督/Karen Gaviola
——————————————————–
リックはハロウィンの仮装をしてアレクシスの前に現れる。
スペースカウボーイの姿。アレクシスは以前にも同様の格好を
したとしてもう少し成長したらどうかという。私は宿題中で
有り、エドガー・アラン・ポーの「落とし穴と振り子」を読んで
いること。リックは今年は、インディラ・ガンディーとかアメ
リア・イアハートの仮装をするのか、それともハーマイオニー
かと問うが、アレクシスは今年は辞めて置くという。子供に
お菓子をあげるけど、トリックorトリートはもう良いとし、この
年では恥ずかしいという。そんなことを言ったらパパはどうすれ
ば良いのかという。現在私は育児学習の赤ちゃん卵を育てている
のだというアレクシス。卵の名前は、ザックエッグフロンとか
エッグビックリーJr.だろうと問う。すると「オリバーツイスト」
からフェイギンだと取ったという。フェイクの卵だと言うと、
それはフェリックだろうという。そんな中”ペケック”から電話
だと語る。
ケイトとリックは現場である墓場に行く。
リックは今が一番いい季節だとすると、ジャックオーランタンの
香りがするという。ケイトは警察はこの時期大忙しだとし、
ハロウィンには事件が一番多いのだという。墓地での殺しなん
てストーリーが有りそうだというリック。墓石を見ると、エリザ
ベス・ドライデンという人物の墓だったが、死亡時期が書かれて
いないものだった。リックはケイトに仮装パーティーにはくるだ
ろうと問う。
ラニは現場で遺体を調べていた。
遺体は心臓を杭で一突きだとすると、リックは吸血鬼ハンター
による仕業なのかと問う。被害者の口を見ると、なんと牙が
付いていたのである。
エスポジートは身分証も電話も持っていないという。ライアン
は目撃者も一切いないとして聞き込みしてきた事を語る。
抵抗した跡が有り、その時頭を墓石にぶつけたか、頭を殴られた
のかであり、杭はトドメを刺す為に使われたとラニは語る。
狼男は15世紀にルシアンを殺されて以来吸血鬼と戦争している
とリックは語る。
モルグで杭を抜こうとすると、リックは生き返るのではないか
として身構える。牙はセラミックの差し歯で、大腿骨の傍には
裂傷が2つあるという。遺体には人工毛が付着している為に、
犯人はカツラだろうという。杭を胸に打ち込むのは並大抵の力
では無理で、岩などでガンガン叩き付けたであろう事を告げる。
また杭には黒い染みが付いているとのこと。指紋が採れるかど
うか。リックは牙師を知っているので彼から話を聞こうと語る。
ケイトとリックは牙師/コスプレ衣装店へ。
リックはハロウィンパーティーでケイトが着る服もここで買わない
かとして、エロナースの衣装を見せる。
牙師のバリー・フランクとリックは挨拶する。彼は映画界でも
活躍している歯科医であり、ブラッド・ピットの牙も彼が付けた
のだという。被害者の写真を見せると、彼は”クロウ(カラス)”だという。
二ヶ月前に私が牙を付けたという。しかし本名は分からず、大抵
吸血鬼愛好家はアダナで呼び合うものなどいう。支払い伝票が
有るので、住所は分かるという。
被害者の名前はマシュー・フリーマン(クロウ)だと分かる。
部屋を賃貸している大家のアルマによると大人しい子であり、シャイ
だったという。最近変わったことは無かったかと尋ねると、私の
前の夫も南北戦争の制服にハマっていたので気にしなかったとのこと。
室内を調べると色々と彼は絵を描いていることが分かる。リックは
初期のフランク・ミラーの画に似ている事を告げると、ケイトは
エピック時代?ダークホース時代?と問い返す。
また劇画も有るとしてケイトに渡す。
アルマは家族の話は聞いたことがないという。部屋からはバーカー
デザイン学校に通っていた形跡が見つかる。アルマは何度か女の子
がくるのを見たとし、二人で大げんかしていたという。女性は
長い黒髪で、マシューは有名な子だと言っていたとし、ネットで
自分のサイトを開設していると言っていたとのこと。リックは
早速マシューのパソコンを調べようと告げ、パソコンを開くと、
「吸血鬼好き.net」というサイトでページの表紙を飾っている
女性で吸血鬼ヴィクセンと書かれた女性が長い黒髪だと分かる。
署に戻りヴィクセンのサイトについて話合う。
淫らな集いの主催者だというライアン。昔付き合っていた彼女が
こっち系の女性だったという。次の集まりは今夜だと書かれている
が会員のパスワードが必要だった。ライアンに対して元彼女に
パスワードを聞くよう一同電話しろと促す。もう一年も遭って
いないんだぞというライアンだが、電話することに・・。
リックとケイトは集会にいく。
室内でヴィクセンを探すと奧で他人の血を飲んで居る女性が
該当者だろうことを知る。彼女にマシューの写真を見せると、墓地
で胸に杭を打ち込まれて死んだことを語る。ヴィクセンはそういう
ジョークは辞める様告げるが本当の事だと知るとショックを受ける。
夕べの23時から24時には何処に居たのかと問うと、ここに居た
というヴィクセン。遺体にはかつらの人工毛が付いていて、太股
には噛み跡が付いていた事を語る。彼は愛人だったとし、昼間3時
頃遭って出て行ったという。最近口論したという目撃者がいること
を告げると、彼が浮気したのだという。しかしそれを許して昨日は
セックスしたのだという。マシューのことはデーモンに聞いた
方が良いという。彼はマシューが持つ劇画を隠すように薦めた人
で、「永久の血」という劇画を持っていたという。この町に住む
吸血鬼の話で実在する人物をモデルにしたものだという。
モデルはモーガン・ロッカビーというグループ創立メンバーで
危ないヤツだとし、何かが有って突然頭がおかしくなったという。
自分は吸血鬼だと言い始めて夜になると墓地に通っていたホームレス
だという。デーモンが知っているのではないかとのことだった。
仮装やメイクには大した意味がある訳では無く、空想の世界にハマる
人は自分の居場所を求めているのだというリック。死に対する興味
を持つことは何なのかというケイトに対して、心理学的には幼い
頃にペットが車にハネられるのを見たとか、葬式で遺体の顔を見た
り、仲の良い友達や家族を失った為だろうとのことだった。
そんな中エスポジートは裁判所命令が出たとしデザイン学校から
マシューの情報がもらえたという。彼の実家はコネチカットだという。
エスポジートとライアンにはモーガンと”デーモン”について
消息を調べる様告げ、ケイトは遺族にマシューが亡くなったことを
話すという。とても嫌な役目だとして呟く。
マシューの両親・母親、ジャニス、父親・アラン、妹のロージー
に署に来てもらい話を聞く。マシューは全然自分のことを話して
くれないのだというジャニス。アランはあんな危ないヤツラとの
付き合いをヤメさせてれば良かったとして悔いる。マジューは
学校を中退したとのこと。最後に遭ったのは何時かと問うと、
もう何ヶ月も前だという。その際には黒づくめの服で帰宅し、
骸骨のタトゥーを入れて眼にはアイライナー、牙まで入れて来た
というアラン。少し前までは普通に生活していたが、アートに夢中
になってから気むずかしくなったとのことだった。2、3日前に
留守電を残していたとし、その際取り乱したようだったとのこと
だった。
エスポジートはヴィクセンのアリバイを確認する。
デーモンは未だに情報がなく、モーガン・ロッカビー(35歳)に
ついては精神科施設に入れられていたが数年前に脱走し、それ以来
行方不明だという。
——————————————————–
ハロウィンが近づき、リックは自宅で派手な仮装パーティーを
企画していた。娘と共に仮装するのを楽しみにしていたリック
だが、娘はもう仮装は卒業すると言いだし寂しい父親の姿。
しかも娘は上級生が主催するパーティーに参加したいと言いだし、
子育ての岐路に立たされる。
そんな中ハロウィンが近づく夜、墓地で男性が殺害されて発見
される。遺体の男性・マシューは吸血鬼の格好をしていて、胸に
杭を挿されて死亡していた。吸血鬼と対立関係に有る狼男による
犯行なのか。聞き込みしているウチに、吸血鬼仲間と痴情の縺れで
口げんかしていた事を知る。更にマシューは劇画を描いていて
その中の一枚を隠していることが分かる。
ハロウィンに引っかけたエピソード。
アメリカでは定番のネタであり、如何にアメリカ人の潜在意識の中
にあるヴァンパイアの存在が大きいのかというものを感じるところ。
ドラマだけでなく映画でもしょっちゅう素材として扱われていることが
有るよね。ただコスプレ文化に関しては、日本も負けるものがない
ので、リックが語る様に「居場所を求める」心理が作用しているの
かも。別人に生まれ変われるという心理と同時に同じ趣味を持つ
人との交流を図れるという一挙両得。ある一定の羞恥心を突破すれば
そこはパラダイスが待ち受けているというところなのか。
アメリカの場合、ハロウィンに於いてコスプレの義務化状態になって
いる感も有り、衣装を用意する人も大変そうだ。
子供のウチには大人もヌイグルミ感覚で子供に色々と衣装を着せて
は楽しみたいエゴは有るのだろうけど、アレクシスはその過渡期に
居る。
ラストはコスプレパーティーでどんな格好をして現れるのかという
楽しみなんかも存在していたけど、残念ながらケイトはコスプレ
してこなかった。
ラニは小悪魔、ライアンは医師、エスポジートは南北戦争の軍服
だったのかな。
「BONES」でもコスプレになったエピソードがあり、みんな
はっちゃけていたので、出来ればこのドラマでも思い切った
変装で締めくくって欲しかった。ケイトはドラマ中に、リック
がマシューの絵を見た際に、フランク・ミラーの件を引き合いに
出した際に、詳しそうなことを口にして、「私のことを何も知らない
のね」と語っていたので、違う一面を出してくれるのかと思った。
リックとケイトが一枚の写真を見ている際に急接近。
サクランボの香りがするというリックがまた小憎らしい。
ライアンとエスポジートよ、是非二人の仲を邪魔してくれ!
ドラマを通して見ると「子育て」と「記憶」がテーマとして存在
していた様子。リックは上級生のハロウィン前夜祭パーティーに
いきたいとする娘アレクシスへの対応に悩み、アレクシスは子育ての
課題で卵を育てていた。そして何よりも今回の事件に於いては、
子供がヴァンパイアの世界にハマることに対して是非が語られる。
親としてどんな対応をすべきなのか。
前回のエピソードの中で、リックはアレクシスに対して謝罪する
シーンがあり、親でも対応を誤ることがあるとしていたけれど、
今回は逆に子供が誤った対応を見せてしまったところも有った。
今回のエピソードはマシューの心情や記憶を表現している絵が頼りの
捜査だった。アダナな呼び合う仲の関係故に、関係者の名前が出た
としてもどこに住んでいるのか分からない。
更にそれと関連し、マシューが書いていた絵が、20年前に殺害され
たとされる女性の遺体の絵とそっくり。2年前にペンシルベニア州
の森から女性の殺害遺体が発掘されたということで、その絵が
法人類学者の手によって復顔され、その顔はマシューが思い描いて
いた人物と合致したということで、おかしくなってしまうきっかけ
となったのだろう。
事件を見ると、2歳の頃のマシューは殺人が起きた現場なり、
殺された後の母の姿を目にしている。殺された犯人に関しては
流石に覚えて居ないのだろうけど、犯人が分からない分だけ恐い
ものが有ったのだろうな。
肝心の犯人だった当時のベビーシッターの女性で現在の妻である
ジャニスは、2、3日前にマシューから電話が有ったとしていたけど、
その留守録になんと入って居たのかも気になる。
点と点が繋がっていく様が面白く描かれていて、正体不明の人物像
が徐々に具現化されていく流れなり、”エリザベス・ドライデン”と
書かれた謎の墓の存在、そして精神的におかしいと思われていた
ポルフィリン症を患うデーモンが語る「斑点だらけ」という言葉
の意味が少しずつぼやけていたものの焦点が定まるようにして
物語が完成していく様が面白かった。
リックがモーガンによって噛まれていた。
オレも移るのではないかとしてビビッている姿。
牙師のところでは、リックがケイトに対してツケ牙を使って驚かせ
ようとしていた祭に、ケイトは私の方が噛むわよと語っている姿が
有った。
リックが殺人事件の小説を書いていることに関連して、彼の中にも
何か有るのではないかと感じたケイトが話を聞こうとしているシーン
も印象的だった。リックは嘘を付いていたけれど、なかなか互いに
内面を見せ合わないね。
■検索キーワード
・Castle Theme
Written by ‘Robert Duncan (VII)’ (qv)
・Toccata and Fugue in D minor
Written by Johann Sebastian Bach
リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
ケイト・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人課の刑事
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ロイ・モンゴメリー (Ruben Santiago-Hudson) 警部
ジャニス・フリーマン (Anita Barone) マシューの母
アラン・フリーマン (Robin Thomas Grossman) マシューの父
ロージー・フリーマン (Erin Sanders) マシューの妹
ヴィクセン (Samantha Shelton) 吸血鬼の女王
Dr.ホロウェイ (Phil LaMarr) 精神科医
アルマ (Amy Hill) マシューの住むアパートの大家
Dr.バリー・フランク (Jim Gleason) 歯科医、牙師
モーロック (Rob Arbogast) “モーガン・ロッカビー”、絵に描かれる。
ダグラス・ローソン (Glenn Taranto) アランの弁護士
ペイジ (Emily Bicks) アレクシスの友人
— (Cole Coleman) Vampire / Goth Club Patron
エリザベス・ドライデン (Zoe Taylor) アランの妻、殺される
ジョス・ウェストフォール () “デーモン”
マシュー・フリーマン () “クロウ”