キャッスル／ミステリー作家のNY事件簿 Castle 8
http://dlife.disney.co.jp/program/drama/castle_s8.html
第14話 偉大なる探偵協会 The G.D.S.
脚本／Alexi Hawley
監督／John Terlesky
【ストーリー】
・墓地
テイラー (Teddy Lane Jr.) とショー(Dylan John Seaton)は、
62エイカーもの土地を見回る。毎晩三度巡回するのが仕事。
ショーはその巡回中に血のようなものが流れている道を
見つけて懐中電灯の光を照らす。テイラーは墓の方にまで
続いていると語るが、ショーは新人いじめの冗談だと
考える。しかし血の道を辿った先に有ったのは自らの心臓を
手にして墓に寄り掛かる男性の遺体だった。
■ カリフォルニア州ロサンゼルス
サンタモニカ丘陵のグリフィス公園内マルホランド・ハイウェイ
の北側に位置するハリウッドサイン。
マリブビーチ、高級地ビバリーヒルズ。
リックはアレクシスとヘイリーを連れてニューヨークとは正反対に
ある西海岸のロサンゼルスに降り立つ。
ビーチに行きたがる女性陣だが、失踪の謎を解くために来たこと
を改めて語る。
韓国料理店が開くまでにはまだ時間がある。
宿泊する豪華5つ星ホテル。そこを基地にしてアレクシスには留守番
させようとする。
失踪中リックは撃たれたことも有り娘の心配をしており、それ
にはヘイリーも同調する。
スタッフが荷物を運んでくる。
ベルボーイ(Billy Armstrong)もイケメンなので楽しめそうだと
いうアレクシス。
スタッフからリックに届けものがあるとして手渡される。
それはシーリング/封蝋の手紙だった。
「キャッスル君 墓地で遺体が発見された。LA市警に協力を」
と書かれたもので差出人は『GDS(偉大なる探偵協会)』
伝説の団体で噂によるとコナン・ドイルも会員だった。
・ハリウッド・ウォーエバー墓地 / 事件現場
現場につくリックとヘイリーだが周りは警察官だらけ。
ヘイリーは近くにいたケンダル・フロスト (Summer Glau)に
カート・メネンデス刑事 (Jason Manuel Olazabal)は何処にいる
かを尋ねる。
検察官と一緒にいる彼を見つけて声をかけると、彼女は
顔なじみとしてうまいこと話しを付けて捜査協力を
するよう約束させる。
被害者はフィリップ・ハリス、私立探偵。
死亡時刻は深夜12時頃。喉を切られて心臓を取り出された
という。
緻密な切除ではない。
被害者も昨夜ニューヨークから戻ったというカート。
妹・ヴェロニカ・ハリス (Mageina Tovah)がニューヨークに
居る。妹の聴取は12分署のものに頼めば良いとリックは
アドバイスする。
・ニューヨーク市警・12分署
ライアンはロサンゼルスから連絡を受け、妹のヴェロニカ
についてはこちらで聴取すると約束する。
電話しているとラニがやってくる。
彼女はハヴィに内緒でお願いがあるとライアンに話をする。
ライアンはやりたくないとするが、ラニは気になる男性の
身元調査をして欲しいとのこと。
「夢中になった相手に妙な趣味が有ったら困るから・・」
・ロサンゼルス・コリアンタウン
リックは被害者が調べていた事件を突き止めようとして
捜査を開始する。
リックはその前に一年半前の僕の行動を調べるとして
韓国料理店”HUNGRY ORCHID”の前に立っていた。
店の背後に見えるハリウッドサインを目にするとリック
はフラッシュハックからの一年半前の世界に引き込まれる。
店に入ると、「通度寺」の絵、「従業員の男」に見覚えがある。
男に過去にリックを見たことがないか尋ねるが見ていないと
否定する。しかし一年半前には君に怒られたというと、
男はリックの事を「時計の男」だと思い出す。
その時のリックは金を持たずに食事をし、通報されること
を嫌って時計を差し出したという。
誰も一緒に来ていないし待ち合わせした訳でも無さそうだった
とのこと。
しかしリックはその時計に見覚えがない。
取り合えず買い戻したいとして金を支払う。
・ニューヨーク市警・12分署
署にヴェロニカを呼んで事情を聴く。
兄のフィリップは「幽霊(ファントム)」のことを口にしていた
という。連続殺人鬼がいる。失踪者調査中に気が付いたとのこと。
この数年間、LAとNYで犯行を重ねているらしい。
LAに戻る直前フィリップはその糸口を掴んでいて正体が
分かりそうだと言っていた。
・検視報告書
ラニは過去の事件の検視報告書を調べた結果、被害者は
LAで4人、NYで3人いるという。
凶器は全てナイフ。男性4人、女性3人。
民族も年齢も違う被害者。切除部位も全く違い、耳、目、指
など変わっていた。
あまりにランダムなので誰も気づかなかった。
・ロサンゼルス・コリアンタウン
リックは手詰まりだと語る。
しかしそんなリックに再びホテルのベルボーイが手紙をもって
来る。
「GDSへ来られたし」
GDSの本部に招待されたということは入会を認められたのか。
・GDSの本部
リックとヘイリーは本部に行くとそこにはメイソン・ウッド
(Gerald McRaney)が歓迎してくれた。
リックは喜びを伝えると、メイソンからは協会の歴史の長さ
や南極以外の大陸に会員がいることを教えてくれる。
「南極は平和」
「2007年に氷山から中国の宝船を発見したけどね」
メイソンはリックと二人で話したいとしてヘイリーと引き離す。
連れていかれた先にはすでに何名かの会員が集まっていた。
リックはそこに座っている一人女性について事件現場で目に
していた。
しかしリックはこれが何の集まりなのか分からずにいた。
フィリップは会員だったこと。
彼の死は悲劇だがリックとフロストにはチャンスだという。
彼の死で空席が出来たからだと。事件を解決したものが会員
になれる。
■事件
韓国料理を食べたリックは記憶喪失だった頃の記憶がフラッシュ
バックとして脳裏を過る。失った時の記憶を補完する為に
韓国に直接行こうとするが、フラッシュバックで見えた光景は
アメリカの西海岸にあるコリアンタウンであることが分かる。
探偵社の面々と共にロサンゼルスに向かうと、現地で殺人事件が
発生していた。それと同時にGDS(偉大なる探偵協会)なる組織から
リックへの接触がある。
現在発生している連続殺人事件の解決に挑みつつも彼は過去の
記憶を一本化しようと努力するが・・・
■感想
アメリカはとにかく秘密結社的な設定の内容が多いですね。
その秘密結社はカルト的な宗教みたいなものだろうか。
同じ趣味を持つもの同士が集まることは決して悪く事ではない
が人間の倫理に対する専門性が高く、秘密裏に集まるところが
不気味さを増す。
ただ今回出てくるような『GDS(偉大なる探偵協会)』は
探偵の集まり・・つまり犯罪者・組織の正体を明るみにする側
のものたち。政府の陰謀や警察組織の不正なども暴いて
いくような巨大組織かもしれないし、今のところなんとも言え
ない。
表に出て目立つ行動を取れば、何時でも狙われる可能性がある。
被害者だったフィリップはこのGDSの一人だった。
彼が亡くなった事によって協会の席が空き、リックか
フロストという女性のどちらかが入れる事になる。
人数制限があるのであれば協会に入りたいものが協会員を
襲う可能性も有る。ただし探偵が探偵を調べるのは相当
大変なことだろう。
またこの手の設定では、秘密の共有が如何に結束力を生むものか
を知らしめる内容も多いが彼らには何か隠し通さなければなら
ない秘密が存在しているのか。
そこに所属しているだけで名誉なことであり入会しているの
だろうか。
リックは小説家でありマスコミの前にも度々出ている人物
故に『GDS(偉大なる探偵協会)』の存在を秘密裏にしたい
人物にとっては彼の存在が邪魔になる可能性も有るし、
リック自身が狙われるリスクも高い。
そんな人物を協会に入れたいと思うだろうか?
事件は・・フィリップを殺害した人物を協会からの依頼で
探すことになる。フィリツプが殺害された後に彼は
連続殺人犯によって殺されたことが分かり、NYとLAでそれぞれ
4人ずつ殺され、合計の被害者は8人となる。
殺害に共通性が無いのにラニは何故連続性のある殺人を見つけ
出していくのだろうか? 凶器が同一的だったのであればとっくの
昔に見つかっているハズ。しかもNYでもLAでも同じ凶器で
4人ずつ殺されているのである。
途中で三通の手紙が届く。
その手紙のタイミングもまた気になる仕掛けだ。
リックが手詰まりになりそうなところでベルボーイが
運んでくる。
ロサンゼルスが舞台となるだけに、撮影現場などが一部舞台と
して利用される。
2025年2月3日現在、ロサンゼルスの山火事は消えたものの、
これを撮影していた時には考えられないことだったな。
■フィリッブの行動
被害者のフィリップはゼニス・スタジオに潜入していた。
ここは映画版「ヒート」の制作会社だ。
彼の妹によると彼は「幽霊/ファントム」の存在を口にしていた。
それが一体何のことなのか。
そもそも彼は探偵とはいえ何故スタジオに潜入していたのか。
だろうか。それを知っていたのは社長だけ。
社長がフィリップに元妻の浮気写真を撮る様依頼して
いたみたいだが・・
調査対象はオースティン・エレクトラ。
映画「グラディエーター」の撮影中とのこと。
11時頃に仕事を切り上げ。
・スタジオ内のエリア、ステージ1
監督のオースティンに近づくも既にケンダルが接触していた。
ヘイリーが彼女とキスして間に割り込む。
夜の食事会に招待される。
ヘイリーは彼が幽霊ならば殺人鬼の家に行くことになる
として懸念を示す。
・オースティンの家
プール付き。二人の女性は着飾って彼の元を尋ねる。
意外とヘイリーは殺人鬼の家にいくとしてナーバスな姿だ。
既にベッドを共にするお約束が用意されている。
酒は飲まずに捨てるも手錠プレイを要求される。
・邸宅で凶器を探す
リックはライアンからの情報を受け、凶器の特徴が伝わる。
ナイフを探い間に気を反らして欲しいとヘイリーに頼む。
ケンダルが監督の家に行く前にリックのホテルに来る。
ケンダルは彼の“家の図面”を手に入れていた。
「気を反らす間に壁の裏側(シークレットルーム)を探れ」
凶器を発見するもこれは小道具で同様のものは5本もある。
アリバイについて殺害時のNYのことを伝えると、助手と
一緒にいたと証言する。
・5本あるナイフ
一本は監督の家に有り、
倉庫にあるナイフの2本は未使用。
残り2本は行方不明。
西と東、別々の海外で同じ凶器が使われている。
エスポによると残りのナイフは撮影最終日に無くなって
いる。
スタジオの車両入退記録から調べを進める。
脚本家とその教え子がナイフを持っていた。
ジョーダンは女性スタッフを人質に取り逃げようとする
が止められる。
・発信機の購入者
ヘイリーはありふれたもので購入者が分かる訳がないと
話していたがアレクシスは見つける。マルコム・マッケイブ
(Albert A. Vega)。ヘイリーはそれを見つけたアレクシス
に父親を危険にさらすことが得策かを問い、これ以上の捜査
を止めようとする。
しかしアレクシスは単独でドロシーの元を尋ねる。
マルコムの写真を見ているとヘイリーと繋がりを示す写真
を目にする。
急いで帰ろうとするアレクシスの車の後部座席にヘイリー
の姿が有って実に怖い。「複雑な事情が有る」
因みにアレクシスが運転していた車はゼネラルモーターズ社製の
キャデラックのエスカレード。
■ニューヨークサイド
ライアンはラニに頼まれて”良さげな男”の素行調査。
パソコンにはタイラー・ロスについて調べた跡。
ハヴィはすぐにライアンがしていることに気が付いて
相棒を問い詰める。
タイラーについて話さない為にエスポの激しい追及がある。
結局ラニの新しい彼氏であり調査を頼まれたことを告げる。
パートナーが険悪なムードになるのって
「Numbers 天才数学者の事件ファイル」(Numb3rs)での
コルビーとデイビッドを彷彿とさせる。
正直ラニもそういうリスクを理解した上でライアンに頼んで
いるのか?
肝心の事件については、
2件の幽霊の犯行の時、映画監督はNYにいた事が分かる。
しかし3件目は不明。
・ラニの解剖室
検視報告書の分析により凶器が判明。
特徴的なギザギザの刃のナイフ。
そしてNYの4人目の被害者としてパット・クルーズの名が
出てくる。同じ日に幽霊がロスで女性を殺したので分かりづら
かったのだという。
一人では無理でも連続殺人鬼が2人居たとすればそれは可能だ。
・NYの4人目の被害者と関係する人
被害者は脚本の講師で脚本家のジョーダン・キーガン
テイラー (Teddy Lane Jr.)の元教え子。
ジョーダンを殺害しNY側の殺人鬼は排除。
ジョーダンのパソコンを調べると脚本が残っている。
「双子の殺人鬼」
欄外のメモに“くだらない!(This is Stupid)”。
癖のある筆跡。ロス側の犯人が判明する。
彼は双子の殺人鬼にインスピレーションを受けて犯行を
犯す。
■リックの記憶と『GDS(偉大なる探偵協会)』
探偵協会の流れは強引に連続殺人事件の流れに繋がっている
ように見える。そもそも事件の犯人を捜した方に入会が
認められるというものなので繋がりは少なくともある。
リックは指令を受けてばかりの立場に不満を募らせ仕掛け
をする。小道具担当者のいとこの住所が分かり、
2本のナイフを記念に持ち去ったということ。
彼が不満を募らせていたのは協会にではなくケンダルに
対するもの。彼女はリックの情報を盗んで後追いしている
だけ。
ケンダルはクラヴマガの達人。狙撃の腕も一流で2km先の標的
に当てるスキルを持つ。
ヘイリーはアレクシスが捜査に関わり進展させることに
懸念を示す。そしてヘイリーはリックと二人で話し合う。
ヘイリーは彼に私との初対面は何時なのかを尋ねる。
「顔面パンチを食らった時だ」(Ric)
しかしヘイリーによると正確には一年半前。
その一年半前に懇願されたという。
ヘイリーは昔MI6の仕事でアメリカ人スパイと出会う。
リックの父親のジャクソンだった。
一年半前にロサンゼルスで見張るように頼まれたらしい。
タイで二週間のCIAの任務を終えて帰宅するはずだったが
ロサンゼルスに来て友人のマルコムに力を借りることで
GPS発信機を付けた。一度韓国料理店で見失い、再び見つけた
時にリックはわき腹を撃たれていた。
CIAのジェンキンスの話は聞いているという。
ロサンゼルスでの記憶を消してもらう。
ヘイリーはリックの事が好きなので二人を近くで見守る為
に探偵社にいたとのこと。
記憶を求め続ければ地獄の門が開くかもしれない。
一度は守るべき人の為に身を引こうとしたがそれでも
リックは好奇心には勝てなかった。
真実を追い求めたらあらかじめ頼まれていたことがある。
秘密のホームページを見せること。
「ブレアの暗証番号」で開くという。
17歳の時に書いた物語に出てくるもの。
「左に4、右に17、左に21」
開錠するとそこには傷ついたリックからのメッセージがある。
「ブラッケンとロクサットの件は追うと危険だ」
「ケイトを守るために記憶を消す」
「彼女が知ったら命を落とすことになる」
リックが撃たれた夜に着陸した飛行機を調べればロクサット
の正体を暴ける。
しかしリックは全て自分の責任であることを認める。
司法省の人たちが犠牲になったこと。
ケイトを守ろうとして死を招いてしまったこと。
■その他
・今と違ってあの時は知らなかったのよ、史上最低の駄作
だって。出演しなくて本当に良かった。
・「長い酷暑」はお粗末な出来だったが僕は君のヴィジョン
の為に闘った
・ピエロ恐怖症とおねしょ
・しっかりしているアレクシス
盗聴防止装置を部屋に設置していた。
リックの全身を調べると韓国人店主から受け取った時計に盗聴器が
仕掛けられていた。GPS発信機つき。
「CIAがタイで使った?」
・ライアンはラニから男について調べるよう頼まれて
困惑する。
・悪役が降参する展開ほど退屈なものはない
・まるでSF小説みたいだ。時間を戻して記憶を消すなと
言いたい。
・酷評は忘れない
・今回リック役のNathan Fillionが14話のプロデュースを
している。
ケンダル・フロスト役を演じる Summer Glauは
テレビドラマ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」
(Terminator: The Sarah Connor Chronicles)の中で
未来から送られてきたTOK715ことキャメロン・フィリップス役を
演じている。
■使用された曲
・Castle Theme Song
Written by Robert Duncan
・Stompa by Serena Ryder
■出演者
リチャード（リック）・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
**キャサリン(ケイト)・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人
**マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ヘイリー・シプトン (Toks Olagundoye) フリーのセキュリティ
ケンダル・フロスト (Summer Glau) 探偵、制服を着ていることも。
トレヴァー・ナイジェル (Doug Savant) ゼニス・スタジオの社長
コートニー (Courtney Ford) ヒート役がもらえずリックを殺そうとした俳優
オースティン・エレクトラ (Darri Ingolfsson) 映画監督、調査対象
カート・メネンデス (Jason Manuel Olazabal) 重大犯罪課
ヴェロニカ・ハリス (Mageina Tovah) ファリップの妹
アンドリュー (Ryun Yu) 韓国料理店
メイソン・ウッド (Gerald McRaney) GDS(偉大なる探偵協会)
(Billy Armstrong) ベルマン
(Abhimanyu Katyal) A.D.
(Jon Knapp) 運転手
テイラー (Teddy Lane Jr.) 墓地の警備
ジョーダン・キーガン (Vince Nappo) 脚本家
ドロシー・マッケイブ (Jeanette O’Connor) マルコムの叔母、在パサデナ
ショー (Dylan John Seaton) 墓地の警備
マルコム・マッケイブ (Albert A. Vega) 発信機を購入。元陸軍特殊部隊
ブランドン
タイラー・ロス () 41歳、ラニが好意