第5話 汚名 Misconceptions
脚本/John Dove
監督/Nathan Hope
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「トミー・ルイス、何処に居る?」。
新聞では20年前の今日失踪したトミーのことを掲載していた。
マックはリンジーと現場に向かう際に、マックが当時のこの
事件に関わっていた事を語る。捜査本部が立ち上げられて私を
含めて10名以上が操作をしたという。当時のトミーはまだ8歳
で、両親はトミーが犬の散歩に独りで行きたいとせがまれて
それを許可したのだという。あれがトミーの家だと語る。
トミーは両親から知らない人と話をしたらダメだぞと言われて
送り出される。両親は引っ越さないことにしたとし、トミーの
魂はまだこの家に有ると信じているのだという。
店の主が散歩にいくトミーを見ていたこと。25セント与えて
お菓子屋でキャンディを買えと言われたのだという。店員は
トミーがキャンディを買うのを覚えて居たとのこと。
近所づきあいが密の街なので情報も多数集まるが、全ては
キース・ミルナーに繋がったという。当時彼は17歳で、札付きの
悪だったこと。あそこにいる白いエプロンの男が生きている
トミーを最後に見た人だという。署員総出で探した結果、4時間後
公園でミルナーが見つかり、ドラッグでハイだったという。
その時トミーの犬を抱えていたこと。服にはトミーの血が付着
していたこと。
しかし自供も死体も目撃者も居ないことから罪に問うのは無理
だったという。地元の連中は怒っていた為にミルナーの両親を
殺すと脅しが有り、引っ越しする事になったのだという。
でもまた舞い戻った結果がこれかというリンジー。
キース・ミルナーは喉を切られて死亡していた。
先に捜査に来ていたジェイミーは、喉を切られる前に殴られた
跡が有るという。サイフとか撮られているものはないとのこと。
20年前の今日がトミーの失踪日で、事件の唯一の容疑者でトミーが
失踪した現場近くの公園で見つかったことを考えれば、復讐の
センが濃厚だという。
ミルナーの死の知らせを聞いてトミーの両親がどう反応するの
か調べようとのこと。
ドンはこの日非番だった。
エプロンをして朝食を二人分作る。犬のスイーティーの為の
朝食だった。一緒に食事するドン。
リンジーは被害者の服を調べると握られたような跡が付いていた。
ドンは食事が終わるとボクシングジムに通いデイヴィスと
スパーリングをする。相手は仮釈放中の男だが、ドンとは気が
有った。そんなドンの元に電話が鳴る。
シドは遺体の傷口から物質を採取する。ジョーがシドの元に
やってくると所見を聞く。シドはこの20年間トミーと同じ年
の遺体が運ばれてくると、両親のDNAサンプルと比較する作業
をしてきたという。決着が付けばと思っていたとのこと。
しかしトミーの運命を知る唯一の人間かもしれない人物が亡くなって
しまったという。ミルナーは健康そのものだという。
薬物の痕跡も一切ないと語ると、きっぱりあれ以来辞めたのでは
ないかという。頸静脈が切断されたが、凶器の刃物は短く、
英梨で幅が狭いものだという。傷口に物質が付着。一度で切り裂いて
いることから犯人には躊躇いはなかったという。被害者は喉を
切られる前に襲われていること。眼窩骨の表皮などに殴られた跡
が有り、殺される2時間程度前のことだという。手を見ると
防御創など見あたらないことから抵抗しなかったのだという。
ミルナーは20年間駐車違反すらしていないというダニー。
みんなが読み間違えていたのかも知れないとマックは語る。
当時捜査を仕切っていたのはベテランの刑事だった為に若い刑事
の言う言葉に耳を貸さず、私の意見も無視されたという。
端から容疑者を決めつけていたとのこと。しかしダニーは善人では
ないことは確かだった。暴行に窃盗、何度も逮捕されていること。
そして服にはトニーの血が付いていたという。しかしその血は
愛犬にも付いていたので、犬に付いていた血がミルナーに付着
した可能性もあると語る。
そんな中、ジョーはトミーの両親が居なくなったとし、父親は
印刷ショップで夜中に働いているが午前2時の休憩から戻っていない
という。
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20年前に発生したトミー・ルイス(当時8歳)の失踪事件。
その20年後の今日、彼が失踪とされる近くて当時の第一容疑者
だったキース・ミルナーが殴られ、そして首の頸静脈を鋭利な
刃物で切られて殺害されて発見される。真っ先に容疑者として
疑われるのはトミーの両親で、妻は知らせを聞いて署にやって
くると、夫のネイサンは留守録を残して居なくなったことを語る。
夕べは仕事前に酒を飲んで普通の状態ではなかったということで
夫が殺害したのではないかとする不安を口にする。
シーズン9に入ってから相変わらず、NYPDの私生活周りの言及・
過去の精算スペシャル版。
その内の今回は、過去からの清算の名の下で、フラック家の事情
に触れるものあり、そして当時捜査官として担当したマックが
関わったトミー事件の解決話が有りと、なかなか面白い流れが
形成されていた。
ドンの妹のサマンサに関しては、「コールドケース」に於ける
姉・リリーの妹のクリスティーナのことを思い出してしまう
役割だけど、S5-1、S5-7、S8-5と三度のエピソードに於ける
葛藤を通して、ようやく彼女もドンの支えを通して人生の軌道
に乗り始めた様子。
しかも今回はサマンサが何故これまでの状況に至るのか、その
一端となる過去のエピソードが描かれた。ドンの父・ヘンリーが息子の
ドンと娘のサマンサに対して、その扱いに差が有ったことで、
娘は愛されていない・期待されていないと勘違いした様子。
逆に期待の裏返しだったわけだけど、勘違いさせたままの状況で
亡くなってしまったという父親の無念なり不徳とするところが
描かれた。どうしても男親って娘の対応には苦慮してしまう不器用
なところはあるんだろうね。
そんなエピソードとリンクするようにして、今回は20年前の事件
に対して、容疑者とされた男性の中にも似たような部分がある
ことが示され、ミルナーはフラック家とは逆にティーンエイジャー
時代には何らかの事情で息苦しさを感じていたのか、札付きの悪
になり、両親から信頼されていないという悪循環に陥り、自分が
殺人犯だと思われたままに両親を失っているという役割を演じて
いた。
悲しい事に、世間からの偏見の視線が事件の解決を遅らせてしまっ
た格好だけど、「CSI」シリーズであれ、アメリカの刑事ドラマに
於いては、過去の捜査官に問題があることが多く、後の世になって
立派な捜査官だとされていた人物の中の偏見に満ちた捜査が問題視
されるということが多い気がする。
皮肉なことだけど、2015年現在のアメリカでも同様に偏見によって
発生している白人警察官と黒人の被害者という構図が事件として
取り上げられている。一時根付いてしまった不信感を払拭するのが
容易ではない事。その背景には根深い差別意識以外にも黒人の
犯罪者率が多いことが前提に有るのだろうし、一度そんな民族論争
に火が付いてしまうとなかなかセーブが利かないところで動いて
しまうところが有るんだろうね。
フラック家の件はちょっぴりほのぼのとさせるものだった。
ドンがスイーティーという犬と暮らしているところを見ると、
彼が結婚するのもなかなか難しいなと思わせるものも感じる。
愛犬に人間と同じような食事を作っていたけど、食べさせても
大丈夫なのかと思いつつ、まさかロヴァート刑事と早くもこんな
関係に・・・と思わせつつ、エプロン姿のドンのちょっと違う
一面が見て取れた。こんな感じに休暇で寛ぐシーンを、CSI:NY
シリーズのファンならば、是非ともマックの私生活の中を通して見せて
欲しいと人も多いハズ。この人、暫く睡眠障害で眠れなか
ったことも有るし、今またコンビニで銃撃を受けたことで、記憶障害
という難局を迎えている。性格的なものなので、ジョーとか
クリスティーンがマックの問題を知りつつもなかなかその壁を
崩せずにいるというあたりがもどかしい。ただ今の状況は何にしても
重要な職務にいるマックにとってはかなり危うい爆弾を抱えている
ことだけは確かな様だ。
そんなマックも一人で事件の解決後に涙していたシーンはとても
印象的に写る。
事件は刺し傷の微細証拠から、ペニシリウム(青カビ)、ウルティカ・
ディオイカ、セイヨウイラクサ、パラフィン、ミクロワックスキー
などが検出。イタリア産のチーズに付着するもので、チーズの中
でも珍しいもの(フレイミングネトルゴーダ)だと判明した。
イーストヴィリッジのヴェントリーの店で扱っているということで、
当時最後に目撃した証言者のミッチが犯人だと判明する。
取調室に於いて、ミッチは自分のことを良い人だとし、悪気が
なかった事を語る。リンジーが取調室でそんな彼と会話していた
けど、「話し方も見た目も私たちと同じ。でも貴方のような人は
私たちとは違う」として、極悪人であることを語っていた。
被害者の夫・ネイサン役のAlex Carterは、本家「CSI:科学捜査班」
ではカーター刑事役として準レギュラー役だった。
若い頃のミルナーって、「The Walking Dead」のダリルみたいで
横顔は格好良い感じがした(笑)
最後にドンたちは父の遺灰の処分に困り、その結果家族共通の思い出
の有るヤンキーススタジアムで遺灰を蒔いたのかな(持っていただけ?)。
残されていた手紙。そしてかつてサマンサが卒業式のパーティーで
彼女が居なくなった時に、父親が涙した時のことを語っていたけど、
マックの涙とはまた違う意味でも有ってなかなか興味深いものが
有ったね。
■検索用キーワード
・The WhoのBaba O’Riley
マック・テイラー (Gary Sinise) NY市警CSI:主任
ダニー・メッサー (Carmine Giovinazzo) CSI、下町育ち
シェルドン・ホークス (Hill Harper) 検死局
ドン・フラック (Eddie Cahill) 殺人課
ジョー・ダンヴィル (Sela Ward) CSI、バージニアから転属
リンジー・モンロー・メッサー (Anna Belknap) CSI、S2#3から
シド・ハマーバック (Robert Joy) 検視官、S2#5から
アダム・ロス (A.J. Buckley) CSIラボ研究員、S2#8から
— (Julie McKinnon) A / V Lab Tech
ジェイミー・ロヴァート (Natalie Martinez) 麻薬課から殺人課に異動
クリスティーン・ホイットニー (Megan Dodds) マックの恋人
サマンサ・フラック (Kathleen Munroe) ドンの妹・酒飲み
若い頃のサマンサ・フラック (Brooke Robinson)
アイリーン・フラック (Elaine Kagan) ドンの祖母
ヘンリー・フラック (Len Cordova) ドンの父、警察官
若い頃のドン・フラック (Luc Austin)
エイプリル・ルイス (Meredith Monroe) トミーの母
ミッチ・ヴェントリ (Jamie McShane) 最後にトミーを見た店員
若い頃のミッチ・ベントリ (Michael Antonacci)
ネイサン・ルイス (Alex Carter) トミーの父、印刷ショップ
トミー・ルイス (Austin Kane) 8歳で失踪、20年前
キース・ミルナー (Zack Ward) 当時は悪だったが、今は妻子が・・
Mrs.ミルナー (Karina Logue) キースの妻、妊婦
トニー・デイヴィス (Brooklyn McLinn) ボクサー
— (Garsha Arristos) 捜査官
— (Pete Monaco) Shoe Store Owner
— (Jonathan Davila) Yankee Patron / Detective
— (Mason D. Davis) スケートボーダー
— (Trevor Hammonds) 運転手
— (Brian Linsley) Yankee Baseball Player
C.ウェルシュ (Genoveva Winsen)