第3話 グラヴィトニウム The Asset
脚本/Maurissa Tancharoen、Jed Whedon
監督/Milan Cheylov
——————————————————–
【ストーリー】
シールドの捜査官・マックはトラックで移動する。積み荷は
無事だとすると、これからリトルガールが先導するとして
無線連絡が入る。しかしトラックの前で走行する先導車は突然
目の前で吹き飛ぶ。エージェント・マックはシールドの作戦室
に対して襲撃されたことを語る。更には自分の乗っている
トラックは突然空中に浮遊すると地面に落下する。
隠れていたものたちが突然トラックの積み荷を奪おうとして
近づいてくる。厳重になっている為に、それを電気的な切断機
で切断すると、中にはホール博士が閉じ込められていた。
ウォードはスカイに対して訓練をつけようとして訓練室で
待っていたが彼女が予定よりも遅くやってくる。これではまる
でシールドではなくフィットネスだという。ウォードはこれから
訓練に遅刻したら1分に付き15回腕立てをさせるという。
ウォードは彼女にサウンドバッグで攻撃の仕方を教える。
フィールドエージェントになりたいのではないかと問う。
フィッツ&シモンズは訓練していないとしてスカイは文句を言う
中、ウォードはこの仕事をしていれば必ずやるか・やらないかを
決める時が来るとし、どのエージェントにとっても厳しいことだと
語る。この仕事に身を捧げているかヒザを抱えて逃げるかだと
語り、そんな決断を下す前に死なせないのがオレの仕事だと語る。
ウォードの決断の決め手は何だったのかと問うが、彼は言おうと
はしなかった。また自白剤を使って答えさせるわよというスカイに
対して、あの自白剤はかかった振りをしただけで実際に効果はない
と語る。
メイは緊急の指令を受けてコロラド飛行場へと進路変更すると語る。
コールソンはメンバーを集めると、76号ハイウェイでシールドの
輸送チームが襲われた事を語る。最重要貨物が奪われたという
もの。中にはカナダ人物理学者・フランクリン・ホール博士が
乗車していたのだという。するとフィッツは大学2年生の時の
指導教官だった事を語る。襲った人物は透明人間だったという
コールソン。スカイはそんな奇抜な事件に好奇心を覚えて思わず
喜びの声を上げる。
コロラド州スターリング。
ホール博士とは身内なのか?という問いかけにコールソンは
シールドが保護している科学者だという。狙われやすいので
常に移動させている中で襲われたという。
現場で実際にマック捜査官から話を聞くと、突然二台の帯同車
が空中に投げ飛ばされ、更にこのトラック車両も浮かび上がって
恐かったという。しかし何よりも恐ろしいのは輸送経路が
バレていたということだという。
一体現場で何が起きたのか、爆発物を調べる。それを知る為に
はフルスペクトラムゴーゴルを使う必要があるという。
何かが作動したとすると、この未知なる物質の入ったものが原因
だろうとして、現場に落ちていた物質容器を手にする。
輸送経路が漏れたのは何故なのか。
通信システムに侵入されたのかそれとも内部の人間から漏れた
ものなのかとコールソンとメイは相談する。スパイが居るのか。
通信記録を洗おうと語る。現場のタイヤの記録では2010年仕様
の解体重機に使用されているタイヤで、それを購入した人物は
3人リストアップしたとのこと。
スカイはコールソンに逢うと、ウォードに投与したあの自白剤は
本当に効果が有ったのかどうかを尋ねる。それはどうかなと
してコールソンは明確な答えを濁らす。
メイはホールの移動が決定してからの通信記録をスカイに調べろ
として大量の資料を手渡す。
コロラド州バーンルーフポイント。
コールソンたちは三人の解体用重機を売ったとされる人物と接触
する。誰に売ったのかと問うが、名前も顔も見ていないとし、ただ
売っただけだという。「金」での支払いだったという。調べて
見ると純度92%の精錬所に行く前のドーレの延べ棒だという。
純金よりも安物。コールソンは成分から鉱山を特定出来るかと
問うフィッツたちはタンザニアのデイシー鉱山だという。そこは
クイーンワールドワイドが所有している土地とのこと。
イアン・クインが犯人かと告げると、フォーブス誌などにも掲載
されている科学者の一人だという。
マルタ共和国。
クインはホール博士の元に行く。
ホールに対して手足を縛ってきたことを謝罪する。ホールはクイン
のことをよく知っている人物だった。お前はアイディアを盗むだけ
でなくついに誘拐までするようになったとはなと告げると、
情報は共有するものだろうとし、これは誘拐ではなく救出だと語る。
クインは通信を傍受している際に、シールドの積み荷という言葉で
気が付いたという。マルタ共和国ならばシールドも手が出せない
とのこと。だからこそ会社ごと引っ越ししたという。当局の手の
届かないところを見つけたのかと問うと、ここならば国際法が
守ってくれるからなという。ホールに対して小型の試作品を見せる
クイン。ついにグラヴィトニウムを見つけたのかとしてホール
は驚く。
フィッツはみんなに現場に落ちていた物質が希少物質であり、
理論上にはあるとされていたが、実際には存在しないと思われて
いた物質だという。これは重力場を乱すもので、グラヴィトニウ
ムの理論はホール博士によって発表されたものだという。ホール
とクインはケンブリッジ大の同期生とのことだった。
しかしスカイはクインはチャリティ活動に熱心であり、今まで
にも80億ドルくらいは寄付していることを指摘する。しかしそれ
らの資金は全て地球の資源を搾取して得た金だという。
クインは20年間をかけて6つの大陸の12の鉱山を掘ってついに
この物質を見つけた事を語る。しかしホールはこの物質はあまり
に危険なものだと語る。そんなホールに対してクインは君には
見せた方が早いなとして、現在フルサイズの動力発生装置を作って
いる事を語る。重力場のコントロールの方法を教えて欲しいとし
君だって科学者としてやりたいハズだと語る。
コールソンはホールがマルタ共和国にいるので救出すると語る。
我々が捜査当局が立ち入ることは禁止だが、単独ならば例え
捕まっても問題は無いという。しかし問題は彼の会社の周りには
ネオジムレーザーフェンスが張り巡らされているので、外からは
解除出来ず侵入出来ないのだという。中に潜入して解除して
潜入する方法を探らないといけないと。スカイは私が潜入する
事を告げ、私は民間人なのでアホくさいルールなど気にせずに
潜入出来るという。ウォードはスカイに対してライジングタイド
のハッキングと一緒にするなとして、潜入捜査の知識が必要だと
語る。しかし私には彼の屋敷で行われるパーティーの電子招待状が
有るとしてあっさりと携帯端末でそれを入手してしまうのだった。
コールソンは彼女に任せてみようとするが、ウォードは訓練もなく
潜入させるのは危険だと語る。
それに長官からの許可が出ないだろうとし、トレーディングカード
の件で貸しが有って許可が出来ると思っているので有れば間違い
だという。コールソンは君が心配しているのは、彼女の安全の
ことなのか、それともシールドに対する忠誠心の問題なのかと
問うと両方だと語る。しかし彼女がライジングタイドだからこそ
招待されたことを指摘する。
——————————————————–
シールドが保護しているホール博士が金儲けの亡者であり、
ホール博士とはケンブリッジ時代の同期のクインによって誘拐
されてしまう。クインによるとくだらない規制や安全の名の下で、
優秀な人材や人類に有益なものを一人占めしようとしているのは
寧ろアメリカ政府やシールド、EUやDRTCであり、ホール博士も
その被害者の一人だという。そんなクインが発見したのは今まで
地球上には存在しないと思われていた画期的な物質で原子番号123
のグラヴィトニウム。この物質の重力を操ることが出来れば、
石油など掘らずに浮かび上がらせることが出来て、スーパータンカー
でさえも片手が動かす可能性があるのだと言うが・・・
常々懸念されていることだけど、このドラマに於ける最大の
ネックは、フィールドエージェントが足りないこと。
現時点ではウォードとメイとコールソンだけが戦闘能力に長けて
いる状態であり、その中でもメイは地上勤務を過去の事件との絡みで
拒否している事情が有るようで、彼女が自ら潜入捜査をするような
事は口にしない。そんな状況が前提にありつつ、今回は、
シールドのアイドル・スカイの単独潜入を通して、彼女のフィー
ルドエージェントとしての資質というものを図るところがあった。
ただ彼女自身戦闘能力・護身術に関してはまだ習ったばかりの素人
だ。ただ元々は政府機関から逃げながらのライジングタイドとして
の活動をしていたので、それなりに身の隠し方とか身を守る方法に
関してはある程度自然の中で身についているものかも知れないけど、
やはり銃を相手にした敵との対峙は不安な一面が有る。
またなんと言っても懸念すべき問題として、彼女は政府機関が
行うやり方に反発している立場の人間であり、安全という名で
シールドとかアメリカ政府のしている行動に疑念を抱いているのも
また事実であり、そんな彼女が自分の能力を最大限に発揮させて
くれる人物から好条件を提示されて引き抜かれたとしたならば、
シールドを裏切ることもあり得るのではないかとする流れが
存在することだった。
「スキッパーからブラボー。標的を確認した。これより鷲は舞い
降ります」なんて思わず憧れていたスパイ活動のコールサイン
っぽいやりとりが何とも言えなかったけど、意外とスカイは
シールドのやることにも興味を示していることが分かる。
何が正しいのか。
政府の与える情報が常に正しいとは思えないからこそ、ライジング
タイドのような形で活動しているスカイ。
今回のターゲットであるクインと接触する際に、あっさりと彼女は
侵入者として見つかってしまったけど、それでもクインが不審さ
を覚えつつ彼女を即排除しなかったのは、彼女のスキルの高さを
知っていることもあるだろうし、これまでライジングタイドが
行って来た反体制主義的活動を評価してのことだろう。
シールドのような人物は相手の不安や孤独につけ込んで身寄りのない
ものに居場所を与えて活動させるとし、自分達はもっと良い者を
提供するとしてスカウトされていた。我々は嘘はつかないし、
任務も課さないことを約束される。スカイにとっては魅惑的な誘い
だろうけど、今回は冒頭のウォードとのやりとりの中、「決断を
迫られる時がくる」としていたように、彼女の中で最も大事にしたい
と思っているものが何かの一端が垣間見られたのかも知れない。
スカイがクインの屋敷に入る際にはパーティー用のドレスに身を包
んでいたので、胸が前開きの体に密着した衣装だったのでちょっと
エロかった。スカイは彼のオフィスに入ったけど、どうやって入った
のか?とシールド内が話合う際、フィッツが「おっぱいだよ」と語る
辺りが笑えたけど、まさに逃走する際にはプールに飛び込んで
より衣装を体に密着させた上で逃走シーンにおける揺れまくりの
胸のカットは結構凄かった(笑)
しかしあの物質は自然界に存在していたものだけど、ロケットで
太陽に向けて飛ばさないのかな。いや下手に太陽にぶつかったら
危険かも知れないけどね。
・イアン・クイン役のDavid Conrad
ドラマ「ゴースト 天国からのささやき」でメリンダの夫・ジム
役を演じていた彼。
今後ともこのドラマに準レギューとして登場予定。
今回はヘリコプターに乗って逃げてしまった。
「ロックマン」のワイリー博士ばりの逃げ足の早さ(笑)
バンバイキーンって感じ?
■使用された曲
・Agents of S.H.I.E.L.D. Theme Song
Written by Bear McCreary
・Drive All Night Till Dawn by Wagons
フィル・コールソン (Clark Gregg) S.H.I.E.L.D.の捜査官
メリンダ・メイ (Ming-Na Wen) 捜査官、エースパイロットで兵器の専門家
グラント・ウォード (Brett Dalton) S.H.I.E.L.D.のブラックオプスの専門家
スカイ (Chloe Bennet) ハッカーグループ「ライジング・タイド」
レオ・フィッツ (Iain De Caestecker) 捜査官、兵器技術を専門
ジェマ・シモンズ (Elizabeth Henstridge) 捜査官、生命科学に精通
イアン・クイン (David Conrad) クイーンワールドワイド社
Dr.フランクリン・ホール (Ian Hart) 博士
— (Assaf Cohen) Qasim’s Translator
トッド・チェスターフィールド (Scott Subiono)
— (Brandon Molale) Main Guard
タイラー (Josh Cowdery) 捜査官
マック (Bodie Newcomb) 捜査官
カシム・ザグフルール (Vachik Mangassarian) ドバイの建築家