キャシーのbig C ~いま私にできること~ The Big C 第4話 新しいスポーツカー Playing the Cancer Car

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第4話 新しいスポーツカー Playing the Cancer Car

脚本/Mark J. Kunerth 監督/Craig Zisk
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【前回までのあらすじ】
あなたは父親そっくりだというキャシーに息子のアダムはそれ
ならばオレまで追い出すのかと問う。夫のポールはキャシーに
対してマトモになったに連絡してくれと言って諦めて出て行く。
実はまだ私は誰にも病気のことを話していないとしてトッド医師
に語る。そんな中、マーリーンからあなたは腫瘍があるのでしょ
と言われるキャシーだった。

【ストーリー】
キャシーはこの日、20年間積み立てた個人年金401Kのお金を今
頂きたいとして役場に申しでる。定年前に引き出すと積み立て
額の半額になることをアラン・J・メリンに指摘される。
定年って幾つなのかと尋ねると65歳だと言われる。私は今金が
居るのだと告げると、テレビで有名なフィナンシャルプランナー
が”いざという時の為に備えよう”と言っているが、いざって
いつ来るのか分からないでしょと告げ、だから決めたのだという。
年金を解約してパーっと使おうと。アランは本当に解約しても良い
のか?と問うと手続きが済めば振り込みは一時間程度で完了する
と語る。何処か悪いのではないかと問われ、そうじゃなければ
こんなことはしないと語る。

運動場にいるアダムの元にいくキャシー。
バイトの面接はどうしたのかと問うと、今日は行かなかったという。
バイトを夏休みしないでいつするのかと問うと、安い時給でヨーグルト
のサンプルを配るのなんて嫌だという。それならば管理職にでも
付かないとねというキャシー。ゲームはどうしたのかと問うと
父さんが買ってくれたのだという。今父さんはラグビーをしている
と。キャシーは目の前でポールがラグビーをしていることに驚く。
一体何をしているのか。そんなことをしたら死ぬわよと語る。
ポールは逢って0.7秒で憎まれ口を叩くとは記録だという。
楽しいからやりたいのだとすると、45歳の中年がいきなりやれば
アザだらけになり、ヒザだってサポーターをしているでしょと語る。
更にアダムに何故ゲームなんて買うのかとし、普通の親ならば
ゲームが欲しければバイトして買えというのが親だと語る。
しかしオレは息子とは会えない立場なんだとし、引き離された親
があげても良い物リストでも作ってくれという。
そんな中観客席にはラグビービッチ”ティナ”がいることに気が付く。
彼女は学生時代デートしまくりで、チーム全員と関係を持った
女だという。20年前にもそんなことをしたのにまだ居るのかと
呟く。しかもパッツンパッツンのパンツだと。ティナはキャシー
を見かけると久しぶりだとして声を掛けてくる。ティナは嫌み
たっぷりに貴方は変わっていないとし私も似合うファッションが
有ればずっと着ていると語る。まだチームを応援しているのか
と問うと、ポーリー(ポール)が戻って来て嬉しいのだという。
アダムがキャシーを車の中から呼ぶ姿を見て、ティナは私も車が
欲しいが、貴方の車は子持ちが乗る車でしょとし、貴方は母親
だからねと言われる。

マーリーンと共に酒を飲むキャシーは年金を引き出したことを
話すとマーリーンはキャシーの行動に関してバカじゃないのか
と告げる。しかし死ぬのだとし、年金は引退暮らししてアラスカ
にクルーズ旅行に行ったり、RV車で旅行したりする為のもの
でしょとし、私にはそういうことは出来ないのだと語る。
それに今二人が飲んで居るのは1本450ドルもするシャンパンだ
と告げ、高いシャンパンがどんな味かと思っていたがやっと飲めた
という。消えるものに金を使っても仕方がないというマーリーン。
ウチの夫は熱帯魚に目がなくよく買っていたが、買って水槽に
入れるとすぐに死ぬという。水槽の前によくニターっとバカみたいに
して眺めていたとのこと。そんな彼女に対して何か欲しいもの
とかないのかと尋ねるが考えたこともないという。
キャシーは今までクーポンを貯めて節約してきたのに、自分の
息子は夏にバイトもしない怠け者だと嘆く。尻を叩いてやらねば
ならない子もいるのだというマーリーン。しかし残された時間
を怒鳴ったり鼻先でドアを締めたりはしたくないと語る。

そんな中、キャシーは新車を購入する。
ショーンがキャシーの自宅にまで来ていて、リサイクル品の
リサイクルをしにきたのだという。新車を一目惚れして買った
コンバーチプルの赤い新車だった。お前はガソリンビッチだなと
いう兄は、自分で自分に酔っているヤツだと語る。キャシーは
大きな買い物を即断即決で初めて買ったこと。
いつもは3ヶ月は消費者のコメントを読み情報収拾してから
いざ購入すると3ヶ月は後悔するパターンだという。
それにしてもショーンに何故ここに居るのかと問い、私に逢いに
来たのかと問う。カワイイ妹に癒されたくて来たのかとし、
兄妹なんだからいつ逢いに来てくれても良いという。そんな
ショーンは歯が痛いのだという。虫歯。治さないとダフニーに
嫌われるわよというと、あいつとは別れたという。すぐに
メソメソするし独占したがるヤツだと。不快なことが起きたから
といって資本主義のシステムに飲み込まれたくないというショーン
は、子供に喰わせるのか医者にいくのか迷っている底辺の人たちで
も容易にいけるようになったらオレも医者にはいくという。
それにしてもキャシーはマニュアル車を運転出来るのか?と問う。
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キャシーは未だにマーリーンと主治医のトッド以外に病気の事実
を話せずにいた。夏休みに入った息子はアルバイトもせずに
父親から買ってもらったゲームで遊ぶ日々。
キャシーは自分に定年後に受け取る年金は必要がないと考えて、
今すぐにお金を受け取ると、その金を今まで躊躇して使えなかった
ことに使おうとする。彼女はその金を高校時代の同級生で完璧な
女性だったアマンダ・モンゴメリーが毎日乗ってきていた赤い
コンバーチブル車を買い、高いシャンパンを飲み、そして水槽に
閉じ込められているであろうロブスターを救出しようとする。

死が現実に迫り、それを意識した人は未来のことを考える必要が
無くなることも有り、皮肉にもその分だけ肩の荷が下りて、身軽な
思いを感じることが出来るものなのか。そういう状況にならないと
所詮は他人の事なのでなかなかその気持ちは分からない。
相手がいる社会・コミュニティに於いては、どうしても自分と他人
を見比べて見ては、自分は幸せなのかどうかに一喜一憂するのが
人間だと思うが、今回はそんな彼女が他人がしていることを自ら
体験することで、どんな気分なのかということを味わうことにあり、
これまでの自分は幸せだったのかどうかを精査していく流れが有る
様だ。

人は意識していないけど、地球上には重力が存在していて、それは
少なからず身体にあらゆる意味での圧力を与えている。そんな物理的
圧力以外に人間社会で生きる限り、上述した人間との間で精神的な
圧力によって人は縛られている状況が無意識に存在していると思う。

キャシーがガンによって待ったなしの状況に有ること。
不本意にも自分の力ではどうしようも出来ない状況を、店の中で
いつでも客に食べられてしまいそうなロブスターの状況に併せて
描いていくところなどとても上手く出来ている。

このドラマで象徴的に描かれているのは水の存在だ。
水は色んな形に変わるものだし、流れるべき方向に流れていくもの
という意味で象徴的に取り扱われているのかも知れない。
キャシーが圧力から解放された時の感覚をプールに浮かぶ彼女は
心地よく感じているようで、そこにも水は存在している。
そして今回はマーリーン家の水槽のエピソードが描かれたけれど、
ロブスターの流れとは一体何が違うのかということで、意味深
な流れとして描かれている。
最後に貸し倉庫に車を入れた後、彼女の前に雨が降り、彼女の心情
を映し出しているかのようにして、彼女の体をずぶ濡れにしていく。

そんな彼女の元気さの背景に存在しているちょっとした将来
を悲観するようなセリフが見え隠れしているところに寂しさを
覚えてくるものが有るね。

高校時代に完璧だった女性の気持ちを知りたくて、コンバーチブル
車を購入する。それを後押しするのは同級生のテディがバカに
した”ママさんカー”だとして揶揄していたことも有るけど、
人の幸せなんてものはなかなか他人には分からない。
寧ろテディは子供を持っていないような事を口にしているので、
子供の居ない人生の方が実際には幸せなのかというところにも
繋がって居る。

トッドとのやりとりは、彼女が描いていた将来のことをトッドが
行おうとしていることに対する嫉妬心にも似た羨ましさの裏返し
だろうね。不動産を購入するという彼に対して、”病気御殿という
ことね”と語るのもそんな心理が見え隠れしていてちょっと意地が
悪い。ランチをする際にも、「今日は誰かに死にますって言ったの
か?相手は泣いたか?」と尋ねて、相手の不幸は蜜の味だと語る所は
そんな心理が見え隠れする。

トッドが一緒に不動産を見に行く中、妻ではないと否定しなかった
ところも、彼女の心の寂しさを理解してのことなのかな。
トッドが精神科医だったとしたならば、もう少し深みが出るやり
とりが出来そうな感じがするけど、腫瘍科の医師なので何処まで
相手の心に寄り添うことが出来るのかだよね。

このドラマ、NHKBS以外でも有料の配信サイトなんかでも色々と
公開している。字幕版でそれらのサイト映像を見ると、
NHKBSの翻訳では皮肉が伝わっていないのではないかと思うところ
も有るんだよね。あのウェイトレスの髪型を指摘するキャシー
の姿は、その直前に実はテディから髪型の件を指摘されている所
から始まっていて、キャシーは今回”アマンダ”モードに入って居る
からこその行動なんだろうけど、テディとのやりとりを見ると
ファッションを指摘していて、ウェイトレスの髪型を何故皮肉って
いるのかNHKだと分からなかった。

息子のアルバイトの件に関しては、マーリーンがなんとかして
くれそうだ。まさか息子が万引きで捕まるとは思わなかったけど、
マーリーンも上手い事、子育ての流れに引き込んだね。

あのプールの中に沈めたロブスター。
もの凄くでかかったな。ロブスターって淡水の生き物なんだっけ?
プールの中に入れても大丈夫なのか。

そしてショーンがプールを怒らせて虫歯を抜く流れとかアホアホ
っぽくて笑える。

自分には身が余ると感じたのか、コンバータブルの車はアダムの
誕生日プレゼントとなった。18歳から30歳に書き換えていたけど、
実現すると良いんだけどね。

■使用された曲

・Game Called Life by The Leftover Cuties
・Don’t Hold Me Back by Alex Cornish

キャシー・ジェミソン (Laura Linney) 42歳、妻、高校の教師
ポール・ジェミソン (Oliver Platt) キャシーの夫
アダム・ジェミソン (Gabriel Basso) 高校生
ショーン・トルキー (John Benjamin Hickey) キャシーの兄
アンドレア・ジャクソン (Gabourey Sidibe) 生徒、デブ
マーリーン (Phyllis Somerville) キャシーの隣人、夫が他界

Dr.トッド・マウザー (Reid Scott) 腫瘍科の医師
ティナ (Nadia Dajani) “ラグビービッチ”
ビビアン (J. Smith-Cameron) 不動産業者
— (Mike Houston) 警察官
— (Faith Sandberg) 前髪、ロブスター店、ウェイトレス
アラン・J・メリン (Joe Urla) 支店長
アマンダ・モンゴメリー () 赤いコンバーチブルに乗っていた生徒

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