第8話 癒されぬ傷 Aftermath
脚本/Juan Carlos Coto 監督/Brad Turner
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【ストーリー】
マイケルは義手をテストする。
先日ニキータと共にアマンダを倒しに行く際、マイケルとニキ
ータが乗った車が転倒し、爆発前に救う為にニキータはマイケル
の右腕を切断して助けたのである。
バーコフが開発した筋肉に生じる電気で動く義手で脳からの命令
で動くという。しかしマイケルはまだその腕を上手く扱うこと
は出来ずにいた。テクノロジーは味方だとして600万ドルの男・
サイボーグの・・と語るバーコフ。まだ事故から3週間だから
焦る必要はないと語る。最先端の義手にしてくれというが、
これがそれだという。バーコフによると引き金が居るのだという。
どういう事なのかと問うと感情のことで、怒ったり笑ったりで
義手も反応するのだという。そんな中マイケルは腕が痛いと
告げると、それは幻肢痛だとし、失った部分がまだ有るかのよう
に痛む精神的なものだという。マイケルはもう薬は飲んでいない
とのこと。マイケルには肉体意外に克服すべきものがあるとし
ニキータはまだちゃんと話合っていないと語る。しかしマイケル
は任務中に傷を負っただけで戦争の負傷兵と同じだという。負傷の
原因を忘れたのかと問うと、これは戦争であり何が有っても不思議
ではないと語る。それならばどうして私はあれから一人で寝ている
のかと問うとニキータはいつ戻ってくるのかと問うと、すぐだと
語る。次に騒がしくなれば一緒に指令室に行けると語る。
メキシコ・ヌエボランド。
麻薬の売人と連邦警察は追いかけっこしていた。売人の3人は
農場の小屋に立て籠もると刑事たちは屋敷の周りを取り囲む。
売人はボスのガルザに電話すると、取引に失敗した事を告げ、
連邦警察に乗り込まれたことを語る。包囲されていること。
貴方の農園で起きていることだというと、助っ人を送るので
それまでは待つのだと語る。
ライアンはソーニャに何か情報が有ったか尋ねると、衛星を傍受
したらガルザと麻薬の売人のやりとりが入って来たという。
ガルザはシナロアカルテルの幹部で、部下が現在メキシコが
警察に包囲されて助けを呼ぶと言っていた事を語る。
ガルザはリアムに電話すると、仕事を頼むと語り、部下の3人が
タエボランドで足止めを食っている事を語る。農園の小屋の中に
いること。いつもの倍額を払うので「王国への鍵」を取ってこい
と語る。3人の部下がいるとし、武装しているので警察も容易には
中に入れないだろうとのこと。3時間で現着するので、2時間45分
後にピザが届くよう手配をしておくよう告げる。
そんなやりとりを聞いていたライアンたちはリアムだとソーニャに
語る。リアムはクリーナーで今はフリーの殺し屋だという。
オーウェンはその手が有ったのかと呟く中、バーコフと開発した
ソフトがクリーナーの行動パターンを感知したことをマイケル
やニキータたちに告げる。ギエルモ・ガルザというシナロアカルテル
の幹部の一人がリアムに助けを求めたのだという。
マイケルが司令室に入ってくると、スタッフたちは動揺する。
しかしマイケルは好きに義手を見てくれて良いとし、良い子にしたら
触らせてやると語る。復帰には今回の任務は良いタイミングだと
語る。ニキータとオーウェンには15分後に出動してもらうと
告げるとマイケルも一緒にいくという。現在アレックスには
頼めないからだと。
その頃アレックスは薬を体内から抜くためにバーコフから
瞑想の準備をしてもらっていた。君のシータ波を図る装置で
瞑想が深まるほど照明が落ちるようになっているという。
しかし何故瞑想などするのかと問うとソベレックスの服用で
血圧が上昇し医者からも早く正常値に戻すよう言われているのだ
という。それまではライアンも復帰はさせないと言われている
とのこと。しかし何故薬を使ったのかと問うと、現場に行って
戦いたかったのだという。バーコフは異常に現場に執着している
事を告げ、命を危険にさらすことも厭わないこと。薬に手を
出してまで現場に拘るのは何故なんだと尋ねる。君の中には開け
ても小さな不思議ちゃんが入って居ると告げるバーコフは
決して君がロシア人だからマトリョーシカに例えたわけではない
と語る。例え君が薬をぬ捨ても体が癒えるだけで心は別問題
だという。それでもナマステと語り瞑想に励めと語る。
オーウェンはニキータに遭うとマイケルは元気そうだなと声を
かける。しかしニキータは暗い顔をした為に違うのかと告げる。
心配だと一人で抱え込んでいるのだという。オーウェンはアイツ
は堅物だからいつものことだという。彼は家族を殺された痛み
を胸の奥にしまい込んで誰にも見せようとはしないのだという。
一度あふれ出した時に自分を殺しかけたのだという。
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前回の任務の中で、命を助ける為とはいえ、爆発しそうな車
に挟まれた車から引きずり出す為にマイケルの右腕を切り落と
したニキータと彼との間では少なからず精神的な傷跡として
遺恨を残すこととなった。ニキータはその件で話合おうとして
歩み寄るが、マイケルは元々一人で何でも片付けたがるところ
も有り、一切話をしようとしない。バーコフは彼の為に最新技術
を駆使した義手を製作するが、脳からの命令で筋肉に生じる電気
と共に動くものだとするが、まるで動かないことに対して
よりマイケルの中の憤り感を噴出させる。動かす為には感情の
引き金がいると告げる。そんな中、怪しい通信を傍受する。
メキシコの麻薬カルテルの組織幹部との通話記録で、電話している
相手は、その行動パターンからディヴィジョンのクリーナーの
リアムである事を知る。優秀なクリーナーだとするが・・・
今回はマイケルにしてもアレックスにしても心に闇を抱える人
たちの試練の場であり、心の奥底に潜んでいる問題の根源とは
一体何なのかということに言及するエピソードだった。
そんなマイケルとアレックスはそれぞれ傷ついた状況や問題となる
べき事態や立ち直る方法は違えど、精神世界の中でそれと決別する
為にコントロールすべき感情の行方に対して、向き合うべき過去が
あることを示唆する一面を持たしたところが大きかった。
ニキータが悪者になってしまうというのはちょっと違うような
感じがするのだけど、アレックスにしてもマイケルにしても、
どちらにしても助けてくれた彼女の行動の中には、大事なものを
犠牲にした上で成り立っているという辺りで、彼女に対する複雑な
思いがあるということは否めないのかも。
前回と違ってユーモアさというのは殆ど感じられず、アレックス
も殆ど出てこなかったので個人的には物足りなかったし、髪型
がいつもと違っていたのでちょっと残念だった。
さて今回はマイケルの利き腕を失ったということで、方向転換
しなければならず、その為に苦悩していることを経て、一つの
可能性にたどり着くという流れが有った。
現場を多く経験したことも有り、空間的把握・認識力に長けている
であろう彼の中にはマップを見ただけで部下の行動や現場の状況を
把握出来る力が有り、現場に出ずとも最大限の力を発揮出来ること
を示唆するものが有った。
その力と可能性を示唆するまでに起きたマイケルの中での悪態の数々。
現場でミスした彼が違った報告をして誤魔化そうとしたこと。
「認めたくないものだな。自分自身の若さ故の過ちというものを・・」
と、機動戦士ガンダムのシャーアズナブルのセリフじゃないけど、
一流のエージェントとしてやってきた彼の中でのプライドから
今の現状をなかなか受け入れられない現実が有り、射撃練習場での
マイケルとニキータとのやりとりでもそうだけど、一人で苦しんでいる
様を見ると、オーウェンが語るように、「以前のお前にニキータ
が惚れたのは頷けるが、今は分からない」と。
ディヴィジョンは元々公の機関ではないので連邦警察とか、メキシコ
での影響力、麻薬捜査局・DEAとの関係に於いて、現場にいきなり
しゃしゃり出ては主導権を握ってしまうという辺りに相当違和感を
感じるところが有るのだけど、何よりもあり得ないのはテキサス州
のヒューストンに於ける連邦ビルの証拠保管室のドアが木製で
出来ているという陳腐な設定だったこと(笑)
ニキータとイアンが同じ室内に居合わせることになり、逃げようと
する彼に刑事ドラマよろしくとばかりに、ドアを蹴破って行けば
良いとしていたけど、何かの例えで木製だと言っているのかと思えば
本当に木のドアで、ドアの内外から、ニキータとオーウェンの
あうんの呼吸感を示したかったのだろうけど、銃で室内の彼を
射撃するという流れを見ると、幾らテキサス州・ヒューストンと
言えども連邦ビルのドアに木製はないだろうってことで、とんでも
ない設定を考える脚本家がいるもんだと感じさせる(笑)
バーコフに目を、ビヨンセに太股を。
まるで意味不明のバーコフらしさが笑えるけど、ソーニャが助かって
しまったことで、なんとなく二人の中のちょっとした恋愛感を
臭わすムーディなシーンが無くなってしまったのかな。
それにしてもパーシーと繋がって居たという最先端の技術を提供
する人物というのが気になるね。単に政府と繋がりが有ったので、
そう言う研究機関から最先端技術や素材の提供が有ったのか。
■使用された曲
・Mojito by LosLos
■検索用キーワード
・殺人チップ、ブレインスキャナー、世界を追える追跡装置、瞬時に
別人になれるマスクの開発
・ロイレイエス 意味は王者たち
・初めてニキータに遭った時、マイケルは彼女にロケット砲をぶっ放
していた。
・あの事故はクソだ。あんたのニキータへの態度もクソだ。命の
恩人にあの態度は無いだろう。
・AESアルゴリズム
ニキータ・ミアーズ (Maggie Q) 暗殺者
マイケル・ビショップ (Shane West) ニキータの仲間
アレックス・ウディノフ (Lyndsy Fonseca) ニキータと精通、組織員
シーモア・バーコフ (Aaron Stanford) IT関係、ニキータらと手を組む
ヘレン・コリンズ “アマンダ” (Melinda Clarke) ディヴィジョンのト
ップ
ショーン・ピアース (Dillon Casey) オーバーサイト
ソーニャ (Lyndie Greenwood) ディヴィジョンの分析官
ライアン・フレッチャー (Noah Bean) 元CIA
オーウェン・エリオット (Devon Sawa) 元ガーディアン
アマンダ (Melinda Clarke) 元ディヴィジョン
リアム (Pedro Pascal) 元ディヴィジョン・クリーナー
ギエルモ・ガルザ (Julio Oscar Mechoso) メキシコのシナロアカルテル
— (Lawrence Bayne) 連邦警察
— (Lee Oliveira) 麻薬バイヤー
— (Carlos Diaz) 麻薬バイヤー
— (Gary Biggar) ドライバー
— (Eric Woolfe) Puppeteer