第6話 苦悩 Afflictions
監督/Christopher Misiano 脚本/Stephanie Sengupta
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【前回までのあらすじ】
よみがえりの人の中でも身よりのある人はこの土地に残される
ことになる。ケイレブが戻って来たリチャーズ家でレイは、
エレインに対してあの男は父さんなんかじゃないという。
バーバラは愛人・サムの元に身を寄せていたが、すぐにフレッ
ドの元にやってくるようになる。しかし夕食会の際にマーガレ
ットは諸悪の根源はこの女だという視線を投げかけ、彼女を
公園に呼びだすと、みんなあなた無しで立派に成長したことを
告げ、あなたに居場所はなく解き放つのだと言われ、エレイン
が目にしている前でバーバラは突如消える。同時にその血液サン
プルも病院から消えていた。レイチェルは病気になり、よみが
えりの人たちばかりがかかる病気として蔓延し始めると、
ベラミーは政府の女に助けを求め、マギーの前から突然
「答えを探しに行く」とメモを残して去る。
【ストーリー】
— 回想シーン —
少女(幼少期時代のアンジェラ)がイスに座っていた。
墜落事故の生存者が居るぞという声が聞こえる。
ベラミーは政府の女・アンジェラに電話すると病気なので助けて
欲しいと頼む。感染したのかと問われ分からないと言った後、
ベラミーはトイレで倒れてしまう。
マギーの元にエレインがやってくる。
疲れた顔をしているマギーに夕べは眠れなかったのかと尋ねる
エレイン。ベラミーのことを尋ねると、手紙を残して何処かに
行ったという。ママのことはベラミーの留守電にも入れたことを
語るが、返事はないという。彼らしくないわねと。
しかしまた別れることになるのであれば何故戻ってくるのかしら
と語る。エレインは改めて夕べマーガレットとバーバラの間で
起きたことの詳細をマギーに聞かせる。祖母は消えて取り乱して
いたのかと問うと、寧ろ取り乱していたのは母さん(バーバラ)
の方だと語る。祖母は消えるのを静かに見ていたと。
マギーはルシールの元にいくと祖母は居るかと問う。
ヘンリーに対してバーバラが消えたことを話すと、何でみんな
突然消えるのかということになる。ジェイコブのことは気を
つけてというマギー。そんな中マーガレットがやってくると
マギーは夕べ公園に一緒に行ったとされるバーバラとのことで
話を聞く。あなたと一緒にいてバーバラが消えたのをエレイン
が見ているのだという。しかしマーガレットはシラっとウソを
つき私がバーバラを最後に見たのはフレッドの家であり、元気
そうにしていたと語る。またフラっと戻ってくるのでしょうと
いう彼女。しかしマギーは反論すると私の知る限りバーバラは
もう戻っては来ないという。ヘンリーもまたエレインの見間違い
だろうと語る。
ベラミーは目覚めると政府施設のベッドの中に居た。
医師のカーテリスはベラミーに対して施設で治療を受けている
ことを語る。僕もよみがえりの人がかかる病気なのかと問うと
そのようだという。病気はスペイン風邪の突然変異型と見ている
というカーテリス。恐らく鳥に規制したウイルスに由来するもの
だという。よみがえりのものにしか感染しないこと。ベラミー
は僕の血からワクチンが作れるのではないかとするが、ウイルス
の変異が早すぎてワクチンが作れずにいるという。治療薬は実験用
で完治する訳では無いと語る。ベラミーは”あの女”に話したいと
語る。このままだと消えるのだとして、その女を呼ぶよう告げる。
ヘンリーは工場にいく。
ラングストン工場が稼働していた時のことを思い出して懐かしがる。
ジェイコブは凄いと絶賛。いつもペンキや木の臭い/オガクズの
臭いがしていたという。パパの事務所にはいつもゼリービーンズが
入って居たというジェイコブ。いつかお前の事務所になるんだ
と語ると、僕ってそんなに長くいるのかなと問うジェイコブ。
ヘンリーは「誰にも先のことは分からない。でも未来が無いと
生きていく訳じゃない。今日はあるのは確かで、明日もあると
思おう」と語る。そんな工場を視察し撮影しているものがいた。
声を掛けると彼はブライアン・マディソンという投資家だという。
アルカディアには従兄弟が住んでいるのだとし、良い物件だと
聞いたという。川に近く街からも遠くないこと。もう一度工場を
再開させたいと思っている事を告げるヘンリーに対して、本気で再開
するのであれば出資者が必要なはずだとし、彼は名刺を置いて行く。
政府の女・アンジェラがベラミーの元にやってくる。
命を救ってもらって文句を言っているのかという彼女。電話して
きたのはあなたの方でしょと。ベラミーは答えが知りたいことを語る。
病気に関してはよみがえりの一人で20世紀初頭のウイルスを
持ち込んだと思われていること。ウイルスは彼らの新陳代謝を
通して変異ししていて、感染者はよみがえりだけだという。
アルカディアに広がりここにも運ばれたという。現時点では
66人が感染し、死亡率は23%だという。この病気の最終段階に
達するとよみがえりの人は消えてしまうのだという。自然の成り行き
だと思っていることを告げるが、それでもデータを集める必要
が有るのだという。貴方の仕事は何なのかと尋ねると、私は統計学者
だというアンジェラ。
彼女はベラミーに治療を受ける様告げる中、背中にある三日月の
アザに気が付く。かつてカミールが生後6ヶ月の赤ん坊を捜している
と言っていた際に、肩の所の三日月型のアザがあると言っていた
ことを思い出す。
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ベラミーはよみがえりの間で発生している病気に関して、なん
とかして止めたいと考えて、政府の女に協力・支援を求めると
共に現状がどうなっているのか知りたいことを語る。
そんなベラミー自身も病気にかかる思わぬ形で政府施設だと
思われる場所に潜入することが出来る中、政府の女性からは
色々と情報を聞き出していく。そこには色々と自分の出生に
関することなど新たな事実が浮上していく。
色々と驚くべきことの連続だけど、蘇りが消える法則は分かった
としても、現れる法則は未だに分かっていない。
ここに来て情報を整理する意味でも色々と細かい時代背景・設定
なども説明されて、ドラマとしては見やすくなったかな。
なんと言っても政府の女の名前がようやく判明したこと。
彼女の名前はアンジェラ・フォレスターで統計学者。
彼女のオフィスを見ると「飛行機緊急着陸」「小型機墜落で
パイロットが死亡」などの記事が掲載されていた。
その当時の生き残りが彼女であろうことが冒頭の回想シーンの中
に描かれたけど、実はこのアンジェラのことをモデルとしたような
飛行機墜落事故が過去に実際に発生していて、飛行機のシートに
座ったまま上空何千メートルから墜落した女性が生きて着地した
事故が歴史的には存在している。
意外とアンジェラもまたよみがえりの一人かと思っていたので、
この辺の事実は驚きだけど、彼女は生きていることと、臨床医の
ような医師ではなく、統計学者だったという辺りが多少の違和感
は有るけど、まぁそんなところなのかな。
またベラミーに関しては、シーズン1当時に既にその可能性を
臭わせていたけど(S1-7より)、ベラミーはトンプソン家の息子で
本名がロバート・トンプソン。1934年アルカディアで起きた洪水
で溺死。当時生後6ヶ月だという。そして1972年シカゴで蘇ったこ
とが描かれた。
このドラマを改めて大局的に見ていると、蘇ったせいで出生時期と
見た目の年齢という価値感がまるで意味のないものとして存在し、
見ている人を混乱に陥れている状況にあることの妙が存在している。
今回再開したベラミーの姉・ジェニーも3度目の人生を送る42歳の
ベラミーにとっては、子供であれ姉なんだよね。
この辺のことは散々アルカディアの住民のよみがえりの再会ストー
リーの中で描かれているのでそう驚くべきことではないけど、上述する
ように何故生き返っているのかに関する情報に関してはまだまだ
謎の部分が多い。
そしてアルカディア内でも問題が山積していることが描かれ、
不協和音はある意味いつでも街を二分させようとするところに
あることもまた事実だ。
久しぶりにレイが登場したかと思えば、トムが立ち上げた
「新しい命の教会」に対抗する形で、レイたちは「生きている者の会」
などというものを結成し、よみがえりの人のいる地図を作っている。
まるで性犯罪者でも眺めている地域社会の人たちのように、
両者の間では相当な軋轢を生んでいるのは確かな様だ。
ネコを誘拐しただの、無線LANを壊しただの適当なことが流布されて
いるけど、レイたちの妄想はよみがえり=宇宙人的存在として見て
いるのだろうか。正直昔のよみがえりの人には無線LANなんて
分かるのかって気がするし(笑)
ラングストン家でもマーガレットが家長として独断的に物事を
判断して、勝手に取捨選択をしている場面が有る。
こうして見ると生きている人の心の支えとなるのは一体何なのか
という宗教的なネタにも繋がってくるけど、人は信じるものを
信じてすがりつくことで心の平穏が保てればそれはそれで良いん
じゃないかと思わせるものが有るよね。
そんな精神的なところに於いても複雑な葛藤が有り、それぞれ
違った思惑の元で動き出しているところに不気味さが有る。
ラングストン家のことだけならばまだしも、過去に於いて
ラングストン家に恨みを持っているかも知れないあの工場火災
事故での被害者なのかどうか分からないけど、ウイリアム(お爺さん)と
ブライアンの二人の存在はとても不気味だ。でもマーガレットが
名前を覚えていないのでその辺の事情がどうなっているのか
分からないのだけどね。
最後にお袋の味”バッドラックチリ”ソースが冷蔵庫のタッパー
の中に入って居る辺りが切ない。
先週の「BONES」のホッジンズ博士が、ウェンデルの祖母の秘伝の
ソースを完食してしまって再現していたけど、今すぐジェファソニ
アンに行って成分分析して再現してもらうしか・・!(ってなんの
こっちゃ()
■使用された曲
J.マーティン・ベラミー (Omar Epps) 移民関税捜査局員
ルシール・ラングストン (Frances Fisher) ジェイコブの母
フレッド・ラングストン (Matt Craven) 保安官
マギー・ラングストン (Devin Kelley) 医者、フレッドの娘
コナー・クエスタ (Nicholas Gonzalez) 保安官、マギーの彼
トム・ヘイル (Mark Hildreth) 牧師
エレイン・リチャーズ (Samaire Armstrong) レイの彼女?
ケイレブ・リチャーズ (Sam Hazeldine) エレインの父
ジェイコブ・ラングストン (Landon Gimenez) フレッドの息子
ヘンリー・ラングストン (Kurtwood Smith) フレッドの兄
レイチェル・ブレイドウッド (Kathleen Munroe) よみがえり
マーガレット・ラングストン (Michelle Fairley) ヘンリーの母
ジェニー・トンプソン (Nadej k Bailey) ベラミーの妹
Mrs.カミール・トンプソン (Jwaundace Candece) ベラミーの母
— (Karen Ceesay) Nurse
Dr.ルーク・カーテリス (Assaf Cohen) 政府施設の医師
Dr. (Brian Kim) 医者
マイケル・カーク (T.J. Linnard)
ジョーイ (Cullen Moss) レイの友人、”生きてる者の会”
アンジェラ・フォレスター (Donna Murphy) 政府の女
— (Taplin Saulas) 若い頃のアンジェラ・フォレスター
ブライアン・アディソン (Kyle Secor) 不動産開発、ウィリアムの孫
— (Juanita J.P. Taylor) Scientist
ランディ (Michael Tourek) Cauliflower Ear Goon
レイ・リチャーズ (Travis Young) エレインの弟、精神疾患