第23話 殺人ウイルスの恐怖 The Pathos in the Pathogens
脚本/Kim Clements
監督/Chad Lowe
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ジェファソニアンではバイオハザート状態が発生していた。
ブレナンか職員たちに指示して、通気孔などなど全ての場所を
チェックするよう告げる。バジリに対して防護服は全員分ある
かと問う。カムは現在疾病管理センター(CDC)の担当官が向かっ
ている事を語る。CDCが良いを発見時の写真を送ってきたこと。
メリーランドにある感染性廃棄物の処理場の査察で見つかった
獣医療廃棄物の中から出てきた遺体は酷い損傷を受けていた。
アンジェラは復元には時間がかかることを語る。最初は壊死性
筋膜炎(人食いバクテリア)が疑われたが、腐敗するのが早すぎる
し、骨の損傷も進みすぎているのだという。筋膜炎ならば3、4日
かからハズだというバジリ。現在CDCのアイバン・ジェイコブズ
博士が培養しているが、ウイルス感染なのか細菌感染なのか
空気感染なのか血液感染なのか何一つ不明だという。アンジェラは
伝染病も有るのかと問うと、覚悟はしておいてというカム。
スイーツとブースは遺体が発見された感染性廃棄物の処理場に
ついて語り合う。厳重に管理されている施設で遺体が捨てられる
ハズないのではないかとするが、過去に二度警備の問題が発覚
していてCDCが抜き打ちで調べたのだという。普段はマヌケな
犯人ならば大歓迎だが今回はマヌケな犯人ならばパンデミック
の危険が有るというスイーツ。
ジェファソニアンでは閉鎖されつつも限られた場所に質量分析計
や遠心分離器、カメラやスキャン装置など全て揃えて調べられる
体制を整えていた。
そんな中、アイバン博士がやってくる。
その名前を聞いたブレナンは、鳥インフルエンザの時にトルコの
最前線にいた人よねと語る。この半年間はwhoの派遣でコンゴにいた
という彼はこんなケースは始めてだという。予備的培養はしている
のでしょというブレナン。感染力が強くて増殖も早いが、株の
特定には更なる培養が必要だという。遺体の身元が分かれば何処で
感染したか分かるハズだという。
遺体の状態から神経系がやられて筋肉が硬直した状態だった
というアイバン。後頭部と骨盤下口から見て女性の遺体だと
いうバジリ。下顎歯の摩耗具合から年齢は25歳から35歳だという
ブレナン。病変が見られるとして、腸管骨と肋骨は最近のもの
だという。1本鎖RNAウイルス細胞周期と無関係で、突然変異を
起こして増殖するものだというアイバン。心臓に残る血液は腐敗
した組織にそれ程汚染されていないので分離フィルターを使って
血液から白血球だけを採りだしてどんな感染症から調べるという
カム。ホッジンズは服に幼虫が付いているので何処から来たのか
わかるかも知れないと語る。
ブースとジェファソニアンはテレビ電話で通話する。
例の施設を調べたが何処から遺体が来たのか分からないとの
こと。遺体は危険度一の袋に入っていたとし、他のゴミと一緒
だったこと。骨がバラバラになっていて、指紋が採れるほど
皮膚もないというカム。この骨の損傷は感染症ではないというブレ
ナン。歯形による身元確認を阻止しようとして歯の下顎と上顎
を砕いているという。アンジェラはそれでもスキャンして
似た人を探すと語る。ホッジンズは犯人はウイルスの危険性を
知って隠そうとしたのではないかというと、他の人にも感染させる
つもりかも知れないという。止める方法を知られたくないのね
というブレナン。生物テロなのかというブースにその可能性も
あることを語る。
アンジェラはブレナンに部分的にヒットしたが、該当者は複数
いるという。ホッジンズによると施設の前にはメリーランドの
コーラルヒルに居たそうだという。ヒットした候補者全員が
メリーランドの人だという。するとブレナンは顔の写真を見た
だけでこの3人は側頭骨の角度が違うので除外して良いし、
頬骨はもっと突出しているのでこれらも除外して良いとのこと。
ブレナンはこの人だとして一人の人物を探ると、アンジェラは
照合してみる。すると見事一致。ミア・ギャレットだという人物
だった。アンジェラはソフトに何兆万ドルも使うことはない
とし、貴方が居れば・・としてブレナンに語る。私もランチを
取る時間が欲しいのでソフトは必要だと語る。
ミアの恋人のカールに知らせるスイーツ。
ミアとは結婚の話が出ていて式場も探していたという。
この3日間の彼女の所在について何処に居たのかと問うと、自分
は旅行に出ていたので彼女は電話に出なかったのだという。しかし
いつも記事を書くときには一人になりたいとして連絡をくれなく
なることが多かったという。僕たちはブロガーだとし、彼女も
僕もトップ記事を目指していたこと。テーマはテロの記事だった
のかと問うと、ミアは製薬会社や医学研究、ドーピング問題を
追っていたとのこと。カールは何をしていたのかと問うと、自分
は旅行がテーマだという。ミアは危険なネタを追っていたので
注意していたとのこと。相手は金も権力もあるヤツラだったという。
記事内容など何を書いていたか知らせてくれたのかと問うと、
彼女は教えてくれないという。スイーツは意地悪そうに「信じて
くれていなかったのではないか」と問う。
バジリはカムにこの損傷は多発性骨髄腫なのか?と問うが、
腫瘍としては進行が早いという。オウム病、リンパ肉芽腫症の
ウイルスには骨に病変を引き起こす株も有ると言われている
とアイバンは語る。血液の一時病理検査の結果が出たことを
告げると空気感染はしないと語る。それならば感染は血液か、
経口か注射だというアイバン。生物テロではなかったと語る。
それをブースにも伝える。
しかしブースはスイーツに対してブレナンがバイ菌といると
気が気でないという。ミアが何のネタを追っていたのを調べ
ないといけないというスイーツ。現在アンジェラが彼女の
パソコンを解析しているとのこと。
アンジェラはミアのパソコンは暗号化されているとし、メール
も資料もどれもステガノグラフィーを使っているという。
しかしメールを傍受したこと。それは恐らくspamだが、これを
使えば暗号化プロセスが分かるという。カムはそれを聞いて
受信するには鍵が必要だからでしょ?というと、アンジェラは
カムは私の助手になれると語る。あなたのボスじゃなければね
と。暗号化を解除する中、更新されたファイルを探すとウイルスの
突然変異について調べていた。文章はインタビューの覚え書きで
相手はテッサ・バーク博士だという。重症急性呼吸器症候群/
サーズとかラッサ熱、黄熱病など研究している博士だという。
ミアから話を聞く。ミアのメモだとバークとは最近二度も逢って
いると告げるスイーツ。来週にも逢う予定だったというバーク。
ミアは血液感染の病気になったこと。犯人はそれを隠蔽しよう
とした事を語る。ミアは病原体の変異株を作る危険性を暴こうと
していたのだとし、私の専門なので話が聞きたいと言っていた
のだという。ブロガーの主張を信用したのかと問うと、勿論
だとし、発表したら世間の関心を集めて命を救えたのだという。
しかし死んだなんて考えられないという。あなたのラボでも感染症
を扱っているのではないかんと問うと、私の研究所はバイオセーフ
ティLV2程度のものでライム病やC型肝炎を扱っているのだと
いう。その研究所でミアは感染したのではないかと問うと、せい
ぜいウチの研究所の病原菌では鼻風邪程度のものだという。
私はミアに協力していたのだとし、今後も助けが必要ならば
協力するという。
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疾病管理センターからの依頼で感染症廃棄物処理場の査察で
発見された遺体に関して調べる。獣医療廃棄物の中から出てきた
遺体だが、その腐敗の速度や骨の損傷具合があまりに進み具合
が早いということで、どういうことなのか調べる。
バイオハザードを想定した厳重な体制の中、防護服に身を包んで
遺体の身元を特定することで、どんなウイルスに感染している
のかどうかを調べていく。簡易検査から空気感染だけはないと分
かり、取りあえず防護マスクはしなくてもよくなるが、依然と
して感染経路が分からずにいた。骨の骨格と失踪者情報を見比べ
た結果、被害者はブロガーで記者を書いていたミア・ギャレット
だと判明し、彼女が扱っていた記事の内容を調べていく。
元々は製薬会社や医療研究、ドーピング問題を取り扱っていたが、
調べていくウチにウイルスの突然変異についてバーク博士に相談
していた事を知る。培養しているウイルスに対して色んな抗生物質
を試しているが何一つ効果がなく、免疫機能が損なわれた原因
は掴めずにいた。骨髄液を調べる間、遺体を袋に入れようとして
いるところ、バジリは被害者の上腕骨周囲に乾いた組織に埋まって
いた極小の針に触れてしまい発症する可能性が出る。バジリは
ピンチをチャンスにすべく、自分の病状の経過を観察して
原因と対応を調べようと語る。調べていくウチに骨髄検査の結果
が出て、CDCのアイバン・ジェイコブス博士はアフリカのウイルス
であるチクングニアウイルスの変異腫ではないかと告げる。
シーズン8もラス前のエピソードだということも有り、久しぶりに
緊迫感溢れる内容だった。
これまでにもこのドラマの傾向からして、シーズンの最後にラボの
職員たちの中に危機迫るものを与えて、その人となりの価値感を
変えていくという流れを構成していくことが有るけど、それに該当
した人物はバジリだった。
監督はChad Loweさん。何度も言及はしているけど、「プリティ・
リトル・ライアーズ」のアリアのパパ役で、同ドラマでも監督を
勤めている方だ。
バジリが主役だともれなくカミールが付いてきますって感じで
二人が上司と部下の関係を越えた付き合いをしていることも有る
ので、そんな事情が勘案されることが多いけど、医療ドラマや
刑事ドラマであるならば、「当事者は冷静な判断を欠く恐れが有る
ので捜査から外す」という定石を完全に無視しまくりのドラマと
なった。
行っている内容は「Dr.HOUSE」とか「リ・ジェネシス」みたいな医療
や遺伝子レベルでの謎解きだったので、正直法医学者がやる分野の
案件ではなく、CDCレベルのエピソードなので、かなり違和感は
有ったけど、ある意味遺体を扱うということの怖さというものは
感じるところが有る。古い遺体を扱えば、絶滅したような菌を
掘り起こしてしまうことだってあるだろうしね。
チクングニアウイルスの血清として、プロフナール抗体を含む
ウサギ由来の血清が利いたことがあるということで、それを
投与するが効果がない。
常識とかルール・規則というものを越えたものが有ったこと。
普段は論理的な思考しか持ち合わせていないロボブレナンも、
ホッジンズとの絡みの中で、なんとか病変が進行することを
食い止める為に、ウジムシの排泄物(炎症を抑える)、タンザニア
では最近チクングニアウイルスが発生していて、マクワ族が使う
薬草・ユートパトリウムパーク(関節の腫れに利く)、パイロジェン
(神経系を沈める効果)が有るとして、二人で協力して薬草を
作る姿が有った。
ブレナンの活躍はこれだけに留まらず、冒頭では顔認証ソフト
さえも凌駕して、自らの経験から骨格と該当する人物を見つけ出して
いたし神がかっているところが有ったね。
バジリはそんな死の床でももの凄く冷静で、いざという時にこそ
その人柄が出てくると思うけど、この人の冷静さも恐いくらい。
途中で馬のドーピング剤を開発しているフラーとか、被害者の
浮気を知った恋人とか、バイオセーフティLV.4の研究所から退職
しているバーク博士など疑われたけど、結局バークから功績を
奪おうとして汚いことをしたバイオラボのソーンが犯人だった。
冒頭から変異株を作れるラボを持つ人物が犯人だとしているのに
それ以外の人物を疑いすぎてるよな。動機は有っても殺す方法は
ないように思える人ばかりだった。
キャロリン判事がこの場に居たら今回の案件は相当問題になり
そうなシーンの数々で、ナウカレアラティフォリア、ビデンスピロ
ーサなどの薬草を与えたこととか、抗血清を出させる為にブレナン
が容疑者にブスりと注射器を打つ辺りは相当問題になりそう。
ブレナンは注射器の中身は本物のウイルスではないことを語り、
本物が有ったら使っていたとしていたし、
「ホッジンズが浮気していたら?」とスイーツに質問されていた
アンジェラは「絶対に殺すわよ」と言っていた彼女も最後は
ホッジンズの功績を称えていた。
ブレナンは規則に縛られるアイバン博士に
「制度的権威にひたすら従属しているとよく判断を誤るもの」
と一蹴していたけど、「的確な侮辱だ」と褒めているのか憤って
いるのか分からないリアクションもまた笑えるところだったかな。
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