第10話 告白 Divine Intervention
脚本/Mark Kunerth 監督/Michael Lehmann
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【前回までのあらすじ】
キャシーの誕生日にサプライズで20年ブリの友人レベッカが
やってくる。
ティナはポールと試合よりも良い事をしようと誘われ、ポール
は思わず手コキしてもらう。キャシーはラグビービッチと
関係を持ったのかとして呆れる。アンドレアはレニーに色目を
使うが通じず、レニーはキャシーを選ぶ。
パーティーでアンドレアと一緒にいたアダムに対して、
“この牛とやったのか?”と言われ、恥ずかしさも有ってアダムは
冗談だろうと思わず言ってしまう。アンドレアは私が相手だと
とんでもないと思っているのかとし、あんたもあんたの家族
もカスだと語る。
アダムは帰宅しようとするがキャシーはレニーと裏庭で情事に
耽っていた。酔っていたポールが迎えに行くが帰り道にアダム
に運転させて木に衝突して7針縫うケガを負う。キャシーは
ポールを責めるが、アダムが連絡した時に何をしていたのかと
して誤魔化すキャシーに、裏庭で浮気しているのを見たことを
告げ、ポールはキャシーに離婚したいと語る。
【ストーリー】
アダムは回復する中ブレントのウチに遊びに行くと語る。
キャシーは心配してまだ寝ていないとダメだとし、脳震盪を
起こしたのだという。まだ本調子ではないし、フットボールの
選手は医師の意見を無視して10年後に後遺症で悩んでいる人も
居るのだと語る。しかしアダムはゲームをしに行くだけで
人に出て路肩に頭をぶつける訳では無いと告げる。家の中でも
ヘルメットをつけておくよと皮肉る。キャシーはそんなアダムに無理
はしないよう言うと、記念撮影だとして自撮りし、キャシーは
アダムの頬にキスをする写真を撮る。
キャシーはマーリーンの元にいく。
ペンキの件で会話している中、キャシーはポールから離婚したい
ことを言われたこと。私がバカをして浮気現場を見られたこと
を語ると、マーリーンはキャシーにビンタする。ガンだからと
やりまくっても許されると思ったら大間違いだという彼女。一体
何をしているのかとしてシャキっと目を覚ませ!と言われると、
あんたはぶっ壊れているとしどうしようもないという。しかし
その後マーリーンはビンタしたことを謝罪する。
レベッカはキャシーの家に来ていた。
どうして電話をくれないのかと問う。貴方の兄さんとやったのが
問題なのかと問い、ショーンとくっついたからなのかという。その
言い方だとまだ二人は進行中の関係なのかと問う。今朝も一つに
やってやりまくったとするが、ジョーダンだという。出張で
こっちに来たので近況を話合いたいのだという。キャシーはいつも
貴方が問題だとすると、友達よりも男を取るのだという。あなた
にとって男が一番、今回はその男が兄さんだとし、ランチの席
でショーンのペニスがどうとか聞きたくないのだという。私は
仕事にいくというと、それは私だけが悪い事なのかというレベッカ。
あんたは良いわねとし、ポールに一目惚れしてあっさり結婚して
良い家を持ち優しい旦那と可愛い子供がいること。それを見れば
自分がアホに思えるとし、この年になったもパーティーにデート
していること。でも他にどうしようもないとし、他に惚れてくれない
のだからという。それを聞いたキャシーはどっちもダメダメねと語る。
アンドレアがロッカールームで荷物を片付けているところに
キャシーがやってくる。どうして授業に遅刻ばかりして体重計測
にも来ないのかと。授業に出ないと告げ先生の授業は辞めるのだ
という。私は物を取りに来ただけだという。教え方が好きじゃない
んだという。辞めるのはダメだというキャシーはこの単位を
落としたら来年卒業できないのだという。あれだけ目をかけて来た
のにどうして・・というキャシーにアンドレアは自分のことだけね
という。先生は恵まれているから分からないとし、美人で白人、
郊外に住んでいて、先生の悩みって疲れて見えないアイシャドー
を捜す事でしょ?という。一日私と成り代わって見たらどうか?
という。家は貧困地区に有り、母は朝から薬決めてるから朝食を
食べたければファストフードしかない。でもパパに頼れば良いの
だが、赤ん坊の時に酒屋に強盗に入って撃たれて死んだので居ない
のだという。先生の理想の生徒じゃないからってからまないでという。
キャシーはそんな家庭環境とは知らなかったとすると、人間みんな
秘密があるからねと意味深な発言をする。それってどういう意味
なのかと問うと、壁画のオヤジと出来ているんでしょとし、色々と
知っているという。先生は自己中の好き者で息子は視野が狭い
カスだという。あんたのクソ授業もクソ学校も私的にはどうでも良い
のだという。
ポールはバーで飲んだくれていると隣にはティナがやってくる。
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キャシーが自宅の裏庭でレニーと情事している間に、アダム
は自動車事故を起こし、そしてポールにも決定的シーンを
見られる。アンドレアもキャシーがそんな淫らなことをしている
ことを知りキャシーの授業には出ないということで、混乱して
いくキャシー。マーリーンに悩みを吐露する中、ガンだからと
いっても何をしても良い訳では無いとして彼女はキャシーをビンタ
する。そのことでキャシーも目覚めていくが・・・
自分の過ちに気が付いた時には相手が居ない・・・なんてなりそう
なところで、ようやくブレーキをかける人が現れた今回のエピソード。
キャシーがはき違えていたガンに於ける不幸な境遇がUNOのワイルド
カードの如く何にでも色を変えて、免罪符となると勘違いして好き
勝手していたこと。彼女が自分の欲求と引き替えにして周りを縛りつ
け、そして傷つけていた現実を知ることになる。
これまで行きすぎた行動を取ってきたキャシーだけど、それも許して
あげたくなるという状況から少し外れてしまい、ドラマは同情
から現実的段階に突入したのかなという感じ。
ポールとの関係だけならば大人同士のことなので、同じ視線で語れる
としても、アンドレアとかアダムが絡んでくると、どうしても
キャシーの行動に対する視聴者的視線は、分が悪くなる。
人間だれでも間違いを犯すものなので、その過ちに対して、やり直せる
であろう段階で気が付いたところは良かった。勿論犯した罪の分だけ
やり直しに於ける道は険しい訳だけど、そんな理由一つでこれまでの
絆の全てを否定出来るのかということも有るのだろうし、何よりも
親友だったレベッカとのエピソードを通して、空白の20年間が物語る
ように、例えそれが相手の過ちだったとしても、長い月日を無駄に
してしまったところにこそ罪な感じがしてくるところも有る。
ドラマとして上手く作って有るのは、今まで如何にしてキャシー
が自分中心の世界で動いていたのかということを知らしめる為に、
アンドレアを介した流れを作ったこと。
アンドレアとしては目には目を・・という形でウソにはウソをつい
てキャシーに対して付いたウソだったけど、そのウソが彼女のウソ
の人生を目覚めさせるのに上手く利用されたという皮肉さがまた
よく出来ている。
キャシーは金髪で白人で中流家庭で夫も子供も居て家もある。
ウチは貧困地区で母はドラッグ漬け、父は強盗犯として射殺された
家庭だと語る中、何処か信憑性が有りそうな感じの視線で見て
しまうところが有るのもまた無意識に存在している偏見なのかも。
キャシー本人の心の中で物足りない人生だと思っていても、周りか
らすれば寧ろ恵まれていて羨望のまなざしとして見られることも有る
という事情をアンドレアやレベッカとの会話を通して知ることになる。
もっともキャシー本人にしてみればそんなの全て要らないので、
ガンを取り除いて欲しいという気持ちだろうけどね。
今までクリスチャンだったキャシーが教会に行かなくなったとする
理由もどことなく切ないものがあり、竜巻によって壊された教会
と牧師と子供の死が神に対する不信感に繋がって居るけど、
ちょっぴり価値感を変えたところで出会う黒人が通う教会での聖歌隊
の歌を通して、心を洗い流されていくところが有った。
地味なところでやりとりされる内容もこのドラマの面白さだ。
ポールとティナのバーでのやりとりもティナは物珍しさからポール
の話が面白いとしているけど、ポールは自分が面白く無い人物で
あることを理解しているとばかりに、15のネタしか持っていない
とし、30分も話を聞いていればすぐにつまらない人間だとして
認識されるみたいなことを口にしていた。
一方ショーンとレベッカの関係に於いても、ショーンはなんだ
かんだ言っても女性にモテるところがあり、彼女に体の関係を
求めている訳だけど、レベッカはキャシーが兄と関係することに
快く思っていないということから、ショーンの静かな反撃とばかり
にキャシーの学校にまで押しかけて、歴代大統領の歴史に関して
生徒たちにウソを吹き込んでいくというところが笑えるところ。
「お前との関係を修復するから性欲を犠牲にするんだと、これは
ペニスのハンストだ。」(sean)
段々とこのドラマに於ける性的描写・そのセリフが過激になっていて
笑えるのだけど、親子で見るようなドラマではない感じはするね(笑)
「コンドームを忘れてしまった・・キッチンにいけばラップが有る
かも」ってなんか凄い(笑)
アンドレアの両親に有ったらまるで彼女が語っていた人物像とは
違い幸せ家族だったこと。6人兄弟の末っ子だとしていたけど、
アンドレアは末っ子故に甘やかされて育ってしまったのだろうか。
最後はポールがティムと浮気している状況の中、キャシーがガンの
事実を話しに行った。またしてもポールの浮気を前にして何も言えない
状況になるかと思ったけど、今回は告白出来た。その後のリアクション
がどのようになっていくのか気になるね。
■使用された曲
・So nice by Forest Sun
・Alone by Tripping Lily
キャシー・ジェミソン (Laura Linney) 43歳、妻、高校の教師
ポール・ジェミソン (Oliver Platt) キャシーの夫
アダム・ジェミソン (Gabriel Basso) 高校生
ショーン・トルキー (John Benjamin Hickey) キャシーの兄
アンドレア・ジャクソン (Gabourey Sidibe) 生徒、デブ
マーリーン (Phyllis Somerville) キャシーの隣人、夫が他界
レベッカ (Cynthia Nixon) キャシーの大学時代のルームメイト
ティナ (Nadia Dajani) ポールの浮気相手
ドロシー・ジャクソン (Carol Woods) アンドレアの母
ドノバン・ジャクソン (Lawrence Clayton) アンドレアの父
— (Ernestine Jackson) Church Mom
— (Teagle F. Bougere) Minister
— (Johnnie Mae) Church Member
— (Adam Wade) Church Member
— (Lena Eure) Choir Member
— (Deborah Malone) Choir Member
— (Lynda Karen Smith) Choir Member
— (Kenneth Alston) Choir Member
— (Willie Sampson) Choir Member
— (Keisha Richards) Choir Member
— (Cindy St. Vil) Choir Member
— (Eric Talley) Choir Member
— (Brooke Lugo) Choir Member
— (David Boston) Bar Patron
— (Shakirah E.) Andrea Jackson’s Sibling