第2話 教師 True Calling
脚本/Christopher Silber 監督/Paris Barclay
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1991年ハーバード大学第340回卒業式。
ローラ・マキニーは卒業を迎え、父のデヴィッドは卒業祝いに
車をプレゼントする。フィラデルフィアにもバスや地下鉄は
有るとし大人なんだから心配しないでと父に語る。娘に対して
優秀なんだから法律でも政治、ビジネスどんなことでも成功する
事を告げるが、これは自分が選んだ道なんだと語る。
ローラはフィラデルフィアの公立高校・リーブス高校に赴任する
ことになる。マーガレットからは初日から遅刻よと言われる。
歴史のハック先生に問題が起きたので代わりにローラが歴史を
教えて欲しいという。卒業生とちょっと何か有ったみたいだと
いう。一年間の代行だとするが、ローラは国語教師で歴史は
詳しく無いというが、何事にも挑戦すること・・アイビー・
スピリットだという。マーガレットは隣の教室で授業をしている
ので何か有ったら相談してと語る。ローラは公立校があまりに
乱れていることに驚く。何かアドバイスはあるかと問うと、恐れを
見せないでと言われる。そんな中早速教室ではケンカが始まり
事態の収拾を図るにも大変な状態だった。
そんなある日、ローラは夜駐車場で死亡して発見される。
1991年11月のことだった。
2008年、フィラデルフィア警察署にダーネル・ブレントが控え室
で待っていた。リリーは声を掛けると刑事を待つよう言われた
という。ヴェラはソファーで爆睡していて声を掛けようとするが、
イビキをかいて寝ているヴェラに対してジェフリーズとスコッティ
はネクタイをハサミで切ってしまう。
仕方なくリリーがダーネルから話を聞く事になる。
自分は殺人事件の証拠を持って来たとし、1991年に高校の担任の
教師ローラ先生が殺されたものだという。当時車を狙ったもの
だとされていたが、先週から母校で教師をしていることを告げる。
ローラ先生の影響で教師を目指したのだという彼。倉庫に僕が生徒
だった頃のデスクが有り引き出しを開けてみたらそこから先生の
鍵が見つかったのだという。鍵がないと校舎と校舎の行き来は不便
な作りで、しかも車の鍵も残っているという。先生は帰宅しよう
とした所を襲われたと言われているがそうじゃないと思うという。
しかしリリーはこれだけでは動きようがないという。
ダーネルは特別な先生で恩師なんだと告げ頼むのだった。
資料室から当時のファイルを取りに行くヴェラとリリー。
ヴェラはリリーに対してネクタイを切ったのはスコッティの仕業
だろうと尋ねる。アイツ先日のアイスのことをまだ根に持っている
のかとすると、リリーは私に聞かないでよと語る。吐かないので
有れば敵と見なすぞというヴェラ。
ローラ・マキニー(22歳)。新卒の教員で殺害は22時。
マーガレット・トラッドローが彼女を最後に見かけた人だと
いう。ティーチ・フォー・アメリカの派遣で来た人物だという
とヴェラの従兄弟もやっていたという。一流大を出たヤツが荒れて
いる公立校で2年間教えるのだという。被害者は22口径で背中を
一発撃たれ、薬莢が残っていた。そして車も残っているという。
しかしキーを持っていなかったこと。目撃者は迎えに住むハリス夫人
だった。黒人が逃げるのを見たと言っていること。警備員も近くに
いたとし、カールトン・ロールズ警備員が遺体の傍に居た犯人を
追いかけているという。しかし撃たれている瞬間を誰も見ていない
し、凶器も見つかっていないという。
スティルマンとリリーとヴェラは、被害者ローラの父・デヴィッドが
ニューヨークから列車で来るという。彼は車を娘に買い与えたこと
を責めているという。ヴェラはオレならば38口径を買ってやる
という。殺人が記録的に多い年で501件だったこと。警察もみんな
が疲れていて、目撃証言と遺体の状況から強盗で片付けられている
というヴェラ。人間関係、内部事情の調査は皆無だという。
ジェフリーズはハリス夫人は喜んで供述するといっているが、
予定が忙しくカムデンに住んでいるので話を聞きに行くという。
ヴェラは弾道痕のデータを照合にかけるとのこと。17年見つかって
いないものだぞとするが、これまでにデジタル化された中で
見つかるだろう事を語る。スティルマンはそれよりも先に3本10ドル
のネクタイを見つけたらどうかと語る。
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ハーバード大学を卒業したローラは世の中の為になりたいとして
公立校の教師になる選択をする。父親のデヴィッドはローラなら
ば何でも出来るのによりにもよって教師であり、しかも危険な
地区での公立校の教師だということで、惜しがる姿が有る。
ローラは赴任するが思っている以上に高校は荒れ果てていて、
学校の駐車場で殺害されて発見される。22口径の銃で背中から
撃たれて死亡していたこと。
90年代は特に殺人事件も多く警察官にも限りが有り、この事件も
詳しい調査をしていなかったが、当時は車を狙ったものではない
かとされるも、当時の教室のデスクの中から鍵が見つかったことで
彼女が帰宅しようとしていた時に狙われたものではないことが分かる。
ローラの教え子で母校に教師として戻って来たダーネルからの
情報で再び未解決だった事件の捜査が始まる。
教師のローラが美人だったことも有り、こんなスラム地域での
仕事が勤まるのか不安なエピソードだった。
一見すればローラが金持ちだったことを考えれば、金目的だとも
言えなくもないし、美人であることを思えば性的な目的で近づいた
ものが居ても不思議ではなく、そこから派生した事件と見ても
おかしくはない。
プロファイル捜査が導入されている刑事ドラマではよくあるネタ
だけど、殺人を犯す人物の中には生まれながらに悪人としての資質を
備えているのか、それとも環境がそういう人物を育ててしまうのか
ということが問われることがよく有る。
このドラマを見ていると環境が育ててしまう犯罪・犯罪者の典型的
状況が有ったのかなという感じ。
かつてのニューヨークも世界一危険な都市だと言われたことが有った
けど、落書きなどの浄化作戦を行った結果、クリーンな町として
イメージが変わった訳だけど、フィラデルフィアでも一斉にそういう
ことが出来れば良かったんだろうけどね。
この手のドラマ、日本ではよく有るけど、大抵日本のドラマの場合
悪い生徒よりも力の強い先生が腕力を見せつけてヒーローのようにし
て解決してしまうという流れを作ってハッピーエンドという陳腐な
流れが有るよね。
三人の特徴有る教師が登場する。
マーガレットとケニーとそしてローラ先生。
どの先生もまた理想を持って良い世の中にしようとして張り切って
来たのだろうけど、どの人物も悪い環境によって押しつぶされて
今では体よく教師をしているだけの状況だ。その中にはドラッグ
に溺れてしまった(ケニー)り、卒業生に襲われる(マーガレット)
という悲しい現状まで有り、まるでここはアフリカや中東に於ける
未開拓地で起きていることのようにも感じる流れが有る。
何度も感想を書く中で言及することだけど、やはり人間・人生にとって
一番なことは、どんな人との出会いが有るかだよね。
日本のドラマでも教師がヤサぐれている生徒に耳を傾けて、
「オレのことを親身になってくれる人は始めて」みたいなセリフで
生徒を更正させていくドラマが有る訳だけど、そういう人が一人でも
居てくれれば本来道を誤らずに済んだ人も多くいるハズだ。
最後になってケニーの声に耳を傾けるリリーの姿。
ただ今のケニーってすっかりドラッグ中毒からは更生しているの
だろうか。
ローラによって更正したことになるのか。
ダーネルが新しく母校に赴任する中、かつてとは違って整然と
した感じの公立校になっていたし、レナルドがまた高卒試験を
受けようとしているところなど、良い影響を与えたことになる
のかな。
しかしローラの努力は否定出来ないところだけど、ちょっと警戒心
がなさ過ぎるところも有ったよな。こういうところはお嬢様育ち
のことが祟っているのかも知れないね。
現代版マーガレットは、「BONES」のキャロリン検事役の
Patricia Belcherだった。1991年度版のマーガレットは
「ナンバーズ」でFBI捜査官のステントハウザー役のSusan Beaubian。
ヴェラはトニとの関係はどうなったんですかね。
ミュージカル好きだという小麦粉アレルギーのセリアック病の
カーラに焼きたてスコーンとかミュージカル”ウィキッド”のチケット
を贈る姿が有ったけど、そんなことしていたら刑事の給料では
やってられないよな。経費で落ちれば良いけど(笑)
そしてヴェラのネクタイを切るスコッティとか、リリーに対して
嫌な写真を送ってくるサッカードとか、ジェフリーズが一人で
ハリス夫人を連れて来る中、誰も協力に名乗り出ないとかネタは
豊富だったのかな。
■使用された曲
・Right Here, Right Now by Jesus Jones
・Here’s Where the Story Ends by The Sundays
・Where Is My Mind by Pixies
・Quiet On Tha Set by N.W.A.
・Crazy by Seal
・Half A World Away by R.E.M.
■検索用キーワード
・
リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から
エディ・サッカード (Bobby Cannavale) 麻薬捜査課
2008年
デビッド・マキニー (Steven Anderson) ローラの父親
マーガレット・トラッドロー (Patricia Belcher) 教師
Mrs.ハリス (Starletta DuPois) 学校の向かいに住む目撃者
ダーネル・ブレント (Adetokumboh M’Cormack) 母国で教師
カールトン・ロールズ (Alex Morris) 警備員
ケネス・イェーツ (Scott Paulin) 教師
レナルド・ラモス (Andres Hudson) 32歳、息子
イェセニア・ラモス (Marlene Forte) レナルドの母
カーラ・ディフランコ (Chane’t Johnson) データベース照合・民間人
1991年
ローラ・マキニー (Cassidy Freeman) ハーバード大卒・国語教師22歳
ケネス・イェーツ (David Julian Hirsh) 教師
ダーネル・ブレント (Cleavon McClendon) 生徒
レナルド・ラモス (Jon Budinoff) 生徒、ドラッグを持っていた
マーガレット・トラッドロー (Susan Beaubian) 教師
デビッド・マキニー (Kenneth Meseroll) ローラの父・弁護士、車贈る
カールトン・ロールズ (Terrell Lee) 警備員、第一発見者
— (Sahra Mellesse) 学生
— (Terricka Hudson) Laura’s Class Student