第10話 黒い森
監督/波多野貴文 脚本/吉田康弘
音楽/村松崇継
原作/Veena Cabreros Sud
【ストーリー】
1986年6月
少年は屋根裏部屋でレコードを大音量で聞く。すると母親が
やってきて五月蠅いと告げ、お腹が空いたので何かを買って
きてという。すると少年は僕は悪い事をしたとし目玉をくりぬ
いたのだという。人形の目玉を母に見せる。
その母親は殺害される。赤松静子・葉山町、1986年6月15日の
ことだった。
現在。
葉山の赤松邸を買いたいとするものが居て測量していたら9つの
頭蓋骨が埋まっているのを発見されたという。一列に並んでい
るのは何故なのか。しかも屋上の部屋をみんなみて居るような
角度で並んでいた。86年の持ち主は銃殺されているとし、レイ
プ強盗だという松本加奈子。
2ヶ月前に取り逃がした連続殺人犯の仕業だろうとし、森の
ハンティングで遺体が発見され頭部だけが見つからなかった
こと。当時10歳の子供がいたとし、それが英治だろうこと。
殺人鬼が家に帰ったのかという。母親が殺された場所。
頭蓋骨の目にはガラス玉が入っていた。被害者に何かを見せた
かったのかもという石川。
当時家には強盗の押し入った形跡が有り、被害者の体内からは
精液が検出。凶器はマカロフ・・中国製が使われて居たこと。
窓からは指紋が検出されたこと。30年間の間に何か新しい
発見が有るかも知れないと語る。当時赤松は事件の3日前に
養護施設に預けられているという。理由は息子に母親は恐怖を
感じるからだという。
福祉員の木下から話を聞く。
私が引き取りに行った時にキミの悪い子だったという。屋根裏
部屋に座っていて懐中電灯をカチカチ光らせていたという。
母はずっと家に閉じこめていたとし、外側から鍵をかけていた
という。
(回想)
黙って買い物に行きなさいという静子。何故怒っているのか
という英治に対してお前が悪い子だからいけないのだという。
お母さんの為にやったというと、あんたは暗闇の子だという。
木下は母親の方も相当不気味だったという。
窓の向こうの光は何だったのかと問うと、信号みたいだったと
いう。立川たちは階段の壁に13本の傷跡が至るところについて
いることが分かる。コレは何なのか・・死刑台への階段じゃない
かと。
向かいに住んでいた遠藤に話を聞く。
すると当時はみんな呪いの館だと言っていたという。
毎晩屋根裏から音楽が聞こえてきたからだという。
モールス信号で送り有って遊んでいたが、メッセージ自体は
大したものではないという。あの夜はモールス信号の返信が
無かったので様子を見に行ったとのこと。
■感想
原作ではシーズン2第23話「森」のリメイク版。
http://itawind.web.fc2.com/kaigai/coldcase/coldcase223.htm
そして日本版では第4話 「オリオン」の続き。
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=5177
原盤では46話がっちりと描いた中での一つの結末だったこと
も有り、それを10話の中で描いたんだよね。
ただ余計なものを削ぎ落として描いてちょっとしたコールドケ
ースのダイジェスト版っぽく、あまり海外ドラマを知らない
日本人に紹介する意味ではほどよいカスタマイズの仕方をした
感じ。
それぞれの捜査官が抱えているこころの闇を照らしだしたと
いう点では面白く出来ていたのかな。海外ドラマ慣れしてい
ない人から見れば、46話もみて居る暇は無いって感じだろうし、
そもそも海外ドラマを敬遠する人も一シーズンの長さはネック
になっているところが有るからね。
原盤では相当リリーも肉体的にも精神的にも傷ついた印象が
有ったけど、もう最初からユースケさん役の赤松は殺す気が
ないような感じにも見えた。
色々と細かい設定が日本版・現代に合致させる形で変更が有る
けど、パニック障害で目が見えなくなるというのは聞いた事が
ない。ただ叔父に襲われたことでパニック障害を発してしまった
のだろうね。
「見えていないようで見えていることも有る」
という赤松の意味ありげな言葉は、母親に発した言葉だし、
子供は自分が悪いのかを問い、母親も同様に自分が悪いのか
ということで当惑している。
哀しいことに預けられた叔父によって性的虐待を受けた時に
妊娠したのが赤松だった。赤松のことを静止したくない気持ち
は理解出来るが、出産に於いてそのその決断をしたのは本人だろう
ことを考えるとやはり無責任に写るのかな。
当時の助産師が居なかったら見つからなかっただろうな。
このパターン、前回の茅島さん役の看護師と同じで、当時を
知るものが居てこそ真相が解き明かされるものが有った。
オリジナルでのリリーも叔父に預けられていたって設定が有った
のだっけか?
■感想
「フレンズ」 REBECCA
「Broken Wings」 MR.MISTER
「True Colors」 CYNDI LAUPER
■出演者
石川百合 …… 吉田羊 (警部中隊長)
高木信次郎 …… 永山絢斗 (巡査部長、相模署から栄転)
立川大輔 …… 滝藤賢一 (主任。警部補)
金子徹 …… 光石研 (主任。警部補)
本木秀俊 …… 三浦友和 (警視。課長代理。)
石川沙耶 …… 平田薫 (百合の妹、Barスリーマティーニ)
渡辺コウジ、大西洸太郎、藤木修
赤松英治 …… ユースケ・サンタマリア
赤松静子 …… 篠原ゆき子 (母親、両親が早くに)
木下 …… 伊藤正之 (福祉員)
木下 …… 少路勇介 (2人組の強盗)
遠藤 …… 高橋洋 (赤松家の隣人)
幼少期の遠藤 …… 藤野大輝
松本加奈子 …… 鵜飼真帆 (刑事)
10歳の頃の百合 …… 信太真妃
幼少期の赤松英治 …… 坂田湧唯
サイダナオキ? …… 井之上隆志 (相模原刑務所、57歳)
サイダナオキ? …… 米村亮太朗 (当時)
赤松家の事情を知る助産師 …… 竜のり子
小川理紗 …… 東加奈子 (31歳、2004年、特異行方不明)
井上愛梨 …… 小菅怜衣 (2011年失踪、16歳、高一)
菊池翔子 …… ハマカワフミエ (クラブで未遂、2007年逃走した生存者)
松本豊子 …… 成嶋瞳子 (47歳、姉、2013年失踪)