第5話 スケープゴート Bedfellows
脚本/Warren Leight、Julie Martin、Stephanie Sengupta
監督/Frank Prinzi
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【ストーリー】
コープランド家では兄・アドレイと弟のテッドが父・ジュール
ズの前で対決する。テッドに対して何時になったら分かるのか
という父は兄さんは試合全体を見ているがお前はいつまでも
一振りで勝ちたがるという。
シャーリーンの浮気が続くならば私も手を打つという。ガス・
フェレロと話合いの場に出すよう告げるが、シャーリーンは
これは火遊びだとしてアドレイに語る。ルールを破るのが楽しい
のにこれでは台無しだという。
アドレイは、息子のヘンリーと共に、朝食に栄養ドリンクを
作る。ケフィア、アーモンド、海藻を入れてシェイクしたもの。
ヘンリーはそのドリンクの臭いが臭いとして敬遠する。
ヘンリーは911に電話すると、ママとパパが起きないのだと語る。
FDNYがやってきて寝室を調べるとアドレイとシャーリーンが
寝ていたが、アドレイの方は既に死んでいた。シャーリーンは
出て行ってと語る。
アドレイ・コップランド(38歳)。歴史学者で息子が通報してきた
のだという。死後どのくらい経過しているのかと問うと体温や
腐敗の程度から2、3日は経過しているという。その間奥さんも
ベッドに居たという。現在シャーリーンはショックで入院して
いるとのこと。書斎に遺書はないが仕事のリストは有ったという
エイムズ。息子と話をしてみるというエイムズはヘンリーに
対してママのことを聞く。その夜、ママは帰宅しなかったとし、
土曜の午後に帰ってきて寝室へ行ったという。ゴーレンはヘンリー
に対して電話するとは賢いねと語ると、食事も自分で作るのかと
問うとそうだという。冷蔵庫のドリンクを指さすとパパの臭い
ドリンクだという。
検視官・メリンダは死んでいるけど健康そのものだという。
胃の中身は海藻とケフィア、そして有機リン酸化合物も致死量
含まれているという。神経ガスと同じ種類で、殺虫剤に主に
使われているという。遅効性の毒物で数時間かけて苦しんで
死ぬだろう事を告げる。途上国ならば自殺に使用されることは
有ってもニューヨークで使われることはないとのこと。
ゴーレンは仕事ぶりは丁寧で倫理感の強い学者だったという。死ぬ
ならば遺書を残すだろうし、息子の世話を手配しているだろうと
いう。またあの子がシェイクを飲む危険も有ったことをエイムズ
は指摘すると鑑識に生ゴミを全て押収させるという。
他殺ならば被害者宅に出入りが出来た人だというゴーレン。
それならば葬儀に来るのではないかというエイムズ。
葬儀。
テッドは妻のリナに対して父さんはシャーリーンのことを怒って
いる事を指摘する。失礼な女だという。シャーリーンは庭師の
ガスと同行してきたのである。アドレイの為に騒ぎは止してと
いうが、父・ジュールズはアドレイは非凡だったとし35歳で
教授になったという。学者として成功し、著書も出している
という。ゴーレンは「族長たちの冬」は傑作だったことを告げる
と、テッドたちに対して刑事さんでも知っているのだと語る。
兄は家族の誇りだったという。ヘンリーはテッドたちが預かる
のかと問うと、シャーリーンが大変だしウチの息子のジェフリー
と仲良しだから暫く預かるという。義姉さんはと問うと、今夜
はガスと一緒だろうという。1年前に雇った庭師だというテッド。
二人はマックスという運転手の車で帰宅するが、エイムズは
彼は私の父の元同僚だと語る。後発部隊の仕事をしていたという。
ガスならば家に出入り出来るし殺虫剤も使うわねというエイムズ。
ロスに事件の詳細を報告する。
本当に遺体と寝ていたのかと問う。しかも葬儀にはガスと来て
いたとし、家族には愛人だと言われていたという。シャーリーン
は小切手偽造と万引の前歴があること。独身時代は薬局に勤務
していて医師と不倫後人気の著作の有る歴史学者の妻になって
いるという。何故そんなゴシップ女と結婚したのかとロスは
疑問に感じる。ロスは「帝国崩壊の時」が一番好きだという。
エイムズはケフィアのビンからフェンチオンという毒物が
出たという。ロスはガスから話を聞いて婦人は夫をなき者に
したがっていたのか聞いてこいという。
ガスを署に呼んで事情を聞く。
先週ロングアイランドで”晩夏の花”の手入れをしたという。あの
人たちは週末だけ花を見に来るのだという。旦那が死んで今女性
主人一人だとすると、ガスはオレは連れ子のいる女はゴメンだと
いう。今のままを満喫しているという。ゴーレンは殺虫剤のスプ
レーを用意するするとこれの使い道を知っているのかと問うと植物
を守る薬剤フェンチオンだという。危険な毒物で、ゴーレンは
コップにつぐと飲むかと問う。アドレイはそれを飲んで死んだ
のだとし、朝のドリンク/シェイクに誰か混ぜたのだという。
ガスは自分ではないと語る中、リラ・ギブスという今のガスの
“晩夏の花”が雇った弁護士がやってくる。ガスはウチの造園家
だというリラ。ロードアイランドのウェインスコットで仕事を
しているという。先週にも行ったとし、土曜日にガスが帰る
と夫が来たとのことだった。彼は関係を誤解されないように
気を使ったのだろうとのこと。エイムズは美しいアリバイだと
皮肉る。
そんな中入院していたハズのシャーリーンが弁護士のプランコを
連れてやってくる。ガスの弁護をしてもらうというと、ガス
とリラとシャーリーンが鉢合わせになる。ガスはシャーリーンに
2、3時間後に連絡するというと、リラは先に用を済ますのだと語る。
シャーリーンはリナの家のトイレに閉じこもるとガスに電話
する。あなたが必要なんだというが・・・電話に出ないと知る
とシャーリーンがオーバードールズで倒れてしまう。
すぐに病院に運ばれて胃洗浄を行う。
リナとテッドが駆けつける中、エイムズに対して心配はないと
し、前にもやったのだという。アドレイが注目されると騒ぎを
起こすのだという。息子のことはまるで気にしていないのだと
いうテッド。リナは気にしているが余裕がないのだと。
ヘンリーにはママは病気だと話したという。
アドレイはガスは幻想だと言っていたとシャーリーンはベッドで
ゴーレンに対して語る。彼は浮気を知っていたのかと問うと
許してくれていたという。愛情深い人の様だと。
金曜日は留守だったのでしょと問うと、アドレイが仕事に集中したい
というので家を出ていたという。電車に乗ってスパへ行ったこと。
ロードアイランドで木曜日のことだと。旦那さんに追ってきて
欲しいと思ったのかと問うとガスと約束が有ったという。でも来ない
と聞いて帰宅。するとアドレイがベッドの中にいたという。昼寝を
しているかと思ったら死んでいたのだと。そこにリナがやってきて
そっとして置いてあげてと語る。
ゴーレンはエイムズに対してシャーリーンは病気である事を語る。
ドラマを演じる程に心は安定すると。愛人との夫殺しはドラマになる
わねとエイムズ。しかしゴーレンはアリバイがある事を告げ、
浮気はアドレイの気を引くためで愛情を試したのかも知れない
と語る。または誰かに唆されたのか・・
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資産家コープランド家の長男で歴史学者のアドレイ(38歳)が
自宅のベッドで亡くなって発見される。発見された当時、妻の
シャーリーンは亡くなった夫の隣でずっと共に寝ていたこと
を知る。
検視の結果、殺虫剤などで使用される遅効性毒物のフェンチオン
が検出。朝に飲んで居た健康ドリンク・シェイクの中に何者かが
入れたであろうこと悟る。妻のシャーリーンはショックを受けるが
それと同時に庭師の愛人・ガス・フェレロとの関係が続いて
いることが分かる。庭師ならば当然殺虫剤も使うであろうこと
を知り事情を尋ねるが彼はアドレイが殺された週末には、
ロードアイランドのウェインスコットでギブズ家で逢い引きして
いたことが分かる。
今回はゴーレンサイドのエピソード。
以前にも何処かで似たようなエピソードを見たことが有るけど、
親が子供にかける愛情の差がとても非情に見えてくる内容だった。
ドラマを見ているとそれぞれのキャラクターの性格付けというのが
色濃く描かれていて、その違いは分かり易く色分けされていた感じ
がする。
冒頭でのテニスでのやりとりからこの兄弟の性格の違いというもの
が見て取れて、堅実に学者の道を進む長男のアドレイと不動産投資
で一発で大金を得ようとしている弟のテッドの姿が有る。
それを見守る父親がまた経営者故に競争心を煽っているのか、
それとも単純に差別的視点を持っているのか分からないけれど、
どの世代、どの立場の人間で有ってもそんな差別意識を
持って見守っている。その人にとっての向上心を求めているような
愛情でも感じられれば良いのだけど、それぞれの孫に対しても、
それぞれの息子の妻に対しても、悪い人と良い人という構図で
眺めている姿の中にはどんな意図があったのだろうね。
そんな育て方が女性に対して夫に殺意を抱かす原因を作ったのか
イマイチよく分からないものが有ったけど、それぞれ女性たちの
間でも、求めるものを得る為に競争心を持っていた様子。
愛人同士で鉢合わせするシーンは凄いシーンだったけど、
義父に求められている人物像を演じることによって、少しずつ
現実とその人となりの性格の違いというものによって病魔に冒され
ていくところが有ったのか。
彼が執筆していた本には、
「族長たちの冬」「帝国崩壊の時」「神々が落ちる時」「毛沢東から
ムガベまで」などが有るけど、そんな本のタイトルからして、
どれも一つの形あるものが継続して続かないようなことを示唆して
いる感じにも思えるし、父親という絶対的な存在に対して批判的な
立場で見守っているような感じにも思える。
今回出てきた人には全て人に多少なりとも容疑の視線が向けられた所
が有った。
金持ちの婦人相手に金目的で近づく庭師の男。
旦那が相手してくれない婦人にとっても都合の良い男性であり、
金持ちが住むところが舞台となるドラマだと必ずこんな形で
出てくるキャラクターが居る。「晩夏の花」に群がる害虫に対して
ゴーレンがまるで追い払うかのようにしてスプレーでシューっと
するところが笑えたし、テッドが金目的で殺害したのではないか
と感じて彼の自宅を捜索する際に、相手は銃を持っているという
ことでゴーレンとエイムズも銃を手にして家に乗り込む訳だけど、
ゴーレンがエイムズに家に入るのを先に譲るところが笑えた(笑)
そこでもレディファーストなのかと思わず小一時間だけど、
普通男性刑事が先に入りそうだけど、エイムズさんの今回のサング
ラス姿から見て、刑事としてのただならぬ圧力を感じたしね。
ドラマとしては、「見知らぬ乗客」をヒントにして交換殺人のような
ことをしていたようだ。父親が何故アリバイの偽証をしたのか
イマイチその辺がよく分からなかったな。
見知らぬ乗客については
・リナ役のCarrie Prestonは、
「The Good Wife」で癖のある弁護士・タシオニ役を演じていたり、
「Person of Interest」では、フィンチの恋人役のグレース役を
演じていたりする。顔が無表情で何とも恐い感じの役柄だったね。
赤毛がトレードマークだと思っていた彼女がブロンドだったので
驚いた。
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ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ダニー・ロス (Eric Bogosian) 警部
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
ミーガン・ウィーラー (Julianne Nicholson) 刑事、ローガンの相棒
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
リナ・コープランド (Carrie Preston) テッドの妻
シャーリーン・コープランド (Missy Crider) アドレイの妻
テッド・コープランド (Paul Fitzgerald) 次男、ダメ男
Dr.アドレイ・コープランド (Will Kempe) テッドの兄、歴史学者38歳
ジュールズ・コープランド (Rip Torn) 父親
ヘンリー・コープランド (Seamus Davey-Fitzpatrick) シャーリーンの息子
ジェフリー・コープランド (Maximillian Sherer) レナの息子
オウガスト・フェレーロ (James Villemaire)
マックス・マクレガー (Rick Aiello) 元刑事、運転手
リラ・ギブス (Lorri Bagley) ガスを造園家として雇っていた
ジョシュア・シモンズ (Ean Sheehy)
ガス・フェレロ (Craig Wroe) 庭師、浮気相手
ヤロ (Lou Martini Jr.) 捜査官
アリ・カーン (David Greenspan)
レイノルズ (James Hindman)
ドン・プランコ (Philip Hoffman) ガスの弁護士だとして雇う
Dr.アネット・フレンチ (Julie Fain Lawrence)
— (Turron Kofi Alleyne) EMS