第2話 305番の誤算 Seeds
脚本/Warren Leight、Peter Blauner
監督/Jean de Segonzac
【ストーリー】
あの男は神のつもりなのかとして、ジョージは激怒して病院
に乗り込んでくる。トムは落ち着いてくれと語るが、息子が
殺されたんだぞと激怒する。ザックはどうしたのかとして
止めに来ると、ジョージはあんたのことだと語る。
イーライは弟のザックに対して経営者は私だとし、弟だろうが
関係ないとし、私の方針に従えと語る。陣痛が発生したとして
夫婦がやってくる。受付の女性はこれに記入して保険証の提出
を求める。
ジェイソンに対して母親のポーラは今まで何処に居たのかと
問う。着飾っているポーラに対してママこそ何処に居たのかと
問う。キキは予約している店で店員からお連れの人が来ない
ことを問う中、もうすぐ到着するというキキ。そんな中
イーライは突然3つ子の出産が有って呼び出されたので遅れて
しまったと語る。
出産が始まっている妊婦は先生は何処なのかとして看護師に
告げる。イーライには何度も電話が鳴る中、キキは電話に出な
くても良いのかと問う中、弟が当直だからと告げ、二人は
キスをする。そんな中、ザックは病院の診察台の上で殺されて
発見される。
ローガンと新しいパートナーのノーラ・ファラッチが遅れて
やってくる。休日なのについてなかったなというローガンに
対して近所の子の誕生会でピエロをやらされれるよりはマシ
だと語る。
先に現場に居たハッサン捜査官から事情を聞く。
被害者はザック・ラッシュ(42歳)。産婦人科医で診察室まで
引きずられて検診台の上に遺体として乗せられていた。殺害
現場はこっちだという。発見者の兄・イーライが午前3時に
通報が有り、現在ザックの家で婦人のポーラを慰めていると
いう。すぐに呼び戻してというファラッチ。
ローガンは床の一部に漂白剤の跡が有り、この部分のDNAを
消そうとしていることを語る。犯人も怪我をしているという
ことなのか。現場に落ちていた家族写真の盾が凶器だと語る。
ファラッチは頭部鈍的外傷、顔と頭皮にガラスの破片が付着
しているとし、口の周りには裂傷があるという。
ローガンは床に器具が落ちているので拾って置いてくれと鑑識
に語る。ファラッチは死後硬直が完全になる一歩手前だとして
死亡推定時刻は昨夜午後8時から10時だと語る。鑑識顔負けの
見立てに驚くローガンに対して、私は殺人捜査上級クラスだと
語る。俺も授業を受けるかなとつぶやくローガン。そんな
ローガンはベルトが不自然だとしループを通っていないこと
が目に付く。
イーライから話を聞く。
私は7時にデートへ行き、ザックは当直なので残ったという。
朝3時に病院に戻ったのは何故かと問うと、病院から彼と
連絡が取れず私の元に電話が有ったのだという。分娩を手伝った
後に様子を見に行くと、彼の検診台に無残な姿になっていた
と語る。ローガンはだからズボンを上げたのかと問うと、医者
なのに現場をいじるのは不適切だったが弟の死に動転したと
いう。彼の口に器具(膣鏡)がハメられていたとし、それをハズ
して人工呼吸を試みたこと。ガラス片が有ったのか口を切った
という。DNA識別のために血液を提出してくれというファラッチ。
ローガンはイーライに対してこの診療所は中絶をしているのか
と問う。あの遺体の状況は抗議の意思表示かもしれないという。
弟は請け負っていたとすると、ファラッチはその線でも調べる
事を語る。予約の管理は誰がしていたのかと問うとマネージャー
のヘレンだという。
ヘレンに話を聞くと強盗じゃないのかと問う。薬棚からは
何も盗まれていないので違うだろう事を語る。ザックは中絶を
していたのかと問うと、過激派に漏れないように慎重に行って
いたという。妊婦の夫と争う場面を見たことはないかと問うが
無いという。ザック先生の功績だとして、取り上げた赤ちゃん
の写真が壁に貼られていた。患者からは愛されていたという。
従業員からの受けはどうかと問うと、従業員は私と看護師と
トムだけで、先生方はトムのことを嫌っていたという。
トム・ピティーノという遺伝子カウンセラーだと。
昨日顧客と揉めているのを見たという。
トムに話を聞きに行く。
患者に選択の助言をする役だとすると、ローガンは中絶のこと
だろうと語る。難しい決断でみんな感情的になるというと、
怒る人もいるだろうと問う。患者と揉めていた件を尋ねると、
非難されていたのはボクではなくザックに対してだという。
客の名前は?と問うと守秘義務があるという。令状を取っても
良いのよというファラッチ。
葬式の為にみんな集まる中、ポーラは息子ジェイソンに
酒を飲んでいるのかと問う。トムもポーラの元にやってくる。
そしてイーライもまたポーラを気遣う中、ジェイソンを監視
していて欲しいという。私に近づかないでと語る。
ザックともめ事になっていたというジョージの元にいく。
散歩させていた犬がローガンに対して吠えていた為に、
ファラッチは犬を黙らせてと告げ相棒が怖がっていると語る。
逮捕歴がある俺には守秘義務も向こうなのかという。子供に
犬をけしかけたらしいなと問うと、相手は19歳の男で、14歳
の俺の娘に手を出したからだという。ザックと揉めていた件
は何なのかと問うと、ヤツは妻のキャシーに俺の相談もなく
中絶させたのだという。あなたは中絶反対派なのかと問うと、
そうではないが、赤ん坊が重度の脊椎披裂だったのだとし、
それでも欲しかったことを語る。ウチは娘が3人で初めての
息子だったのだという。月曜日の夜のアリバイを聞くと、
犬の公園に散歩していた事を語る。俺が散歩していたことは
妻が知っていると語る。
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■シーズン7、ローガンサイド初エピ
ローガンとは良い感じのコンビになっていたボーイッシュな
相棒・ウィーラー演じるJulianne Nicholsonが私生活に於いて
妊娠した為に休業することになり、ドラマ上ではウィーラーは
潜入捜査の監督官という名目でとりあえず休業。
そんなJulianneさんは2007年9月に息子のIgnatius、2009年4月に
娘のPhoebeを出産。
時期的にはちょうどシーズン6から7の休止期間なので、
シーズン7でも仕事が出来ないこともなかったとは思うんだ
けどね。そして娘の出産もシーズン7と8の間に生まれたという
計画的子作りだったのか。
代わりの捜査官としてローガンの相棒となるのは、3代目の
刑事・ノーラ・ファラッチをAlicia Wittが演じることになった。
僅か5話での登場だけど、どれだけ存在感を発揮できるのか。
ちなみに彼女「ツイン・ピークス」で、ヘイワード家の末っ子・
ガースティン役として、妖精みたいな格好をしてピアノを弾い
てパーティーを盛り上げる役で登場していた。
■今回の事件
産婦人科医のザック・ラッシュ(42歳)が、診察室で殺害された
もの。
月曜日の午後8時から10時に殺害されていて、その日は当直を
していたという。ズボンが脱がされていて下半身むき出し、
家族の写真盾が凶器だということで、殺人の動機として示唆
する面の多い案件だった。
特に話を聞くとザックは堕胎手術も請け負っていたということで、
患者からは愛されていたけれど、中絶反対者からはどう見られ
ていたのかというところに引っかかるところが有った。
■ファラッチ捜査官のスキル
彼女は”殺人捜査上級クラス”の称号を持っている人物だという事
で、その称号がどれだけ捜査官の間で認知されているのか分から
ないけど、それを持っていることでファラッチもちょっぴり
タカビー(死語)な役所だった。
「俺も殺人捜査上級クラスでも取得するか」とローガンが皮肉っ
ていたけどね。
そのクラスを取得する為の勉強していると鑑識と同じような
見立てをすることが出来る感じ。
このドラマ、あんまりロジャースさんが現場に来ることはないし
鑑識が目立つドラマって感じでも無いからね。
彼女は重要事件捜査班(MCS)に所属されたということで、
現場から検出されたDNAを最優先で調べてもらえるものなのでは
ないかとしてロスに食い下がる姿が有ったけど、3つのDNAが痕跡
として残っていて、更には共通するアレルが3人分も見つかって
いることから、相当慎重を期して鑑識が調べたにもかかわらず、
もの凄く態度が大きかった。
ロスはローガンに対して
「彼女と上手くやっているか?」
「彼女は初稿性に問題がある」
と語っていた。
「たまには俺が社交家を担当するよ」というローガン。
■ローガンのスキル
今回はファラッチに花を持たせた部分も有るけれど、ローガン
は色々と彼女が気がついていない部分に言及していた。
被害者のズボンのベルトのこと。その流れから中絶が関係して
いるのではないかと疑ったこと。
また21分署の古い仲間からの連絡で、半年前ザックの家で
家庭内紛争で出動したことがあるという。
■ちょっと面白い姿
◆ローガンと言うとかつて野良犬を助けたシーンが有った気が
するけど、今回容疑者の一人としてザックと口論していたと
するジョージが犬を引き連れ、ローガンに吠えることに対して
ファラッチが「犬を黙らせて!相棒が怖がっている」と語る姿
が有る。
◆またロスは「過越の祭り」にザックとジェイソンが喧嘩した
際に、「”アフィコメン”の取り合いをしたのか?」と語って
いたけど、誰にも意味が分からず、「ユダヤ版のイースター卵
だ」と語る姿が有った。
ロスはユダヤ系だけど、そんな台詞を聞くとシーズン6の8話
での感謝祭でのロス家の家族集合の光景を思わず思い出すな。
◆あまり効果的ではなかったが精子ドナーバンクにローガンと
ファラッチが夫婦を装い接触するというシーンが有った。
「マイダーリン心配ない。上手く行くわ」というファラッチ。
これはゴーレンサイドでもたまに見かける捜査方法だよね。
ちょうどファラッチが綺麗な赤毛をしているところや、
この夫婦役の設定として私たちは音楽家だとしていたり、
ロシア系とギリシャ系なので条件がピッタリだとする流れが有る。
■単純なようで複雑
医者とか精子ドナーバンクなんかが関係しているので、守秘義務
の壁が厚かった。
特に精子ドナーバンクの壁は令状を取る上でも大きいらしい。
ファラッチが今回何度となく、令状を取ることも出来るとして
話を引き出していた部分も有ったんだけどね。
しかし抜け穴もあり、インターネット上では同じ精子ドナー
の子供たちが集まるサイトがあるということ。これは前にも
聞いたことがあるけど、アメリカならではのことって感じが
するね。
当然精子ドナーの提供を受けて生まれた子が近くに集まる可能性
は高く、ある意味では近親率が高くなってしまうことも有る
ので、知らない間に同じ親同士の子が結ばれてしまうケースが
出てきそうだ。
精子ドナーが何処まで責任を負うのかということは問題として
有るのかも。
■ドラマ最大の謎
この中年のイーライの遺伝子が人気だというのは分かるにしても
現実の世界でもそこまでモテるという程の容姿には見えなかった。
医者という肩書きとか、金の力によるところが大きいのか。
女性と色々と関係を結んでいる様だけど、「無精子症」という
言葉を口にすれば女性と簡単に別れられるということから、使用
しているらしいこと。
女性の警戒心を解くために、男性がゲイっぽく演じて振る舞う
とか聞いたことがあるけど、逆に後腐れ無く別れるために医者が
嘘の病気を語ることの罪深さってあるよな。
自分が子供を持たないのも、イーライの中では似非親子の様な
感覚でそんな子供たちを見ているところが有ったのかな。
子育てとか大変なので、責任を取ることなく、親になれる感覚
を持つところに快感を得ていたのか。
ファラッチはジョシュアのことを社会病室者(ソシオパス)も同然
だとしていたけれど、寧ろモラルハザードしているのは
このイーライだったよな。
■犯人のトム
この人もよく分からない。遺伝子カウンセラーという名目で
病院に居たけれど、色々と職業を変えては父親のことを探して
いた様だ。そんなに簡単に職業を変えられるのかって感じにも
思えるし、どう考えても怒りを覚えるのはザックに対してでは
なくイーライに対するものじゃないのかな。
まぁイーライを殺したら移植してもらえなくなるけどね。
■赤毛
ファラッチが高校の頃の同学生の300人中赤毛なのは9人だった
としていた。この病院に貼られている写真は65人も赤毛だと
していたけれど、ここの病院では不妊治療も行っていたという
ことなのか??イーライの遺伝子を受け継いでいた人たちの
病院と化していることは逆に気持ちが悪いところが合ったね。
■使用された曲
・
■出演者
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事、”ボビー”
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ダニー・ロス (Eric Bogosian) 警部
マイク・ローガン (Chris Noth) 捜査官
ノーラ・ファラッチ (Alicia Witt) 捜査官
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
Dr.イーライ・ラッシュ (Michael O’Keefe) 兄
ポーラ・ラッシュ (Kate Hodge) ザックの妻
ジェイソン・ラッシュ (August Emerson) ポーラとザックの息子
ザック・ラッシュ (Steven Cambria) 42歳、産婦人科医
トム・ピティーノ (Devon Gummersall) 遺伝子学
ラルフ・ピティーノ (Cameron Bowen) トムの弟、免疫不全症候群
ジョシュ・ルーカス (Dan Ziskie) 弁護士
ジョージ・ミラー (Christopher Burns) 堕胎したことに怒り
キャシー・ミラー (Meredith Zinner) ジョージの妻
ヘレン・コム (Carrie Yaeger) イーライの秘書
レオ・ベルナルディ (Danny Burstein)
アリソン (Allison Hirschlag) 305の遺伝子
ベン (Nicholas Purcell) 305の遺伝子
サマンサ・ジョステン (Erica Peeples) トムの病院の医師
ナンシー・リー (Sunda Croonquist) 精子バンク
キキ (Laki Latinka Igrutinovic) イーライの恋人
ハッサン (Lawrence Ballard) 捜査官
ケネディ (Myra Lucretia Taylor) 看護師
モンロー (Eileen Rivera) 看護師
— (Takako Haywood) 看護師
マーク (David Robinette) 医者、イーライの学友
エイプリル (Alanna Thompson)
— (Armand Anthony) Maitre d’
— (Gina Hernandez) 捜査官
— (Emily Reed) Hostess
— (Jovette Elise) バレーボール選手