第9話 ピンナップガール Pin Up Girl
脚本/Gavin Harris 監督/Chris Fisher
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1953年6月8日。グラビア/ピンナップガールを見る男性たち。
大人も子供も隠れて目にしていた。
カメラマンのアーサー・ジップ、モデルはリタ・フリンと
ベティ・スー、そしてプロデューサーのモンティ・フラン。
この日もピンナップ撮影を行う。モデルはリタで、ジップは
もっと胸元を見せようとするが、彼女は男性は想像が好きなんだ
としてそれ以上は露出しようとはしなかった。しかしベティに
対して袖を直してくれと語る。細かいところに拘るのが僕の
ピンナップだとして、モンティはそこを買ってくれているのだ
というジップ。モンティはこの雑誌は間違い無く売れるとして
金の成る木であることを出版社に宣伝して回っていた。
そんな中ベティはビーニーからファンレターが来ているとして
リタの前で読む。熱烈的なファンの一人で、手紙には「親愛なる
リタ様、お返事ありがとう。今日ロッカーに写真を貼りました。
貴方は空の星よりもキレイです」と。
リタはベティに夕べの映画デートはどうだったのかと問うと、
行かなかったとしてスッポかされたという。それならばウチに来
れば良かったのだとし、ジップの友達が来て朝まで踊っていたのだ
という。
そんな中モンディはみんなの前にやってくると、いよいよ全国
展開だと語り、表紙はリタになる事を語る。リタに感謝するという
ジップは僕の人生を変えてくれたというが、リタはみんな大事な
家族だと語る。
そかしリタは1953年7月自宅で銃で撃たれて殺害される。
1953年7月・リタ・フリンの資料は倉庫へと収められる。
夜仕事を終えるとスコッティはリリーを”ジョーンズ”に行く?
と誘う。リリーはたまには別の店に変えないかと問うと、例えば
何処かと問われ”ジューンズ”と答える。
そんな中、ガス・メディカという男性がリリーの元にやってくる。
この時間にしか来られないので済まないというガカンは、
先日電話したものでリタの件だという。1953年殺人のピンナップガ
ールの事件でしょと語る。親戚なのかと問うとただのファンだ
という。リタを支えに朝鮮戦争を戦って来たが、孫がアフガニスタン
に派遣されてリタのことを思い出したのだという。先週これが
発売されたとして雑誌を持ってくる中、この笑顔が希望をくれた
のだという。この本によるとリタの殺害現場はこれまで公開された
ことがないらしいこと。しかし雑誌には写真が掲載されていた。
記録係の何者かがマスコミにおだてられて流出させたのだろうと
呆れるスコッティ。昔からこれがウチにあったとし、購入したのは
1955年だという。リタの遺品の競売で、こんな写真は見たことがない
という。写真を見ると雑誌に掲載されている遺体現場と服が同じで
テーブルの上のグラスの位置も全て同じだった。現場写真では
氷が溶けていた。当時の新聞では変質者による犯行だろうと言われ
ていたという。写真の裏にカメラマンのスタンプがあるが欠けて
いる文字を復元させれば最後のポーズを撮影した人物が分かる
だろうというリリー。
倉庫で資料を漁るリリーとスティルマンとミラー。
リタ・マリー・フリン。フィラデルフィアのタコニー生まれ。
母は若死にして酒飲みの父親は家出していること。ドラッグストア
で働いていたところモンティ・モランにスカウトされ、一緒に
働いていた親友のベティ・スーと共にこの世界に入って居ること。
ジェフリーズがベティのことを探しているという。ミラーは
50年代っぽい名前だという。午後9時に下の住民が銃声を聞いて
駆けつけると玄関のチェーンは切られて、リタが死んでいたこと。
状況からすると服が破れてレイプ未遂っぽい感じだが精液は
検出されていないという。当時近所で覗きが頻発していたようだ
というスティルマン。写真撮影者は依然として不明。登録されて
いないウェブリー38口径がアパート近くで発見されていて、それが
凶器だとされていること。イギリス製ならば向こうで登録されている
かも知れないというスティルマン。ヴェラはリタは30冊のピンナップ
雑誌に出演しているという。50年代始めのグラビアはまだ健全
だったのだというスティルマン。そんな彼にリリーはボスも買って
いたのかと問うと、ソフィア・ローレンの写真を数学の教科書の内側
に貼っていたという。ヴェラはそれならば授業にも耐えられるだろう
こと。雑誌を見ると「サーカスの少女」「リタ夜のお出かけ」
「庭仕事」などのテーマで撮影されていた。最後の目撃者は恋人
だったアーサー・ジップだという。スティルマンは写真を物理
鑑識課で解析してもらう様告げる。ヴェラは真剣にグラビアを
見ていた。
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1953年にピンナップガールとしてドラッグストアで働いていた
一人の女性・リタがプロデューサーのモンティにスカウトされた
ことから人生が変わり始める。リタと一緒に店で働いていた
ベティ、そしてリタの恋人でありカメラマンのジップと共に
リタを支えてチームであり家族として、頂点を目指していこうと
誓い合う。しかしリタが何者かによって殺害されることとなった。
短期間ではあるがピンナップガールとして男性たちの人気者に
なったリタ。恋人の居ないものたちは、リタの雑誌の切り抜きを
持って戦地に赴き、それを生きる為の糧にしていることも有れば、
彼女をグラビアで見るものたちを次々と幸せな気分にさせていく。
その人がいるだけで他人を幸せにする存在というのは相当な才覚を
持っていて特別なものがあるように思う。今の様に動画として動く
彼女の姿を知らない者達にとって、写真に写る彼女を見ては想像
して楽しむ姿が有るが、スタートラインは全く似たものが有る
親友のベティは写真ではなく、実際に男性が求めているセックスシン
ボル的象徴のようになりたくて、ストリップ劇場での道を歩み出す。
しかも神は人々に対して平等ではないとばかりにリタに与えた才能
はそれだけに留まらず、カメラマンとしての視点もまた恋人に
対して嫉妬心を生ませるだけのものを持っていたということで、
容疑者像としては色んな可能性が想像出来た。
リタとベティの二人、どちらも父親は酒飲みでどうしようもない。
この時代、朝鮮戦争が有ったことも有って、どの人物も精神的に
病んでいる人たちは多かったのだろう。
リタは常連客で戦地から帰還した兵士に対する舵取りも行って
いたけれど、悲しいかな男性に対する絶対的な魅力を放っている
ものたちは、女性に対しては嫉妬心として跳ね返ってきてしまうと
いうものだった。
冒頭からベティが私生活であまり上手く行っていないことは色んな
シーンで見て取れた。恋人からは映画にもスッポかされたとしていたし、
父親は酒浸りで金が必要である事。リタも上述したように父は酒に
溺れたけど迷惑をかける前に出て行ってくれたことが災いしたのか。
折角気になる人が出来たはいいが、青い目の男はリタのファンで
ベティに頼んでサインが欲しいとするナイーブな男だった。
ベティの当時の髪型が、California Gurlsの頃のKaty Perryっぽく
て可愛かったのに残念だった。50年代というとどうしてもビフォー・
アフター的歳月の流れによる容姿の違いが気になってしまうけど、
ベティとしてみれば、色々と複雑な心情が有ったにしろ、正直一人の
人生を終わらせてしまったというのは、許せないところも有った。
ただその憤り感があまり感じ無かったのは、悲しむ人物が身内では
なくてファンだったことに依るのかな。
そういえばリタが好きだったというIstanbulの曲。
自分の偽名(スタンリー・ノベル)として使うことになったけど、
イマイチその意図は読みづらかったな。やはり男性社会故に女性
だと活動しづらかったのだろうけどね。
ヴェラは50年代のグラビアに釘付け。
ジェフリーズはスティルマンにソフィア・ローレンの写真を
プレゼント。スコッティは捜査班のフランシーン(フランキー)と
デート。土曜日にソフトボール大会が有ったのか、ベースを踏んだ
か踏まないかで二人の間で痴話ゲンカしている光景が有ったけど、
いよいよスコッティにも春が来るのか。
■使用された曲
・I’ll Wait for You by Ruth Brown
・Half A Photograph by Kay Starr
・Look At That Girl by Guy Mitchell
・Can’t I? by Nat “King” Cole
・Istanbul (Not Constantinople) by The Four Lads
■検索用キーワード
・
リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から
2008年
モンティ・モーラン (Harold Gould)
ガス・メディカ (Ron Masak) リタファンで遺品の持ってくる
ベティ・スー・ベイカー (Debra Mooney)
ベン・エマーソン (James Carraway) “ビーニー”
レッジ・ドナルドソン (William Dennis Hunt)
ジップ・フェリング (John Kerry) “グラマーワールド”
フランキー・ラファティ (Tania Raymonde) 物理鑑識課
— (Brian McGuire) Nervous Guy
— (David Edward) Swing Dancer
— (Lyndsey Nelson) 1953 Pin Up Girl
1953年
リタ・フリン(Erin Cummings) モデル
モンティ・モーラン (Patrick Fischler) プロデューサー
ジップ・フェリング (Todd Grinnell) カメラマン
ベティ・スー・ベイカー (Chelsea Hobbs) リタの親友
ベン・エマーソン (Andrew Ducote) “ビーニー”、リタのファンクラブ
レッジ・ドナルドソン (Aaron Gaffey) 戦争で傷心”レッドカーテン”常連