第17話 銃声 Officer Down
脚本/Christopher Silber 監督/Alex Zakrzewski
【ストーリー】
2009年3月15日
●5分前。
ランドリーはオヤジの店にやってくると金を
忘れたので後で払うのでロングビールを一本くれと語る。
しかし駄目だとしてまともに立てない程に酔っていることを
指摘すると、お得意様を酔わせて寒空の下に出すなんて出来
ないという。コーヒーでも飲みながら帰れと語る。
そんなオヤジの店にランドリーと入れ替わるようにして強盗が
入る。
ジェフリーズとヴェラは仕事が終わると車で帰宅していた。
ヴェラはこんな歌よりもスポーツか政治の番組をながしてくれ
と語るが、ジェフリーズはテンプテーションズだぞと語る。
ヴェラは女性や言えを失う歌ばかりで滅入るという。俺の
実生活を反映した曲だと。それを聞くとジェフリーズは無粋な
男だとつげると、認めるから消してくれという。
そんな中ジェフリーズは牛乳が切れているとしてコンビニに
立ち寄るという。
ヴェラは車の中に待つ中、コンビニの中から発砲音が聞こえる。
急いでヴェラは店内にいくとジェフリーズの安否を気にすると
共に強盗に用心して銃を手にしながら室内に入る。すると
ジェフリーズが撃たれて倒れている事を知り、ヴェラは電話
してメイン通り5丁目のコンビニに急いで救急車を回してくれと
連絡。警察官が撃たれたと語る。
その連絡は、リリー、ミラー、スコッティ、スティルマンの
それぞれに電話で伝わる。ミラーは寝ている娘のヴェロニカ
を起こすと祖母の家に行っていてとし、仕事だという。スコッ
ティはデート中の相手を車から下ろすと急いで現場へと向かう。
病院に駆けつけるスティルマンはヴェラに声をかけると、
俺が牛乳を飲んだからだという。
現場にやってくるリリーたちは周りが警察だらけでそれを
囲むようにして野次馬だらけなことに驚く。
店主のウォルターズとジェフリーズが撃たれたとし、一人は
病院で死亡したということを聞くリリー。死んだのはどっち
なのかと問うと、レノックス捜査官は店主の方だという。
ミラーは最初に現場に着いたというマッギンレーから話を
聞いていた。到着したら刑事が床に倒れ、そばに太った相棒
がいたこと。犯人は裏口から逃げた後だったという。強盗か、
売人のトラブルか、ギャングの抗争なのか。目撃者はまず
名乗りでないだろうとのこと。
スコッティは野次馬たちに目撃情報を話してくれと呼びかける。
ランドリーがやってくると、オヤジはいい人だったという。
彼は銃声を聞いたとし一発聞いてその後2発の銃声だったという。
1発目とその後の2発の銃声にはどの程度の時間が経過していた
のかと問うと、道を渡っていた時に一発、次の二発を聞いた時
は1ブロック先にいたという。
医師のパスカルは、ジェフリーズに当たった銃弾は2発で、一発
は胸郭に当たったという。肺に穴を開けたので安定したら手術
することになるという。長い夜になるだろうという医師。
ヴェラはスティルマンに犯人を捕まえるので外に行かせてくれ
と頼み犯人を捕まえるという。散々訓練を積んでいる筈なのに
何も出来なかったと嘆く。すぐに刑事が来たこと。しかし彼は
何も聞いていないと言ったという。お前が到着した時には店主
は撃たれていた事を告げ、犯人は何を目的としていたのか。
リリーとスコッティは店内を調べる。
レジの金は奪われていないし腕時計や財布も盗まれていなかった。
9mm弾の薬莢が3つ落ちているというスコッティ。ジェフリーズ
が牛乳の棚に向かう際に犯人が立ち上がり発砲したのだろうと。
血の付いた足跡が裏口にあるという。犯人は裏口のドアを
蹴破り路地に出たこと。正面と裏口にはそれぞれカメラが設置
して有った。しかし年季の入ったビデオテープ故に再生出来る
かどうかスコッティは心配する。
リリーは店内にある店主と一緒に写る女の子の写真を見て
この子のことを知っているという。
1週間前。
ジェフリーズに対してヴァレンタインが何かする気だとし、
喧嘩したらしくオヤジが激怒していたという。頑固な人だから
というジェフリーズにヴァレンタインも怖い目をしていたと
いう。それを聞いて俺に任せろとジェフリーズは語っていた
とのことだった。
オヤジの孫娘のカルメンはジェフリーズに助けを求めたこと。
牛乳意外に用事があったのか。
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■現在進行形の発生
「今と昔」がこのドラマの特徴でも有るのだけど、その使い方
が今回違った形/アレンジメントされる格好として描かれ
た。シーズン6になり、1年前の事件などを取り扱ったことも有る
けど、今回は目の前で起きた事件の捜査ということで、ある意味
ではコールドケースの中でも最も近年の事件を取り扱ったケース
となった。
時間軸の使い方が面白く、どの人物も過去に於いて今回の一連
の事件に対して何らかの心当たりが有ったこと。
■スラム街を守るオヤジ
街のコンビニ店を経営するオヤジさんの店で発生した事件。
同じ民族だとどんな悪い奴でも心が通じるところがあるのかも
しれないけど、他民族が入り乱れる事情も有ってか、なかなか
心を通じ合わせるのが難しい時代になったようだ。
昔の方が余程街は荒れていた筈なのに、オヤジは一貫して銃を
持たず、一歩も怯むことなくワルぶっているヤツに一喝していた
のに、今の時代のワルはオヤジにとっても理解出来ないところが
有り、本気で怖がっていることを語っていた。そのために自衛
の為の銃が必要となったことで、事件の捜査が複雑化していく。
■ウィルのエピソード
数話前からジェフリーズを尋ねてくるカルメンという女性の
姿が有った。何故カルメンがジェフリーズを尋ねてきたのか
という流れを回収したエピソードだった。
衝撃的なのは何と言ってもウィルが撃たれてしまったことだ。
しかも2発の弾丸を胸に喰らい、死んでいてもおかしくなかった
状態だった。
同僚が撃たれたけど、少なからずこの殺人課勤務の人たちは
撃たれた経験が有ったりするのだけど、やはり同僚の血が
飛び散る現場を見るのは辛いだろうね。
ウィルは助かった際に、ベッド脇にいたのはリリーだった。
撃たれた経験者のリリーは撃たれたことに対して「バスに
跳ねられた気分か?」としていたけど、貨物列車だよと語る
ウィルの姿があった。
あのウィルの66年当時の映像もまたなんとも言わないね。
■テーマは罪と赦しと和解
ドラマを見ると、過去に犯した罪に対する赦しを請うと
いうテーマ性が隠されていて、人間は誰もが完璧ではないこと
が描かれる。
ドラマの中で起きている当事者たちの間で起きていた争いの中
にも罪を犯すものとそれに対して犯した罪は消えなくとも
赦しを得て和解することが出来るものだということを暗示して
いる流れが有る。
殺人課刑事が撃たれたという情報を聞き、リリーは父親が心配
して署を尋ねてきては聖ユダのメダルをお守り代わりに置いて
行った。リリーは父・クーパーを許すことが出来るのか。
スコッティはフランキーに対する和解の試練が有った。
エレベーターに乗り合わせた際のピリピリムード。
間に挟まれた捜査官の気持ちも考えろとばかりのやりとり。
しかしフランキーがVTRをなんとか修復解析して、事件当日の
映像を再生することが出来、事件解決への道筋が付くことで
最終的にはフランキーを許す方向で傾いていた。
何と言っても許しで良い味を出していたのはヴェラだ。
決して牛乳を2リットル飲んだことが原因でもない。
気が立って礼拝堂にいた男性に当たり散らしてしまったことに
対して後日謝罪し、相手の家族のことを気遣う姿まで有った。
そんな最終的にはあの堅物だとされるジェフリーズにもそんな
罪と許しと和解が存在していた。1966年に万引きしていた彼は
オヤジさんによって道を誤らずに救われた人物だった。
■プライドが邪魔をする
若かりし頃は理解出来なくとも、大人になると理解出来るという
ことはたくさん有る。若い頃に悪さしてものも、大人になって
みると、オヤジさんの偉大さというもを実感している筈だ。
しかし若い頃にはプライドが優先して、引くに引けない状況にな
るということは有るはずで、今回の悲劇はプライドだけが優先
している若者が銃を持っていることへの警鐘を鳴らす意味が
有ったのかもしれない。
■新たな火種
今回ジェフリーズが内務監査部のマッギンレーによって見張ら
れている現実が有った。
マッギンレーは制服時代ドーティ副本部長の運転手をしていて、
刑事に昇進しすぐに内務監査部に配属されたという経歴を持つ。
ドーティこそ内務監査の対象だろうと小一時間だけど、
スティルマンがドーティに対してブーン議員が俺への恨みで
嫌がらせで内定させているのだろうとしていたけど、お前を
嫌っているのはこの俺だとしてドーティはスティルマンに宣誓
したような格好だった。
「君のやり方、人柄も気にくわない。」
「今度部下に嫌がらせしたら俺がぶちのめす。」
この二人の政治的駆け引きも今後の焦点となっていくのかも?
■使用された曲
・The Judgement by Solomon Burke
・I Wish it Would Rain by The Temptations
・Across 110th Street by Bobby Womack
・Just a Thought by Gnarls Barkley
・Down In the Valley by Otis Redding
■出演者
リリー・ラッシュ (Kathryn Morris) 殺人課の刑事
スコッティ・ヴァレンズ (Danny Pino) 殺人課
ジョン・スティルマン (John Finn) リリーの上司
ニック・ヴェラ (Jeremy Ratchford) リリーの同僚刑事
ウィル・ジェフリーズ (Thom Barry) リリーの同僚刑事
キャット・ミラー (Tracie Thoms) 麻薬課刑事 s3#8から
カルメン・ウォルターズ (Simone Moore) ジェフリーズを尋ねてくる。
フランキー・ラファティ (Tania Raymonde) 鑑識
ポール・クーパー (Raymond J. Barry) リリーの父親
ヘンリー・ウォルターズ (Clarence Williams III) POPS、”オヤジ”店主
ガブリエル・アリーザ (Mateo Arias) 次男
ジェームズ・ヴァレンタイン (Sharif Atkins) 更正しようとしてた
ランドリー (Kevin Jackson) オヤジの店に居た客
カーティス・ベル (Jonathan LaPaglia) 地方検事補
ピート・マッギンレー (Brian Letscher) 内務捜査局
パトリック・ドーティ (Keith Szarabajka) 副本部長
ベアトリス・カルデロン (Norma Maldonado)
フランシスコ・アリーザ (Manny Montana) 用心棒になると。長男
— (Valenzia Algarin) Francisco’s Other Girlfriend
— (Traber Burns) Man In Chapel
— (Heather Perrilliat) Hot Young Woman
Dr.パスカル (Erika Ringor) ウィルの医者
レノックス (Alex Valente) 捜査官、ガブリエルを帰してしまう
1966年
ヘンリー・ウォルターズ (Pancho Demmings) “ポップス”
ウィル・ジェフリーズ (Lawrence Adimora)