第22話 最期の時 Everybody Dies
脚本/David Shore、Peter Blake、Eli Attie
監督/David Shore
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ハウスは目覚めると周りを確認する。
近くに男が倒れていた。男の無事を確認しようとすると突然
かつて自殺して死んだハズのカトナーが出てきてムダだという。
彼は死んでいますよと。お前だって死んでいるだろうという
ハウスに、火は死んでいないという。早く起きて避難した方が
良いという。俺はもう起きているというハウス。興味深いのは
銃で自殺した元部下の幻覚を見ているが、どうせ幻覚ならば
女性で巨乳が現れて欲しい事を語る。ここで死んでいる人は
誰なのかと問われる。
オリバーが、外来としてハウスの元にやってくる。彼は先日
車で事故ったというと、俺は高校の時水泳で優勝しているぞ
というハウス。それで眼窩骨折をしたが鎮痛剤が切れていつまで
も痛みが有るという。ハウスはシャツを脱げと語ると、どう
いうことなのかとオリバー。眼窩骨折ならば顔をフロンドグラス
に打ち付け胸はハンドルにぶつけているハズ。鎮痛剤は心拍数
を抑えるから死にたくないならば心音を聞かせろと言っている
のだという。それとヤケドの跡も見てみたいとし、鎖骨の周りに
あるという。看護師にコデインアレルギーだと言っただろうと
し、強い鎮痛剤が欲しいという証拠だという。スーツが落ちぶれた
ことを物語っていること。指に二つのヤケド痕があるのは
煙草を挟んだまま眠る癖が有るのだろうとし、口にくわえたまま
寝る事も有るのだろうという。次にくる医者はバカならば良い
なとするが、へその周りにアザが有ることに気が付く。そのあざ
のお陰で薬がもらえるかも知れないぞという。
コンサルの場でハウスは、患者はカレン徴候だという。だが超音波
で出血以外に空気も認められたと。お前達の考えていることは
分かるとし出血性膵炎と言いたいのだろう。だが俺の考えをいうと
気腹が説明出来ないという。アダムズは患者を引き受けたのか
と問う。パクは先生が検査をしたのかと問う。ハウスは困っている
人を助けたいとし、俺の本能かなと。タウブはウィルソンも死ぬし
保護観察官は今頃こっちに向かっているのに何故患者を受け入れる
のかと問う。上機嫌であることも不自然だとすると、映画
「いまをいきる」って映画を見てないのか?とし、俺は今を生きて
いるのだという。
誰も微量のことは気にしないとし、患者は穿孔性寛容だった。処置は
胃の穴を閉じることだとカトナーに告げる。部下の質問には答え
なかったですねとすると、変だよなという。部下に話すときには
いつもウソは付かないと誓いを立てたというハウス。服役したら
ウィルソンと過ごせないのに上機嫌なのは何故なのかとカトナー。
計画が有ったからだという。興味深いのは何故部下に黙って居た
のか。最初から失敗すると分かっていたのではないかという。
ハウスはフォアマンのオフィスにいくと話がある事を告げる。
フォアマンはイスの調整をしている中で、ハウスは今、ウチのチーム
が生きるか死ぬかのケースを8件打診されていて、引き受けるか
どうか決める所だという。保護観察官に8件とも受けると言って欲しい
こと。俺にしか治せないと言ってくれるだけで良いと。5ヶ月俺
がいないと患者が死ぬと思わせるのだとすると、私に偽証しろ
というのかと問うフォアマン。小さいこと言うなというハウスは
お前は度量が大きいだろうとし、ナニは別だが・・というハウス。
俺はわざと天井を陥没させた訳じゃなくイタズラからだとし、
給料を減らすなりすれば良いという。重罪に値する報いは受ける
がでもウィルソンにはそれを受けさせたくないのだという。ダチ
の頼みだと思ってくれというハウス。フォアマンはどんなケース
だろうと患者を引き受けてもらいますよと語る。
カトナーは”ダチの頼みだって?”と語る。俺の知っていることは
何でも知っているんだろうというハウス。俺の薬付けの脳が
覚えて居ることも・・。カトナーは重要なのは先生が何故
ダチという言葉を使ったかということだと。それは友達が必要になる
と分かっていたからだとするが、計画は結局失敗すると知って
いたからではないのかと。しかし何故逃げようとしないのか。
僕の幻覚を見ているのは死のうとしているからだというカトナー。
ウィルソンはフランケルと話をする中、コナーズに引き継いだら
どうかと言われる。そんな中フォアマンはウィルソンに対して
ハウスはどこに居るのかと駆け込んでくる。一昨日の夜からハウス
の行方が分からないのだという。どっかで楽しんでいるのだろう
とし前回服役の時もカードを使いまくっていた事を語る。あの時は
あなたが生きて待っていると分かっていたというフォアマン。
ウィルソンはバカをすると思っているのかと問うと、バカで済めば
万々歳だろうと語る。
カトナーはハウスの前で何故死にたいのかと問う。
俺のことを分析したがるウザイ男がいなきゃハイにもなれない
からだというハウス。理由なんて考えれば分かること。俺は
刑務所にいく。職を失って親友も失う。まだ必要か?と語ると、
先生は単にそれだけなのかと問われる。医者でウィルソンの親友だ
とするハウスは、オマケにバリトンボイスだぞと語る。もう失せろ
というと潜在意識でも逃げるのかと言われる。死は面白いもので
はないとし先生の生き甲斐は面白いものでしょうという。
「パズル」「アイデア」「分析」・・・死を刺激的パズルの
対極にあるものだというカトナー。永遠に無が続くこと。生きる
事がもう面白く無くなったのか?と問う。
カトナーに変わってアンバーが出てくる。
馬鹿なマネは辞めてというハウスに告げるとハウスはカトナーに
戻してくれという。どれだけ自己憐憫に浸っているのかと問う
アンバーに、地獄はどうなのかと問う。湿気が問題か?と。
例の患者は次にどうなったのかと問う。なんであなたは今でも
そのケースに執着しているのか。どう考えると燃えるビルから
逃げずにいることと関係しているのかと。
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ウィルソンがガンで余命5ヶ月だという中、ハウスはチケットを
トイレに流すというイタズラをしたことがきっかけで、病院の
天井から水漏れして大切な病院の機器を破壊してしまう。その
結果仮釈放違反だということで、早期に釈放されていたハウスは
再び通常刑期を全うする必要があるということになる。刑期は5ヶ月。
もしも服役すれば出所する頃にはウィルソンはこの世には居ない
ということで、ハウスとしては何としてでも服役を避けたいところ
だった。その為に色々と策を講じていくが、ハウスは何故か
オリバーという遺体と共に火の上がる廃工場にいた。亡くなって
いるハズのカトナー、アンバー、そして別の場所で幸せに暮らして
いるハズのステイシー、キャメロンがハウスの幻覚として彼の前に
現れ、ハウスの心情を探ると同時に現在に至るまでの状況について
尋ねていくことになる。誰もがハウスは自殺するものだと考えて
ハウスの居場所を調べていくが・・・
ついに最終話。
8年間も放送してきたんだと思うと感慨深いところも有るし、最初
は医療ドラマの中でも面白いなと思わせたり、レビューしていく
のは大変だなと挫折仕掛けたり、マンネリ感も有って視聴自体が
挫折仕掛けそうになったことも有ったけど、取りあえず完走しました。
2004年11月16日に放送が開始され、2012年5月21の放送終了までに
放送したエピソードは全176話。
色々と過去のエピソードと共に思い出として語りたいところも有る
のだけど、日々のドラマを書いている手前、どうしても時間が無いの
で、最終話のエピソードを中心に書いて行く他無い。
エピソードの中心はハウスが刑務所へ逆戻りする件と同時にウィル
ソンの件で失望して万策尽きて死のうとしているのかなと思わせる
ことが終始感じさせるエピソードだった。
ハウスの精神状態からするとやはり最後に待つのは幸せではなく死
という結末の方が想像に難くはないからね。
このドラマの中でもチームメンバーの中でも、カトナーは自殺して
いるし、アンバーは事故死している姿が有る。
そんなアンバーの件でウィルソンと決別してしまうハウスの光景が
有ったり、なんと言ってもカッディとの別れという衝撃的なシーン
から、いよいよハウスも刑務所に入るシーンまで描かれるところに
が有ったけど、どれも乗り越えて来られたのはウィルソンという
存在が有ったことも大きかったのだろう。そのウィルソンがこの世
から居なくなるのだから、ハウスがどうなってしまうのか。
ハウス個人の主張としては「患者はウソを付く」だけど、広義に
見ていくと人は嘘を付くものとして描かれていた。
また人は変わる事が出来るのかということは、意固地なハウスに
とっての命題みたいなものになっていて、繰り返し同じようなこと
をして、幸せを掴みそうになると自らブチ壊してしまうハウスが
最後になって変わるのかどうか。
自分のことばかり考えて我が儘放題の彼が、最後になって親友の
ウィルソンの為の行動を起こして、全てを犠牲にしても彼との5ヶ月
を取っていくという流れに至るまでには、敵を欺くには味方どころか
視聴者からって感じで、なかなか凝った作りとして描かれた。
カトナーにしてもアンバーにしてもハウスが作り出した幻覚なので
有る意味では都合良く作り上げた形で視聴者を誘導し混乱させる役目
を果たしたけれど、二人の視聴者がまた正論で有ったり、鋭い視線
を投げかけてくるからこそ騙されたところも有ったなと。
今思うと、ハウスってSela Ward演じるステイシーと付き合っていた
過去が有ったのね。S2-11でハウスがいつもの調子でこのまま付き合
っても幸せにはなれないとして自ら身を引いてしまうハウスの姿
が有ったのだけど、そんな彼女もわざわざ出てくるのだから
凄い。
ハウスの元から去った面々が今どうしているのか。
同窓会ではないけど、その後の消息のことに関しては少なからず
気になっているものが有った。
その中にカッディが出てこないところが残念だったけどね。
キャメロンが結婚して子供がいるという辺りが驚きだった。
マーサは医者を辞めて別の道へと歩んでいるみたいだけど、どんな
道に進んでいるのかまでは言及していなかったな。というか顔が
変わった感じでマーサなのかどうか最初は分からなかった。
キャメロン先生も随分8年で年を取ったかなって感じで、あれ
だけ溌剌感の有った彼女もアップショットが有った時には、やはり
歳月は隠せないって感じに思える。年を取るのは当たり前なので
どう過ごしているのかが問題なんでしょうけどね。
火災現場で発見された遺体はハウスだった。
歯科記録から・・って辺りが如何にも怪しいって感じだったけど、
やはり買収して死を偽装したようだ。葬式の際に一通りハウスに
対して弔辞を述べた後、ウィルソンの時になって携帯が鳴るって
ところが面白いね。
因みに弔辞で述べた言葉は・・・
パク・・ハウスは私みたいな医者でも雇ってくれた。
アダムス・・彼が首になる度胸を教えてくれた
マーサ・・辞める勇気を与えてくれた。
ブライス・・グレゴリーは素晴らしい息子だった。
ステイシー・・彼は酷い恋人だが私は彼を愛して止まない
ドミニカ・・彼は私の夫でした。愛さずには居られなかった。
フォアマン・・彼は私の上司でその後部下になった。どちらの時も
多くを学んだ。
タウブ・・彼は私を良い親にしてくれた。意図的かどうかは別。
サーティーン・・私に死なせると言ってくれた。いつまでも感謝している
チェイス・・扱いにくい人でした。
キャメロン・・心では愛し方を知っていた
ウィルソン・・彼は友達でした。彼は多くの命を救ったということ。
彼は詰まるところ最低野郎でした。みんなをあざ笑った。相手が
患者でも同僚でも。身勝手に死んでいった・・誰のことも考えず
彼を思ってた人に対する裏切り。彼は何度も僕を頼ったんだと。
最後はバイクで二人で何処に行ったのかな。
ガンなのにウィルソン先生はバイクに乗っても大丈夫なのか。
もっと方法で旅に出かけても・・って感じだったけど、最後の
ドライブシーンは良かったですね。
そういえばウィルソン先生が出演している映画「いまを生きる」を
引き合いに出していましたね。
映画の中でRobert Sean Leonardは自殺してしまったし、主役を
演じたRobin Williamsさんは実生活で自殺されてしまいましたね。
■使用された曲
・Keep Me in Your Heart by Warren Zevon
・Enjoy Yourself (It’s Later than You Think) by Louis Prima & Keely Smith
・Breakthrough by Public Symphony
グレゴリー・ハウス (Hugh Laurie) 偏屈な医者
エリック・フォアマン (Omar Epps) 黒人、S8から医院長
ジェームズ・ウィルソン (Robert Sean Leonard) 腫瘍科、ハウスの親友
ロバート・チェイス (Jesse Spencer) 外科医、離婚
クリス・タウブ (Peter Jacobson) 元整形外科医、離婚歴、浮気
チ・パク (Charlyne Yi) 脳外科医、ボスを殴る
ジェシカ・アダムス (Odette Annable) ジョンズホプキンスで研修した医師
— (Bobbin Bergstrom) Nurse
レミー・ハドリー (Olivia Wilde) “サティーン”
オリバー (James Le Gros) 患者
ドミニカ・ハウス (Karolina Wydra) ハウスの妻
レイチェル・タウブ (Jennifer Crystal Foley) タウブの元妻
ルビー (Zena Grey) 看護師、タウブとの子供を産む
ブライス・ハウス (Diane Baker) ハウスの母
Dr.ダリル・ノーラン (Andre Braugher) 精神科医
Dr.アンバー・ボラキス (Anne Dudek) 事故で亡くなった医師
Dr.アリソン・キャメロン (Jennifer Morrison) 別の病院の救命へ
Dr.ローレンス・カトナー (Kal Penn) 自殺した医師
マーサ・M・マスターズ (Amber Tamblyn) 医師の道を諦めた
ステイシー・ワーナー (Sela Ward) 元ハウスの彼女
ジェフリー・スパークマン (Patrick Price) 看護師
エイミー (Jaclyn Jonet) サーティーンのパートナー
Dr.フランケル (Patrick O’Connor) ウィルソンと相談
— (Patrick Quinlan) Patient
— (Nadia RiverStone) 看護師
— (Elan Goldstein) PHD Student
— (Eric Paul Mercaldo) Cameron’s Husband
— (Joshua Paule) Patient
— (Michael Prather) リポーター