第9話 弔いの帰郷 What Happened and What’s Going On
脚本/Scott M. Gimple
監督/Greg Nicotero
【ストーリー】
神父は、みんなが集まる中で遺体を前にして葬儀の祈りの言葉
を述べる。「見えるものではなく見えざるものを見る。見える
ものは儚く、見えざるものは永遠である。地上の住み処が滅び
ても神の家がある。人の手に依らぬ永遠なる天の家だ」。
ベスをアトランタのグレイディ記念病院での人質交換の際に
命を失ったことで姉のマギーは涙していた。
リックはベスと病院で過ごしていたノアにベスと何処に行こう
としていたのか尋ねると、バージニアのリッチモント郊外だと
いう。安全な街で壁に囲まれ住人は20人程。ベスは彼と行こう
としていたとし、長旅だがたどり着けば最後の旅になるかも
知れないとして、進み続けて新しい場所に行こうと語るリック。
二台の車に分乗して、リックたちはグレン、タイリース、
ノア、ミショーンと登場し、残りはキャロルたちの運転する
後続車に乗っていた。両者は無線で連絡を取りながらリック
たちが先行して進む。
サウスカロライナ州を通り抜ける中、残りの距離は5マイルだ
という。キャロルに対してリックはもうすぐ到着することを
告げみんなの様子を尋ねる。落ち着いているという返信があり
ここまで来たら安心だという。しかしリックはそうだと良いがと
告げると、20分程近くで待っていて欲しいとし、連絡が無ければ
中に入ってきてという。
ノアはタイリースに対して一つ言わせて欲しいと告げ、取引は
正しかったという。人質交換の作戦はうまくいったのだという。
別の問題が起きただけだという。タイリースも起きるべくして
起きた事を告げる。人を殺すのは嫌だったとし、俺は一度
殺すことしか考えられなくなったことがあるという。
現実を受け入れなかったこと。オヤジはいつも言っていたとし、
「世界で生きる為に人間の義務としてニュースを聞き逃すな」
ということ。子供の頃、父の車は常にニュースが流れていて、
遠くの所の話や近所の話をしていたこと。耳を塞ぎたくなる話
も合ったが、父はチャンネルを変えずに流し続けたこと。現実を
受け入れていたんだという。オヤジ曰く、生きる代償だと。
それを聞くとノアは死んだ君の父とは気があったハズだという。
ノアは母さんと双子の弟は、これから先いくところで生きて居る
ハズだという。
あと2マイルのところまでやってくるとリックは森の中に車を
止めて水を外れ歩いて行こうという。念のためだというリック。
ちょうど廃車に紛れて停車させる良い場所が見つかる。
歩いて森の中へと進む中、針金が張り巡らされていた。
狙撃手などはいるのかと問うリックに、時々トラックの上から
見張っているという。しかしグレンは居ないようだと語る。
シャイアウィルト団地と書かれていた。
ゲートは閉まっていた為に、グレンは中を覗くためによじ登る。
しかし中はウォーカーによって襲われた跡が有り、焼き払われた
家も見つかる。ノアは必死になって中に入ると荒んだ町並みに
ショックを受ける。ノアはその光景を見て泣き崩れる。
タイリースはこれからは俺たちがいるとして慰める。
リックも残念だとして声をかける。使えるものを探して戻ろう
というと、ミショーンはそれでどうするというのかという。
もしかすると見られているかも知れないことを語ると、
手早く調達しようというリック。タイリースはノアの傍にいる
事を語る。リックはキャロルに対して街は消滅した事を語る。
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■シーズン5の後半・開始
FOXの無料の一挙放送で見ているものとしては、前半と後半の
スパンはないのだけど、FOXさんが独自に前半を「教会編」
と付けていたのに対して、後半は「放浪編」として放送して
いる。
■冒頭から葬式
この葬儀の流れは明らかにベスの死に対するものかと思われた
のだけど、なんと違う人物の死が演出されたものだった。
マギーが泣き崩れていることを見れば明らかにベスを印象づける
ものだったし・・
■最初に向かった場所
とりあえずシーズン5の前半のラストの展開をを書き連ねると、
アトランタ病院の流れから、ベスと引き替えにドーンを射殺。
ドーンがノアを置いていけと言ったことに、ベスはこの女性の
本性を見てハサミで刺したところ、不本意な形でドーンが
手にしていた銃が発砲され、それがベスの頭を貫いた。
そんなノアの処遇がどうなるかと思ったけど、病院側はノア
を解放し、彼も一緒にリックたちの味方として加わったようで、
今後は帯同していく様だ。
まるでボブが居なくなった後に入れ替わるようにしてスッと
仲間として入り込んできたね。なかなか信頼関係を築けない
ドラマなだけに、ついている人かなと思うけど、その後の展開
を見るとツキがあるのかどうかは謎。
最初に向かったのは、そんなノアが暮らしていたというバージ
ニアのリッチモンド郊外・シャイアウィルト団地。
ベスもそこに行きたがっていたみたいなことを語っていたけど
そうだったっけか。
ノアとベスが一緒に逃げた際に、そんなことを話し合っていた
のかな。
アトランタからはどのくらいの距離があるか分からないけど、
途中でサウスカロライナ州の看板を通り過ぎていた。
アトランタ = ジョージア州北西部に位置する都市ということ
で、バージニアのリッチモンドというとかなり北上したという
ことになりそう。ワシントンまで200マイルだとしていたので
基本的にはワシントンに向かう方向性でドラマが動いている
様だ。
■ノアたちが見た光景
今回は5人に絞られたエピソードだった。
先遣隊のようにしてリック、グレン、タイリース、ミショーン、
ノアたちだけでノアの故郷を訪ねる。
誰もが一度は最悪の世界・状況を目の当たりにする。
家族や生まれ育った土地がウォーカーや人間の強盗団によって
襲われて焼き払われて、元々有った世界とは違う光景に愕然
としてしまうもの。
マギーはベスを失い涙し、サシャは未だにボブの死に対して
明らかに本調子ではない。
ノアもまた故郷には誰もいないことで、ショックで崩れていた。
■迷走するそれぞれの人たち1
道中でタイリースはラジオを聞いていたけど、そのラジオが
今でも流れているものなのか、それとも回想の中でのタイリース
の中だけで聞こえているものなのかに関してはまるで分からな
かった。
今回の主役はタイリースであることには間違いなく、タイリース
の信念・信条に対する普遍的な行動に対して、これまで関わって
来た者達の間で座談会のような状況になった。
そういう状況に陥ったのも、タイリースがウォーカーの少年に
よって噛まれてしまったもので、そこから幻覚を目にして、
リジー、ミカ、マーティン、総督、ベスなどがそれぞれにタイ
リースのこれまでの行動に対する評価を述べていく。
タイリースと言えば元々の出会いは刑務所時代で、リックたちは
受け入れることはなく、刑務所を追い出されたタイリースは
総督達のコミュニティ”ウッドベリー”に入って活動していた。
総督のしていることを知り、彼らとの行動は出来ずに、刑務所
組のリックたちと合流。その中では愛する人が出来たがキャロルに
殺されたことを知り、一度は我を忘れたことも有ったけど、
そんな彼女の事を許したし、脱出する課程でリックの赤ちゃん
を助け、そして終着駅付近では、マーティンという敵を殺すべきか
どうかで悩み、結果的に生かしたことで、教会にいるリック
たちが襲われることになる。
タイリースのこれまでの人生の中で、いくつもの信念を揺るがす
事態が発生したが、その時々で別の行動を取っていればその後
の人生は変わっていたものなのかということが問われていく。
「起こるべきして起きたこと」「これで良かった」「加わらな
くて良い」「代償を払え!」など、生死を境にして色々と綱引き
が有った。
ドラマを見ているとタイリースは子供以外にも老人のような
ウォーカーにも手を噛まれていた。一度目に噛まれた際に、
君は噛まれていないみたいな発言をしていたので、どの時点で
本当に噛まれたのかよく分からなかった。
ノアがリックたちを連れてきた時の即断が凄く、いきなり
タイリースの腕をぶった切る光景が有った。当然ながらウォー
カーに噛まれて相当時間が経過していたので全身を巡るものが
有ったのかも知れない。過去にマギーらの祖父が腕を切って
助かったことがあったね。
結果的に亡くなるのであれば、腕を切られて死ぬのは痛くて
嫌そうだと思ったのは言うまでもない(+_+
■迷走するそれぞれの人たち2
リックもグレンに対して、病院で起きたときのことを語っていた。
リック自身もどうすれば良かったのか分からずにいる様で、
リックはドーンの姿を見て自分の姿を見たと感じたのかも知れない
し、苦労している様子が伺える。
グレンはワシントンの件で嘘だとわかり結局前に進まなかった
ことに対して後悔している感じにも思えた。
ミショーンは定住する地というのを求めている感じがする。
ノアの故郷でこのまま暮らそうとしていたけど、立地条件が悪い
のでいつか襲われる可能性があることを指摘されていた。
ミショーンは反証して、森の木を切って囲いを作ればいいと
していたけれど、森の外には大量の遺体が転がっていたことから
もリックの意見に同調したのかな。代わりにワシントン行きを
提案。このままの生活を続けても埒があかないと感じたのか。
■使用された曲
・Walking Dead Main Title Theme
Performed by Bear McCreary
・Struggling Mand by Emily Kinney
■出演者
リック・グリムズ (Andrew Lincoln) 保安官
ダリル・ディクソン (Norman Reedus) メルルの弟
グレン・リー (Steven Yeun) 市街地組、アジア系
マギー・グリーン (Lauren Cohan) ハーシェルの次女
カール・グリムズ (Chandler Riggs) リックの息子
ミショーン (Danai Gurira) 剣を持つ女性
キャロル・ペレティア (Melissa Suzanne McBride) 妻
エイブラハム・フォード (Michael Cudlitz) 軍曹
タイリース・ウィリアムズ (Chad L. Coleman) 刑務所へ、リーダー格
サシャ・ウィリアムズ (Sonequa Martin-Green) タイリースの妹
Dr.ユージーン・ポーター (Josh McDermitt) 博士、原因を知る?
ロジータ・エスピノーサ (Christian Serratos) フォードを好き?
タラ・チャンブラー (Alanna Masterson) 総督と行動を共にしていた
ゲイブリエル・ストークス (Seth Gilliam) 神父
ベス・グリーン (Emily Kinney) 娘
— (David Morrissey) The Governor 総督
ボブ・ストーキー (Lawrence Gilliard Jr.) サシャの恋人・故
マーティン (Chris Coy) タイリースが生かした終着駅の人
リジー・サミュエルズ (Brighton Sharbino) 姉妹
ミカ・サミュエルズ (Kyla Kenedy) 姉妹
— (Mark Behar) Walker