March 3, 2006
第4話 小さな目撃者 Calculated Risk
脚本/J. David Harden
監督/Bill Eagles
——————————————————–
母・ルシンダは息子のダニエルに急いで出かける支度をする様
語る。今日はこれから弁護士と会う約束があるのだという。
二階の部屋で荷物を詰めていたダニエル。そんな中玄関のチャ
イムが鳴りルシンダが出ると、銃弾を撃たれて亡くなる。
ダニエルは銃声だけが聞こえるが、窓から外を見ると大きな
黒い車が走り去る姿を目にする。ダニエルは恐る恐る玄関に
いくと母が殺されているのを見つける。
FBI捜査官たちはすぐに現場へとやってくる。
凶器に使われた銃・ベレッタは現場に残されていた。これは
プロの仕業ではないとして、何発も発砲していること。
被害者はルシンダ・シェイ。シンテルコーポレーションの最高
財務責任者だという。ドンはそれを聞いてすぐに思い出す。
シンテルはエネルギー会社で証券詐欺を起こして倒産した会社
だった。そしてルシンダが内部告発したことがきっかけで
倒産したのである。ルシンダは検察側証人として法廷では証言
する予定だったこと。豪邸を見るコルビーたちは仲間を売る前
に随分と稼いだようだと語る。裁判所の執行官は約束の時間に
彼女がこないので気が付いたという。
現場に落ちているベレッタと薬莢4つ、死亡は2、3時間前だと
するが、コルビーは凶器から足が付くことはないだろうと語る。
裁判所からは保護命令は出ていなかったのかとすると、
ホワイトカラーの裁判で証人が殺されることなど誰も思わない
だろうとコルビーは語る。
シンテルの会長・トーマス・ゴールウェイを含む関係者から
話を聞くよう告げるが・・・
凶器の製造番号から流れを調べるが、ネバダの展示会で売られた
もので個人客にキャッシュで売っているので足が付かない
という。6000人の社員がいて職を失った事を考えると、調べる
のは難しいと語る。コルビーは天才君に手伝ってもらえば良いと
語ると、そこにタイミング悪くチャーリーがやってくる。
それってボクのことかというチャーリーは、良い意味で受け取って
おくと語る。まだ息子のダニエルは何も喋る気配がないことを
語ると、チャーリーはシンテルの財務調査の件で仕事を手伝った
のでその時に彼の母親とも会ったという。彼女はとても捜査に
協力的だったとし、不正には関わっていなかったと告げる。
元従業員と株主リストを用意するので、容疑者を絞り込んで欲しい
と告げると。儲けた人と損した人がハッキリしているとして、
既にその辺は財務調査の件で調べた事を語る。ダニエルの父親
や親類に関してはまだ見つかっていない事を語る。
ドンはダニエルと一緒に遊んでいるミーガンから話を聞く。
トラウマによる感情的反応の欠如であり、時間が経てば少しずつ
話をしてくれるだろうとのこと。今は怯えているので無理であり、
何かを見たからこそ怯えているのだと語る。
ドンはダニエルの元にいくと、君が何を考えているのかボクには
分からないが、君の気持ちは分かるという。最近ボクも母親を亡く
したのだという。ママは困ったときにいつもアドバイスをくれた
とし、ドンはダニエルに対して良かったら相棒になってほしい
と語る。お互い助け合うことが出来るハズだとして、見たこと
を教えて欲しいという。するとダニエルはチャイムが鳴って
ママが玄関に出たが発砲音だけを聞いたと語る。
ラリーはチャーリーの元にいく。
枝の刈り込みのアルゴリズムでも解いているのかと問うラリー
に対して、2つの容疑者集団が有って正反対の動きを持っている
のだという。金を損して取り戻したい人と金を手にして守りたい
集団だという。するとラリーはシンテル社のことを調べている
のかと問うと自分もあの会社に投資していた株主だというラリー。
それを聞いたチャーリーはラリーに午前8時のアリバイは?と尋ねる。
損した金額は17万5千ドルだと聞いて驚く。地道に論文を書いて
また稼ぐしかないというラリーだがグーグル株も分散投資して
リスクを回避していたので助かった事を語る。
動機の強い人順に順位付けし、暮らしぶりなどを考慮して数値化
しているという。思考実験だというラリーは、結果を観察した
だけでは原因にはたどり着けない事を語る。
ホントの犯人を突き止めるにはシンテルの事件そのものを分析しな
いと駄目だという。
——————————————————–
エネルギー会社・シンテル社の財務担当責任者だったルシンダ
が殺害される。彼女が会社の証券詐欺事件を内部告発したことも
有って従業員6000人を抱える大企業が倒産に追い込まれたので
有る。今尚裁判の進行中であり法廷で証言しようとしていたこと
も有って、会社に不利な証言をすることを恐れたものによる殺害
なのか、それとも投資したことで巨額の損失を被った投資家に
よる仕業なのかを疑う。しかし該当者は6千人に及ぶことも有り
絞り込む作業は大変なものが有った。
Dlifeさん放送の時、録画し忘れたのでFOXで昔録画したものを
掘り起こして鑑賞したもの。
これで一応ナンバーズのシーズン2で見忘れてしまったエピソード
(1話、2話、4話)は全て補完できたのかな。
まだまだコルビーの捜査に於ける人間関係に若さみたいなものが
見られて、うっかりチャーリーが居るにもかかわらず”天才くん”
呼ばわりするところは、体育会系と文化系の温度差を感じるところ
だった。チャーリーの場合、これまでに天才くんと何度もからかわ
れているであろうことは想像に難くないので、まるっとスルー
していたけどね。
正直今回の案件も冒頭での容疑者像を絞る辺りの流れに数学の
必要性を感じなかったけど、最後になって倒産に際して、消えた
3億1200万ドルの流れを割り出す際に、チャーリーの活躍が見せられ
た感じがするところかな。シンテル社の最大のビジネスはエネルギー
の先物取引であり、あるトレーダーが一度も損失を出さずに
利益を得ているというところから始まって、得た利益のキャッシュ
フローをどのように隠しているのか、そのロジックを捜し出す流れ
の中に流体力学からヒントを経て見つけ出した。
更に言うと今回小さな目撃者となった息子のダニエルの証言は
事件捜査では殆ど役に立つものがなく、ドンとの相棒捜査という
名目で年齢差の有る関係を結んで精神的に補完関係を演出した
というところで利用されたというところかな。
検事のナディーンは、今まで負債隠しばかりを捜査していたので
気が付かなかったとしていたけど、証券取引委員はこんなことに
も気が付かないなんて相当ヤバいくらいに素人集団だなと思わせる
流れが有った。
検事のナディーンはS2-1話に続いて2度目の登場。
ドンとの関係に於いてもう少し色っぽい関係になると思っていた
んだけど、今回公園の屋台のアイスクリームデート(犯罪のことを
聞きに行っただけだが・・)をしたことで安上がりだと指摘されて
いたけど、これ以上の関係には進まないのかな。
S2-8が最後の登場になるので、大して発展しなかったのだろうね。
ラリーは今回災難な役だった。
17万ドルの投資を失敗して平然としていられるなんて金持ちなんだ
な。グーグル株に手を出しているということなので、今も持って
いたら相当大金持ちになっているだろう。
タリス財団から研究の援助が欲しいラリーだったが、財団の
選考委員は論文をこき下ろしたことのあるイヴァン・ツホゴルスキーだ
ということで無理だろうとのこと。以前にそんなエピソードが有った
っけかと思っていたけど、チャーリーが同じ研究者と講演の場で
論争するシーンを何処かで見かけた記憶があるな。
犯人は会長の息子だった。
会社を潰して利益を得るなんて「リベンジ」のグレイソン・グローバル
社みたいな感じだな。そのスキーム自体は、NHKで放送した
「チェイス~国税査察官~」みたいな感じだけどね。
■使用された曲
・Drift Away by Dobie Gray
・Techanother by GB featuring TECH
・The Ace, the Only by Atlas Plug
ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生
ミーガン・リーブス (Diane Farr) FBI捜査官
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官
ナディーン・ホッジス (Sarah Carter) 検事
ダニエル・シェイ (Josh Eriksson) ルシンダの息子
ルシンダ・シェイ (Grace Phillips) 被害者
モートン・スタンドバリー (Jeff Perry) シンテル・マーケティング部
Mrs.スタンドバリー (Jennifer Jacobson) 妻
マルコム・ゴールウェイ (Raphael Sbarge) トーマスの息子
エドワード・バレット (Richard Cox) 弁護士
トーマス・ゴールウェイ (Richard Fancy) シンテル会長
サックス (Sky Soleil) 捜査官
— (Olivia Briggs) Flight Attendant