第4話 イレイザー Identity Crisis
「イレイザーを追え!」
脚本/Jesse Stern
監督/Thomas J. Wright
【ストーリー】
ダッキーは後進を育てる為に遺体の解剖の授業を行う。
いかなる遺体にも物語は有る。自然死の男は教育のために遺体を
提供されたのだという。脳を切り出すと、ここはその人らしさを
形作るものだという。グリア大尉に対して大脳葉の4つはと尋ねる
ダッキー。前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉ですと。脳は成人平均
1400g、見た目の小ささに騙されるなとし大脳皮質には10億もの神経
細胞でそれらのシナプス数は1000兆個に達するという。脳を研修医
たちに回して見せている中、これは正常ですかと問われる。何か
ドロンとしたものが流れ落ちていた。これは殺人だというダッキー。
ジヴァはマクギーが見て居たモニターを覗き込むとこれは悪く
ないという。彼が傍に居たら食べちゃいそうだという。トニーは
ジヴァの男を捜しているのかと問うと私じゃないという。マクギーは
ついに男に目覚めたのかというトニーに動物愛護団体のサイトを
見て居るのだという。マクギーがワンちゃんを飼いたいのだという事。
散歩にエサにしつけに大変だぞというトニー。しかしマクギーは
仕事に疲れて家に夜に帰った時に誰かに癒してもらいたいのだと
いう。ソファーで一緒にテレビを見て顔をベラベラにされたいという。
彼女を作る方が楽だろうというトニー。犬が居ればそっちも楽になり
ますよというマクギー。お前に女のことで助言される程に落ちぶれて
いないという。そろそろ落馬のショックは乗り越えましょうという
マクギー。ジヴァはどんな馬のことなのかと言うと”比喩”だという
トニー。そんな馬の種類は初めて聞いたというジヴァはどんな馬か
と尋ねると、ペガサスとユニコーンを掛け合わせて作られたような
馬だという。
お気に入りの犬は?と問うとジヴァはピットブルだという。マクギー
はコッカースパニエルって感じだなという。ギブスはオーストラリアン
シェパードは働き者だぞど語る。
軍病理学研究所から電話が鳴る。
あそこの死体をダッキーが持っているとすると何か理由が有るんでしょ
と。ギブスはダッキーの元に行くと、ダッキーは憤怒していた。
彼の体は無償提供されるべきじゃないとし殺されたものだという。
液体の弾丸、水銀を打たれたのだという。それを検死官が見落とした
のだとし、パーマーに対して早くその検死官に電話しろと語る。身元
不明・黒人男性推定50歳前後、血中アルコール濃度は0.12。
検視報告書では自分の嘔吐物で窒息したのが死因とされていた。
検死解剖も必要無しとされていることにダッキーは怒る。パーマーは
頭だと注射針を刺した跡は目立たないし重金属も見つけようと思って
検査しないとなかなか出ないものだという。不手際をしたものをかばう
つもりなのかというダックー。地元警察はザッと見の所見だけでホーム
レスの放浪者に決めつけたのだという。深酒の間に死んだという。
ギブスは社会と接点を持たない人も居るとするが、彼は恐らく何年か
刑務所にいたという。体についたあちこちの傷、タバコの火の痕、
左足の手術の切開の痕は相当杜撰なもので刑務所で治療した為のものだ
という。更にタトゥーはペンのインクを使ったもので如何にも刑務所
流だった。図柄についてアビーに聞いて見ようと語る。人が一人死んで
いるのにパーマーは検死官への連絡を諦めるのかとして、そこが問題
だと語る。パーマーはギブスに実習生の前で解剖中に殺人の献体だった
ので罰が悪くて機嫌が悪いと語る。
ギブスとダッキーはジョーダン・ハンプトン検死官の元にいく。
ダッキーは自分が怒鳴っても止めないでくれとするが、ドアを開けて
勢いよくこちらの電話は故障中なのかと問うと、ハンプトンは遺体が
多すぎて暇がないのだという。なんと目の前の検死官は女性だった。
急にトーンが下がるダッキー。9日前にここに運ばれた身元不明の
遺体について調べていることを語る。どの遺体のことも覚えている
というハンプトン。埠頭で嘔吐物を喉につまらせて死んでいた人で
72時間預かっていたが問い合わせは一切無く、2日目に3人殺された
重大事件が有り4日目に彼は運び出されたのだという。場所を空ける
為だろうというギブス。殺人として捜査しているとし、脳に水銀が
打たれていたこと。後頭骨と第一頸椎の間から脳に注射器で打たれた
のだという。警察は身元を割り出せず指紋・歯形もダメだったという。
警察は仕事を増やすよりも仕事を終わらせたがるのだという。
あなたが気がついて良かったというハンプトンにダッキーは何も言え
なかった。
ギブスは帰りがけに「あんなに叱っちゃ彼女は立ち直れないぞ」と
嫌みを語る。
遺体が有ったとされる埠頭を調べるがコイン85セント文、電池2本、
ボトルキャップくらいで水銀や注射器は見つからなかった。彼の
事を知っていた人を捜すのだというギブス。トニーは秋のハイランド
ビーチは魅力薄だとし、ソフトシェルクラブは終わりかけで船はあんまり
人気がないという。お前は海軍の捜査官だろうと言われる。
ダイナーに行くとトニーはウェイトレスのシャノンから話を聞く。
捜査なのかとして写真を見て欲しいと語るトニー。シャノンは名前は
知らないが払いは現金でチップを弾んでくれたという。ギブスは
トニーにブルネットの女性をチェックだと語る。
外に出た所でマクギーとジヴァが引き留めて話を聞く。
すると彼女はコートニー・クリーガーFBI特別捜査官だった。
この男とは知り合いかと問うと、彼はマーヴィン・ヒントンでFBI
に協力していたのだという。
■今回の事件
・ダッキーが司法解剖の研修医たちに軍病理学研究所から勝手に持っ
て来た検体を使って解剖をしていたところ、自然死ではなく殺人の
遺体だったことが判明。
・液体の弾丸・水銀を頭に注射されていたこと。
・遺体の検死を担当したハンプトン医師は、埠頭で酔っぱらいの浮浪
者が嘔吐物を喉に詰まらせて窒息死したものだと所見を出していた。
・遺体が誰なのか、メリーランド州・ハイランドビーチで調べると、
ダイナーのシャノンは客として来ていたことを覚えていたが名前は
知らないという。
同じ店にいたブルネットの女性の行動に異変を感じて事情を尋ねた
ところ彼女はFBI捜査官・コートニー・クリーガーだと判明。
被害者はマーヴィン・ヒントンで協力者だという。
・ヒルトンの記録がないことに気がつく。元々彼はフレデリック・ルク
レアと名乗っていたこと。しかし逮捕後の記録が無いのはその道の
プロが接触した為であり、そういう仕事を行う”イレイザー”が関わって
いたことが判明する。ヒントンをエサにイレイザーを捕まえるのが
狙いだったことをクリーガーも認める。
・ヒントンは協力の見返りに相当額を政府から支給されていて、
良い部屋に住んでいたことが判明。しかしそこが殺された現場だと
分かる。現場には6人分の髪の毛が見つかる。
・遺体に付着しているタトゥーを調べるが、どういう意味があるのか
なかなか解読出来ずにいた。
■感想
相変わらず面白いですね。
ただ若干声優さんが以前とは変わっているのかな。少し違和感が
無いわけでもない。
しかも今回の事件はやたらと複雑でシナリオとしては分かりづらい。
イレイザーがテロリストに身分証を与えてアメリカ入国を企んでいる
のではないかとして緊迫感を与えていたけど、そんな緊迫感が
少々見せかけっぽくなってしまった。
今回はみんな忙しかったですね。
検死官のハンプトンも忙しいとしていたし、久しぶりの登場の
フォーネルも書類の処理で忙しそうだった。
イレイザーの件で新人捜査官のクリーガーから報告を受けていないの
かとした際に、「スパムフォルダー」に入っていたとか相当適当な
状況だった。
イレイザーって何の映画に出たの?という質問に「フラッシュダンス」
ととぼけるトニーの姿が有ったが、当然トニーが映画「イレイザー」
の事を知らないはずもない。
■女同士の争い、女性に甘い男
今回のドラマとして一番興味深かったのはやはり男性たちが女性
たちに振り回されるというところだろうか。
その中でも毎回トニーが女性と仲良くすることに何処か嫉妬している
であろうジヴァさんのリアクションを見るところは楽しいし、ジヴァ
のことをからかうトニーの姿もまた楽しいところ。
またダッキーが凄い剣幕で殺人を見逃した検死官を叱り飛ばしてやる
と息巻いていたのに、相手が女性だと知ると途端にその勢いが無くな
った(笑)。「あんな叱っちゃ彼女は立ち直れないぞ」というギブス
の突っ込みが笑わせた。
ハンバーガーの配達が来た際にマッシュルームとトマト抜きを注文
したのがクリーガーで、フィリーチーズステーキの肉とチーズ多め
を注文したのがジヴァだろうとばかりにそれを決めつけて投げて渡す
姿にクリーガーとの扱いに差を付けるトニーの行動。
ジヴァはそんなトニーに嫉妬するのではなくクリーガーに向けて
対抗心を燃やしてマッシュルームが歯に付いていると指摘していた
けれど、マッシュルームが歯に挟まるなんてどんなマッシュルーム
なんだと小一時間。トイレに行っている間に絶対に彼女が怪しいと
ばかりにバッグを漁るジヴァさんが「女の掟破り」をしている事を
マクギーに指摘される。しかし彼女は相当神経質で髪の毛一本
ブラシに残していなかった。
トニーがジヴァの耳を触ろうとしてバシっと手を叩かれたところ
なんかも笑えた。
ジヴァが少しずつ煮詰まってきて、トニーは彼女と寝たいのでしょ
と尋ねる姿が有り、昔のトニーのまんまだとジヴァに失望される。
新しいトニーは本物の関係を求めていたのではないかと問われるが
あれは他人に成りすましていただけだという。大人になってもちょっ
かいは出すというトニー。
ジヴァとクリーガーの関係が急速に変わったのは、クリーガーが
捜査官としてチーム一人女性であることは辛くないかとして、ジヴァ
の自信感が羨ましいことを口走った辺りからかな。
「完璧であろうとするのを辞めるべき」だとし、「時に馬から落ちる
こともある」。でもここでもジヴァは競争心に火が付いたのか、
クリーガーが馬術の選手だった事を語ると、叔父がアラブ種のブリー
ダーだったと語る姿が有る。
アビーの検査の結果、カマルのレジのレジートを質量分析で調べると
マッキ・キ・ロティ、サルソン・カ・サグというトンモロコシのパン
とからし葉のカレーが検出された事が分かる。容疑者が国籍を変えよう
とも食生活だけはなかなか変わらずインド料理を食べていることが
判明。現場近くにあるインド料理店は「パンジャブタンドリー」。
■潜入捜査
「パンジャブタンドリー」に潜入するトニーとクリーガー。
トニーのカメラが彼女の尻の方に向いていることにジヴァは呆れて
いたし、カップルらしく振る舞おうとして手を握り合う姿を見て、
ジヴァさん嫉妬で「調子どう?トニー!!」とデカイ声で語っていた。
■Kがいっぱいだ
カマル・コンカニ・・90年代の初めにIRAのテロリストに身分証を
偽造してゆって有名になった。その後10年当局を出し抜いて欧州中
を移動。そいつの行く所死者が出た。2000年以降姿を消している。
テロリスト相手に相当儲けた。
イレイザーはどんな人?・・パキスタン生まれインドとイギリスで
育ったと思われる。テロリストを助けて名を挙げた。
関わったのはスペインのバスク、イギリスのIRAによるテロ事件、
武装イスラム集団によるフランスでのテロ。8人が死亡数百人が負傷
した。その主犯はカーレド・ケルカル。事件を可能にした男はカマル
だという。
Khaled Kelkal
Kamal Konkani
ということでKが多いとしていた。「サンシャインボーイズ」を見た
事が有るかとしてトニーがその件で尋ねていた。
■事件解決の流れ
3年前のアイダホでジョージ・バーニーが同様に水銀を使い、泥酔状態
で吐瀉ブツを喉に詰まらせ窒息していた事件が発生していた。
その時の妻はシャノン。犯人かと思われたが、シャノンはジョージ
からの暴力を逃れて逃げてきたということで、過去の経歴を消された
だけだったようだ。シャノン・オハラの本名はカレン・バーニーだった。
ヒルトン=カマルではなく、彼は既にその腕を伝授して、
「2代目の恐ろしい海賊ロバーツ」が活動していることが判明。
それが配達人であるロバート・クレイヴス(25歳)であり、クレイヴス
は自分のことを知る師匠のことを殺害した様だ。
■ジヴァさんの勘違い
・雷が鳴るぞ
「雷が落ちるだ」と突っ込まれていた。
■使用された曲
・Roll Out The Black Carpet by Dominic Kelly
・Guarded By Gargoyles by Dominic Kelly
■出演者
リロイ・ジェスロ・ギブス (Mark Harmon) 主任
アンソニー・ディノッゾ (Michael Weatherly) “トニー”
アビゲイル・シュート (Pauley Perrette) “アビー”コンピュータ
ドナルド・マラード (David McCallum) “ダッキー” 検視
ティモシー・マクギー (Sean Murray) コンピュータ
ジミー・パーマー (Brian Dietzen) ダッキーの新しい助手、検視
ジェニー・シェパード (Lauren Holly) NCIS Director
ジヴァ・ダヴィード (Cote de Pablo) モサド
コートニー・クリーガー (Dorian Brown) FBI捜査官、新人
Dr.ジョーダン・ハンプトン (Torri Higginson) 検死官
シャノン・オハラ (Nikita Ager) ウェイトレス
ロバート・グレイブス (Joe Egender) 25歳、イレイザー2代目
トバイアス(T.C.)・フォーネル (Joe Spano) FBI捜査官
カール・グリア (Emerson Brooks) Navy Lt.
— (Thomas Betro) Coffee Man
ペドロ () ギブスの知り合い
アシュイン・ラムジー () パンジャブタンドリーウェイター