第9話 小さなヒーロー Me First
脚本/Constance M. Burge
監督/Allison Liddi-Brown
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エバンに対してペイジの父・ウィリアムはペイジにこれまでと
変わらぬ何不自由ない暮らしをさせられるのかと問われ、ペイジ
の母・エレンからはペイジには絵の才能があることを解かれる。
そんな中、エバンはペイジの絵の才能に関して手を貸したつもり
が彼女が画商に認められたことがきっかけで、エバンとの連絡
が付かなくなる。エバンはハンクがかたっていたように彼女の
ことを何一つ分かっていなかったのかも知れないとして落ち込む。
ペイジは父親の選挙活動を手伝いスピーチの為の会場作りを
取り仕切っていた。
“コリンズ氏を上院へ。”
ペイジは帰宅すると母・エレンに、外では支援者たちが熱狂
しているとして報告する。ママにも服を用意したとしてペイジ
はその服を見せようとするが、エレンが居なくなったことに
気が付く。
ハンクは目覚めると、エバンが大量にお菓子作りをしている事
を知る。事業を拡大するとは聞いていたがベイカリーをするの
かというハンク。明日ペイジが町に戻ってくるのでサプライズ
を用意するのだという。画商とは関係がなく、父親の件で
選挙活動を手伝い町を出ていたのだという。イベントが山積みで
父・ウィリアムも娘の行動を把握出来ていなかったようだと語る。
ペイジは寝間着のママ外に出て行ってしまったエレンを追いか
ける。近くの桟橋から下に落ちてしまったエレン。それを見つけた
ペイジは急いでハンクに電話する。
ハンクは電話を受けたことを知ってエバンは自分も一緒にいく
べきかと問うが、転落事故が起きたが一人で大丈夫だという。
ペイジとエレンに合流したハンク。
ペイジは知られたくないので救命には連絡していないのだという。
ハンクは触診をしていく中で大きな骨折や脱臼はないが左足に
僅かな骨折が見られるとし、X線と頭部CTで検査しようと語る。
念には念を入れるべきだという。
ペイジに毛布を取ってきてくれないかと頼むと、ハンクはエレン
の処置を一人でしながら問診をする。朝はたまに一人で散歩している
こと。ハンクは彼女が寝間着姿でいることで何か心配を抱えている
事を悟り、それを聞きだそうとするが、夫は選挙に賭けているの
だとし勝つことに喜びを覚える人なのだという。ハンクはエレンの
喜びは何なのかと問う中、エレンはハンクの意図に気が付いて私は
頭はおかしくはないと語る。しかし心配である事を語る。
ハンクとディヴィヤは患者の自宅へと向かう。
サイモン・フィールド(6歳)で喘息持ちの少年。
両親は映画俳優で現在北京に行っているとし、映画「フィアレス」
の人だという。恐怖に支配された世界で立ち上がった二人の物語
だとするが、ディヴィヤは何のことだか分からなかった。ハンク
は彼女に映画くらい見るべきだとしてもっと遊ばないと駄目だと
語る。
ハンクたちの前らはサイモンの子守だというトビー・トンプソンが
現れる。ハンクたちは頼まれていた新しい吸入器と処方薬を
届ける。しかし持って来た吸入器がいつも使っているものと違うと
してマスクタイプのものは使ったことがないと語る。しかしこれ
ならばマウスピースを持つことが無いので便利である事を語る。
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ハンクはペイジの件で弟のエバンが苦悩していること目にして
複雑な心境になる。かつてペイジが医療の件で何かハンクに相談
話したがっていたことが有るのを知っていたからだった。
そんな中、ペイジから彼女の母・エレンが桟橋から転落したという
事を受けてエバンには内緒で診療にいく。
またハンクは予約を受けている俳優の両親を持つ息子のサイモン
の元に喘息用の吸引機を届けに行くが・・・
ボリスの件で真相が明らかにされて一件落着とまではいかない
ものの、遺伝病以外の可能性があることを知ってホッとしたのも
つかの間、今度はペイジの件でエバンと仲違いしてしまうという流れ
が有った。
兄弟・家族を優先するのか医者としての守秘義務を優先すべきか、
医者としては当然後者が優先されるべきものなのだろうけど、
その辺の判断は実に難しい気がする。
ペイジがエバンに話すことが出来なかったこと同様にハンクが話せな
かった事情を考慮して許してあげるべきだと思うのだけど、人の心
がそう割りきれるものではないというところが有るよね。
「ヒントは与えていただろう」
「俺の人生がかかっている・・ゲームじゃないんだ」
エバンの怒りがゴルフボールのショットだけならまだしも、浮気され
てキレた女性が男性に仕返しするという光景で見られる車のフロント
グラスをたたき割るというとんでもないところにまで発展したところ
が凄かった。そういえばかつてコリンズがペイジに近づくエバンに
対してプレッシャーをかけた時にゴルフボールを打っていなかったっけ?
「ハンソロを壊して犬のせいにした時以来の秘密だ」というハンクが
ディヴィヤに相談するも彼女も秘密を抱えているし、世の中秘密が
多いね。
また今回は6歳の少年・サイモンの件で往診するハンク。
ペイジがエバンの前から度々居なくなり連絡が付かなくなっていた
ことと同様に最近ディヴィヤがハンクに同行しないことが多く
一人で回っている姿も多いね。
恐がりの息子サイモン。
ヒーロー症候群にでもなりそうな程、子供に対して行きすぎた
ヒーロー像を植え付け過ぎているのではないかというやりとりが
有ったようには感じたけど、北京の空気が汚れているということを
知って子供を連れて行かなかったというのは大正解だったね。
サイモンの子守をしているのはニューヨーク大を卒業したという
トビー。トビー役のMadeline Zimaって、「マンハッタンに恋をして
~キャリーの日記~」でキャリーの親友・マギー役をしたkatie findlay
に雰囲気が似ているのでよく間違えてしまうのだけど、
なんでそんなに有名大を出た後に子守の仕事をしているのか
ということが、一つの謎として描かれた。
しかし結果としてこの子供との出会いによって、自分が持っていた
疾患が明らかになり、そして彼女もまた幼少期から今のサイモンと
同じく怖がりな人物だった事を知る。
また今回はディヴィヤとバンダイクのコンビをデートと称して
無理矢理くっつけた感じだったけど、互いに異性と付き合いに対する
社会的感覚が欠落している部分が有り、11歳の頃からずっと一人の
男性としか付き合ったことのないディヴィヤと、忙しくて女性と
付き合うヒマもなかったバンダイクがリハビリと称して互いに
弱点を補完し合うところなど面白く出来ている。デートするのに
バイクで来たという辺り、流石にバンダイクの感覚のずれみたいな
ものを感じたのは事実で、高校の時の感覚から卒業できていない
とする彼が、倒れた振りしてマウストーマウスでのキスを狙うところ
など、トビーの流れと上手く比較するシナリオの流れが有って
面白いものが有った。
■患者
・エレン
ペイジの母。なんと彼女は大鬱性障害であり、コリンズ家では
父親が政治家になる為にその事実を隠している感じだね。
ペイジによると彼女が生まれる前からそのような傾向にあるとの
ことなので、その状態でよくペイジを産めた感じもするし、
その頃から父親のウィリアムが政治家で危険な状態の妻を一人に
させていたというところがあるのだろうか?
入院治療が必要なのに、それをさせようとはしない父親の姿。
最後にはエバンがコリンズを取るのかローソンを取るのかとして
選択を迫られエバンはコリンズを取ることになったけど、
ペイジがエバンに語ったように、近いウチに何か悪いことが起きそう
だということも想像に難くないので、その辺は心配だ。
悪い事が起きても傍にいてというペイジの台詞は、悪い事を
起こす為のフラッグのような呪文にしか聞こえない(笑)
・サイモン&トビー
喘息持ちで恐怖症のサイモン。
しかし実際に医療・患者のメインとしてはトビーの方だった。
最初はオモチャの消防車を踏んで転んだという彼女は頭に凄い
裂傷を負っていた。
その後プールにトビーに突き落とされた時には、気絶してしまう
というものがあり、そのお陰でトビーの勇気を奮い立たせるところ
に繋がったものの、更に自宅では痙攣を起こして倒れる姿が有った。
サイモンの喘息を治す薬が逆にトビーにとっては害に繋がって
しまうというところが皮肉だね。トルサードと呼ばれる除細動器では
心室細動を正常に戻せないことがあり、トビーはそれに該当する
ということで、手で鼓動を確保してマグネシウムを投与。
QT延長症候群という驚きを発端にして神経系が異常反応して
しまう病気であると共に、吸入器用のアルブテロールを吸収していた
ことで、病気が発病してしまうという複雑なものが有ったな。
驚きが発端となるのであればこれからも大変な人生なのではないか
と思うけど、その症状もアルブテロールを吸収しない限りは大丈夫
なのかな。
ハンク・ローソン (Mark Feuerstein) 長男、医者
エヴァン・ローソン (Paulo Costanzo) 次男、会計士
ジル・ケイシー (Jill Flint) ハンプトンズ記念病院の美人病院長
ディヴィヤ・カダイ (Reshma Shetty) 医療助手(PA)
ボリス (Campbell Scott) ドイツ系の大富豪
ペイジ・コリンズ (Brooke D’Orsay) エバンの彼女
Dr.マリサ・カサラス (Paola Turbay) キューバの研究員
ディーター (Dieter Riesle) ボリスの執事・メガネ
Dr.ポール・バンダイク (Kyle Howard) 記念病院医師
ウィリアム・コリンズ (Bob Gunton) 父親、政治家
エレン・コリンズ (Lisa Banes) 母親、鬱病
トビー・トンプソン (Madeline Zima) ベビーシッター
サイモン・フィールド (Tanner Flood) 俳優の息子、恐がりや
ボブ (Lou Carbonneau) Fisherman
— (Kelsey Cooke) Bartender
Ms.フィアレス (Chella Ferrow) 映画俳優
Mr.フィアレス (Rob Hancock) 映画俳優
— (Nancy Meyer) Guest
— (Sibylla Deen) Bartender
— (Nick Santino) Club owner
— (Steven Vigil)