第16話 ロング・グッドバイ This One’s For Jack
脚本/Andrew Lenchewski
監督/Emile Levisetti
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透析を無視して海釣りに行ったジャックとジルは案の上体調
が悪化し、急いで病院へと戻る。ジャックが入院することにな
りハンクは医者としてはではなく友達として今晩は一緒に居る
事を語る。しかしジャックは急変し敗血症で亡くなってしま
ったのだった。
ハンク・メドの会議前に、ハンクを除いたメンバーが集まり、
エバンとディヴィヤはハンクに配慮したスケジュール管理を
しようとしていた。ペイジもまた身内に不幸が有ったので
ロンドン行きの出発を少し遅らせたい事を語る。ルークはキャン
プ前の検診を受けたいとし、グラント家ではハワイにいく前に
検査を求めていた。スケジュール管理は数独よりも難しいとして
頭を抱える。エバンはペイジに対して葬儀には出なくて良いの
でロンドンにいくべきことを語る。
そんな中ハンクが部屋にやってくると、一体何をしているのか
と問う。予定の変更をしている事を告げ、兄貴の気持ちは分か
っていので、葬儀が済むまでは予定をなるべき入れないよう
にしようと語る。しかしハンクはジャックからの遺言で葬儀
は行わないとし、嘆くことも禁止だと言われている事を語る。
ハンクは早速顧客から電話が鳴ると、一人でセスミ家に向かう。
セスミ家では三人の孫の対応にこまねいていた。
ボビーとデボンとライアンの三兄弟。そのウチのボビーがランチ
の時にチョコドリンクのボトル口に舌を入れたまま取れなくな
ったのだという。デボンによるとタッカーからハンクの存在を
聞いて電話番号を教えてもらい連絡を取ったとのこと。
吸引圧を抜けば舌は外れることを語る。ハンクはボビーの舌に
麻酔を打つと、ボトルの中にチューブを突っ込んで見事舌を
取り出すのだった。デボンに対して兄は弟の面倒をみる任務が
あるのだとし、これ以上は週末に呼び出さないように弟の面倒
を見るよう語る。
ハンクはBaker & the Beanの店でコーヒーを買う中、偶然通り
かかったニナと逢う。ニナはハンクにジャックの件で話がある
とし、あんなに生きることに気力の溢れていた人が亡くなった
ことに関してショックを受けて居る事を語る。しかしハンクは
やるべきことはしたとして特に話合う事はないという。そんな
中ハンクは町中の通りでジャックに似た人物を目にする。
追いかけて声を掛けるが別人だった。
ボリスはクローディアと話合う。
一族の和解は全員にとって悲願だというクローディアに対して
タリウムを混入される前に聞きたかったことだとして、その後
マリサの一件も有った事を考えれば考慮すべきことはないという。
しかしフォン=ユルゲンス家はこの件に関わっていないことを
語る。しかし野心家揃いの君の一族のことだから何かあるはず
だとして狙いは何かと問う。するとベンチャーキャピタルの件
で話が有るとして、彼らが扱っている医療用具のパンフレット
を見せる。ボリスは確かに検討する事を語るが、見込み客に紹介
して様子を見ると語る。
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いよいよシーズン3ファイナル。
これを見ている現在WOWOWでシーズン5が放送しているので、
追いつこうと思っていたけど、これを見たらまた暫く別に
たまっているドラマを見ようかと思っています。
患者以外のエピソードでは、なんといっても
・ペイジがイギリス行きの決意
・ジャックの死によるハンクの影響
・ボリスに近寄って来るクローデットの真意
・ハンクとエバンの兄弟としての方向制の違い
・ハンクを巡りジルとニナの人間関係。
と、まぁ色々と気になる要素が満載だった。
ハンクとエバンの性格の違いが面白い形で現れているなと思う。
元々これまでの人生に於ける兄と弟という立場的性格の違いの問題が
関わってくるので容易に変えることは出来ないものがあるのだろうし、
ハンク・メドの経営方針に関しても、二人の性格の違いが面白い形
で葛藤を引き起こす。
エバンがハンクに認められたい気持ちと同時に対等に立場で会話
したいのだろうけど、ハンクにとってはいつまで経っても弟は弟
だろうし、その信念が揺らぐことがない意固地さ加減と融通の利かない
性格というものを感じるところに繋がって居る。
コンシェルジュ医療とはそもそもどういうものなのかということを
考えさせられるエピソードであり、金持ち相手の金の儲かる医療と
ビジネスとしての医療と一対一の非効率な往診医療という異なる
問題点を対立させている。IT技術の革新によって往診医療がそう
いう非効率性を補うものとして存在していることもまたれっきとした
事実として提示されている中で、ハンクとしては頑なに新しい形の
医療を取り込もうとしていない。
ちょっとクローディアのベンチャーキャピタルネタを盛り込んでくる
辺りは強引な設定だなと思ったけど、それを機会にして、これまで
避け続けていた事業拡大ネタを絡めてくるところなど次のシーズンに
向けて面白い課題として浮かび上がった形なのだろうね。
また以前にも言及したけど、コンシェルジュ医療の欠点である
一対一の医療の形で患者との関係を近づける程に、患者の容体の変化
が、医者を及ぼす負担的状態を考えると、一人で医療を行うことへの
リスクなどにも触れることに繋がって居るので、少なくともフォロー
する人は必要な感じがするね。
ディヴィヤとエバンの関係は相変わらず面白かった。
エバンに恩義を感じるディヴィヤとしては、彼に対する視線が変わっ
てしまい優しい言葉をかけるようにもなってきた。
「全盛期のディヴィヤに戻ってくれ!。それじゃトワイライトゾーンだ」
という。
ペイジが人生で初めて仕事をすること。
そのことを恐れている彼女に声をかけるエバンの姿は、流石はコンサル
タントという感じ。
「イギリスでの仕事は人生を変える経験になる。」
「一つ覚えて置いて欲しいことは、自分の直感を信じるという事だ。」
過去にペイジが「アメリカンアイドル」に出演していたという設定
も面白かったが、ジャックがニナに対して言及していた、
それに被せる形でシットコム「U.F.O.My Gosh!」の子役は実は本当に
ニナだったという辺りが笑える。
ジャックがコイン投げで人生を決めようとしていた回想シーンが
再び挿入され、「人生を左右することをコイン投げで決めるのは
マズイ」とするハンクだけど、上述したように直感を信じろという
エバンとの真逆の関係が今後のシーズンでどう対立点をうんでいく
のか。
■患者
・グレース・ヘイ・アダムス
ファッションコンサルタントをしている彼女。
ディヴィヤが対応に当たる事になり、グレースが忙しくも華やか
な生活をしているかと思いきや、夢破れたものが苦労して再度
のし上がっている現実を目にする流れとなった。前話のクインシー
も女性として夢を追いながら生活にも不安を抱えている役だった
ので、ディヴィヤが関わる患者が彼女に与える影響が大きいなとい
うことを感じさせる。
最初に診たグレースは交通事故によって車椅子になっている患者
だった。
先週バンダイクが診察しているけど、検査結果が届いていないと
いう。またしてもバンダイクのミスなのかと思わせたが、バンダイク
はその検査結果をハンクにメールしている事を告げる。
結果としてハンクが今回はジャックの死を引きずり業務に支障を
来してしまうという、かつてディヴィヤが犯したミスのような形の
ことを行っている状況だった。流石にディヴィヤほどには悪い状況
にはならなかったけどね。
彼女によると朝、胸が締め付けられるように痛むというもの。
冠動脈疾患は安定。ニトログリセリン舌下脹なのか。
昼間に眠たくなるかどうか。深夜は眠れているのかどうか。
鼻中隔湾曲症を疑い、睡眠時無呼吸症候群の可能性を指摘する。
その場合は夜間に狭心症、不整脈、心筋梗塞のリスクが高まり、
睡眠センターで検査しようというが、その時間はないということで
この部屋の中で検査することになる。
しかしこれまでの医療用具を装着して寝ると、余計眠れなくなり、
正しい数値が図れない事を知る。
今回のケンカの発端となった”スマートシャツ”はそんな欠点を
補う医療用品だったけど、ハンクは新しい製品をコンシェルジュ
医療に導入することに反対の立場。
結果としてディヴィヤが最初に診断したように、鼻中隔湾曲症。
モデルとして働いていた時には整形していなかったのに、
コンダクターになってから医療で鼻をいじることになるという皮肉
さ加減がなんとも言えないことになった。
しかし彼女から色々と力をもらうことになった。
「最高の自分でいるには辛さに勝つしかない。」
「車椅子のスロープとは無縁のものたちとの戦いだった。それで独立
を決意した」
そんな言葉を聞いたディヴィヤも
「強さや自立心は目を向けている場所から芽生えるものだ」として
彼女のことをたたえていた。
・デボン、ライアン、ボビー
馬鹿な三兄弟というと「おそ松くん」みたいに思えてしまう。
アメリカ的には「三ばか大将」なのか。
彼らを預かるお婆ちゃんセスミは、馬鹿な事をする孫を止めること
が出来ずハンクに助けを求める。
それを頼むのは筋違いというか、コンシェルジュ医療のアフターケア
とも違うような気がするんだけどね。
彼らと関わっている内に、「兄は弟を守る義務が有る」
「言う事を聞けジャック!!」という言葉がハンクの口から出ている
ことで、如何にジャックの死とハンク自身のこれまでの人生の中で
背負ってきた責任感の重圧というのを感じさせるものが有ったね。
グレースが交通事故で脊椎を痛めて歩けなくなっている事情を考え
ると、この三人が背骨をうって病院に運ばれる辺りの幼稚さ加減
が対象的に描かれているけど、特に問題はなかった感じ。
・Chris HodgesのCome Get Some
ハンク・ローソン (Mark Feuerstein) 長男、医者
エヴァン・ローソン (Paulo Costanzo) 次男、会計士
ジル・ケイシー (Jill Flint) ハンプトンズ記念病院の美人病院長
ディヴィヤ・カダイ (Reshma Shetty) 医療助手(PA)
ボリス (Campbell Scott) ドイツ系の大富豪
ペイジ・コリンズ (Brooke D’Orsay) エバンの彼女
Dr.マリサ・カサラス (Paola Turbay) キューバの研究員
ディーター (Dieter Riesle) ボリスの執事・メガネ
Dr.ポール・バンダイク (Kyle Howard) 記念病院医師
Ms.ニューバーグ (Christine Ebersole) 豊胸、ローソン家と仲良し
Dr.ニナ・グリーン (JoAnna Garcia Swisher) 腎臓専門医
ジャック・オマリー (Tom Cavanagh) プロゴルファー
クローデット・フォン=ユルゲンス (Judith Godreche) ボリスの従姉妹
ルーク (Timothee Chalamet) ジルの甥
ラージ・バンディオパダイ (Rupak Ginn) 元ディヴィヤの婚約者
グレース・ヘイ・アダムス (Molly Sims) ファッションコーディネーター
Mrs.セスミ (Tsai Chin) デボンらの祖母
デボン (Eston Fung) セスミの孫
ライアン (Michael Bow) セスミの孫
ボビー (Isaac Jin Solstein) セスミの孫
(D. Christopher Luttrell) Notjack
フライドリッチ (James Linkek)
— (Eha Urbsalu) Grace Adam’s assistant