第23話 井戸の中のコーチ The Drama in the Queen
脚本/Megan I. McNamara
監督/Jeannot Szwarc
【ストーリー】
6歳の娘・モリーに対して母親のテリーは井戸の中に入れる”振り”を
する。火事を装ってお婆ちゃんを施設に入れることが出来たように
テレビに取り上げられれば同情心から視聴者から金やプレゼントが
贈られてくるという身勝手な母親の姿。井戸の中に入っていて、警察を
呼んで助けを呼ぶだけでテレビに出られるのだと子供に説得する。
しかしモリーは嫌がった為に、テリーが手本を示すとして簡易ハシゴ
を使って井戸の中に入る。井戸の中にコインが落ちてるわと語る中で、
なんとそこには白骨体が転がっていた。悲鳴を上げるテリーは急いで
上に登ろうとするが、モリーは仕返しとばかりにハシゴを井戸の中に
落として逃走してしまう。
ブースは昇進前の小委員会で証言前の勉強が沢山ある為に朝早くから
勉強していた。ブレナンは何で起こしてくれないのかと文句を言うが
ブースは君の優秀な美しい脳を起こしたくなかったという。脳脊髄液
がにじみ出ている脳を魅力的とは思わないでしょとマジメに返信する
ブレナン。小委員会までまだ2週間もあるでしょというが、今日から
殺人捜査の指示をスイーツに任せることを語る。あいつはよくやって
いるとし、先日のチェスプレイヤー殺しの犯人も捕まえたことを語る。
しかしブレナンはそれでも私の相棒はブースだと語る。ブースは居なく
なる訳ではないのでいつでも電話してくれと語る。そんなブレナンの
元にエリオットシティーの外れにある井戸から遺体が出たことを
語る。スイーツが使えなければ連絡するとのことだった。
現場には既に捜査官たちが遺体回収を試みていた。
カムは井戸の中のホッジンズやブレナンに対して、水に浮いている組織
は全部証拠品袋に入れてくれという。ラボに戻ったら微粒子を調べて
という。ホッジンズはそんなカムの言葉に「初めてのロデオじゃない」
と語ると、ブレナンは「被害者はロデオで虐待されている動物になぞら
えたジョークね」として上手いわと感心するが、ホッジンズはそんな
つもりはなかったがスルーする。今から組織とさなぎの殻を上に運ぶよ
と声を掛けるホッジンズ。ブレナンはネズミが”彼”をかじった時に外れた
骨片も一緒に運ぶというと、カムは男性の遺体なのかと問う。
大腿骨頭のサイズから見て男性だというブレナン。ホッジンズはクロバエ
とニクバエの2齢幼虫がいるので死亡は5日前だという。恥骨結合の
骨側縁に骨棘が見られないので40歳前半だというブレナン。
スイーツがやってくる。捜査を任されたことで気合いが入っていた。
規定通りにやるということで、立ち入り禁止の規制線のテープを50m
広げるよう告げ、クツカバーをしないで入れば報告書に書くぞと語る。
新しい保安官が来たぞーと皮肉られる。ブレナンはスイーツに対して
現場の責任者はカムだとし彼女をサポートするよう告げる。FBIの鑑識は
証拠の扱いがガサツだという。
骨の表面が井戸の底に接触していた部分にはコインが付着している
というブレナン。ホッジンズは井戸の底は石灰岩なので電気化学反応
が起きてコインが骨についたのだという。大腿骨にも組織が付着して
いるという。
スイーツはこの界隈は昼間は家族連れのピクニック、夜は未成年者
が飲酒している地域だという。そんなことよりもどうして殺人だと
分かったのかとカムがスイーツに質問する。それってテストですかと
してスイーツは能力を問われていることに気がつく。被害者は酔って落
ちた可能性だってあるでしょというと、スイーツはあの道から井戸まで
引きずった痕があること。井戸の格子には踏んで外した痕があるのは
遺体を遺棄したからだという。ホッジンズはそれを聞いて、
「スイーツがブレナンした?」と語ると、ブレナンは「それって褒め言葉
なのか」と問う。「スイーツの説明が完璧だった」からなのかと。
ラボ。
遺体には無数の骨折、金属を取り除かないと死亡前後の骨折を見分け
られないというブレナン。カムは被害者の髪と組織で毒物検査が出来る
という。
新しい実習生のジェシカ・ウォレンは上腕骨の大小結節が肥大、犯人は
コインや他の金属で証拠がそこなわれると知って井戸に落としたのでは
ないかと言うと、いや・・もしかして保釈されると知っていたのかもと。
アンジェラはそんなジェシカにブレナンは「憶測」はしないのだと語る。
観察して分析し事実としようとする。実習生ならば知っていることよ
というブレナン。私には優れた直感があるというジェシカ。
スイーツはこの事件に新米を使うのはどうかと語ると、「規則通り」やら
ないといけないと語る。しかしカムは決めるのは私達だと語る。
それを聞いたジェシカは「あなたみたいに堅苦しい人は心の中では情熱
的だったりするのよね」と語る。アンジェラは「分析医を分析したら
ダメだ」と語る。
カムは引き渡しの書類を「規則通り」スイーツに渡す。
スイーツは新しい仕事をよくしていることを語るブレナン。
両側の大腿骨頭に肥大があるというと、ジェシカはアスリートだと思う
と語る。骨修復はなく、両側の烏口突起(うこうとっき)に凹凸が
認められるという。発達しすぎた筋肉のせいで肩を痛めたのだろうという
カム。ブレナンも水泳選手に見られるものだと語る。ジェシカはやっぱり
アスリートでしょとし勘のお陰ですという。
スイーツは書類を渡されたことと、新しい実習生に問題があることを
ブースに報告する。ブースはどうでも良い事だとして書類も見ず実習生
にも興味がなかった。現場の写真を見て分析してくれというと、格子に
踏み外され現場は整然としていたした。犯人は意図的・周到だという。
衝動的ではないのかと問うと、殺人をやったことを受け入れ後悔は
していないという。
そんな中アンジェラはブースに失踪者リストで身元が判明したと報告して
くる。被害者はブライアン・トマス(43歳)、メリーランド州のコミュニ
ティカレッジで水泳のコーチをして妻のライラが捜索願を出していると
のことだった。奥さんと話してくれという。
スイーツはライラに話を聞く。
危害を加えそうな人は?夫は水泳コーチに人生を捧げていたという。
行方不明の日何時に家を出たのかと問うがライラは答えられなかった。
私は看護師をしていて夜勤が殆どだという。ブライアンは遅くまでプール
にいることが多く最近一緒に居る時間が少なかったという。でも夏にな
ったら旅行に行くと約束していたのでやり直せた事を語る。
■今回の事件と流れ
・井戸の中で発見された遺体はコミュニティカレッジの水泳コーチ
のブライアンだと知る。
・ブースは小委員会での証言前に勉強するために、捜査の全件を
スイーツに任せる。
・彼がコーチしていた水泳部の選手たちから話を聞くと、彼は不倫し
ていたとのこと。妻が夜勤看護師だったことも有り、すれ違いの生活
から夫婦関係ギクシャクしている事情も有り、不倫の線で調べる。
カードの使用記録からして、使用された店を調べるが目撃者はなかった。
不倫ならば近くにモーテルに行っているのではないか。
しかしブレナンは被害者がハイヒールを履いていたことを意味する
外反母趾、リスフラン関節部に亀裂が生じていたことから、女装の
アダムズアップルバーに出演していたのではないかとして聞き込みを
始める。
■感想
特にこれといった面白さは感じなかったな。
いよいよBONESも面白みを感じなくなった時点で終わりかなぁ。
残り2話だというのにこんなに盛り上がらなくて良いのかって気が
するのだけど、ブースが今回全件をスイーツに任せたのは、シーズン10
でのブース昇進の件に何ら前振りしているところが有るのかな。
スイーツが規則を守ることに固執していたこと。
その辺はブレナンの証拠至上主義に似ているけれど、ベッドの上では
例外だということで、新実習生であるジェシカにその傾向を見破られて、
新たな関係に発展していくようなエピソード。
もうこのドラマも始まってから9年も経過していて、ラボの人の殆どが
職場結婚してしまっている現状にあるので、恋愛ネタは実習生を
使うしかないのか。
正直ジェシカとホッジンズが一緒に居るケースが多かったので、
アンジェラからの誤解を受けるシーンに繋げていくのかと思ったけど、
まさかスイーツにジェシカを繋げていくとは思わなかった。
同僚と関係を持つことは御法度・・・というルールはこのラボでは
まるで規則でも何でも無くなっているし(笑)。カムがラボでの恋愛話
は禁止だとして、話しているのを見かけたら検視室の掃除的罰則を
語っていた。
ジェシカ役を演じるLaura Spencer
今回始めて登場した実習生。もの凄い肉食女子ぶりを発揮して、
やたらとステーキはレアを唱えていた。
そんな赤毛の女性は19歳で大学を首席で卒業した天才。
彼女はメンサ(全人口の内上位2%のIQ)の会員を持つ人物。
スイーツは彼女が気に入らずにブースに文句を言ったり、ブレナンに
文句を言っていたけど、”しつけ”は必要だが天才で役に立つことを
言われていた。
ただし「あなたは素晴らしい可能性があるがその才能を有効に使わず
宝の持ち腐れ」になるとし、「優秀な人は大勢いる」ことを指摘されて
いた。
「私は常に自分の優秀さを恐れ入っている」
というブレナンの相変わらずの自画自賛も、ジェシカのような人物が
出てくると寧ろ心地よい。
彼女の出演作は・・
CBSのシットコム、「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」
の終盤のシーズンから登場するエミリー・スウィーニー役。
代表作は「The Lizzie Bennet Diaries」のジェーン・ベネット。
■事件に関して
殺害する動機など幾つか浮上していた。
・コミュニティカレッジの問題視
何よりもイジメの問題でエイブリーという人物が浮上。
イジメをしていることを密告したのが被害者のブライアンだということ
で仕返ししたのではないかという説。
・ブライアンの人格
夫婦関係が上手く行っていないということで、不倫していたという噂
が出てくる。次々と浮気している人物が変わっていたけど、その理由
は車の中に女性用の装飾品や香水が匂ってきたこと。
・ブライアンの副業
彼は女装してバーのアダムズアップルという場所でステージに立って
いた。水泳部のコーチに身を捧げていたというが、こういうところで
息抜きしていたという事実も存在する。
ブレナンによると
「人類学的に女装をするからと言っても必ずしも同性愛者とは限らない。
歌舞伎役者やクリシュナを信奉する一部ヒンドゥー教徒は女装する。
個性の表現だ」と語っていた。
ただこのバーでは看板スターのキミーとケンカしていたとし、キミー
からの情報では駐車場で誰かとケンカしていた(ジョー・リズ)の
ことが引き合いに出されていた。
■実験、実験
100万ドル以上のコンピュータの導入により、ホッジンズの実験ネタが
削られてしまうのかな。ホッジンズのことネタは実習生と親近感を
覚えるには良い感じの共同作業にも思えるけどね。
凶器を特定する為にゼラチンの造形物を叩いていたけど、なんだか
「CSI」のオープニングでマネキンの頭を殴る実証実験を思い出す。
■証拠品
気になる左足の遠位部の肥大化と胸椎の前上縁の骨棘
この流れで被害者が女装していたことを告げていたけど、
胸椎の骨棘はニセ乳房の重みで出来たものだと語るけど、ニセ乳房が
重みだけで胸椎に傷なんてつけるものなのか?
傷跡から銅と亜鉛と合金、そしてポリエチレン
それに該当するのは配管用パイプだということで、リゾが疑われた。
ヘイトクライムだったのではないかとする疑いを掛けられていたが、
寧ろ店の常連でジェニーを好きだった事を語る。
■よく分からない弾道検査
色々と数値を出して計算して理論的なことを語っていた。
弾は秒速274mとかスイ州では水深2.4mで止まるとか、被害者は1.7m離れた
ところから発砲したとか・・・使用された銃は45口径のホローポイント弾。
ただ弾にだって重力はあるんだし、3mの排水溝からそれが見つかった
からと言っても水中から撃ったということになるのかな。
まぁアブミ骨の微細なヒビから突き止めていたけどね。
■使用された曲
・Just Dance (feat. Colby O’Donis) by Lady GaGa
・Last Dance by Donna Summer
・She Wants to Fly (feat. Levi Whalen) by Arsi Nami
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
ジェシカ・ウォレン (Laura Spencer) 実習生、19歳で大学を首席で卒業
クエンティン・マークス (Christian Gehring) 水泳部
ロイド・イーガン (Shawn Ryan) “デスティニー・チャイルド”女装
ライラ・トマス (Ella Thomas) 被害者ブライアンの妻
ギャビー・モレル (Emily Montague) 水泳部コーチ、被害者と同僚
キミー・ムーア (D.J. Pierce) “アダムズアップル”のディーバ
ジョー・リゾ (Joshua Bitton) “アダムズアップル”の常連、ケンカしてた
ジリアン・ライス (Alix Elizabeth Gitter) 水泳部学生
エイブリー・パリッシュ (Andrew Veenstra) 水泳部学生、イジメの首謀者
テリー・ブレイク (Stefanie Black) 母親
モリー・ブレイク (Madeleine McGraw) 6歳の子
タイラー (Paul Black) “アダムズアップル”、オーナー
ジェニー・ブレイン (Craig Johnson) ブライアンの女装時の名前
— (Maria Jordan) FBI Agent
— (Andra Petru) Hot Woman Power Couple
— (Jason Yorker) Lab Guard
— (Puppett) Madam’s Apple Patron