第21話 不死を夢見る人々 The Cold in the Case
脚本/Emily Silver
監督/Milan Cheylov
【ストーリー】
不動産業者のスーザンから案内されたカーラとピーターは夢に見た
マイホームを手に入れようとして、子育てには理想的な土地を探る。
ここは良い学区で一年以内に家が完成すると言われる。スモッグも
なく犯罪もなく職場からも近いこと。家族にとってオアシスになる
ハズだという。犬が居たので是非飼おうというが・・その犬は人の骨
を咥えてくる。
カムとバジリは一晩を共にし、朝からベッドでイチャついていた。
バジリは両親が会いに来る事を語ると、ずっと遭っていなかったの
でしょというカム。君に逢いたいと言っているというバジリ。
それを見たカムは何に怖い言い方だと語る。君の事を気に入るよと
いうが、嘘をついている時の顔はすぐに分かるというカム。ウチの
親は昔ながらで古い感覚を持ち、ボクのことをイカレていると思って
いるのだという。私と付き合うのも過ちだというのかというカムは
憤る姿が有った。私がイラン人ではなくムスリムでもないし、黒人の
恋人だからかと問うと、バジリは誤解だという。図星でしょとして
正解だと語るカム。そんな中事件の知らせを電話で受ける。後で
話をしましょうと。
現場に到着する。
ブレナンは頭蓋骨の現存している部分を見て、この垂直な前頭骨、
それに下顎骨の顎の隆起から見て被害者は女性・30代半ばだという。
上顎が突出しているので白人だという。
カムは臓器に腐敗がないが他の部位は相当動物に喰われていること
のは妙だという。
そんな中ブースは遅刻して来る。ホッジンズは誰かさんが遅刻だと
語ると、ブレナンはブースに何度も電話した事を語る。すると次官に
オフィスで掴まったので出られなかったとし、過去の事件の見直しを
させられていたのだという。あなたが捜査したファイルなのかと
問うブレナンに田の捜査官たちが出した報告書の見直しだという。
ブースは何が分かっているのかと問うと、動物が手足を食べている
という。普通は肉が多い所から食べるものだというホッジンズ。
つまり臓器が先に食べられるハズなのにその部分が残っているので
ある。服や所持品は無いという。捕食に加えて広範囲の骨折が認めら
れるというブレナンから話を聞いて撲殺なのかと問うブース。骨折
の原因については分かっていないという。鈍器で殴られたようには
見えないというブレナン。死亡時刻は分かるんだろう?というブース
に対して、ホッジンズは妙なんだと語る。全身に虫がくっついていて
頭蓋骨と四肢にチーズバエが定着して繁殖しているから死後72時間
から96時間(3日、4日)だと言えるが、体腔にはクロバエの幼虫がいる
こと。それを考えると死後3時間だという。発見はその前だという。
だから脚にはホホジロオビキンバエが居るのだが、それだと死んでから
14日が経ったことになるのだという。
3時間、3日間、2週間、どれが本当の死亡時期なのか。
全部当てはまっているのだというホッジンズ。
ラボに骨が運ばれてくる。
アンジェラはこの人いつ殺されたのか分からないのかと問うと、全く
分からないという。しぼり込む手がかりを探しているというブレナン。
何か左の上顎側切歯と犬歯の間に挟まっているものがあるという。
カムは頭蓋骨を復顔してとし、キレイにするのにはどのくらいかかる
のかとしてバジリさんと尋ねる。まだ頭頂部から肉を取っているので
そっちが先だという。それは任せるバジリさんというカム。
そのやりとりを聞いたホッジンズは気のせいか微妙な空気を感じると
語る。遺体がこの状態なら当然よというブレナン。アンジェラは
そういうことではなくカムが”バジリさん”と言う呼び方のことだと
し、何か遭ったのかと問う。ブレナンは私が何かを見落としているのか
と思わず問う。カムは妙だとし、被害者の組織ではないという。
腐敗の家庭で遺体の肉と混ざったのだろうとし、犯人の組織か別の被害
者なのかと疑問に感じる。DNAと毒物を調べるというカム。
バジリ君にブレナンはこの部分のX線を写して所見を教えてと語る。
右の後腸骨稜に骨修復の痕が見られること。骨髄穿刺針のものなのか
というブレナン。復元しなくても身元が分かりそうだとし、この被害者
は1年前に骨髄穿刺を受けているという。カムはすぐに骨髄バンクに
問い合わせるとのこと。
被害者はマデライン・パパデリスのものだと判明するのだった。
■今回の事件と流れ
・新興住宅地の沼の中から遺体が発見されるが、遺体の状態を見ると
死亡推定時刻は3時間内とも3日間内とも2週間内とも取れるという
違和感が有った。
・ブースは次官などから過去の同僚の射撃事件に関する捜査ファイル
の見直し作業を命じられ、更にスイーツに対して、副長官から軍歴
ょ調べろと言われていること。
・遺体は骨髄穿刺の痕があることから骨髄バンクに問い合わせて
身元を特定していく。
■感想
うーん、先週の「キャッスル」S4-3と内容がかなりかぶってる(笑)
奇抜な内容の話だけど、同じようなシナリオの話が二度も別のドラマ
の中で描かれるとより奇妙なものを感じる。
内容としては骨などを調べていくウチに死んだ人物を冷凍保存していた
ことが判明。近未来の胡散臭い技術に対する言及と同時に、ブースの
今後の昇進話に於ける流れを将来的なこととして同義に扱ったもの
だった。
脳さえ冷凍させておけば将来また生き返らせると思っている人たちの
狂的エピソードであり、その辺は「キャッスル」でも同様の思想が
存在していて、胴体は切り取っても脳だけは保存することに固執して
いる人たちがいた。
被害者のマデラインの家庭の事情を調べていくと、娘のカリーヌが
嚢胞性線維症で6才の時に亡くなっている。この事がきっかけで、
彼女は娘を極低温冷凍での人体冷凍術を使った施設に入れて置いて
将来の再生技術に託したのだろうか。
■バジリ君、バジリさん
普段からブレナンはバジリの事を”君”付けで呼ぶ。
カムは何と呼んでいたかな。少なくとも敬称略の関係だったと思うけど、
突然普段呼ばれていた名前に敬称を付けられるというのは本当に
怖い(笑) カムの静かなる怒りみたいなものを感じられ、周りの
誰もがその雰囲気を感じているのにブレナンだけがまるで気がつかない。
なんと原因はバジリがカムのことを両親に紹介するのを渋っていること
に有った。カムとしては人種の問題ではないかと感じているが、
法人類学者と精通していれば、イラン人の習性みたいなものを理解して
いそうだけどね。
イスラム教では遺体を切り刻むことで天国にいけないなどの事情もある
のかも知れないけど、そんな職業についているバジリのことに両親は
これまであまりいい目では見て居なかったようだ。
しかし全てはバジリくんの早合点だったね。
ただバジリくんの兄・ハミッドは口うるさい母によって恋人を
失ったみたいなので警戒するのも仕方がないのかな。
■事件に関して
事件の内容自体の流れはもの凄く退屈だった。
ライバル関係にある冷凍保存技術の男・ワルショアの存在が一応
容疑者像として浮かび上がる。
しかし調べていくウチに何度も被害者と会っている研究員の夫・ノア
がマデラインと浮気をしていて、それに怒った妻のミシェルが
怒って殺したのではないかと疑いの目を向けるが、現実にはノアは
マデラインから拒絶されていて、殺して冷凍保存し、再生させれば
いつかは自分に愛を向けてもらえるのではないかとされるものだった。
脳だけを残しておけば良いという身勝手な論理がここでも発生し、
臓器は売り払い、その金で生命維持ならぬ脳を維持していたという
何ともサイエンスではなくスプラッターホラー物語である。
■アンジェラとホッジンズ
アンジェラは前回同様にバジリが両親に反発した態度のことを
聞いてそれってセクシーだと語る姿が有った。
前回はガン患者のウェンデルくんのことをセクシー発言してブレナン
からお灸を据えられていたけど、今回カムがこの手の冷凍術では、
抗凍結剤を注入する際に細胞を保つ為酸素を注入させるが、途中で
生き返らないように麻酔薬も使うとしたカムに対して、生き返る
ということに目を光らせたホッジンズに対して、「ゾンビみたい、
カッコイイって言ったら一年間セックスはお預けだ」と語っていた。
自分は言いたい放題なのに、ホッジンズ博士は言いたいことも言え
ない悲しさ(笑)
■先走りすぎだ
今回は終始、ブレナンとかスイーツがブースは昇進するという話を
聞いて、「先走りすぎだ」と語っていた。
冷凍保存技術に関してはブレナンは肯定的だった。
将来的に蘇生が可能になった時の為の保存していると語るが、
そんな技術自体が先走りすぎるものがあるし、たまに月の土地を購入
したとかそういう話が合ったりするけど、そういうのも「先走りすぎ」
って感じ。
ブレナンは私が蓄積した知識をメモリーチップにダウンロード
される日が来ることを語っていた。
そんなことよりも目の前のことを見ようというブースの発言が珍しく
正論だったけど、最後のいつもの夫婦の会話の中で、
「私はいつも理性的過ぎると言っていた」
「夢を見ることは良いって言っていた」
としてブースの言葉を引用され反論されていた。
しかしドイツに行くなんて話、ホントにあるんですかね。
シーズン10の為の布石なのかな。
スイーツは
「実は-ボク(スイーツ)も見直しされている」
と語った際にブレナンは
「それなら昇進話じゃないわね。」
「侮辱は聞かなかったことにします。」
と相変わらず失礼極まりないブレナン節全快だったね。
■使用された曲
・Break (feat. Jake Etheridge) by Rebecca Roubion
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
アラストー・バジリ (Pej Vahdat) インターン
アーミン・バジリ (Braeden Marcott) 父
アジタ・バジリ (Shohreh Aghdashloo) 母
ノア・サマーズ (Chris McGarry) クライオノバ社
ミシェル・サマーズ (Kate Orsini) クライオノバ社
イーサン・パパデリス (Myk Watford) マデラインの元夫、加重暴行歴
マデライン・パパデリス (Kristin Burke) 被害者
トリップ・ワルショウ (David Dean Bottrell) クライオノバ社のライバル
スーザン・クラマー (Rochelle Greenwood) 不動産業者
カーラ・フレリング (Sascha Alexander) 家を探す夫婦
ピーター・フレリング (Miles Gaston Villanueva) 家を探す夫婦
トルキン (Ted Baker) エージェント
— (Erol Dolen) ウェイター
— (Brian Leone) 犬を連れた少年
— (Aswad Ali) Lab Guard
— (Jason Yorker) Lab Guard
— (Maria Jordan) FBI Agent