BONES 骨は語る シーズン10 第19話 アラーの国の殺人事件 The Murder in the Middle East

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第19話 アラーの国の殺人事件 The Murder in the Middle East

脚本/Michael Peterson
監督/Milan Cheylov

【以前のあらすじ】

大きな変化があると依存症の再発のきっかけになり得るとブレナン
は聞いてブースを心配する。ジェシカは潜入したブースがメールを
見たのに賭博を辞めないのは何故かと問うとアンジェラはいい手が
来ているのだろうと語る。ブレナンは彼は元ギャンブル依存症だと語る。
支援者と話したのかと問うとブースは話したというが、その裏で
カージナルスの勝ちに200ドルを賭けていた。カムはバジリの家族に
何かが有ったことを知る。イランに居る兄のハミッドが重篤な病気だと
して国へ戻り最善の治療を受けさせたいという。あなたは国外追放に
されたのに無理だというカム。しかし飛行機の予約をしたというバジリ。

【ストーリー】

イラン・テヘラン。
男が階段から突き落とされる。血を流して死亡する。

ブースは電話で1万5千ドル負けているとの連絡が入る。何とかすると
言うと、ブレナンは話し声から自分に話しかけているのかと問う。
誰からの電話だったのかと問うと、ブースはくだらない勧誘の電話だ
というが、ブレナンは浮かない顔をしているのはフィリーズが負けた
からなのかと問う。ピッチャーが悪かったんだと。スポーツと言えば
ブレナンに聞きたい事があるとして骨に関係が有ることだというブース。
骨格系に関する質問ならどうぞ何でも聞いてというブレナン。
野球でよく出てくる「トミージョン手術」ってどうなのかと問うと、
それは内側側副靱帯の再建術のことでしょと。その手術を受けたピッチ
ャーは前よりも”ヤバイ”球を投げることはあるのかと問う。”ヤバイ”っ
ていい意味?悪い意味?というブレナンに野球でヤバイと言ったら良い意味
だという。手術したピッチャーが今日投げるとしたらと問うと、
ブレナンは論文によると患者が回復するかどうかはリハビリの期間によっ
て変わってくるという。一般的に一年間が望ましいという。8ヶ月は?
統計的にはヤバイ球は投げられないという。それを聞いたブースは
天才と暮らすのは最高だなというと、私の幸せ幸運ねというブレナン。
幼稚園の支度をするというブレナン。ブースは早速賭博屋に電話する。

カムはバジリから電話が鳴る。
兄の為に現在アイスを買いに来たというバジリ。店の名前はジャスミン&
ローズ。オレンジ・ブロッサムアイスは本当に最高なんだというバジリ。
検査の結果、膠芽腫は一個も無かったというと、完全に寛解したという
ことなのかとしてカムも喜ぶ。一週間後に帰国できるというバジリ。
そんな中バジリは悪いけど電話を切ると語ると、男に尾けられている
という。前歴がバレたのかと問うと、ボクに前歴はないという。そんな
中バジリは男達によって車に連れ込まれる。
カムはすぐにアンジェラとホッジンズ、そしてFBIに連絡してブースを
呼ぶよう指示する。

カムがバジリと会話した内容は録音されていた。
ファルシ語を使ったやりとりが行われていた。拉致した犯人は電話
が繋がっていることを知らないとし向こうの様子が聞けるというアンジ
ェラ。拉致された時から録音しているが、会話を聞いているとバリア
スル通りと聞こえる。テヘランの大通りのことだというカム。
オーブリーがやってくるとブースはどうしたのかというカム。
現在国家安全保障局やCIA、現地に詳しい期間と連絡を取っていると
いう。携帯のGPSの追跡は出来ないのかと問うとイランで購入した携帯
なのだというカム。アンジェラもいくら何でもイランのネットワークは
ハッキング出来ないという。そんな中言い争う声が聞こえた後に電話
が切れる。

イランでは、バジリはマジド・ナマジとその部下たちによって連れて行
かれる。バジリはあなたの顔を見たことがあるとして議員でしょとし、
その遺体は何なのかと問う。ここは閉鎖された外科センターだとし、
その遺体の為に君を連れて来たのだという。ボクはアメリカ市民だとし
帰るというが、この国に来たからにはイラン国民だというナマジ。
政府の令状があるとし1997年の君は国家の安全を脅かした罪に問われて
いるという。その当時18歳だったとし、民主主義に関する詩を書いたが
それがアングラ誌に掲載されただけだという。ナマジはイラン・イスラム
共和国を脅かす行為だと見なされたというが、令状は発効されていない
というバジリ。されていたら入国は出来ないハズだという。
しかしナマジは幾らでも私が修正出来るしそうなれば投獄されるという。
取引すれば別とのことだった。バジリは何をすれば良いのかと問うと、
君はアメリカに渡った後に法人類学の専門家になったと聞いたという。
ここでその腕前を見せろとし、噂通り貴重な人材と証明するんだという。

遺体を見立てる。
被害者は男性、頭蓋縫合の癒合具合から見て年齢は25歳から30歳。
左側頭骨と頸骨に溝と穴があるのは中型の肉食獣に喰われた為だろう
と。歯は僅かな摩耗があり都会的環境で育ったものだという。更に
少顎症の特徴が見られ、これは遺伝によるもの。あなたにも見られる
ことからして、被害者はあなたの息子さんですと語る。
息子の名前はダリウスだというと、一人息子で良い子だったというナマ
ジ。捜査はしなかったのかと問うと息子に何が有ったかそれだけを
調べろという。結果に満足出来ねば昔の罪で裁かせるという。

ブースはカムにやれることはやっているがアメリカとイランには国交が
無いので難しいという。CIAのダニーに頼んでいるとし現地にツテが
あるのだという。カムは私もイランにいくというと、ブースは一人
では無理だという。ブレナンもビザを取るのに15日はかかるという。
待つべきだとするが、ブースに対してこれがブレナンだったとしたら
待てるのかと問う。ブレナンはダニーならば私たちのビザをすぐに
取ってくれるのではないかといと、私もカムと一緒にいくという。
私は向こうに遺跡発掘の時に知り合いが沢山居るし、ファルシ語も
分かるという。しかしブースは君は妊婦だとして行かせられないとし、
オレが一緒にいくよと語る。ダニーに電話してブースとカムはイラン
へと向かう。

オーブリーはホッジンズとアンジェラと共にカムとバジリの通話を
分析していた。バジリはアイス店を出た所で拉致されたこと。イラン
のピスタチオアイスは最高ですよねというオーブリー。拉致されて電話
が切れたのは8分弱。遠くには行っていないはずだという。目印になる
場所をバジリは伝えてきているというアンジェラ。
ナバブ・サファビ高速、バリアスル通りなど。後ろで聞こえる音は
ラー・アハン広場を通る電車の音。アザディタワーのデモだという。車
はタレガニ通りで停まったとし、階段を上ったか降りたかしている
という。

■概要

・兄のハミッドが脳に出来た腫瘍の為に最新治療を受けさせる為に
祖国イランに渡ったバジリ。ハミッドは順調に回復して寛解に
向かっていることを知ったカムは安心するが、電話している最中で
バジリは何者かによって拉致される。カムが電話の先で聞こえてくる
のはファルシ語だけ・・
・通話している音声データから場所を特定していく面々。
・その頃バジリはマジド・ナマジというイランの議員に密かに
閉鎖された外科センターに呼び出されて、遺体を調べる様言われる。
調べると議員の一人息子で銀行に勤務していたダリウス(25歳)だと
分かる。地元警察の検死では階段からアルコールで酔って足を滑らせ
落下したことによる死亡だとされるが・・
・そんなバジリを助ける為にブースのCIAの知り合いのダニーに頼んで
イラン行きを決める。ブースとカムがイランへ降り立ち、ジェファソ
ニアンと連携して捜査する。議員からは解決出来なければ投獄する
と脅される。
・そんな中、ブースに問題が有るのをブレナンは知ってしまう。

■感想

どうもイスラム圏に渡ると場所は何処で有れ「HOME LAND」の臭いが
してくるな。

アメリカとイランが核開発の件でケンカしているのも分かるし、今は
関係が良くなったり悪くなったりしている状況だけど、どちらも
少しずつ妥協して歩み寄れればそう難しく無いように見える。
みんな同じ人間だということを忘れて宗教的価値観にばかり捕らわれて
いる感じだ。

イスラム圏だと毎日自爆テロが起きていたりもするし、悲惨な処刑
や遺体を目にすることは多いのだろうけど、今回の一連のバジリたちを
利用するやり方は議員の横暴とはいえ、息子の遺体を目の前にして、
それを捜査させるのだから辛いハズ。
でもイスラム圏の親子って子供が裏切ると追放したりするし、昔から
代表レベルのサッカーに負けたりすると、サウジアラビアなどは
むち打ちが行われていたことが有ったよな。今でもあるのかどうか
分からない刑罰だけどね。

ちょっと笑えたのは吹き替え板だと途中で議員がアラストーのことを
バジリくんと呼ぶことか。

バジリを否定した際に、カムは彼をかばう発言をしていた。
「彼は祈りに断食をして貧しい人の救済をしている。唯一彼が背いて
いるのは愛の為よ」。

コーランにある言葉を引用もしていた。
「アラーは見ておられる。その道を反れるものとそして正しく歩む
者を見ておられる」

ジェファソニアンと連絡が取られれば結果的に内密での捜査では
無くなってしまうのではないかという感じもするし、なかなかこういう
所からの二元的捜査はこれまでにも何度か有ったこととはいえ難しい
ところがある。

■容疑者

みんな怪しかった(笑)
まぁ議員が怪しい説が出たけど、それはないなとは思った。
でもイラン流の取り調べなのか、ブースと同行するイランの警察官
のザマーニが、ブースがファルシ語を使えないことを見越して、
取り調べの際には随分と事実とは違う酷いことを言っていたので
ちょっと怪しく感じたかな。ダリウスが死んだ際にパソコンを持ち出
したということからも怪しさ倍増だったけど、ダリウスとザマーニの
仲は本当に存在していたみたい。ダリウスがしていたことを隠す為に
パソコンを盗んでいたこと。

親族とか一族の友人なんて言っても信用出来ないものなんだなと
改めて感じさせる。結局犯人は銀行の頭取のオミッドだったけど、
マジメに働くものを自らの横領を隠す為に、そんな彼を殺してしまう
というのだから非道だね。
もっとイスラム圏では人権を尊重して欲しい。

■法人類学的視点

・小動物に噛まれたとされる、左側頭骨と頬骨の溝と穴。
肉食獣に喰われてとしていたけど、アンジェラは室内で死んだのに
何故動物に喰われるのか疑問に感じていたようだ。

・最初にバジリがジェファソニアンのブレナンたちに送ったのは
X線。打撲の傷が両腕の橈骨と尺骨に複数認められていた。
骨膜下の挫傷も見られることから階段からの落下は確かなものだという。
(※視聴者も冒頭で落ちていく彼の姿を目撃しているし)

・左側頭骨に付随的な骨折が見られること。鈍的外傷だとバジリは
していたが、ブレナンはそれを否定。他の外傷とは違って骨折線の
縁が尖っているという。階段から落とされる前に殴られたものだと
して、殺人事件としてこれで断定する。

・バジリからのデータを利用してジェファソニアンでは3Dプリンタ
で骨を作っていたね。

・左側頭部の外傷の捕食跡に隠れて別の骨折が認められる。
陥没骨折が左右の尺骨と橈骨に有り、肋骨と左の鎖骨にも有った。
アンジェラがデータを入力して分析した結果、凶器は多面的なもので
普通の道具ではないとしていたけど、これって単に螺旋状の大理石の
階段から落ちたってことなのか?

・ブレナンは左脛骨近位部に認められる骨折を調べると、陥没骨折
だけでなく、骨折は正中から外側に集中している為に、靱帯の牽引
で間接的に生じた骨折だとされ、遺体を動かしていたことが判明。

・銀行の階段が大理石のカーブなのでそこで殺されたことが分かる。

科学的視点

・ホッジンズは昆虫の活動はアメリカでもイランでも同じだという
ことで、甲虫やクロバエで死因を特定しようとしていた。
・カムは死斑から発見される4、5日は現場にあったようだと語る。
そんなに前から居なくなったのであれば、職場の人が不審に思って
普通なら連絡を取ると思うんだけどね。

・遺体の喉を調べるとアルコールが検出。お手製のアラ・サギという
レーズンを発効させて作るもので、飲酒は違法だけど若者は飲むと
いう。父親は否定していたけどね。

・ホッジンズはイランから送られて来た鎖骨に付着して居た木片を
調べるとホプラの木のもので、被害者が階段から落ちたのは本当だ
とされていた。しかし一番酷い損傷の場所にはV字型の外傷が有り
それが何か分からない。

・建設会社の男の目撃証言から金髪の女性がいたとしていたが、被害者
の衣服からもそれが出て来た。下着には微量の膣液がついていた
ことから恋人関係だったこと。

・遺体を食べていたのはジャッカルではないかとしていたけど、調べた
結果カニス・ファミリアリス=ダックスフントだった。2匹いて、猟犬
なので人を喰うとされていた。しかしイランでは犬は不浄のものと
されているので飼う人は珍しいとのこと。

■解決への道

ブースは現場写真からダリウスの部屋の仕事部屋のドアノブだけは
指紋が拭き取られている事を知る。仕事関係のドラブルではないか
として彼の職場にいくことになる。叔父のコネで大手銀行に勤務して
いたとのことでナマジ議員は頭取のオミッド・テュランに捜査協力を
求める。
オミッドによると土曜日から木曜日の勤務で60から70時間働いていた
としていた。
建設事業の融資を断られたとか何とか話が出て来た為に、カシャニを
取り調べる。取り調べに関してはザマーニが翻訳をウソ付いていた。

でも彼は外に居たら室内から争う声が聞こえたとして、金髪の外国人女性
が怒りながら家から出て来たことを語る。

犬にもパスポートが必要だということで女性がオクサナだということ
が判明。ロシアの石油会社の重役。彼女によると私たちは愛し合ってい
たとし、父親が許さないので話さなかっただけだという。
ダリウスは宗教法に背いていて、改革主義者だったことが分かる。
彼女の話では心配事をして気が立っていたとのことで、月曜日に見に
行ったら彼は死んでいたという。

解決したかと思われたがパソコンを調べると銀行が不正して横領して
いることが判明。

■その他

・ブースのギャンブル依存症

ジミーが脅しにブレナンの元にやってきた。ブレナンはアンジェラで
はなくてオーブリーに相談。オーブリーはジミーを呼び出して忠告
するが、立場的にはFBI捜査官が上かに思われるが、弱点を握られて
いれば話は別。ウィークポイントを突かれて下手すれば一生そのこと
をネタに金を強請られる可能性だってある。

クリスティンを危険にさらしたこと。
そしてブースはギャンブルしていることを認めずに嘘をついていた。
ギャンブル依存症までの経緯を考えるとブースに同情出来無くなく
もないんだけど、それでもブレナンとかクリスティンを危険にさらした
し嘘をついたことは何よりも印象を悪くしたな。

クリスティンがブレナンに対して

「パパはいつ帰ってくるの?」(クリスティン)
「すぐに帰ってくるわ」(ブレナン)
「話は正確に・・すぐは正確な言葉じゃないよ」(クリスティン)

帰って来たブースを家から追いだしたブレナン。

・カムはバジリの兄ハミッドと初対面

あれだけ酷いとされていたのに治るとかあり得ない。
けど逢えたので結果的には良かったか。
今度逢うのは結婚式かとしていたけど、カムは結婚するんですかね。
なかなか決断出来ずにいるよね。
それよりもハミッドをアメリカに移住させるっていうのは無理なのかな。
寛解したかなんて数ヶ月じゃ分からないでしょ。

■使用された曲

・In The Shadow Of Life by Niyaz

■出演者

テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵、PC技術
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、微粒子、昆虫
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、組織検査
ジェームズ・オーブリー (John Boyd) FBI捜査官

アラストー・バジリ (Pej Vahdat) 研修生
クリスティン・ブース (Sunnie Pelant) ブレナンの娘

マジド・ナマジ (Houshang Touzie) イラン国会議員
ダリウス・ナマジ (Mehdi Merali) マジドの息子、25歳、銀行員
サンジャール・ザマーニ (Hrach Titizian) 捜査官
フシュマン (George Georgiou) イランでダニーに借りがある
ジミー・コシンスキー (Matt Burns) 賭博の胴元
オミッド・テュラン (David Diaan) 銀行の頭取
ハミッド・バジリ (Amir Talai) アラストーの兄
ヤッサー・カシャニ (Mershad Torabi) 建設業者、取り調べる
オクサナ・コズロフ (Marina Shtelen) ロシア人、石油会社の重役
— (Ammar Daraiseh) Thug
— (Roman Mitichyan) Heavy
— (Alan Cockerill) Background Lab Intern
— (Trevor Keveloh) Street Vendor
— (Nicholas Guilak) Loop
— (Xavi Israel) Iranian Police
— (Umar Khan) Iranian Police Officer
— (Ardeshir Radpour) Iranian Police Officer
— (Maggie Parto) Sound

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