第11話 見えないものの存在 The Psychic in the Soup
脚本/Lena Waithe
監督/Jeannot Szwarc
【ストーリー】
クリスティンはバディ(空想)がもっとケーキが欲しいと言っている
と語る。ブレナンはブースに対してもう一つ切ってあげてと語る。
二人とも空想の世界にどっぷりだなというブース。バディは愛情深く
て優しいとし、良い影響を与えているというブレナン。ブースは君は
「空想なんてイカれている」と言っていただろうというと、ケーキを
あげるのはあなたが神に祈るのと同じだという。オレは神とお茶会
などしないという。聖体拝領は?パンとワインの化体説はままごとと
同じというのかと問うブースに、「そうよ」というブレナン。
そんな中突然ブースの携帯が鳴る。今日はスイーツの誕生日だとし
前にリマインダーに入れ置いたのだという。ジョージタウンのベイカ
リーでドーナツを買うことにしていたのだという。まだ生きている
気がするというブレナン。
FBIでオーブリーはブースに対して名前はアレックス・ダナウェイ、
別名は僕がつけたが”レザーフェイス”だという。映画「悪魔のいけにえ」
の殺人鬼かというブース。オーブリーは知っていましたかとして
元々は「ヘッドチーズ」ってタイトルだったとし、肉のゼリーの意味
だという。この遺体も肉のゼリーになっているという。
事情聴取はしたのかと問うとまだだという。連れて来る時に彼は
錯乱した状態だったので精神科医に落ち着かせたという。ブレナンに
連絡かるというブース。
オーブリーがアレックスから話を聞く。
あの木を切っていたら血が飛び散ったのだという。動物のものかと
思ったとし、誤解しないで欲しいとして僕は殺していないという。
しかし君はチェーンソーを片手に走り回り、体中に血を付けていたと
いう。覚えていないのだという。覚えているのは古い木を伐採して
いたこと。僕はパークレンジャーだとし木は中が腐っていたという。
木を切ったらいきなり血が噴き出して来たと。
ジェファソニアンのラボ。
遺体が発見された木がそのまま運ばれてくる。木を切るとカムは液体
を見て、この中には血液、骨、内臓と腐敗液と雨水が混ざっているわ
ねと語る。ホッジンズはブレナンが元気無さそうにしているので何か
気になることがあるのかと尋ねる。誰だって人間スープに手を入れた
くはないわよねというカム。するとブレナンは『セロトニンのバランス
が崩れて神経伝達物質に影響が出てるような感じがするだけ。今日は
スイーツの誕生日だからでしょう』と語る。
スイーツは生きていたら何歳だったのかというカムに対して30歳だ
というブレナン。でも幸せな人生だったとし凄い事だと語る。
彼が今何処に居るにせよ、調査が遅れたら喜ばないと語る。
木を切り倒した道具のせいで頭蓋骨がかなり損傷していた。
ホッジンズは赤い肉食甲虫の幼虫が見えるという。服の繊維も幹の
縁にあるという。自分で木の洞に落ちて出られなくなったのかも
というホッジンズ。
骨盤のサイズと均一にザラついている耳状面からして被害者は30代
前半の女性だという。しかしカムは大人が木に登って中に入るか?
と問う。ホッジンズは美しい膜翅類がいることを語る。ブレナンの
疑問は何で木の中に捨てたのかということだった。
木の中の液体の中から骨片をすくう。人間スープをすくっていると
「マクベス」の魔女の気分だというホッジンズ。骨皮室には引っ掻か
れた跡があり擦り傷もある事から多数の動物に喰われていること。
シャツの切れ端が見つかったというホッジンズは菌類の量から見て
一ヶ月は木の中にいたのだろうと。下顎骨の前面が殆ど尖っていない
点からアフリカ系アメリカ人だとし、素晴らしい骨格だというブレナン。
カムは30代前半、美しい黒人女性が被害者ねというと、ビヨンセの
捜索願は出ているかと問う。
フエンテスは顔の復元は難しいことを語る。
頭蓋骨の真ん中が木が桐ぬ押された時に消えていること。しかし
ブレナンは崩れた破片ならチェーンソーの歯に埋まっているという。
しかしフエンテスはあれは100個はあるとし微細にされたものだと
語る。ブレナンは3歳の娘は100ピースのパズルを一時間で完成させる
としあなたにも出来るでしょと語る。
オーブリーはパークレンジャーの話は本当だったとして目撃者がいた
という。現場の国立公園で暴行した犯人を調べたらマシュー・クラン
プ(33歳)が居て、複数の暴行と窃盗で捕まっているという。しかしブース
はコイツは違うとし、こういうヤツが木の中に遺体は捨てないだろうと。
スイーツなら木を選んだ理由があるというハズであの木には大勢の
恋人達が名前を刻んでいるというブース。恋で思考力が鈍っていたと
いうことなのか。木に名前を刻んでいる人を調べろと語る。
フエンテスはアンジェラに対して復元したくてもすぐには難しいこと
を語ると、復元しなくても身元は分かるという。骨をスキャンしたと
いう。そんな中フエンテスに電話が鳴るとスペイン語で会話していた。
それを小耳に挟んだアンジェラはあなたは病気なのかと問う。メディカ
メントンってスペイン語で薬の意味でしょと。風邪ですというフエンテ
ス。
被害者はジャスティン・シモンズ。死亡して一ヶ月経っているのに父が
捜索願を出したのは2週間前だというフエンテス。
アンジェラはあなたは死因を突き止める為に再び頭蓋骨の復元をしてと
語る。
オーブリーはジャスティンの父・デズモンド・シモンズ牧師を呼んで
話を聞く。娘さんが亡くなったことを話すと心が痛むが主の考え
有ってのことだと語る。
■感想
前回200回を迎えたボーンズ。
そして201回目のエピソードは、200話目に出演してもおかしくはなか
ったハズのファミリーの一員・スイーツを偲んで、彼の誕生日に於ける
捜査だった。
ドラマとしては一番苦手なインターン・フエンテスが助手としてラボで
働くものだったけど、今回の彼は今までとは違った一面を見せて、
故郷のキューバに向けた愛とばかりに、処方箋のない薬を密発送する
光景が有り、ブレナンがそれをかばうばかりか手助けするという光景が
見られて、カムを困惑させていた。
ただブレナンのフエンテスイジメは存在していて、壊れた頭蓋骨の復元
を求める。その際「私の娘は100ピースのバズルを1時間で仕上げる」
としていたけど、100個の骨とパズルは全く訳が変わってくるよね。
信仰心だったり愛だったり超能力などの「見えないもの」「証明するの
が難しいもの」の存在と、見えるもの・証明出来るもの意外に価値を
見いだせない科学者/スクインツの論理の対立という、このドラマに
有る根深いテーマ性に深く追求していくものかと思ったけど、
いつものブレナン節が見られず、寧ろ嫌な口を叩いて悪役を演じていた
のはホッジンズだったかな。
■ブース&ブレナン
人は身勝手になれるもので、ブレナンは娘のクリスティンが空想の世界
の友達・バディと仲良くしているのを知って、話をすり合わせており、
ブースとしては困惑せざるを得なかった。
信仰心と霊の存在と愛情などの感情の問題を一緒くたに扱っていたので
これまでのブレナンなら全て一蹴しそうな感じだけどね。それだけブレ
ナンも成長したというところなのか。
今回はスイーツの誕生日で生きていれば30歳だったという。
スイーツってもうそんな年だったのか。
まぁ大学を出てから今の職に就いているのでそれなりの年齢には達して
良そうだけど、彼が出始めた頃はまだ20代前半みたいな感じだった様な。
ナーバスになるブレナンが、突然セロトニンのバランスが・・として
やっぱり科学者っぽく説明していくところは流石だなって感じか。
しかしブースはオーブリーにちょっとスイーツを求めすぎていないだろ
うか。ブースとしてはオーブリーを育てたい気持ちは有るのだろうし、
ようやく受け入れたという段階なので、仕事も随分と任せるシーンが
多くなって来たけど、今回はスイーツならば・・としてオーブリーに
語るシーンも有る。
そんな彼が
「銀行口座の履歴を照合して、常連客を調べた。SNSと彼らの名を相互
参照した」
と語るオーブリーに対して
「スクインツみたいだ」
「90年代育ちです。パソコン世代だ」
としていたけど、そろそろブースもそのくらいの用語は覚えよう!(笑)
■アバロン再び
似非霊能者が被害者だったということも有り、本物の能力を持ったアバ
ロンとしては迷惑この上無いことだろう。アバロンに対してスクインツ
たちはみんな厳しい言葉を投げかけて、特にホッジンズは目の敵にして
いるような感じだった。
「霊視も占いも人が未知の事柄を説明する為に作り出した。
魔法と信じる方が厳格に証拠に基づく科学を追求するより楽だから・・」
(Jack)
「つまり私は怠け者で愚かってこと?」(Angela)
ただアンジェラは”ラボのキングだ”と叫ぶ前にこれを読んでとして、
「霊視が本物だという証拠はないと言ったが、物理学者が光よりも速い
ものはないと言って長年信じて来たが今ではニュートリノが見つかって
いる。リスターが細菌感染は危険だと証明したのに医者は手術前に手を
洗わず彼の指摘をバカにした。月食も昔は魔法だと思われていた。
いつの時代も不可能だと言われた事が可能になった」
「考えとか思い出とか愛とか、手にとって見ることは出来ない。でも
存在しない訳じゃない。魂だって同じでスイーツもそう。別に信じなく
ても良いが可能性を却下しないで」と語っていた。
アバロンに謝罪したホッジンズの言葉に対して
「今の言葉は予想出来なかった」
と語る。
・アバロン出演エピ
そのアバロン演じるCyndi Lauperは、過去何度も出演しているようで
実は今回で4度目の出演。
S5-1、S8-9、S9-6、今回(S10-11)
http://itawind.web.fc2.com/kaigai/bones/bones501.htm
s8-9
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=3310
■捜査
木の中に落ちていた遺体。
その木は恋人たちの名前が彫ってあるとのことで、そこを訪れるもの
たちには何かカップルたちの伝説のようなものが有ったのかな。
被害者は霊視セミナーというものをアンソニー・テイラーとしていた。
同行したアバロンが大家の臭いから膝当てとパインオイルの臭いで
当てたり、彼女を傷つけた相手としてアンソニーだとしてブレナンたち
を驚かせるところが笑えたかな。
頭蓋骨の復元でモンテジア骨折を見つけるフエンテス。
尺骨骨幹部の近位。橈骨頭も脱臼、中手骨も骨折。被害者が抵抗した
ものなのか。
部屋には無理矢理侵入した形跡はなかったので親しい人の犯行ではないか
とされた。
またホッジンズが頭皮の一部の組織を発見。
後頭部のちょうどヒビの部分から死因が鈍的損傷だとされる。
骨折部の湾曲はほぼ半円形。凶器は円筒状。金属製のパイプなら
損傷は大きいのでこれは軽いポリマーか木ではないかとする。
被害者の父の牧師が杖をついていることから一時は容疑者として疑われる。
しかし損傷の外周は88mmなので杖とは該当しないとのこと。
ホッジンズは木に生息する動物の糞を多数見つけたとして、
アエデスアルボビクトラス、セラトポゴニダエ、キロノミダエ。
その中に虫の死因が車のフロントガラスに叩き付けられたとして
ウォッシャー液、ポリ尿素のグリース、アクリルウレタンの接着剤を
発見。フローリングの張り替えで使うものだった。
しかし唯一証明できなかった物質は、ポリ尿素。自転車チェーンの
潤滑油で、ピンクの防錆エナメルのもの。
子供の自転車「ハーディバイク&トイ」だということで、状況を掴んで
いく。
ただ結局はどの流れも偶然に近い殺意などないものばかり。
全て偶然だったけど、唯一必然だとなったのは、子供を守る為に
遺体を隠してしまったということだね。あの木の中によく女性の
力で入れられたものだ。
■その他
オーブリーは大学の副専攻で宗教学を学んでいたのですぐに聖書の言葉
を引用出来る人だったね。以下二つの事を挙げていた。
・レビ紀・20章6節
「口寄せや霊媒を訪ね求めて淫らな行為を行うものがあれば私はその
者に私の顔を向けその者を民の中から断ち切る」
・黙示録・21章8節
「不信仰な者、魔術を使う者たちへの報いは火と硫黄の燃える池で
あるそれが第二の死だ」
・カムが霊能力を嫌う理由
祖母は霊を信じていた。祖父が亡くなった後もう一度話せたらとして
いたので霊能者を訪ねた。結局何千ドルも無駄にしたと。
・スイーツの誕生日
・ジョージタウンのドーナツ
スイーツにプレゼントしようとしていたブース。
逆にスイーツはこれまで二人のことを観察していた結果、「パズルの
完成」と称した論文がサムドライブ/USBメモリの中に入っていた様子。
■使用された曲
・
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵、PC技術
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、微粒子、昆虫
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、組織検査
ジェームズ・オーブリー (John Boyd) FBI捜査官
ロドルフォ・フエンテス (Ignacio Serricchio) インターン
アバロン・ハーモニア (Cyndi Lauper) 占術師
アラナ・ジャクソン (Gabrielle Dennis) ジャスティンのパートナー
デズモンド・シモンズ (Steven Williams) 牧師
ヒラリー・フェザーソン (Frankie Ingrassia) ジャスティンの部屋の大家
アンソニー・タイラー (Gregory Zarian) 霊視、ペテン師
アレックス・ダナウェイ (Alex MacNicoll) パークレンジャー、遺体発見
クリスティン・ブース (Sunnie Pelant) 娘、バディという空想の友達
ジャスティン・シモンズ () 被害者