第3話 射程距離 Down Range
脚本/Craig S. O’Neill
監督/Scott Peters
【これまでのストーリー】
ストロングから仕事を引き受けるよう命じられたマイケル。
仕事はドミニカに潜伏中のテロ組織のリーダーのバークの監視と目的
を探ること。ギャンブルはマイアミでマイケルのことを探り出そうと
してフィーは人質に取られるが、「勇気を出せ、オレの天使」という
マイケルとフィーしか知らない暗号を使って見事ピンチを切り抜ける。
しかし助かったフィーが真っ先に駆け寄ったのはマイケルではなく、
カルロスだった。
【ストーリー】
『スパイの仕事で一番キツイのはドンパチではない。一人で居ると色々
と考えてしまうこと。』
『スパイは思い出の品など持っていてはいけない。』
ドミニカに戻ったマイケルはフィーとの写真を焼いて処分する。
その頃ドミニカでは先日マイケルが襲った事件がニュースとして取り上げ
られていた。身元不明の二人組が爆破して逃走中だとし、似顔絵まで
掲載されていた。マイケルは無精髭を全て剃りバークと遭う。
ニュースでオレの似顔絵がバンバン流れているのでイメチェンしたと
いうマイケルは次の仕事は何かと尋ねる。バークはトラックを盗んでくれ
ということだった。
ここでは助っ人と待ち合わせしているという。手が足りなければマイアミ
のオレの仲間を使っても良いと言うがそんなのは必要無いとしてバーク
は店の中に入る。ドミニカで何度も仕事をしたメチョソと遭うバーク。
若いのを集めて仕事を手伝ってくれるかとバークはメチョソに尋ねると、
手伝うのは良いがオレのギャラは上がったと語る。お前達が狙っている
トラックはニュースに出ていた警備会社のものだろうとし、それに関連
して爆破テロでビルが吹っ飛んでいること。お前達がバカ高い通信装置
を爆破し、値段は2500万ドル相当の通信装置を吹っ飛ばしたこと。
そのトラックはまた新しい通信装置を運ぶ物だろうとし、それを横取り
するつもりなのだろうと。デカイ仕事でリスクも高いのに5000ドルで
雇うのかとして山分けで1250万ドルだという。バークは一度しか言わない
とし黙って引き受けろという。お断りだとするとそれなりの金を払え
というとバークは彼を見限り殺害する。マイケルに対してマイアミの仲間
は使えるかと尋ねる。
『潜入捜査中は孤独の時間が多い。人恋しくなる。しかし味方と居れば
正体がばれる』
マイケルはストロングと遭うと仲間を潜入に加えたいことを語るが、
彼は民間人をCIAの重要任務に手伝わせるのは無理だという。今回は
サムとジェシーが必要だとするが、ストロングは特殊隊員が来るという。
バークは半年も様子をうかがって俺を誘ったのだとし、新顔を信用すると
思うのかと問う。オレの仲間なら少なくともボロは出さないという。
ストロングは精鋭のものを揃えたとしアフガニスタンでマイケルと同じ
部隊だったという設定にしてあるというと、それならカンダハルにいた
頃のコールサインを聞かれたらどういうのか?と問う。みんな不審に
思われた瞬間に殺されるという。ストロングも納得する。
ブースは通信装置を盗んでラファエル・セラーノに売る気だという。
ベルリンで起きた列車爆破テロとロンドンで起きたバスターミナル爆破
テロの容疑者だという。つり上げるのは2人の国際的テロリストだとし
ミスは何一つ許されないというストロング。
サムとジェシーは二人でバスケコートにいた。
ジェシーは現在薬の売人のアジトにハリコミしているとしターゲットは
黄色いポルシェに乗るものだという。その任務は後にしてくれないか
というサムはマイケルから電話が有ったのだとしドミニカから手伝って
欲しいと言われたという。ジェシーはオレはサラリーマンだとして無理
だというが、サムは自分だってエルサとの遊びをキャンセルしたのだと
いう。親友のピンチを二人で乗り込むか俺一人で行くかだという。
偽造パスは必要無いとしCIAが用意するセスナでいくという。
『外国で任務に就いているスパイは国に残してきた家族と離ればなれ
になる』
『裏ルートの飛行機で外国に乗り込むのは便利。しかし低空飛行だと
レーダーには引っかからないが地上では見られてしまう。』
『GPS月の発信器を使えば現在地を送信してくれる。更に正確に位置
を把握する為に無線認証式のタグを仕込む。』
『警備が厳重なフェンスを通りたければまずその仕組みを理解する。
区画の電流を迂回させてフェンスを切る』
『最新の追跡装置を使えばこっそりと敵を尾行出来る。でもアジトを
突き止めた後は古くさいやり方で監視するしかない』
『潜入捜査ではターゲットを人間ではなく危険なモンスターだと思わ
ないと倒せない』
■概要
マイアミでの処理を終えたマイケルは再びテロリストの動向を探る為
にバークと合流して、帯同して何をしようとしているのかを探って
いく。バークには味方だったパブロを失ったことで人材難の為に
かつて仕事をしたことがあるメチョソに接触するが、彼はバークが
2500万ドルもする通信装備品を盗もうとしていることを知って強き
に出て来た事から彼を見限り、マイケルの信頼する仲間に依頼して
欲しいと頼む。マイケルはストロングに相談するが、民間人を作戦に
参加させることを拒むが、バークは容易に人を信用しないとして
オレの仲間でやるしかないと語る。マイアミからサムとジェシー
を連れて来る中、マイアミではネイトがラスベガスにいた頃に作った
多額の借金を巡り、胴元がマデリンに借金の返済を求めてくる。
8万ドルという高額に困ってしまうが・・・
■感想
ドラマ自体はこれまでとそう変わらない。
ただ潜入捜査ということも有って、どうしても民間人が犠牲になる
ところがあり、サムとジェシーに協力を仰いで作戦を決行する中で、
サムは援護射撃のために仕方が無いとはいえ一人の民間人を殺した
ことでショックを受けてしまうという流れが有る。
一応殺害した相手は軍需企業だとしていたけど、それでもサムの中では
罪悪感がマイケルとの関係に決別の流れを作らないことを祈るばかり
であり、今後の任務に於いても似たようなシーンに於いて今度は躊躇
して支障を来すような流れがないか心配になるかな。
ただマイケルからは今回何故今の任務に就いているかどうかの説明が
行われた。マイケルもバークに対して作戦に協力するなら全貌を知ら
ないと協力出来ないとしていたのに対して、その辺はジェシーやサム
も同じことだろう。
マイケルが決してCIAに戻りたくて戻っているのではないということを
二人も認識したハズであり、二人を助けている現状もあるので、もう
少しマイケルのことをみんなが理解しても良いんじゃないか。
このドラマの中ではなるべく銃弾で人が倒れないようにして上手く
工作してきたことがあることを考えると、今回は一人の被害者とは
いえサムにとっては衝撃を受けてしまったようだ。
この一件でわだかまりが発生しなければ良いけど・・
前回はフィーとマイケルの以心伝心さを利用した流れが有ったが、
今度はマイケルとサムの中でのそれを利用した。
マイケルがマドの近くに行った際には外からの狙撃が有ったこと。
そして取引相手のセラーノの部下だと思わせるように上手く彼の指示
に従って狙撃隊が退却するような流れを作った。
しかし上述したようにエピソードは大したことがない。
ストロングの部下達の使えなさ度を考えるとマイケルたちの優秀さ
が見て取れるし、こんなのマイケルが捜査を行っていれば確実に
組織の検挙は出来ていたよな。
■マイアミ
今のシナリオの中にどのようにしてマイアミ組をドラマに関わらせて
いくのかなと思って見て居るのだけど、サムとジェシーに関しては
取りあえずドミニカまで渡ってきたので関わるような理由付けは出来た
のかなという感じ。ただフィーは既に別の道を行こうとしているところ
も有って、マイケルとの繋がりはマデリンというところが大きい。
ネイトが借金を抱えていたこと。ネイトの妻もチャーリーを手放す
ことになったので一体何をしているんだって感じだったけど、
なんと胴元から借金の返済を求められて大変な思いをした挙げ句に
ドラッグ漬けになってしまったのかな。
そう思うとなんだか同情したくなるな。ネイトって人生が上手く
行かなかったのも分かるけど、そんな人物が子供を作ってはアカン
だろうって感じ。結局短絡的に金が必要になってギャンブルにハマ
ったのだろうか?
マイケルの役に立ちたくて協力者をして亡くなった時には同情もした
けれど、今回の一件を見ると同情する気も失せる。
マデリンはフィーと共に胴元のサピエンザと対決していくことになる。
一部借金を返すふりをして銀のネックレスの中にGPSを仕込んだ。
そしてそれが金庫に入れられるとしてその金庫を奪い取りイニシアチブ
を奪っていく。金庫の壁を壊すときには爆破のスイッチはマデリン
が押していた。こういう時フィーがいると心強い。
マデリンにしても「カ・イ・カ・ン」(c)薬師丸ひろ子って感じだった
ろう。そして胴元との再度の取引の中で顧客名簿を奪ったとして、
徹底的に相手の戦意を失わせる程に精神的ダメージを与えた。
シーズンファイナルでもママさんの諜報的活動は健在だね。
■その他
・セラーノ役のRicardo Chavira
「デスパレートな妻たち」でギャビーの夫・カルロス役を演じていた。
バークが求めているのはセラーノの持っている情報だということで
取りあえずは殺されなかったけど、一体誰がバークのボスなんだろう
ね。
■使用された曲
・
■出演者
マイケル・ウェスティン (Jeffrey Donovan) スパイ
フィオナ・グレナン (Gabrielle Anwar) 元・彼女”フィー”、武器商人
サム・アックス (Bruce Campbell) 元相棒
マデリン・ウェスティン (Sharon Gless) マイケル母
ジェシー・ポーター (Coby Bell) 民間の警備員
アンドリュー・ストロング (Jack Coleman) CIA?
カルロス・クルズ (Stephen Martines) フィーの新しい相棒・恋人
チャーリー・ウェスティン (Wilson Pennell) ネイトとルースの息子
アル・サピエンザ (Paul Hipp) ギャンブルの胴元、ネイトが8万ドル借金
ラファエル・セラーノ (Ricardo Chavira) バークの取引相手
ランドール・バーク (Adrian Pasdar) 元マイケルの仲間、テロリスト
メチョソ (Carlos Orizondo) ドミニクの組織
— (Paul Barth) ヘリコプターパイロット
— (Amanda Canciano) Bar Patron