第12話 決断 Sea Change
脚本/Ryan Johnson
Peter Lalayanis
監督/Stephen Surjik
【これまでのストーリー】
CIAの潜入捜査で敵組織のリーダーのジェームズの仲間となっ
たマイケル。しかしサムはジェームズによって組織にマイケル
の心が引き込まれているとして忠告。潰さなければならない連中
に近づくためだとし必至で仕事をしているのだという。それも
奴らの信念に従ってだと。ストロングにソーニャから盗んだ
データを渡したマイケル。そこには宝の山のようなデータが
入っていた。そしてマイケルが行く場所はメキシコのベラクルス
だという。そこでジェームズを捕獲作戦の為にαチームが
やってくるがそのリーダーは何と凶悪犯だったサイモンだと
知るマイケル。CIAはモンスターと手を組むのかとしてサムも
激怒。マイケルはサイモンを殺害。
居場所がバレた件でジェームズはソーニャを疑う。二人しか
知らなかった情報だとして銃を向ける。ソーニャは誰にも話して
いないと否定する中、マイケルは俺だとして名乗りを上げ俺は
CIAのスパイだと語る。
【ストーリー】
『スパイは基本的に人を騙すのが仕事だ。ターゲットに嘘を
信じさせること。』
マイケルは殺されずに檻の中に入れられていた。本来CIAに
捕まるところをマイケルが止めたことでジェームズたちは
捕まらずに済んだのである。CIAのスパイなのにその行為を
したことでジェームズも対応を考えていた。
ソーニャはマイケルの元に来るとジェームズが呼んでいるので
出て来てと語る。ソーニャは聞きたいとしてこれまでのこと・
私たちの事は全部嘘だったのかと。俺は任務の為に君に近づき
君の仲間に近づいたとし、潜入捜査が長すぎて自分を見失って
いたという。心の何処かに組織の仕事を正しいと思う俺が居て
その俺は君を思っていたという。君はただ工作員が欲しかった
だけなのかとソーニャに尋ねる。私にも任務が有ったとし、
正直嬉しかったこと。心は仕事に捧げているとし仕事が一番大切
だというソーニャ。
マイケルはジェームズの前に連れて行かれる。
二人きりで話し合うことに。我々の今の状況を検討した。
君の行動が気になるという。そこで質問が有るとして未来を
決める重要な質問であることをジェームズは語る。君と我々の
未来のこと。CIAの一番の狙いは何か?組織のリーダーの確保だ
というマイケル。その仕事をしないとどうなるのかと問われ
マイケルは俺の仲間が残りの人生をCIAの監獄で過ごすことに
なるのだという。組織の使命を我々が信じている正義を君は信
じるのか?ジェームズは聞こえの良い言葉ではなく君の本心を
聞かせて欲しいという。マイケルはやり方に疑問を持つ時は
有るが共感してる所も有る。他の誰もやろうとしないが必要な
仕事で、大切なものを守っているあんたは個人を越えた大きな
何かに俺を迎入れ戦う勝ちのあるものが存在すると教えてくれ
た。信念と共に・・と。ジェームズはマイケルのことを信じる
として打開策は有りそうだと語る。我々の組織を守り、君の友達
を救う方法が・・。それにはまずやってもらいたいことが有る
というジェームズは、マイケルはマイアミに戻りCIAの任務を
続けられるようにしてくれと、偽の報告をして作戦が失敗した
後に任務をやり遂げようと尽くしたが一人ではどうしようも無
かったというのだという。私は組織の下っ端に裏切られたとする
とし任務を続ける為に帰国するのだという。CIAに嘘をつけるか?
と問われる。
マイケルはストロングに連絡する。
現在メキシコだが無事で正体はばれていないこと。任務は続け
られると語る。
バージニア州ラングレイ。
『スパイは命令に従うことを辞めてもそこで手を引くような
ことは決してしない』
CIA長官のマシューズは報告書を何度も検討したがどうも理解
が出来ないと語る。何故ジェームズを確保出来なかったのか。
ストロングはαチームが全滅しマイケルのみで逮捕に踏み切る
のは危険が大きすぎたと語る。しかしマシューズは危険を承知
で任務を遂行するのが彼の仕事だろうという。作戦にマイケル
を起用する際にそれも取引条件だったはずだと。下手に動けば
正体がバレるというストロング。動かないと何も得られないだ
ろうというマシューズ。慎重に扱うべき任務に何故問題有る
工作員を任せたのかと問われるがマイケルじゃないとこれ程
の成果は上げられていないというストロング。任務を果たせな
ければ意味はないというマシューズ。10年続けてきたが言い訳
は聞き飽きたという。この一件は一旦引き上げて上層部に分析
させるという。その上でまだ組織を王なら他のものにやらせる
というマシューズ。今引けばヤツを捕まえるチャンスは二度と
無いと説得するストロング。長官に対してマイケルは現場のこと
を知らないヤツだという。俺が任務についた時あなたはランド
ール・バークがリーダーだと思っていたこと。本当のボスは
ジェームズだと探り当てたのは俺だとし、ここまで来て下りる
なんて冗談じゃないという。俺はこの部屋の誰よりもヤツの
ことを知っているという。今捜査を辞めれば捕まえる手立ては
なくなるとし信じてくれれば結果を出すと語る。長官は48時間
やるがそれで片付けられなければ君を何処にぶち込むかを決める
という。
『長年組んでる仲間ならそいつの仕事の仕方は手に取るように
分かる』
『ネイビーシールズは水中でも常に冷静だ。敵がパニックを
起こしたら後は簡単。勝ったと思わせたら反撃のチャンスだ』
■感想
いよいよラスト前のエピソード。
今まで散々CIA組織によって振り回されたマイケルだが、ジェー
ムズのような信念を持った人物との出会いによって、
共感を持ってマイケルが組織の一人として取り込まれてしまう
のではないかという感じのエピソードだった。
ただ正直これまでのマイケルはサムとかフィーが言うような
マイケル自身が潜入捜査によって自分を見失う状況なんて
無いと思っていたんですよ。
第一にCIAの任務の成功が、マイケルの大事にしている仲間を
助けることに繋がっているので、一連の任務がマイケルだけの
問題では無くなっていること。
更にジェームズたちが大規模な計画があると称して、その
全貌は全く明らかにしていないし、結局何をしたいのかも提示
していない。ただ仲間を見捨てず組織としての活動をしている
ということで、共感はしているけど、その計画がどんなもの
なのかを聞かないとなかなかジェームズたちのしていることの
正義というのが分からないんだよね。
■不吉な要素
何と言っても不吉なのは40年間苦楽を共にして過ごしてきた
ウェスティン家を燃やさなければならず、それを焼き捨てる
ことは、すなわち過去を捨て新しい道に歩むことを暗示
しているからだ。
これをマイケルに当てはめると新しいことへの挑戦ということを
示唆していることも感じるし、その新しい事とは組織のリーダー
としての行動を率いていくことなので、それがどういう事なの
か。
マイケルはジェームズを引き渡すことで一応みんなを解放する
事が出来て、自分は自由に行動出来ると思ったのかな。
自由なんて事はあり得ず、幾ら使えない組織とはいえ常にCIA
は彼らを監視していく。そんな世界よりももっと気楽に生きら
れる道はあるんじゃないのかな。
■マイケルとサム
今回はガチで殴り合いしていて最後になって興味深い戦いに
なってしまいましたね。サムは現役を引退した身だけど、
ネイビーシールズとしての戦いを知っている。勿論マイケルも
戦地に赴いた経験があるのかも知れないけどね。
ただマイケルはサムが思っている以上にサムのことを熟知して
いて、今のマイケルは誰がかかっても殺せないくらいに優秀な
人物。これならマイケルに麻酔銃でも撃ってでも強引に連れ去
った方が良かったのに・・
一緒に戦ってきたからこそマイケルはサムの行動が手に取る
ように分かってしまった。一緒に水に落ちた時にもサムの
方が上手かと思ったが戦い方を熟知していたマイケルはサム
の戦略から逃れて逃げた。
去り際には
「友達としてずっと一緒にやってきたがもうお終いだ。二度と
俺に近づくな」
とマイケルは語る。
まるでカルト集団に毒された人間って感じで、仲間のことを大切
にすることを信条にしている組織ならばマイケルも自分の仲間を
大切にすることはしないのか?
■マイケルとフィー
マイケルとサムが話し合う際に、サムは彼に遠巻きに問う姿が
有った。「誰かが組織の行く手を阻もうとした時にはどうする
んだ?」
フィーは最後になってサムの例えを自分に当てはめ、マイケル
の行く手を阻むのが自分だとしてその身を盾にしてでも守ろう
とした。
ソーニャはフィーが組織の邪魔になることは予め何度も予告
していたけれど、最後はフィーに対して銃を向け最後は銃声が
鳴り響いたところでフェイドアウトした。
■ジェームズの行動
この人は本当に自分を犠牲にして組織を活かそうとしているのか
な。案外フィーが仕掛けていた銃の発信器に気がついて、
誤解を生んでマイケルたちのことを始末しようとしている
って可能性はないのかな。ヘリコプターがどういう行動を
取るのか。
ソーニャからデータは奪っているのだから、ジェームズを攻撃
しても良いんじゃないのか?
■出演者
マイケル・ウェスティン (Jeffrey Donovan) スパイ
フィオナ・グレナン (Gabrielle Anwar) 元・彼女”フィー”、武器商人
サム・アックス (Bruce Campbell) 元相棒
マデリン・ウェスティン (Sharon Gless) マイケル母
ジェシー・ポーター (Coby Bell) 民間の警備員
アンドリュー・ストロング (Jack Coleman) CIA諜報員
チャーリー・ウェスティン (Wilson Pennell) ネイトとルースの息子
ジェームズ・ケンドリック (John Pyper-Ferguson) 組織のボス
ソーニャ (Alona Tal) 組織の女
マシューズ (Tyrees Allen) CIA長官、バージニア州・ラングレー
クラーク (Lawrence Collins) Deputy Director
クーパー (Arsi Rey) 組織の見張り、ジェシーたちが人質にする
— (Ryan Jacobs) CIA諜報員
— (Patrick Fox) CIA諜報員
R.クーパー (David W. LeBlanc) CIA諜報員
— (Michael Luckett) CIA Commando
— (Michael E. Sanders) Guardian
— (Owen Meyer) James’ Operative
ジョン・ケイシー (Tommy O’Brien) CIA Brass