第20話 消えた王妃 Higher Ground
(aka.王妃誘拐事件)
脚本/David Babcock
Daniel Sinclair
監督/Sudz Sutherland
【これまでのストーリー】
メアリーはあなたに同胞を12人殺されたとしてストリーヌを殴る。
あなたのことを一生許さないと。グリアはカッスルロイ卿に
レイスの為に色々と配慮してもらったことを感謝すると彼は
全てはあなたの為だという。
メアリーは同じカトリックの同盟国が攻撃されているとし母の
首がかかっているとするがフランソワは今は軍隊を出せない
という。メアリーはギーズ公に頼むとフランソワはあのギーズ公
だぞという。しかしメアリーは彼だから兵士たちも忠誠を尽くす
のだという。フランソワはギーズ公と取引し、部下を僕の指揮に
も従わせることだという。僕も一緒にいくという。アンリは
我が軍は今朝カレーに出兵したと勝っ手なことを言う。
カトリーヌは馬鹿なことをと一蹴するがフランソワは奪還できる
とし国王軍だけでは無理だが援軍が有ればと。ギーズ公を使う
のかとするとメアリーも分かってくれるというフランソワ。
フランソワが祖国を守ろうとするのを私は容認した、だから彼に
も容認して欲しい。私がスコットランドを守ろうとすることをと
メアリー。
【ストーリー】
カレー付近、フランス軍前哨陣地。
イングランドにやられたとしてフランスの兵士たちは撃退こそ
したがこの有様だという。攻撃が続いて兵士が減っていけば
とても陣地を守れないという。指揮官はどうしたのかという
フランソワに死んだよという兵士。アンタは誰なのかと問われる
とフランソワの衛兵が王太子だという。カレーは200年もイング
ランドに占領されてきたが我が領土を攻められるのはもうウンザリ
だというフランソワ。進軍するのだというフランソワに、こっち
の部隊は半数だとすると、それが敵の狙いだという。攻撃を
繰り返して少しずつ兵力を奪う。それで撤退するように仕向けて
いるのだと。行動を起こさないと負けるという。連中はモンモラ
ンシー城を拠点にしているとし、城はこの陣地とカレーとの間に
位置しているという。攻め落としてルートを開けるのだという。
東部にいるギーズ公は進軍が容易になり敵の防御が整う前にカレー
に奇襲をかけられるという。しかし兵士はこっちは12人しかいな
いとするとフランソワは援軍があるという。
敵が接近していると報告があるとギーズ公に伝えろという。
イングランド兵にあなたが王族のものだと知られたら標的になる
という。僕が指揮を執るというフランソワは城を取り戻そうと
語る。
グレアはメアリーに朝食にも来ず一人で部屋にずっとするのは
良くないと語る。フランソワが気になるという。私の母を救い
に行くハズだったのに軍隊を予後取りなんて・・でもそれも
仕方が無いこと。大勢の命がかかっているからと。メアリーは
グリアはどの夫婦もこういう悩みがあるのかと問うと、あなたた
ちは普通の夫婦ではないという。
メアリーはそんな中あの衛兵は見かける度に目をえぐり出したく
なると語る。グレアは誰なのかと問う。
そんな中緊急の書簡が届く。
ローマンとオルテンサがフランス宮廷にやってきてカトリーヌの
元へ。オルテンサはフランスの状況を掴んでいた。
こんな状況なのに王はまた城を離れて愛人とパリに行ったので
しょとオルテンサ。カトリーヌはあなたはいつも王の都合に合わ
せて城に来ると指摘し、あの人は最近機嫌が悪いのであの人が
いても楽しくはないという。しかし彼女はどんな時でも楽しい
とし彼もいつも楽しんでくれるという。しかしカトリーヌは
結局彼はあなたを捨てて私を妻として選んだのだという。
ローマンは商談で来たとし、私は貸していた護衛隊を返しにもら
いにきたのだという。フィレンツェで頼みたい仕事があるから
だと。カトリーヌは今の状況で連れて行かれるのは困るというが。
メアリーがやってくるとカトリーヌは従妹のオルテンサとローマン
を紹介する。オルテンサはメアリーとは子供の頃に遭ったとし
印象はお喋りでズケズケ物を言う子だという。
カトリーヌに対してメアリーは二人で話したいことがあるというと、
カトリーヌは女官のベアトリスにオルテンサたちを部屋に案内し
てと告げ監視させる。
メアリーは母・マリーからの手紙が届いたとし、現在城をプロテ
スタントに包囲されていること。彼らは血を求めているのだとい
う。立ち向かえる状態ではなく母が生き延びるには逃げ出すしか
無いのだという。護衛を雇い移動させるにはお金がいるのだとし
賄賂も必要になってくると。以前に身の危険を感じた時にあなた
は助けを求め、母は大金を貸したという。軍を集める為の5万
クラウンだという。しかしそれは結局使わなかったというカトリ
ーヌ。でも金は返していないというメアリー。これまで貸した金
を合計すれば10倍の額は貸しているというカトリーヌ。女性統治者
が自由を奪われそうに途方に暮れているのだという。
不安なのはあなたなら分かるハズだというメアリー。今、カレー
への出兵でフランスも金をつぎ込んでいるのだという。宮廷の
金ではなくカトリーヌの隠し財産があるでしょと。以前逃亡
しようとした時にもそれを使おうとしていたこと。
あなたは母と親しかったでしょというと、そんな金無いからという
カトリーヌ。メアリーはお願いすると頼むとカトリーヌは
「あなたは女王でしょ、懇願はしないで!!」
「相手が同情や哀れみを感じ蔑むようになる。弱みを見たらあなた
もすぐに隠し財産が必要になる」
というカトリーヌだった。
メアリーの元にジョン・プリヴォーがやってくる。
見られたことはないという。あなたは一部の人の間では有名な人
で叔父はあなたにその道の任務をこなせる一流の傭兵だと教えて
くれたという。王妃はいざの時の為に金貨を隠しているとし城の
何処かだという。探してもってきてと告げる。
■感想
イングランドとスコットランドの件はどうやら本当のことの
ようだね。スコットランドの件に関してはメアリーの兄は怪し
かったし、母・マリーもフランス宮廷に来た際には相当キツイ
性格をしていた人物なので嘘かと思った。
自分がカレー奪還へ兵を送ったとしながらも、この期に及んで
未だにアンリが愛人とパリで遊んでいるところを見ると早い所
毒殺でもして世代交代しろと小一時間なんだけど、至るところで
怪しい流れが有ってなんだか収拾が付かない。
アンリを巡って過去にメディチ家でもカトリーヌとオルテンサの
間で奪い合いの構図が有ったみたいだけど、正直アンリを
引いたカトリーヌは相当外れの人生って感じがするぞ。
しかしこのドラマ、どの人間を信用して良いのか分からないんだ
よな。ギーズ公は本当に契約したようにフランスの援軍について
くれるのかどうか。
また今回メアリーに協力に来たジョン・プリヴォーだって、
王妃の隠し財産を大金手にしたのだから、いつだって逃げること
は出来る。その人物はこの仕事は信用が第一みたいな感じで
言っていたけどね。
徐々にメアリーがご多分に漏れず、宮廷の王妃、女王として
性悪さを身につけていってしまうのではないかという感じが
して嫌だな。元々づけづけ言う子だとしていたけど、づけづけ
目的の為に行動を起こしていくとなれば相当なものになる。
■それぞれのキャラ
・メアリー
メアリーとフランソワは最終的な目的こそ共通しているが、その
過程に於ける優先順位的には隔たりがある。
今回のメディチ家が訪れたのに対して、前回はメアリーの叔父の
ギーズ公が現れた。
どちらも親戚や血のつながりがあるのに、容易に気を許せない
相手というところが何とも言えない。
フランソワはフランスがイングランドによって陥落すればスコッ
トランドを守れないとしている。メアリーはスコットランドの
母を最優先に助けたいと考えており、カレー奪還の為に自分が
要請したギーズ公を横取りする形で兵力を奪われてしまった。
下手すればそこにあるのは母の死であり、スコットランドも
プロテスタント一色ということにも繋がる。
今回のメアリーはフランソワがアテにならネーってことで
自分で何とかしようとして母を助ける為にカトリーヌに助けを
求める。当然隠し財産までメアリーに貸す義理はないと一蹴され
る。そこでメアリーの前に派遣されたのはプリヴォーという
一流の傭兵でその道のプロ。
メアリーはかつてカトリーヌによってスコットランド人を虐殺
されているし、フランスの対応には辟易しているハズ。
でも今回オルテンサの話によるとメディチ家は誘拐犯とはいか
なる要求にも応じないとしていたことからも、非情さは伺えるな。
メアリーとしては誰の血も流さないように・・としていたけれど
そう悠長なことを言っていられる状況でもない。
プリヴォーが行ったのがなんと王妃を連れ去るということ。
自分はカトリーヌのことだから、隠し財産の居場所を話すと称して
実際には偽の毒のトラップでもしてある場所に案内させて殺す
のかと思った。流石にそこまで頭が回っていなかったみたい。
目隠しをしているというのはより相手に恐怖心を覚えさせる
ものがあるね。
みんなの前にカトリーヌの耳とイヤリングが・・
って事だけど耳は彼女のものではなかった。
そしてカトリーヌの元には黒幕だとされる首がドサっと運び込ま
れてくる。「ゴッドファーザー」での警告の意味での馬じゃな
いんだから(笑)
殺されたのはメアリーが珍しく
「見かける度に目をえぐり出したくなる人物」だとしていたけど
この感想を書いている時にNCIS S6-5の放送がしているけれど、
そこではジヴァがマクギーの目をえぐり出そうとしていた(笑)
カワイイ顔してみんな怖い。
結局宝は聖イザベル教会の祭壇の後ろの石棺の中に隠してある
とのこと。首はカトリーヌと対立していたオルテンサのものだつ
た。
・フランソワ
フランソワはカレー奪還の為に、イングランド軍が拠点としてい
るモンモランシー城の奪還を考える。しかし人数がまた最大12名。
城に着く頃には6人くらいしかいなかったのではないか。
そこでは何とグリアが愛して兵士とされたレイス・バヤールが
いるというところが何とも言えず、更にはなんとフランソワに
とっては命の恩人のような形になり、彼が国王と鳴ればレイスは
確実に領土と称号をもらえるという立場だった。
レイスが砲弾によって傷ついた時には正直ここで亡くなってもら
った方がグリアには安泰の道がありそうだったけど、結婚式の
前にレイスが彼女の前に現れる資格が出てくるのか。
残ったみんなでイングランド軍が拠点にしているモンモランシー
城を奪還しようとする。ただ元々戦っていたものたちはイマイチ
乗り気ではない。
勝算は本当に有るのか。
フランソワが凄かったのはこの状況でも相手の兵士の人数などを
把握していたこと。赤ヒゲの男とスカーフの男がずっと同じ
場所で巡回していて、思っている以上に相手は戦力が疲弊して
いること。
しかし部下たちは、いつも命じるのは上の人たちで、俺たちは
上の人間が思いついた戦法で命をかけたくないのだという。愛す
るものの為ならば戦うと。
何とか攪乱させてフランソワの弓矢で相手の火薬庫を爆発
させた。「マスケティアーズ パリの四銃士」でも似たような
戦法が有った気もするが・・神がかっていたな。これがカトリック
の力か。
・ケナとバッシュ
バッシュは弟のフランソワが戦っているのに自分だけが何も出来ず
にいることにちょっと不満。悪いように考えも仕方が無いとされ
る。
ケナはジュリアンのことを調べて欲しいとしローラは友達なんだ
からということ。
ただバッシュはあまり余所の夫婦のことに口を出すのを嫌がって
いたね。
またメアリーからは一連の件でバッシュに相談があった。
誰か黒幕としての身代わりを用意しなければならない状況。
バッシュは一度ペイガンに生け贄を捧げなければいけない時に
人を殺している。
ただ人を殺せばその人の家族や人生など色々と罪悪感を背負う
ことになるのでよく考えるよう説得されていた。
バッシュが渋々ジュリアン卿を調べると彼は狩りに行くとは
しているけれど、実際には狩りに必要な道具を積んでいない。
そして銀行の口座にも金はないことが判明する。
ケナはローラに愛しているならばその事実関係を聞くべきだと
していた。
・ローラとジュリアン卿
今回一番気になったのはこの二人。
冒頭では雪の中でメアリーとかケナがサッカーで遊ぶ光景が
有った。この時代からフランスはサッカーが有ったのか。
銀行は既にジュリアンに金を支払ったという。
ローラは一度腹痛がするがアニエスに診てもらうと安静にして
いれば大丈夫とのこと。
ローラはジュリアンに対して
「本当に優しい、あなたは理想的な夫で幸せだ。毎日幸せをかみ
しめている。結婚出来なかったらどうなっていたか・・」
出産に立ち会わないという彼を怪しむしかない状況で、ケナ情報
からみジュリアンが金目的なのは明らかだった。
ジュリアンが出て行こうとする際にローラは彼に
「贅沢は望んでいない。あなたなら愛情が湧くと思って結婚した
こと。高望みはしないのであなたがいればそれで良い」と。
結局戻って来たジュリアン。
・グリアとカッスルロイ卿
レイスが生きて居たとなると厄介だ。
グリアの結婚式が先か、アンリ王が死んでフランソワが即位して
レイスが称号を得るのが先なのか。
■その他
・カトリーヌ
今回の一連の誘拐事件の黒幕はメアリーと思っていた彼女。
当然金を欲しがっていたしね。
ただメアリーには首をはねるなんて行為はまだできない
ということでカトリーヌはメアリーではないと考えたようだ。
オルテンサの部屋に脅迫状が置かれていて、脅されて金が尽きて
いたことが判明。勿論全て工作されたものだけどね。
しかしメアリーもこれで善悪の境界線が分からなくなりつつ
あるのか。
■使用された曲
・Sons and Daughters (feat. Liz Lawrence) by Allman Brown
・Bittersweet by Elenowen
■出演者
メアリー・スチュアート (Adelaide Kane) スコットランド女王
キャサリーン・デ・メディチ (Megan Follows) カトリーヌ王妃、イタリア系
セバスチャン・デ・ポワティエ (Torrance Coombs) “バッシュ” フランソワの異母兄。庶子
フランソワ (Toby Regbo) フランス王太子。次期国王
グリア・ノーウッド (Jenessa Grant) SC。メアリ女官
ケナ・デ・ポワティエ (Caitlin Stasey) SC。メアリー女官、王愛人
ローラ (Anna Popplewell) SC。メアリー女官
アンリ2世 (Alan Van Sprang) フランス国王
ジョン・プリヴォー (Tahmoh Penikett) フィクサー的な・・
レイス・バヤール (Jonathan Keltz) グリアの元彼
LOAD ジュリアン・バルガ (Giacomo Gianniotti) ローラの婚約者
オルテンサ・デ・メディチ (Shauna MacDonald) 王妃の従妹
ローマン・デ・メディチ (Matthew MacFadzean) 商談に来る
— (Tadhg McMahon) 貴族 / フランソワと出兵
イヴ (Dylan Trowbridge) レースに居るフランス兵
ガストン (Darren Hynes) レースに居るフランス兵
— (Cameron Cox) Scout
— (Alan Norman) Sinister Guard
— (Alex Furber) Mary’s Servant
アニエス (Sarah Dodd) ローラの容体を見る
— (Jasmine Sean) Village Women
ベアトリス (Sarah Mennell) カトリーヌの女官