LAW & ORDER : クリミナル・インテント
Law & Order: Criminal Intent シーズン7
犯罪心理捜査班
http://www.dlife.jp/lineup/drama/lawandordercriminalintent_s5/
第20話 自警団 Neighborhood Watch
脚本/Warren Leight
Eric Ellis Overmyer
監督/Kevin Bray
【ストーリー】
警察官のウィラン巡査部長は街の至る所に自警団が作成した
性犯罪の前科のあるカイル・ジョーンズの顔写真付きのポスター
を貼り付けて注意喚起する。
カイルの自宅で母親のテルマは郵便物の中に”警告”と書かれた
息子の写真が”性犯罪者”として入っているのを見てショック。
自警団のアビーは乳母車を引いて仲間のリンダたちの元に行き
ポスター/チラシを渡す。自警団推進役のボブも町中にそのポス
ターを貼り付ける。
肝心のカイルは目覚めると母親が朝食を用意しメモが置かれて
いた。コーヒーを捨てようとしてゴミ箱を開けるとその中に
チラシが入っているのを見る。自分の写真が性犯罪者として
書かれているのを知る。
ブレンダがやってくると、そのチラシをルイスとジェイミーと
リッキーが見せるが、彼女は相手にしなかった。
カイルの家には”この街から失せろ”とする脅迫が届く。
ビデオ店で働いていたカイルは客のルーカスとリッキーが彼を
見て笑っていく。店を閉めるといつものように車には違反切符
が張って有った。回収して車に乗るがエンジンがかからない。
アスペル川の水質検査をしていた検査官(US EPA)の女性は遺体
を発見するが・・・なんと首のない遺体だった。
ローガンとウィーラーは現場の川にいく。
頭部のない遺体。ローガンはに対してその辺に転がっていな
いよなというと、それなら苦労しないというストリートマン捜査
官。聞き込みをしたがこの辺はには夜は無人になること。雑
に首を切っているというローガン。ウィーラーは硬直はまだ最強
ではないとし昨夜殺されて遺棄されたのだろうという。そして
複数の刺し傷があること。誰かを怒らせたのかというローガン。
指が焼かれて無くなっているという。頭も指紋もIDもない。
ギャングの仕業ではないかというストリートマン捜査官に対して
ローガンはそうとは思えないという。これは素人の仕業だと。
ウィーラーは仕事が粗いので下請けがやったのではないかとし
例としてアルバニア系を引き合いに出す。東欧ではDNA鑑定が
ないのかと。じゃあ引き受けないの?というウィーラーに対して
興味が”喚起”されたよという。難しい言葉を使ったローガン。
今週の新単語だと。
検視官室。
エリザベスは被害者は白人男性25歳前後。サバイバルナイフで
15カ所刺されているという。首は?と問うと鋸歯状の刃物で切った
という。目の細かい弓ノコかもと。切り傷ではためらいキズもある
という。全ては殺害後のことで指は溶接工具で焼いたという。
身元は?と尋ねるとDNAのデータがあれば1週間で照合出来るという。
指は一部分残っていることを告げるエリザベスに対して、皮膚を
切り落として君の指に被せられるか?と問うと良いわよという彼女。
やっぱり彼女は最高だなとローガン。
被害者はカイル・ジューンズ。第2級強姦罪で7年の刑だという
ロス。ナンシー・ウィリアムス(当時15歳)でカイルは当時19歳。
ローガンは珍しくもないというと、ウィーラーは15歳の少女との
性交がか?と。
「女性は年を誤魔化すだろう」というローガン。
「男はそれを信じる」というウィーラー。
軽率だが7年とは重いというローガンに対して5年で仮釈放になって
いるというロス。6週間前にアスペスの母親の家で過ごしていた
とのこと。現場から数kmだというと近所の反応を聞いて来いとい
う。ウィーラーは性犯罪者の隣人なんて歓迎されていないと
語る。
二人はカイルの母・テルマの元を尋ねる。
町中に性犯罪者とされる写真が貼られていたとしてそれを見せる。
「自警団より性犯罪者の警告」と書かれていた。嫌がらせも
何度も受けたとし警察官も受けているのだという。息子が出勤
する車には違反切符が貼られていて何千ドル分にもなっている
とのこと。住民から直接の脅しはあったのかと問うと、それは
ないけど無言の圧力と冷淡な視線だったという。やり直させよう
とここに引っ越してきたが甘かったという。少女との間には
何が有ったのかと問うと、レイプではなく二人は愛し合っていた
のだという。有罪だと認めているのではないかというローガン。
ナンシーの両親の怒りに圧倒された検事が裁判で争うなら誘拐罪も
加えて20年加算すると脅したのだという。テルマは真剣に犯人を
探すと約束してくれと語る。心の底では息子など気にしていない
んでしょとローガンを見透かす。
CWNニュースではキャスターが事件を報道する。
今朝マスペス川の水質検査で遺体が発見されたこと。しかも被害者
のカイルは無残にも首なし遺体として発見されたという。
そんなニュースは車に乗るナンシーは見ていた。
ルイスとジェイミーとリッキーもまたコンランのバーでそのニュー
スを見ていた。三人は喜ぶと乾杯だとして飲もうとする。
バーテンダーはビールを買いに来たジェイミーに対してIDを見せろ
と語る。ジェイコブ・ラリーという人物のIDを提示すると、これは
別人のだろうとしてとっとと出て行けと追い出す。
ローガンは被害者のシビックが停車してあるのを見つけ調べる。
エンジンをかけようとするがかからなかった。
ウィーラーはボンネットを開けると点火プラグ、バッテリー、
デスビには問題がないが、ヒューズが抜かれている事を告げる。
ローガンは違反切符が沢山ダッシュボードに入っていることを
知る。その違反内容を見ると「消火栓に寄りすぎ」「タイヤが
斜め」「縁石に近すぎる」という言いがかりのようなものばかり
だった。確かに警察が奇妙だというウィーラー。しかしローガン
は切符を出しているのは一人だけだとしウィラン巡査部長だと
いう。
二人は被害者の当時の状況を推察する。
カイルは仕事を終えて帰ろうとしたが車が動かず、地下鉄は無く
て夜バスは一時間に一本であること。誰かが彼を車で送ると
声をかけたのかという。ローガンはルールその1だとすると
「知らない人の車に乗るな」・・・でしょ?とウィーラー。
カイルが働いていたビデオ店で話を聞く。
彼の母・テレサとは従妹なのでやとっていたというトム。
でも雇うべきではなかったという。近所の連中が怒りまくって
解約されていること。ただでさえ大手に抑えられているのだと
いう。会員証を見せてと。チラシの件は知っているかと問うと
町中貼られ、隣町にも貼られているという。自警団と話したい
というと”うるさ型”だという。
自警団の女性たちに話を聞く。
彼が来たのでみんなが奮い立ったとするリンダとアビー。
自責が芽生えたのだという。チラシを作ったのは誰かというウィ
ーラーに対してボブ・グッドマン。自警団の推進役で彼はアスペ
ス通りの礼服専門店で働いているというリンダ。殺人されたことは
聞いたが心配事は減ったわとアビー。
■感想
何と言ってもローガンが髪の毛切った?って事と、今回初めて
ウィーラーの彼氏・コリンが登場する。
ローガンが最後にやりきれない現実に辟易しつつウィーラーを
飲みに誘うが彼女はフィアンセの両親と会うということで
振られてしまう。そして一緒に飲むのがロスという切なさ(笑)
コリンは最後に一瞬だけの登場。
演じているJonathan Cakeは、ウィーラー演じるJulianne
Nicholsonの実生活上の夫だ。
「デスパレートな妻たち」で、ブリーと良い感じの関係になる
警察官のチャック・ヴァンス役を演じているが、ブリーが人を
殺しているのに対して警察官と付き合うのはマズイのではない
かということで少しずつ息があわなくなって彼のプライドを
傷つけ、彼から怖い目に合わされるという役割だった。
イギリスの俳優さんで映画「トゥルーナイト」が代表作。
アメリカのドラマだとこういう過度の防犯意識の高い
田舎町の物語って設定はよくあるように思うんですけど、
何と言ってもここはニューヨークですよ。
警察も司法もまるで話にならない。
こんな話が有っても良いのかって感じで、もっと別のことに
改善すべきところがあるだろうと小一時間なエピでした。
■なんとも恐ろしい話
一人の人間のことを老若男女、自分の利益の為に陥れて、正義
という名の元で利用するというもの。
小さなウソも少しの真実が含まれるだけで、それだけで信憑性を
感じて話が大きくなり、人は警戒心を持ってしまうところが
あるんだな。
伝聞によって話が一人歩きしてしまう怖さ。
ネットの情報のような仮想空間で起きているのではなく、人々
のコミュニケーションのある実生活で起きていることだ。文明の
最先端を行くアメリカニューヨークで起きていることだけど、
それだけ隣人との付き合いが無いが為に、噂が広がるとそれを
止める人も居なければ、止めなければならない相手が寧ろそれに
便乗しして自分の利益にしようとする言わばハイエナ状態だ。
警察機関も司法もマスコミも大げさなイメージを作って先入観を
持たせてしまう。その人物が亡くなったりしても、さも当たり前
のようなことだとしている。伝聞されていく情報は何処かで
必ず尾ひれがついて、意図している・していないに関わらず
悪いことはより悪いものとして写ってしまうところも有るのだろ
う。
内容は実に胸くそが悪くなるもので、一人の人間をそこまで
陥れてまで出世したいものかと言いたくなる。
検事、マスコミ、元警察関係者がテレビの中で犯人像を語ったり
するが、嘘ばかりを並べ立てている。そうした間違った情報を
発信したにも関わらずまるで反省もしない。罪悪感も感じない。
本当に悪いのは一体誰なのかということになっていく。
■事件のきっかけ
このドラマの事件のきっかけは、当時19歳のカイル・ジョーンズ
と当時15歳だったナンシー・ウィリアムスが好き有って付き合っ
たことに起因する。
冒頭でローガンとウィーラーのやりとりが有るけど、ローズン
はこんな事件は珍しくないという。
「女性は年を誤魔化すもの」(Logan)
「男性はそれを信じるもの」(Wheeler)
本当に好き有って付き合っていたものだったが、大人がフィル
ターをかけて次々と子供の愛情を否定した結果に事件は発展
していく。
■悪意
・ナンシーの両親
元々は両親が娘のことを過保護に扱っていたからだろうか。
勿論性的関係を持ったことは良くはないのかも知れないが、
医者は娘に避妊の処置をしに行った際に処女ではないという
ことを話してしまった。
その結果相手がバレて、両親は検事に強姦だと訴える。
何より不利に働いたのは彼がレフラックシティという少々
治安の悪いところに住む人物なのでより色眼鏡で見てしまったの
かも知れない。
・引き継いだ検事・ドライバー
一度付いた嘘は止められないとばかりに、この件でナンシーの
両親が大ごとにした為に、検事のドライバーは言葉のニュアンス
を全て最大限に悪い方向に捉えて脅迫した形で自白しないと
誘拐罪もつけて20年の服役に処すとしたことで、カイルは罪を
認めることになった。
ドライバーは次期検事総長の座を狙う人物でちょうど利益が
合致した格好で、治安の悪いところに住む若者一人の命など
自分の出世のためには何の意味も無いとでも思っているのだろう。
・ロスの友人のクリート・ディクソン
ロスとは旧知の仲で元々はこの班のトップの座を争った人物。
現在既に年金をもらえる立場なので、刑事時代に培ったスキル
を使って事件を追い回しては犯罪コメンテーターのようなこと
をしたり安っぽいプロファイルもどきのことをしている。
テレビに度々出演しては嘘八百を並べ立てている。
・自警団
ニューヨークのマスペス(MASPETH)という街でのこと。
母親の元で暮らしていたカイルは警察官も含めた自警団の嫌がら
せに有っている。これが本当に性犯罪者ならば警戒するのも分かる
が、人は罪状を見て人となりの性格は見ようとしない。
その罪状もある意味検察官の悪意によって作られたもの。
ウィラン巡査部長は嫌がらせを繰り返していたし、礼服専門店の
ボブ・グッドマンは自警団推進役をしていてチラシを刷りまくって
犯罪者だと叫び続ける。
■NYPD 重要事件捜査班(Major Case Squad)
大抵この手の人たちって犯人を見つければそれで良いって
立場の人だけど、その辺は不思議なことにMCSの面々の方にこそ
人情が有り、事件の真相を突き止めようとする。
その過程で被害者のシビックを見つけた際に、ローガンは都会
っ子だからなのにウィーラーよりも車の扱い方がイマイチ。
ウィーラーがボンネットを開けてみると、一種名して点火プラグ
やバッテリー、デスビなどに問題がないか調べ、そしてヒューズ
が抜けていてエンジンがかからないようにしていることを突き止
める。そんなことだからローガンも惚れるよね(笑)
・検死官エリザベス
推論の怖さを感じる。
冒頭から地元の警察官がローガンたちにこの殺人について
推論を述べる女性捜査官の姿がある。複数の刺し傷・頭をクビから
切断、指の指紋がバーナーで焼かれているのでプロ/ギャングに
よる仕業だとして語っていた。
下にも言及しているがロスの旧知の仲だとするクリートも似たよう
に殺人事件だとすると、勝手に別の事件との繋がりを持ち出して
連続殺人のように語ってしまう。
そういう時に情報を正すのが検死官の役目だけどね。
エリザベスに対してローガンは焼かれた被害者の指の皮膚を
切り取って君の指に被せられるか?と尋ねると、「良いわよ」と
語る。「やっぱり彼女は最高だ」というローガンの姿が有った。
■事件の真相
結局どの人物も目立ちたいとか意中の相手を見返したいとか、
出世欲の為に世間から認められたいとする意識が働いた流れ
が有った。
その中で殺害を犯したのは冒頭から如何にも怪しい形で被害者
の周りを彷徨いていた三人組のリーダー格の男・リッキー・モス
による犯行だった。
彼はブレンダのことを振り向かせたい気持ちが強く、また世間
からもどんな形でアレ記憶に残りたいと思ったのかも知れない。
記憶に残りたくない被害者が殺されて記憶に残りたいとする
加害者が殺害を犯した。
取調室に於いて、リッキーがマスコミの情報を元にして他の6人
の変質者も自分が殺害したと供述したことで少々焦りのある
展開となってしまった。
自供を促したのは、リッキーが好きなナンシーは
「あなたは信用出来ない負け犬だから殺しなど出来るハズがない」
とウィーラーが嘘で煽った為に自供していく流れとなった。
明らかにカイルの死とこれまでの6件の事件は違ったものだった
為だった。俺はハンニバル・レクターだとして訴える姿。
こんな姿に育ったのはあの親にして子供ありなのかな。
■その他
・ローガンのカウントダウン
カラータイマーがなり始めました。
次週ローガン出演の最終話。2話連続でローガンサイドのエピを
するなんて珍しいけど最終話はやっぱりゴーレンサイドで締めく
くりたいのでしょうかね。
ローガンは冒頭でウィーラーに
「興味が”喚起”された」・・「今週の新単語だよ」
また車に乗せられた被害者の事を指してローガンがウィーラーに
対して、「ルール その1」・・「知らない人の車に乗るな」。
子供じゃないんだから(笑)
■出演者
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ダニー・ロス (Eric Bogosian) 警部
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
ミーガン・ウィーラー (Julianne Nicholson) 刑事、ローガンの相棒
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
クレート・ディクソン (Skipp Sudduth) ロスと旧知の仲
リッキー・モス (David Call) 犯人の若者
Mrs.モス (Susan Wands) リッキーの母
Sgt.ウィラン (Scott Sowers) 巡査部長、カイルを憎む
ブレンダ・ラリー (Dreama Walker) リッキーとルイスが好きな娘
ジェイコブ・ラリー (Matt Lauria) ブレンダの兄、IDが不正使用
フェイス・ヤンシー (Geneva Carr) フェイスアワーの司会者
コリン・レジャー (Jonathan Cake) ウィーラーの婚約者
テリー・ドライバー (Leslie Hope) レイプ事件の検事
ナンシー・ウィリアムス (Halley Wegryn Gross) 当時15歳、カイルと付き合い
ジャック・ウィリアムス (Sean Haberle) ナンシーの父
ルイス・オルセン (Lucas Papaelias) リッキーの友達
ロバート・グッドマン (Victor Verhaeghe) “ボブ”、礼服専門店、自警団推進役
レイ (Dan Moran) 自動車修理工・オーナー
— (George R. Sheffey) “コンランの店”、バーテンダー
テルマ・ジョーンズ (Kate Udall) カイルの母
カイル・ジョーンズ (Darrin Malone) 被害者、19歳当時第2級強姦
ジェイミー・スティーブンズ (Michael Drayer) リッキーとルーの仲間、車修理店
ホセ・ロペス (Robert Kelly) 出頭拒否罪、情報を引き出す
ストリートマン (Alison Becker) 刑事
トム・ミッチェル (Jim Ligon) テルマの従妹、ビデオ店
リンダ (Nurit Monacelli) 自警団
アビー・ギルモア (Cynthia Silver) 自警団・赤ちゃん連れ
— (Amanda Warren) CSU Tech / 漂白されている。母親の眠剤発見
— (Shon Gables) ニュースキャスター
— (Brad Holbrook) リポーター
— (Juri Henley-Cohn) Doctor on Soap
— (Jenny Parsinen) Wife on Soap