第11話 試練 Purgatory
脚本／Warren Leight、Siobhan Byrne O’Connor
監督／Jesus Salvador Trevino
【ストーリー】
ゴーレンは停職になり一人で警官が集まるバーで飲んでいた。
ゴーレンは許可を取らずに独断での捜査をしてテイト刑務所に潜入
したこと。それが真実を暴く唯一の方法だったとするが、局長からは
停職処分だけでなく精神鑑定の義務を課せられる。そして君の今回の
捜査は演技ではなく本当に正気じゃなかったのではないかと問われる。
自問したことはあるのかと問われたことをバーで飲みながら思い出して
いた。
今回の捜査で退職させられた警察官がやってくるとゴーレンを見つけ
て良い度胸だなと語る。今日はオレのカンパ集めの会だとし失業させ
られたせいだと語る。ゴーレンは近くの店だからたまたま来ただけだ
として面倒は止そうとするが、円満に退職する計画を台無しにしたとし
あと１年だったのだという。ケンカになりそうだったが、一人の男が
冷静になれとし、通報されて内務調査を受けたいのかと告げる。
裏切り者めとゴーレンに語る。
男はゴーレンに対して自分はマイク・ストート。ブルックリン北の麻薬課
だという。あんたはオレの憧れの刑事だったとし、大物売人27人を
逮捕して全員を有罪にしたと語るとゴーレンは良い記憶力だと語る。
当時も人気がなかったが相変わらずなのかと問われる。彼もまた
実は停職中で検査で薬物反応が出たのだという。潜入捜査上のことで
警察だとばれない為に吸ったのに・・という。無給停職かと問うと6ヶ月
だという。ゴーレンは自分も同じだとすると、ゴーレンは先ほどの騒ぎ
はもしかししてオレに近づく芝居だったのではないかと問う。
マイクはあの男のことは知らないがあんたに話が有ったとし、一緒に
組んで仕事をしないかと語る。今までの給料全部よりも多く稼げると
いう。合法か?と問うと、警備の仕事だとし悪いようにはしないという。
彼はその気が有れば連絡してくれとして名刺を置いて行くと同時に
新聞紙にくるまれた銃を置いていく。
エイムズは残業を終えると一人デスクに座り、空席になったゴーレン
のデスクを見て居た。ダニーは仕事終わりかと問うと、今から家族の
所にいくという。しかしダニーはレッドフックで事件が発生したとし
売人と旅行者2名が被害に遭ったという。死亡者は全員だとして今から
行ってくれという。
エイムズは現場にいくと、捜査にあたっていた市警のルイスから状況
を聞く。被害者はウィルソン・クロフォード(23歳)、昨夜23時に
匿名で銃声が有ったという通報が有り、目撃者の旅行者2名はあそこで
撃ち殺されているという。エイムズは開いていた店が無いか調べて
話を聞くよう告げる。
そこにダニエルズ捜査官がやってくる。旅行者の為に重要事件捜査班
(MCS)がかり出されたのかと問われると、エイムズは”ハッピーイースター”
と語る。相棒はと問われ今は試練中だと語る。
被害者はヤク中の顔ねと語ると売人で10gのコカインが証拠として
残っているので縄張り争いだろうという。旅行者はジェリーとビクトリア
ベネット。イギリスからクルーズ船で来て昨日レッドフックに寄港した
のだという。”ニューヨークへようこそ”とエイムズ。
検視官のエリザベスは射出口に表皮剥奪があるという。歩道で仰向け
のまま撃たれたのか。弾は9mmのリード弾で地面から掘り出したという。
そこに再びダニエルズがやってくるともう検視完了なのかとして
エリート組の特権だなと語る。ダニーはその特権で君を呼んだとし
エイムズと組んでくれという。エイムズはゴーレンが戻るまでだと語る。
撃たれる前に暴行は受けたのか。肋骨が折られて顔と腕に裂傷と挫傷
があるという。手のひらのヤケドは銃弾を防御した痕だという。
ダニエルズはこの意味は”クレージーな人生”だとし一般人もやって
いるものだという。そしてこのタトゥーの意味は服役だとし、麻薬絡み
の暴行罪で懲役三年になっているという。ギャングのタトゥーを消そう
とした痕があるというと、エイムズは刑務所での護身用に掘ったのかと
語る。エリザベスは刺青の死亡率を知ったのかもと語り、5つ以上掘る
と惨死率は2倍になると語る。
旅行者の2人は運が悪かったとし、それにしては危険なレッドフックに
観光船を何故止めるのかというダニー。
ダニエルズはエイムズに5ヶ月の停職なんてあるのかと問うと、普通では
あり得ないことねとエイムズも語る。ゴーレンは正気を無くしたと聞いた
が何が有ったのかと問うと、刑務所の精神機能観察房に潜入に行った
のだという。ライカーズか?と問われるとテイツ刑務所だと語る。
管轄外でも捜査許可が出たのかと問われ彼の独断だと語り理由が有った
のだと語る。
そんな中ゴーレンはマイクからもらった銃で射撃訓練をした後、銃は
そのまま置いて行く。するとそれを持っていくものが居た。
ゴーレンはマイクに電話するとこの前の話に乗ると語る。
何処に行けばいいのかと。
■クラブ・アルカディア。
■レーン精神科医
■エリザベス・オリヴェット精神科
■Heavenly Curves
■今回の事件
ゴーレンが甥を助けるためにテイツ刑務所の精神機能観察房(MOU)に
潜入した件で、局長からは停職5ヶ月と精神鑑定の義務を課せられる。
やることもなくふてくされてバーで飲んでいると、麻薬の件で不正
をしていた警察官とばったり遭遇し一触即発になる。
しかしマイク・ストートというブルックリンの麻薬課の刑事が二人
が争う前になんとか制止する中で、彼はゴーレンのことを優秀な刑事
として知っていることを語る。自分も現在潜入のために吸った麻薬が
元で停職処分中の身だとし、警備の仕事をしているので一緒にやらない
かと誘われる。
そんな中、治安の悪いレットフックで殺人事件が発生する。
一人は麻薬の売人だと思われたが、目撃者の二人はイギリスからクル
ーズ船に乗って来た観光客だった。
ゴーレンが居ない状況の中、ロスはエイムズにダニエルズ刑事と組んで
捜査するよう告げる。エイムズはあくまでボビー(ゴーレン)が戻る
までだとするが・・・
■感想
冒頭からゴーレンがバーに居る姿を見ると、先日の捜査の件や母の死
などを経験して完全に燃え尽きてしまったのかと思わせた。
これから転落への道を歩んでいくのかという緊迫感も有り、そういう
時にまた色々とトラブルを感じさせる人物たちが擦り寄ってくるという
悪循環があって心配させられる。
一番心配して居るであろうエイムズ。
残業開けにゴーレンの居ないデスクを見る光景。
そして電話して安否の確認(笑)をするが、ゴーレンとしては応答せず。
バーで近づいて来たマイク・ストートが如何にも怪しい犯罪の臭いを
感じさせる人物だったし、銃を置いていった際には、エイムズたちが
捜査している三人の死傷者を出したレットフックの事件の凶器だと
思ったので、いよいよ彼もハメられたのかと心配になった。
しかもあの銃で訓練射撃した時には誰かが銃を持ち去っていたしね。
■「相棒」「裏切り」「潜入」がテーマなのか
今回は三人の相棒の存在が描かれた。
・ゴーレンとエイムズ
・マイクとロイス
・ウィルソンとキーショーン
潜入捜査をするとどうしても、信頼している相手にも話せないこと
があるだろうし、法から外れることをしなければならない事もある程度
はしなければならないように思うんだけどね。
しかし潜入捜査も長くなると、法を破ることに不感傷になるところが
あるのだろうし、マイクはそのせいで道を外れてしまったのか。
ロイスに至ってはちょっとした飲酒運転をきっかけに転落した人生を
経験し、相棒のマイクと協力して再び元の地位に戻ろうとして、不正な
ことをしていたようだ。
元犯罪者のウィルソンとキーショーンにしても麻薬の売人だったけど
更正しようとしていたのかな。
■刑事同士の捜査
アメリカのドラマだと刑事同士の密告って幾ら不正な事への告発でも
相当嫌われるような描かれ方するよね。
例え相棒でも不正をただすことが刑事であり人間として相手のことを
心配することのように思うのだけど、何だかこの辺は刑事としての
論理というのが深く関係していそうだ。
アメリカのMLBなんかを見ても選手が報復したりする光景があるし、
そういうのが許されてしまうというところ(厳密には罰はある)が
有ってなんかアメリカ的だ
ゴーレンは結果的に元潜入捜査官を潜入することになるという複雑な
構図が有る。それを指示したのは局長であり、そしてロスだった。
ロスがゴーレンと繋がっていると知っただけでは安心させられるという
のはこのシーズンに入って始めてに近い。それだけロスとゴーレンの
間には距離がありそうな気がする。
■パワーバランス
「ナンバーズ」のチャーリー先生ならすかさずギャングの勢力図に
於けるパワーバランスの問題を引き合いに出して、誰がこの地点で
犯罪を犯していたのかということを割り出していきそうだ。
元々殺人の有ったこの界隈は再開発されたが工業地帯はギャングの
巣窟になっているという。2ヶ月前にニコロー家の50人が逮捕された
ことで無法地帯になっているという。6週間に4人の売人が撃たれて
いること。
「大物の逮捕で混乱が拡大、司法の意図せぬ結果だ」(ロス)
■ゴーレンは精神科へ
エリザベス・オリヴェット精神科に通っている姿が有った。
一応彼もルールを守っているのね。
容疑者の一人・キーショーンもレーン精神科医に週2回通っていると
していたけど、踏み込んだときには医師が患者と関係を持っていた。
この世の中のモラル自体を皮肉ったものだと思われるが、やはり
ドラマは警察がギャングに情報漏洩、そして証拠品保管庫から銃器を
盗んでいることが挙げられる。
しかしアメリカでは銃なんて人口の数ほど一般の市民が保管している
ので、その中でもわざわざ警察の証拠保管庫から盗まなくても良いので
はないかという気がするんだけどね。
■一応潜入らしいゴーレンの行動
テスタロッサから麻薬を購入に来る男たちがいて、その人物が
麻薬捜査官であることを見抜いて、隠し持っていたマイクをゴーレン
が壊すシーンが有った。これだけで簡単に信用されてしまうという
のもアレだけどね。
テスタロッサたちは麻薬を売った後に、警察に通報して逮捕させて、
麻薬の一部を回収することで警察は手柄を得て、テスタロッサたちは
金銭的な利益を得るウィンウィンの関係に有った様だ。
■取調室で口をつぐむが・・
FBIは全員をRICO法を適用するということで、自白はそれ程重要では
なかったのかも知れない。自白する以上に証拠が多く残っていたしね。
マイクはゴーレンに対して
「オレを落とせばバッジが戻るのか?ユダの銀貨30枚をもらうのか」と
して敵対心を露わにしていた。
まぁ自業自得ですってことで・・
■エイムズさん、ゴーレンさんを許してあげて
エイムズは思わず潜入中のゴーレンを撃つところだったということで
連絡してこないことに激怒していた。
「君を守る為だった」
「警部や局長とは通じ合っていて相棒は無視って訳?」
「バッジを取り戻す唯一の方法だった。」
「あなたは天才、私はただの助手ね」
「あなたが望んだ結果よ、満足だと良いけど・・」
最後にゴーレンの机にネズミの死骸が入っていた。
妄想なのかそれとも本物の裏切り者としてよく思わないものからの
仕業なのか。
エイムズさんがネズミを仕込んでいたとしたら怖い(笑)
■出演俳優
今回エイムズとコンビを組むことになったダニエルズ捜査官を
演じたのはSeth Gilliam。
過去にはS6-17、S7-1、S7-10に出演。
S6-17
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=2681
S7-1
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=2847
S7-10
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=3281
「The Walking Dead」では神父のガブリエル役として出演している。
■使用された曲
・
■出演者
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事、”ボビー”
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ダニー・ロス (Eric Bogosian) 警部
マイク・ローガン (Chris Noth) 捜査官
ノーラ・ファラッチ (Alicia Witt) 捜査官
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
マイク・ストート (Dean Winters) 元刑事、警備員
ロイス・メラーゴ (Lauren Luna Velez) 64分署
ダニエルズ (Seth Gilliam) 刑事、今回のエイムズの相棒
ジョン・テスタロッサ (Danny Mastrogiorgio) クラブ経営、裏稼業
パトリック・コパ (Holt McCallany) ゴーレンに暴かれ退職
ヘクター・サンタナ (Louis Martinez) 24歳、メラーゴに逮捕される、囮
ケニー・モーガン (Mike Pniewski) 刑事局長
ノーブル (Steven Randazzo) Property Clerk / 証拠保管庫
キーショーン・パウエル (Leroy McClain) クロフォードの元相棒
リッター (Lemon Andersen) 麻薬捜査官
マホーニー (Adam Laupus) 麻薬捜査官
ルイス・キャンペシ (Caris Vujcec) 捜査官
ビクトリア・ベネット (Adriana Moretti) 被害の旅行者
ジェリー・ベネット (Greg McFadden) 被害の旅行者
ロージー (Rozie Bacchi) 弁護士
ヒンカンプ (Major Dodge) 64分署、捜査官、ロイスの相棒
ドリス (Mimi Rodriguez) ヘクターの女?
ガーヴィン (Curtiss Cook)
オクサナ (Marlo Fisken) ダンサー
Dr.ローナ・レーン (Deborah Twiss) キーショーンの精神科医
エディ・ジューンズ