カリフォルニケーション ある小説家のモテすぎる日常
Californication
第12話 最後のダンス The Last Waltz
監督 / Scott Winant
脚本 / Tom Kapinos
【ストーリー】
■結婚式
ウェディングドレスを着たカレンとビルの結婚式で、
牧師(John C. McLaughlin)は語る。
「結婚に異議のあるものは申し立てるか、さもなくば永遠に口をつぐむ
事」
参列者はハンクの行動を気にしているが、彼は異議を申し立てる事も
なく、自分を見ているものたちに、前を向けと注意する。
しかし少し間を置いたところでストップをかけるのはハンクだった。
彼は今ならば良いということだから何もかもぶちまけるという。
「カレン、車がある。君次第だ。今すぐ入口の所に付けるよ」
「君とベッカを乗せてここを出ていく」
「どうする? 今なら間に合う」
カレンは逃げようとするがそこは崖。
ハンクは必死に手を出してカレンを助けるが、ハンクの方が崖から
落ちる格好となる。
■ハンクの家
ハンクは夢から目覚める。
するとカレンが隣で寝ていた。朝のキスをしてくるが・・
それもやはり夢だった。
魘されている父に対してベッカは大丈夫かとして起こしに来る。
ベッカは出かける支度をする。結婚式は午後3時から。
パパの服を用意し、コーヒーも淹れておいたというベッカ。
ハンクは起きて酒を飲みながら正装姿に着替える。
ネクタイの結び方を忘れたというハンク。
ベッカは着飾って父の前に現れる。
すると突然ベッカの口から、
「アレが始まってしまった」
という。ハンクはアレの意味が分からず何度も聞き直す。
■店
急いで店まで生理用品を買いに行く。
ハンクはベッカに用意しておかなかったことを謝罪する。
店にはひと箱しかなく、目の前の女性(Christen Sussin)が
その箱を取る。ハンクは二・三本でも良いから買い取らせて
欲しいと頼む。すると女の夫(Charlie Mattera)が割って入る。
ハンクが説得しても無駄だと分かると、ハンクはベッカと
連携してそれを奪い使うことを考える。
「初めて? ママは?」
「これから結婚するんです」
女性もそれを察してベッカに使い方を教えると言ってくれる。
■結婚式会場
ウェディングプランナー(Serena Shen)に細かい指示を出すビル。
そこにミアがやってきてビルに話しかける。
「カレンは何処か? 逃げたのか? 飲み物にこっそり鎮静剤を入れれば
大丈夫よ」
「私がくだらないジョークに寛容な父でよかったな」
「私が本の宣伝で全国ツアーに出てしまったらジョークが恋しく
なるか?」
「ハネムーンから帰ってから本の件について話し合おうと思って
いたが、あんな本を出させる訳にはいかない。こういうご時世だ」
「頭おかしいんじゃないの?」
「知らないかも知れないが私は出版界でそれなりに成功を収めて
いる。”ファックとパンチ”なんて本を16歳の娘が出したら要らぬ
注目を集めてしまう」
「私が書いたのだから私の勝手なハズ」
「勝手にやれば良いが、コネを使って止めさせるのは簡単だ」
世間体が気になるだけなのか?
あの小説は問題が多い内容だと思わないのか?少女の妄想を
垂れ流しただけ。セックスの相手はろくでなしの男で、その
人物像は私の嫌いな男ソックリだ。
妄想じゃないかもよ。
・花嫁控室
マーシーはカレンにマリファナを渡そうとする。
二人は結婚後のセックスについて語り合う。
結婚式の新婦がハイになってどうするのか。
“誓います”と言ったら最後よ。あのビルの小さいアソコに一生
付き合わされる。大きすぎるよりはいい。アナルは特にね。
彼にそれを許すつもりもない。旦那にはアナルを許さないと。
秘境は秘境のままでね。
真面目な話ビルを選んでよかったというマーシー。
今更フォローしなくて良い。アソコがしなびれそうだと言った
癖に・・嫌いなんでしょ。
真面目でしっかりした人。青臭いガキとは違う。
カレンはそこで初めてマーシーに秘密を打ち明ける。
「ハンクと寝た。お義父さんが亡くなったばかりで・・」
「あんたってアバズレね。気分はどうか?」
「良かったけど悲しかった」
・結婚式会場
ゲストたちが飲んで食べてくつろぐ中、チャーリーもプレゼント
を持ってやってくる。そこにシャンパンを飲みまくるミアが
話しかける。
「父から出版するなと言われた」
チャーリーは何の同情もなくただ良かったなとして怒りの感情を
向きだす。
「あいつとファックしてパンチしただろう。罠にかけて原稿を
盗んだ」
「それが本当だとしてどうする?お尻でも叩くか?」
「女同士はなんでもしゃべるな。ダニーが自分から言ったのか?」
「前から変態じゃないかと思っていた。女の感よ」
・ハンクとベッカは車で式場へ来る
マーシーが凄んでハンクたちの元にやってくる。
「ベッカは私と来てハンクはカレンと話し合いなさい。寝たんでしょ」
マーシーにぶっ飛んでいるなというハンク。
■感想
いよいよシーズン1の最終話。
シーズン1とは言え最終話なのでこれまで提示された問題をどの程度
解決・回収していくのか。
解決する為には「秘密」の暴露が有ってこそのものがあるが、
告白にはかなり破壊力が有り、破壊された後の世界をそれぞれがどう受け
止められていくのか。
下にも二つの問題として取り上げていくが、一つは時限式に自然発覚して
いってもおかしくはない。
ミアとハンクのセックスの事実と小説の著作権の流れがそれに当たる。
そして現在カレンの中にあるハンクの存在感がどの程度心の中で
残されているのか。
現状ドラマのシチュエーションは、カレンとビルの間で結婚式が行われ
ようとしている。
しかしカレンの中では少しずつハンクの存在が大きくなっていて、
このまま結婚しても良いのかどうかを悩む。
ハンクが常にカレンにアプローチをしてボディブローのような効果を
発揮しているのは明らか。既に二人の間では体の関係にさえなって
いるのだから。
、
更にそれを加勢するかのようにしてベッカがハンクの家をベースに生活
していくと告げたことから、より一層カレンの中では自分の決断が正しい
かどうか考える機会を与える。
将来を考えた上でビルとハンクのどちらが生活する上で心の平穏を
もたらしてくれる存在なのか。
安定感だけ考えればビル選択で間違いない。
しかし人生は平穏さだけが幸せなのかという問題もある。
マーシーからは散々カレンがビルを選ぶことに否定的なことを
言われたりしたが、それでもカレンの決断には従おうとしている。
しかしそんなカレンからの告白。
ハンクと寝たという事実。その事実を知ったマーシーが今回は着火役と
して機能していくのか。
・ベッカの初潮
ベッカは12歳という設定なので大体この時期なのか。
正直生理とか赤ちゃん(出産)とになると男性親は色んな面で
脳が無効化されるだろう。
しかしこれは男性が踏み込んではいけない女性の領域的な扱いを
受けてきた社会の風潮であったり、女性が男性をそれから遠ざける
ことをしてきた結果ではないのか。
カレンはその事実をハンクから聞いて色々と知りたがる。
・人生を振り返る
私は他の男性と結婚するはずはなかった。
あなたはキャリアをドブに捨てたりするはずではなかった。
ベッカも赤の他人にタンポンの使い方を教わったりするハズじゃ
なかった。
「確かにそうなる筈ではなかったがそうなった。これからどうなる
かは君次第だ」
・仮の決断、後ろ髪を引かれる
時間と内容、セリフなどを勘案すると、あまりに早い決断表明って
いうのは大抵覆されるよな。
「カレンはビルと結婚する。今更キャンセルなんて出来ない」
ハンクは結婚式を壊すつもりはないとするが、他にも壊しそうな
人物や要素は存在している。
ハンクがあまりにも抵抗せずに祝福の言葉をくれるものだから
カレンとしては安心したのか。
・結婚式・宣誓
朝にハンクが見た夢と少し違う。
牧師さんが女性になっていること。
そして何よりも予想していたビルの娘・ミアが爆弾的役割を果たす。
「今なら異議を唱えても良いんでしょ」
「二人の結婚には賛成できない」
ミアによると・・
「あんたたち愛していない。愛って何か知っているのか?
今でもハンクのことを思ってる。
パパには幸せになって欲しい。本当よ」
全てを暴露したのはミアだったけど、色んなフェイクが入り乱れて
最後まで本当のことが言えない人たちだった。
ハンクも我慢した。そしてミアも我慢する。
ベッカの顔を見たら言えないよな。
■その他
・ベッカによる演奏
ビルから反対されていたけど結局演奏していたね。
演奏では女性が男性によって虐げられている社会を嘆く内容の歌詞
を歌っていた。
「苦しむのはいつだって女だけ」
「女だけが血を流す」
・学校の先生でもなろうかな
チャーリーにハンクが愚痴ったこと。
・ベッカと踊るハンク
パパを見直した。堂々としていたし喧嘩売られても買わなかった。
売りもしなかった。ダメなところもいっぱいあるけど本当は優しい人。
・ハンクと踊るミア
お礼を言わないといけないな。かばってくれたから。
これでチャラってことね。作り話ってことで本を出せることになった。
セックスした。たまたま本屋さんでファンの作家を見かけたから誘惑
したの。いけないか?。どこかの坊ちゃんの車の中でロストバージン
した方が良かった?初めての男はずっと忘れない。
・チャーリーとマーシー
毛のないハマグリの方が良いと気が付いた
・ハンクとカレンのチークダンス
もっと君と踊ればよかった。バカなのはダンスではなく俺の方だった。
きみと結婚しなくて後悔している。あの頃は不安でしょうがなかった。
でも今日分かった結婚式ってホント良いものなんだな。バカだった。
・ベッカがキス
ミュージシャンは辞めておけ。ろくなもんじゃないぞ。
・カレン
ベッカとハンクが乗る車に最後は飛び乗る。
「欲しいと思ったものがいつも手に入るとは限らない」
■使用された曲
・You Can’t Always Get What You Want by Tommy Stinson and Friends For Done to Death
・High Flying Bird by Elton John
・Reconsider Me by Steve Earle & Reckless Kelly
・Only Women Bleed by Madeleine Martin
・Californication Main Theme by Tree Adams and Tyler Bates
■出演者
ハンク・ムーディー (David Duchovny) 有名な小説家
カレン (Natascha McElhone) 建築デザイナー、ハンクの元彼女
レベッカ(ベッカ)(Madeleine Martin) 12歳、ハンクの娘
チャーリー・ランクル (Evan Handler) ハンクのエージェント
マーシー・ランクル (Pamela Adlon) エステ店、チャーリーの妻
ミア・ルイス (Madeline Zima) 16歳、女子高生、ビルの娘
ダニ (Rachel Miner) チャーリーのアシスタント
ビル・ルイス (Damian Young) カレンの現在の恋人
(Christen Sussin) 生理用品を買う女性
(Charlie Mattera) 生理用品を買う女性の夫
(Lyn Alicia Henderson) 女性の牧師
(John C. McLaughlin) アイルランド系カトリック教司祭
Band Member
(Robert Gilling)(Jory Glick)(Shira Kreitenberg)
(Myles Trifon)
(Serena Shen) ウェディングプランナー
(Timothy T Tyler) 結婚式のゲスト