カリフォルニケーション ある小説家のモテすぎる日常
Californication
第6話 深まる情 Absinthe Makes the Heart Grow Fonder
監督 / Ken Whittingham
脚本 / Tom Kapinos、Eric Weinberg
【ストーリー】
■マーケット
ハンクは酒やタバコを嗜みながらカートを押して食料品店で買い物をする。
アルコール売り場に近くには水着姿の女性(Michelle Lombardo)がいて
ハンクに声をかけてくる。
「ワインに詳しいか?」
「ワインも良いが、回りが早いのはウイスキー」
「酒で死ぬには時間がかかる」
「サバス/Sabbathね?」
「残念、Ozzy Osbourneのソロだ。」
「タバコは体に良くないよ」
「生きていれば死ぬものだ。人生はヘビーだから」
レジで支払い。
女性はハンクの前で会計を済ませようとするがお金が足りない。
ハングが足りない分を支払う。
そしてハンクの支払う番がくる。
無愛想なレジ係(Daisy Gardner)に対してハンクは、自分が女好き
であることを認めて、君の事もここで抱きないという。
外には先ほどの水着の女性が待っていた。
■ハンク家
ハンクと水着の女は部屋の中で古いLPレコードを聴く。
「色褪せない・・人間臭さ・・・暖かい」
あなたはデジタル社会に生きるアナログ人間ね。
「名前は?」
とハンク問うが、やるだけやって名前など知らないままの方が
良いという彼女。
・翌朝
ドアをノックする音で目覚める。
パンツだけ履いて玄関に行くとミアだった。
ハンクは改めて部屋を眺めると夕べの女によって盗まれていた。
「ギターを持っていかれた。レコードも・・」
ハンクはミアに対して何の用かを尋ねる。
彼女は中東和平。オーガズム論議、小説の原稿とかなんでも
良いので貸して欲しいという。
今日はダメ。自分で適当にでっち上げれば良い。
くれないなら悲鳴をあげるというが、ハンクはやるわけない
と思い、やれば良いと突き放す。
「俺をいたぶるのが楽しくて仕方がないのだろう」
「とにかく自分でなんでもいいから書いてみろ。そしたら
読んでダメ出ししてやるよ」
「本気で言っている?ウチのパパは宿題を手伝ってくれた事も
ない」
「パパさんと同じカテゴリーで比べないでくれ。ゾッとする」
「君程悪知恵が働くものならば小説を書くことなどチョロい
だろう」
■チャーリーのオフィス
ダニー (Rachel Miner)はチャーリーに呼び出される。
「床に落ちた頭痛薬が見つからな。よかったら這いずり回って
探してくれるか?」
そこにマーシーがやってくる。
ダニーが這い蹲っている姿に違和感を覚えるが、薬を見つけて
いたとして上手くごまかす。
「あの子はあなたの奴隷みたいだ」
「ここの所マンネリだからオファスでやりましょう」
外にダニーが居るんだぞとするが・・
■WAVECREST SCHOOL Battle of the BAND / バンド・バトル
ハンクはカレンと待ち合わせしてイベントを観覧する。
ハンクは来るのが遅れた理由として女に盗まれたことを語る。
「女に一番お気に入りのTシャツを盗られた。Keith Richardsのやつ」
カレンはあれって私がビレッジの店で買ったやつか?
そんな中、司会進行の男性(Dana Michael Woods)からアナウンス
が入る。
CaliforniaのVeniceから来た「Kill Jill」。
そのバンドの中のギターを弾いていたのはベッカだった。
その娘の姿を見てハンクが涙し、それを見たカレンは彼を見直す。
・演奏後の家族団らんの場
ベッカの演奏後にジェラートを歩いて食べながら家族で話す。
「もっと三人で会おう。もうパパとママが元通りの関係には
戻れないことは分かっているが偶にこうやって会えるといいな。
大げんかしなければそれで良い」
・ハンクの携帯に電話
家族団らんの場に電話が鳴る。
ハンクはチャーリーから電話が来たとするが、電話してきたのは
ミアだった。
「すぐに迎えに来て・・すごくヤバイ事になっている」
「あのヤバイ先生を覚えている?コカインで完全にぶっ飛んで
いる。3Pをさせられそうだ」
「カレンに連絡すればパパに伝わりヤバイことになる」
「助けてくれそうな友たちはいないのか?」
「あなた友達でしょ」
「友達ではない」
「ならば自分でなんとかするからいいわ」
・電話後の家族団らんの場
ベッカは食事に一緒に行こうというが、ハンクはチャーリーが
やばいことになっているので行ってくるという。
ハンクは呼び出された部屋にいく。
そこらはミアのクラスメイトの(Chelsea Blaine)。そして教師の
ニック (Lance Barber)の姿が有った。ニックはドラッグでヘロ
っていた。
ハンクはミアに対して憤怒する。
「トラブってはいなかった。よくも騙したな」
「娘と過ごす貴重な時間をつぶされたんだ」
「カレンはパパと結婚するのよ。諦めたら?」
■感想
いつも通りの展開のようにも感じるけれど、夫婦関係に対して
修復する為の一つの例をあげるような展開だった。
いつも通りに過ごすことは一見すると退屈だ。
更にクソみたいに人を騙す相手がいて、人のことを人だと
思っていないものもいる。
そんな世界の中でも幸せなものがあることを見過ごしている
こともある。
人は過去にばかりに身を投じずに現代を生きるべきだ。
その中で社会と自分の関係を見つめ直すことが必要だし、
自分を構成している周りの人たちとの関係も同様である。
ミアやカレンはハンクの現状を見て色々と見抜いた発言をする。
時々ドキっとするけど、それはまた逆も然りではあると思う。
ラストで戻って来た泥棒の女の姿はこの世はクソばかりでなく
満更でもないことを教えてくれる。
夫と妻以外の第三者が与えてくれた夫婦が関係を長く保つための
ヒント。
ハンクの場合、今回は全体的には最悪な展開だった。
今の時代、知らない相手を自分の家に居れればこうなってしまう
という事は目に見えている。
日本の場合、女性の方がそのリスク性は高いけど、そのリスクを
日常のちょっとした態度(マーケットでの彼の行動を試した)を
調べた上で彼を誘惑する。
互いの趣味が似通っていると思わせハンクをどんどん気分ハイに
していく中、彼が眠った時を狙い、部屋のものを盗んでいった。
彼女は名前を語らず、一晩だけの関係も良いではないかとして
いたけれど、まるで男性と女性が入れ替わったようなやり口。
この流れで一番気になるのは冒頭のマーケットでレジ係と接触が
あるが、レジ係の女性とは関係が有ったのだろうか。
仕事場での性交。
チャーリーとダニーはオフィスで相変わらず「ご主人様と奴隷」
的な関係に興じるが、その延長線上でダニーから妻・マーシー
に入れ替わったことによって不思議とピースが当てはまる。
完全なる早打ちマック。
夜のベッドの中で、ソフトSMとかボンデージプレイとか妻に
提案するとマーシーもノリノリ。しかしマーシーはチャーリー
を攻める側かと思っていて逆にチャーリーに攻められセーフ
ワードも意味なく最初の一振りでギブアップ。
問題は難攻不落のような状態にあるハンクとカレンの関係。
ハンクは良いところも悪いところもよく見せるが、
今回はその良さがなかなか伝える事が出来ず、誤解される
ような展開もある。
しかし娘の存在は二人を結びつける強烈な磁石になっている
ことも確かだ。
ベッカがギターを習っていたことに関して、早くもその実力
を発揮することになった。
まだ上手い演奏ではないかも知れないが、12歳でこの荒れ果て
た生活環境に有って、かわいらしい存在に映る。
この流れをつぶしてしまう所がハンクであり、そしてドラマ
という関係上仕方がないのだろうけど、ここでもミアという
小悪魔的存在が色々とかき回し、彼女を放っておけない
ハンクは引きずり回される格好となる。
ブールサイドで飲みながら話す。
ビルとカレンはマリファナをしていたことがあり、それを
ベッカが目にして自分は絶対にやらないと言っていたと
いう。
「今ビルといて幸せか?」
ハンクといた時と比べることになる。
カレンが語るには、ハンクといた時最初は良かった。
だんだん頭に来ることが多くなっていった。
カレンは自ら成長したことを告げ、ハンクはあの時のままで
成長していないという。その期間にして10年間らしい。
逆にハンクに意見を求められて彼はカレンに以下のように
語る。
「俺たちはお互いを愛しすぎていた。いきなり理想の相手
と知り合ってしまったからいつそれが終わるのかということに
怯え疲れてしまった。それで逃げ出した。君の匂いが恋しい。
しばらく君のシーツが洗えなかった」
「あなたが愛しているのは私ではない。愛という概念、イメージ
を愛しているだけ」
二人のキス。
わざとカレンはハンクをプールに落としてキスする。
朝のカレナの態度を見るとどこまで関係を持ったのか分からない。
ミアが朝にハンクのベッドに居た。
しかし食卓を囲んだ4人を見るといい雰囲気に見える。
ビルからの電話で現実に戻される。
■その他
・俺の可愛いCourtney Loveにお休みを言いに来た。
・さっきのベッカは格好良かったよな。俺たちの子。君が育てた。
・あなたは心の奥ではやり直したいとは思っていない
・ミアの小説
「彼はグラスを傾けながら言った。ローマは燃えている。僕にできる
のはこうして女の体にうずもれる事だけ。この男はいつもこう。
ウイスキーの海に溺れて輝かしい過去を振り返ってばかり。
昔はよかった。The Rolling Stonesにリアルタイムで触れてstudio 54
で最高のコカインを味わえた。今の世の中に見るべきものは何も
ないと本気で信じている。でも心の奥では彼女も同じ気持ちだった。
今私たちが居るのは世界の果て。文明が終わるところ。そういう
時代。ここではみんな何かを感じたいと必死になっている。
なんでもいいから確かなもの。生きる意味になるものを求めて誰もが
足掻いている」
・ギターを返しにくる女性と再び関係を持つ
■使用された曲
・Don’t Let Us Get Sick by Warren Zevon
・The Garden That You Planted by Sea Wolf
・Paranoid by Gus Black
・Don’t Let Us Get Sick by Madeleine Martin / Kill Jill
(Vocal Production by Leanne Summers)
・Californication Main Theme by Tree Adams and Tyler Bates
■出演者
ハンク・ムーディー (David Duchovny) 有名な小説家
カレン (Natascha McElhone) 建築デザイナー、ハンクの元彼女
レベッカ(ベッカ)(Madeleine Martin) 12歳、ハンクの娘
チャーリー・ランクル (Evan Handler) ハンクのエージェント
マーシー・ランクル (Pamela Adlon) エステ店、チャーリーの妻
ミア・ルイス (Madeline Zima) 16歳、女子高生、ビルの娘
メレディス (Amy Price-Francis) マーシーが連れて来る女性
ニック・ロウリー (Lance Barber) 女子高の教師
(Michelle Lombardo) サーファーをする女性
ダニー (Rachel Miner) 22歳、チャーリーのアシスタント
ビル・ルイス (Damian Young) カレンの現在の恋人
(Daisy Gardner) 無愛想なレジ係
(Dana Michael Woods) MC
(Chelsea Blaine) ミアのクラスメイト
<Band Member>
(Robert Gilling)(Jory Glick)(Shira Kreitenberg)(Myles Trifon)