第15話 反逆の矢 Defiance
「aka.娘の反抗」
監督／Dennis Smith
脚本／Frank Cardea
George Schenck
【ストーリー】
町では消火栓に車がぶつかり水が大量に流れる中、
救急車で手当を受けるトニーとマクギー。ヴァンスはギブス
たちに対して国務省が噛みついていること。15分後にはホワ
イトハウスに報告しないといけないという。トニーは説明し
ようとするが・・・ジヴァに機材を車に戻せとし、今はFBIの
犯罪現場であること。48時間以内に事態が収拾出来なければ
トニーとマクギーは解雇処分だというヴァンス。
・3日前
・ベルグラヴィアの首都ヴラスティモのアメリカ大使館前。
(FOXでは※ベルグレービア)
そこでは多くのベラグラヴィア市民たちがデモで集まって
いた。
「条約反対」「ミサイル反対」「戦争反対」などのプラカード
を持ち行進する市民たち。
ZNNのレポーターのウォーレン・ゲイツはその様子をレポート
する。
ベラグラヴィアの国防大臣・アンドル・ゴルゴヴァ
(Ray Laska)とがアメリカの国務長官との初会談のために
まもなく大使館に到着する為だった。ベラグラヴィアに初の
アメリカ軍基地の設置に向けた条約を結ぶ為に非公開の会談
を重ねた結果、アメリカの軍の拠点になることに対して国民
は激しいまでの反感を見せていた。アメリカ海兵隊と
シークレットサービスの護衛で配備されて物々しい雰囲気が
漂っている中、今回の条約は明日王宮で行われ、ベラグラヴ
ィアの首相も同席して正式に調印されることになっていた。
海兵隊のジェニングス軍曹は一人の不審な行動の男
(Teddy Saunders)に対して止まるよう告げるが、彼は突然
爆弾を爆発させて自爆する。すぐに長官は館内へと避難させ
る。
・NCIS
ジヴァとギブスの顔写真の画像をパソコンのソフトを使って
変形させて楽しむトニー。このソフトは面白いとする中、
ギブスとヴァンスがトニーの行動を見ていた。
マクギーはメールの返事を待っていたのだとすると、トニー
はバイブになっていたみたいだと。ジヴァは忘れたのか?と
問うと今日は献血デーだと。8時から10時までみんなで済ませ
たとしトニーだけだという。また来年やるよというトニー。
しかしギブスは今週は毎朝来るそうだぞと語る。
そんなギブスに電話がなると彼は作戦ルームに向かう。
トニーはこれぞレンブラント芸術作品だとしてアビーの顔写真
をいじったものをプリントアウトして貼っていた。
作戦ルームにはヴァンスの他にウルフソン
(Lorraine Toussaint)とオリヴァー准将(Randy Oglesby)が
テレビ会議の為に待っていた。今回のベラグラヴィアでの
爆破テロ事件についてウルフソンは反対派を把握して来たが
暗殺までは想定していなかったという。幸いあちらの国防大臣
はテロリストに屈するつもりはないと明言しているという。
ただし国務長官の判断で条約締結は安全の為にワシントンD.C
で行うという。厳重な警戒態勢が必要だという。オリヴァー
准将は陸軍犯罪捜査司令部が指揮を執ることになるがNCIS
からも人員を出して欲しいという。ヴァンスは協力はするが
ジェニングスの件は?と問う。彼の死はベラグラヴィア当局
と国務省の現地職員が協力して捜査しているという。軍曹の
死因は疑問の余地がないこと。当局はある反政府組織に目を
つけているという。ギブスは軍曹の遺体はこれからどうなる
のか?と問うとウルフソンはドーバー空軍基地にある軍の
病理学研究所に移送されるという。死の捜査ではなく国防大臣
の護衛はどうなるのか?と問うと、オリヴァーは大臣を含めた
代表団はこちらで護衛するという。NCISには念のためにごく
簡単な任務を任せたいと。それはゴルゴヴァ国防大臣の娘の
アドリアーナ(Elena Satine)の護衛をしてくれとのこと。
彼女はジョン・ハミルトン大学の院生だという。
・NCIS
アドリアーナ・ゴルゴヴァ、6年前からアメリカに留学して
学んでいる。プリンストン大で学士号を取得後、ジョン・
ハミルトン大学の大学院に進学した。専攻は外交研究だと。
ガリ勉タイプで女マクギーだなとトニー。父親はたたき上げ
の実業家。工場を近代化して瀕死状態だったベラグラヴィア
の輸送機器産業を蘇らせたという。その後政界に進出し国防
大臣になったとのこと。彼女と連絡は?と問うと、授業が有る
からと言って断られたという。住所は教えてもらえたとの
こと。大学近くに住んでいるというと、ギブスはマクギーと
ジヴァで逢ってこいという。24時間交代して警護すると。
しかしマクギーは不公平だとして陸軍は大臣たちをガード
するのに家は娘だけなのかと。
・アドリアーナの自宅に向かう車の中
ジヴァはイスラエルにいた頃アメリカの大学のイメージは
あれだという・・「アニマルファーム」。マクギーは
ジョージ・オーウェルの「動物農場」?というと、それでは
なくジョン・ベルーシの映画よとジヴァ。それは
映画「アニマル・ハウス」だとマクギー。トーガパーティー
には行ったのか?というジヴァに対してマクギーは学生クラブ
じゃなかったから行かないという。こんな上品な家にも住んで
いなかったという。
■事件
ベラグラヴィア国とアメリカは国務長官同士の会談を行い
ベラグラヴィアに米軍基地の設置に向けての条約を結ぼう
としていた。しかし当然ながら大使館前では条約締結に
向けて反対運動が起きていた。
会談を行おうとしていたベラグラヴィアで自爆テロが発生
した為に条約はアメリカのワシントンD.Cで行われることに
なる。コルゴヴァ国務大臣と首相が来米する中で、その警護
はシークレットサービスと陸軍犯罪捜査司令部(CID)が
行うことになり、NCISは補助的役割としてゴルゴヴァの娘
のアドリアーナの護衛をすることになる。彼女は6年前から
アメリカに留学。プリンストン大で学士号を取得後、
ジョン・ハミルトン大学の大学院で外交研究をしていた。
父親が狙われたことも有り24時間体制で警護することになる。
■感想
今回は珍しく先に事件が発生してトニーとマクギーがピンチ
だと提示し、3日後に戻るという構成だった。
このシーズンに入ってからというもの、ホントにこれまでの
新人・マクギーイジメから変わってトニーを年寄り扱いする
エピソードが多くなって来たな。確かに今回トニーが警護
する過程でマラソンに付き合うことになるけどマクギーが
痩せているのに対してトニーは少々お腹が出て来始めたのか
なという感じがした。マクギーはMIT卒だが、トニーは
今回オハイオ州立大学のジャージを着ていた。1995年に
ボストンマラソンに出場したことを口にするけど、先日90年代
の話をした際にジヴァさんから鼻で笑われていた気がする。
今回のエピソードはまるでジヴァとイーライの関係のように
して存在しているアンドルと娘のアドリアーナの関係を
抽出する話だった。国の責務を担うとなると親子の時間が
減ってしまうといのは仕方が無いけど、それでも敵対する
側の立場に立つというのは少々考えづらい。
またここ最近チーム解散の可能性を示唆するような警鐘を
鳴らすようなシーンが意外と多いような感じがする。
ジヴァとマクギーの間で会話していたけれど、いつまで
チームギブスは続くかどうかということに言及していたし、
上からチームギブスのことを眺めるヴァンスはギブスの
作戦に対してご立腹という感じも受ける。
因みにマクギーは7年間ギブスの元で働いているとしていた
けれどドラマはシーズン8なんだから当然か。
トニーはもっと長いとしていたけど、4年前にスペインへの
栄転の話がありそれを断っていること。この辺は先週の
シェパードとの回想シーンの中でも描かれていたよね。
次の栄転の話は断れないだろうことも語っていた。
また私生活ネタでは今回は献血の話があり、先日のエピソー
ドでアビーはボランティア活動をしていることを口にしていた
けれど、赤十字の服を着てトニーに献血をさせようとして
いた。しかしトニーはペストで入院してから注射器が怖い
ことを語る。(S2-22のペスト感染)。最後の段階になって
トリパノフォビア(先端恐怖症)のケアをするサマンサ
(Sarah Edwards)を連れて来てケアしてくれていたようだ。
■事件捜査の流れ
大きく分けて事件の流れは二つある。
まずはベラグラヴィア国で発生した海兵隊のジェニングス
三等軍曹に関して、遺体を調べたいとNCISは訴える。
なかなか遺体が届かないのは現地で起きた犯罪事件は
現地当局が調べることになっていること。
ドーバー空軍基地にある軍の病理学研究所に移送されると
していたけれど、ダッキーはドイツで腐敗処理されると
調べるのが大変だとされた。
■ダッキーのうんちく
今回はダッキーのうんちくも二つ有った。
冒頭での献血に対して、3000年前から瀉血することは治療効果
があると思われていたこと。初めては古代エジプト。
もう一つは自爆テロに関するもので、最初の政治的目的の
自爆は1881年ロシア皇帝アレクサンドル2世の暗殺未遂事件
であることを語る。ペテルブルクの大通りで皇帝が乗った馬車
に爆弾を投げつけたと。
■アビーの検視
今回殺されたのはフレシェット弾という中に入っている破片
が殺傷力を高めるものだった。
それを調べていくウチに、特殊なチタン合金で融点が高く、
1900ケルビン(セ氏1630度)。アビーはユナボマーのことを
引き合いに出して爆弾にも署名のようなものがあるということ
を告げる。
その爆弾は過去にテキサスウエスタン大学爆破事件、フィリ
ピンやプエルトリコ、アメリカ軍基地で使用されたものだと
判明。ジョー・ドン・ウィンという男が作ったものだった。
■アドリアーナ誘拐事件
マクギーに気が有るようなアドリアーナが彼を誘惑。
トニーが外に買い物に行っている間にアドリアーナは覆面男
2名によって連れて行かれる。
すぐにトニーに連絡して車で追いかけたけど、前に自転車が
走っていたのでハンドルを切ったら消火栓にぶつかり
追いかけることは不可能となった。
このシーンが冒頭でのトニーが顔に傷を負っていた場面。
鏡を見るトニーに対してジヴァは男前になったんじゃない
の・・みたいな感じで語っていた。
■キャンプ・ファイア!!
これっていつからこういう名前が付いたのかな。
ギブスからFBIが調べた現場を再度調べる必要が有るかも
知れないようなことを言ったので、トニーたちはギブスが
示唆したのはリスクを冒せということではないかという
ことになる。
たまたまトニーはフォーネルたちと合同捜査の時にFBIの
シールを持っていた為に、現場に入って誘拐が自作自演で
あることを告げる。
■結論
当初の犯行は娘と教授、そしてアドリアーノの彼氏のジャッ
ド(FOXだとジャドだった)が共謀し、調印を阻止する為に
起こしたことだった。しかしジャッドが途中で金が欲しくな
ったのか計画変更した為にあっさりと捕まってしまうことに
なる。
教授のカールは元はベラグラヴィア系の人みたいだ。
既にドラマでは開始15分程度で犯人の顔が教授であることが
提示されていた。そこからちょっと捻って金に欲を持った
自国アメリカ人が犯人像として描いたこと。
しかし不思議なのは現実のテロリストの多くは母国を知らずに
育ったものたちも母国のためと称してテロを起こすんだよね。
ルーツは大切だけど今住んでいる環境をよくしようとは考え
ないのかな。
■その他
・映画ネタ
今回は二つ。
一つはジヴァさんが、「アメリカの大学って「アニマル・
ファーム」みたい」と語った。しかしジョン・ベルーシの
映画だと言った時点でマクギーから「アニマルハウス」だ
と指摘されていた。
ジヴァさんがアニマルハウスを見ていたことが驚きですよ(笑)
もう一つはアドリアーナが逃走した際にトイレの中に合図
と称して携帯を用意してあった。「ゴッドファーザー」に
於けるマイケルがマクラスキー警部を殺すシーンで銃を
隠して置いたシーンをトニーが引き合いに出していた。
・ジヴァさんも垢抜ける
今回のアドリアーナは来米当初の写真を見るとまるで
ダイアン・キートンみたいな顔写真なんだけど、もの凄く
綺麗な人が演じていた。
Elena Satineは「リベンジ」でルイーズ・エリスを演じた
女性。
ジヴァさんも青いコートを着てホントに綺麗になりましたね。
あのコート姿は良かったなぁ。
・Julio Villamariona Garciaに捧ぐ
クレジットの際に書かれていました。
■使用された曲
・NCIS Theme by Numeriklab
■出演者
リロイ・ジェスロ・ギブス (Mark Harmon) 主任
アンソニー・ディノッゾ (Michael Weatherly) “トニー”
ジヴァ・ダヴィード (Cote de Pablo) 元モサド、NCIS
アビゲイル・シュート (Pauley Perrette) “アビー”分析・解析
ドナルド・マラード (David McCallum) “ダッキー” 検視
ティモシー・マクギー (Sean Murray) コンピュータ
ジミー・パーマー (Brian Dietzen) ダッキーの助手、検視
レオン・ヴァンス (Rocky Carroll) NCIS局長
アンドル・ゴルゴヴァ (Ray Laska) ベルグラヴィア国防大臣
アドリアーナ・ゴルゴヴァ (Elena Satine) ジョン・ハミルトン大学院生、娘、24歳
スコット・オリヴァー (Randy Oglesby) 陸軍・准将
ジャッド・スターン (Nick Eversman) アドリアーナの彼 1986年3月22日生
カール・フレミング (Christopher Redman) ジョン・ハミルトン大学教授
ランディ・スティムソン (Dave Monahan) 国務省駐在員、作戦室にて
ジョー・ドン・ウィン (Kevin Cahoon) 爆破製造
ドナ・ウルフソン (Lorraine Toussaint) 国防省?作戦室にて
サマンサ (Sarah Edwards) 看護師
(Teddy Saunders) 若者、自爆テロ
ジェニングス …… 海軍軍曹、被害者
ウォーレン・ゲイツ …… ZNNアナウンサー
レイ …… ジヴァの彼氏