第6話 謎の香り
監督/Inaki Mercero 脚本/Susana Lopez、Carlos Montero
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【前回までのあらすじ】
バスケス署長はラミーロ・アリーバスをタンジールで逮捕した
ことをシーラに報告。カンデラリアはパトリシオ・ルビオの情報
を奇跡的に掴んだ事を語る。シーラの母を助けられる男だと。
シーラはロザリンダ・フォックスのドレスを仕上げる中、一つ
お願いをする。パトリシオに連絡を取って欲しいというもの。
フェリックスは、ロザリンダはここで一番偉いスペイン人の愛人
だという。その人物はフアン・ルイス・ベイグベデルで、
モロッコにあるスペイン保護領の高等弁務官兼植民地の総督だと
いう。ロザリンダはパトリシオとの接触に成功するが、マドリード
から人を連れて来るのは決して安くないと伝えてくれという。
そんな中ラミーロは逃走しようとして警察に射殺されたことを
聞かされる。シーラは母は唯一の家族なのでどうしても助けたい
ので借金返済に猶予が欲しいとするがホテルの支配人は認めなかった。
ロザリンダは力になってくれそうな人を知っているとしてレオ・
マルティンはイギリスの新聞記者のマーカス・ローガンに電話
する。
【ストーリー】
シーラは署にいくと、パロマレス警部は署長はまだ来ていないと
いう。私が来た事を伝えて欲しいというと警部は彼女の事を
特別扱いされる”お嬢様”だとして皮肉る。署を出たところで
バスケス署長が現れると、話が有る事を告げ、カフェで話をしない
かと問う。警部とちょっと言い争った為に署では話しづらい事を
告げると、アイツは悪い奴ではないが口が悪いとして後で石けんで
口を洗ってやると語る。タンジールのホテルでは支配人に断られた
事を語り旅券を返しに来た事を語る。しかし署長はそのまま持って
いてもらっても良いという。店員のアブドゥルにカフェオレ二つ
を注文する署長。タンジールにはどうやって行ったのかと問うと、
友達の車で行った事を告げ、ロザリンダ・フォックスだという。
あなたはあの人がどういう人か知っていますか?と問われ気を付ける
ことだという。彼女の交際相手が問題だという。
ロザリンダはシーラに記者にはあまり期待しないよう告げると、
覚悟は出来ているという。困っている人と取引しようとする人
を信用しないという。そこにマーカスがやってくる。
彼は怪我をして杖をついてやってくる。スペイン内戦を取材して
いたら突然砲弾が飛んできて怪我をしたのだという。電話で依頼さ
れたのは手配済みだとしてロザリンダは高等弁務官・ベイグベデル
へのインタビューと数週間の公式業務にも同行出来る事を語る。
もうすぐラモン・セラーノ・スニェルの訪問があるとし、フランコ
将軍の義理の弟だという。こちらの条件は、あなたが外部に送る情報
は全て高等弁務官が目を通すことだという。そこで一つの提案だが
私の友人の記者ということにして欲しいという。マーカスは自分の
方はもう話は伝えてあるとし、次のマドリードでの作戦が実行される
時に母も見つけ出せるだろうという。その為に必要な情報を教えて
欲しいとし、ロンドンの新聞社経由でマドリードのランスに伝える
という。彼が作戦のリーダーであること。
ロザリンダは彼がセビリアから戻るのでそろそろいく事を告げると、
明日一時に迎えにいくという。
マーカスとシーラは二人で会話する。母の状況はどうなのかと
問う。私には母親しかいないのだという。一度は母を裏切って
しまったと語る中、ジャミーラがやってきて客が来ていると
呼びに来る。
署長がシーラの元にやってくると、先日正直には話してくれなか
ったですねと語る。おかしなマネはしないようにと言ったのに
という。どうしてロンドン銀行へ行ったのか。そして昨日ケガした
イギリス人は誰なのか?と問う。男性と逢うことまで報告が必要
なのかとしてシーラは不満を漏らす。人をすぐに信じてはいけ
ないとすると、よからぬ人間と付き合い痛い目に有ったハズだ
という署長。取り返しの付かないことをさせたくないという。
しかし約束ならばちゃんと守っているので放って置いて欲しい
という。
しかしシーラはマーカスがどんな人物なのか探る為に、ジャミーラ
に彼の後を尾行してくれないかという。誰と逢っているかとか
何処に行ったのかetc・・・。
フアンルイスはテトゥアンが羨むようなシェフを雇っているという
ロザリンダはマーカスと彼を逢わせる。自由に使える車まで
用意してくれたことに感謝しているというマーカス。イギリス
領事館の友人からもらったスコッチがあるとしてフアンルイス
はそれを飲もうと語る。
ジャミーラはシーラにマーカスは文房具店でノートとボールペン
を買っていたこと。弁務官のところに行きカフェで書き物をして
郵便局に行っていたこと。ホテルのレストランで夕食し、部屋に
戻ったという。出かけたらベルボーイに知らせて欲しいとして
連絡してくれる手はずを整えたという。シーラは明日も尾行して
欲しいとジャミーラに頼む。
しかし翌日も尾行しているがすぐに気が付かれて巻かれてしまう
のだった。
マーカスは喫茶店でドイツ領事館職員から極秘の文章を手にして
いた。もっと領事館の文章を入手出来ないかと頼むが、これ以上
は難しいという。職だけでなく命を落としかねないと。そんな
中、署長もマーカスのことを喫茶店で監視していた。
セラーノ・スニェルの歓迎会のロザリンダのドレスを作るシーラ。
雑誌を見ながら相談する。スペイン紳士は古いというイギリス人
ロザリンダに対してスペイン人シーラはせめて保守的と言って
と語る。マーカスのインタビューはどうだったかと問うと、
彼は魅力敵でフアンも知り合えて喜んでいるという。私の為に
ありがとうというシーラ。フアンの考えている事がイギリスで
も分かれば助かるというが・・。そんな中ジャミーラが店に
戻るとメディナで見失ったと報告する。ロザリンダはシーラが
マーカスを尾行させていることを知ると、シーラは気まずそうに
彼が自分の目的を果たしたら居なくなる心配があるので・・と語る。
約束は守るわよとロザリンダ。しかしシーラは男性は信じられない
とし、信じるなと人生に教えられた事を語る。
1937年7月モロッコ・テトゥアン
セラーノとベルンハルトの会話。アンテナ。コンソールシステム。
エレクトロソナー製、海峡の空路と海路を監視する為、3基設置。
英国がジブラルタルを手に入れてもこれで互角。
タムダの移籍の傍に・・。
管理は我が社・ヒスマが引き受ける。
ファランヘ党の党歌。
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シーラは闇の世界のパトリシオ・ルビオが、マドリードから
モロッコに人を密入国させる仕事を請け負っていることを知る
が、その為の資金が調達出来ず諦めていたところ、ロザリンダは
自分の知り逢いである新聞記者のマーカスに頼んでみるという。
マーカスはロザリンダが不倫しているフアン・ルイス・ベイグベ
デル高等弁務官からインタビューをさせてくれれば、協力する
ことを約束するが、素性も分からない男を信用しても良いのか
疑問だった。バスケス署長も同様のことを語ったことも有り、
シーラは警戒心を持つ中で、それでも今の所母親を助ける為に
出来るのは彼のツテを辿ることだと思い、なんとか協力して
もらうことに・・。そんな彼から7月にテトゥアンにセラーノ・ス
ニェルの訪問が有りそのパーティーが開かれる為、マーカスは
シーラを誘う。そこでマーカスはこの町のお偉いさんたちが
勢揃いするので教えて欲しいと頼むが・・・
ドラマではスペイン人とイギリス人とドイツ人、そしてモロッコ
人などが主に出てくるけれど、どの人物が右よりか左よりか
よく見ていないと流れを見失う可能性が有りますね。
ドラマの中でも説明が有ったけど、高等弁務官でロザリンダと
不倫しているフアン・ルイスはイギリス人よりのドイツ人。
マーカスはイギリス人記者なので、フアンがイギリス寄りの政策
を取っていることを知らしめたい思いがしているのだろうし、
まだ登場していないけど度々出てくる名前としてフランコ将軍が
上げられるけど、彼はドイツよりの人物でスペイン内乱の立て役者。
今回はそのフランコ将軍の義理の弟だというセラーノ・スニェル
が登場して、なにやら怪しげな行動を取り始めた。
少しずつシーラが諜報活動に手を染めていく様子が描かれています
ね。
シーラの諜報活動に於ける才能が有るのか無いのかはともかく、
歓迎会に於いては真っ白なドレスで美人で目にとまりやすいので、
なかなか難しいかなと思ったけど、運も味方して上手い事マーカスが
欲しがる情報を得る流れに繋がっていく。ドイツがイギリスを
出し抜くために起こそうとしている行動に対して、イギリス人記者
のマーカスにそれを伝える。またドイツ領事館の職員がマーカス
に情報を流すシーンが有ったけど、妻がユダヤ人であり、
ドイツ人による600万人ものユダヤ人大虐殺が始まっている中で、
そんな彼の情報が上手くドイツ人による暴走を止める役割を
果たすのか。
コンパクトを壊したシーンからしてセラーノとは、もう少し接近出来る
のかと思ったけど、謝罪だけで終わりかって感じ。
コンパクトは歓迎会に行く直前にカンデラリアにもらっていたけど
もう一つ何かをもらっていた気がするんだけど、あれってなんだった
んですかね。
大抵机の下なんかに隠れていると大事なところで、物音を立ててし
まって見つかったりするものなんだけど、シーラが息を潜めて
眺めている間、シーラの視線だけのシーンがなんとも言えなか
ったし、二階に行っただけなのに、迷い込んでしまう程に
屋敷が広いのかって感じで、緊迫感と達成感を上手い事使い分けて
いる感じはする。
「Pretty Little Liars」でもRavenswoodで、4人が思わず迷い込んで
しまう屋敷があったよな。
シーラの為に働いてくれるジャミーラ。
民族衣装に身を包んでいるけど、シーラと同じく顔の一部しか
見えないのに美しいオーラが出ている感じ。あのベールを取ったら
どんだけの素顔が出るのでしょうか。
ジャミーラはイギリス紳士にちょっぴり惚れてしまった感じなのか
なと思ったけど、手を握ることさえ拒んでいる姿が有った。
単純に恥ずかしがっていたのか、それとも民族的に許されない行為
なのかはよく分からないけどね。
ジャミーラの方が地の利を活かして尾行できるかと思ったけど、
流石に尾行はド素人過ぎたな。
パーティーでのノウハウをフェリックスに教わり、取りあえず即席な
がらも貴婦人風に仕立て上げた。前回のエピソードの中でも、
ロザリンダのドレスを即席で作っていたけど、先の展開は五里霧中
でなかなかどうなるか分からない。
正直ロザリンダが胃の調子を壊しているとしてパーティーに出席しな
いとか聞いた時には、もしかすると殺されてしまったのではないかと
思わせるものも有ったし、ちょっぴりヒヤヒヤさせられるところも有
った。
イギリス人はドイツ人とは水と油。交わることはないとしていた。
情報を得るためにシーラがトロイの木馬となってドイツ人の中に
入って行く様。
パーティーに出席しているのはドイツ系ばかり。
フランスとかスペインの国旗なんかも時折見られるのだけど、
徐々にドイツ色が強くなってきていて、ここがドイツに変わるのも
時間の問題かな。
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シーラ・キローガ (Adriana Ugarte) お針子。ドローレスの一人娘
カンデラリア (Mari Carmen Sanchez) モロッコ・テトゥアンの下宿の主人
バスケス (Francesc Garrido) テトゥアンの署長
ジャミーラ (Alba Flores) 下宿で働く
パロマレス (David Venancio Muro) テトゥアンの警部
フェリックス (Carlos Santos) ベルトゥーチの学校の教師
ロザリンダ・フォックス (Hannah New) 客
ラミーロ・アルバレス (Ruben Cortada) 元シーラの婚約者
パトリシア・ルビオ (Juanma Navas) 組織
フアン・ルイス・ベイグベデル (Tristan Ulloa) スペイン保護領高等弁務官
レオ・マルティン (Ramon Merlo) ロンドン銀行支店長
ミルドレッド (Eva Krassing) ロザリンダの知人、”ビッチ”
ベルンハルト (Andreas Prittwitz) コンソールシステム、ヒスマ社
セラーノ・スニェル (Eleazar Ortiz) フランコ将軍の義理の弟
フランコ将軍・・反乱軍、ナチスドイツと協力